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2001.08.22

創 作

 今日の聖書学者には、イエスはベトレヘムで生まれたのではなくナザレの出身だと考える人が多い。
 生誕日も、実をいうとはっきり分からないのだ。

 (中 略・・・※にもかかわらず著書にベトレヘム生誕の名画を掲載する理由について・・・)

 ・・・たとえ現代の聖書学者がイエス出生にまつわるルカ福音書やマタイ福音書の記述をイエス伝説から採ったものとみなし、それを《事実》でないと考えるとしても、これらの物語は人間にとって《真実》だったからである。

 長い長い人間の歴史の間、クリスマスの夜は子供たちに喜びと倖せを与え、生活に追われている大人たちに人生を振り返らせてきた。
 クリスマスの夜、人間は集まって共に何かを求め、何かに祈ることが出来た。
 クリスマスや受胎告知がたとえ創作であっても、その創作の動機は人間の悲しみから生まれたものであり、その創作は優れた芸術作品と同じように、《事実》よりはるかに高い《真実》だったのである。

                         『イエス巡礼』 遠藤周作 著

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