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2004.02.15

『誘惑のアフロディーテ』

チャンネルを回していたら、WOWOWで珍しくバッチリと映画が始まった
んで、そのまま見た作品。これまで、断片断片で見たような気がするけど、
ちゃんと始めから見たのは初めて。

1995年 米
監督:ウディ・アレン
出演:ウディ・アレン、ミラ・ソルヴィーノ、
   ヘレナ・ボナム・カーター

スポーツ記者のレニーと画廊経営を計画中のアマンダ夫婦は生まれた
ばかりの赤ん坊を養子に迎えた。養子に反対していたレニーも、
赤ん坊を見た途端にその可愛さにメロメロ。マックスと名づけた息子
はルックス、IQ、性格の三拍子揃った理想的な子供。
ところが一方で、夫婦仲は崩壊寸前に。自分の画廊が持ちたくて仕事
に打ち込むアマンダに不倫の誘惑が・・・。

そんなことも知らず、夫婦生活の隙間風を感じて淋しいレニーは、
好奇心も手伝って、息子の実の母親探しを始める。「この子の母は、
きっと素晴しい女性に違いない」と。

で、探し当てた母親というのはポルノ女優であり、娼婦。
息子が大きくなって、母親を知りたがった時、今のままの彼女で
は・・・とレニーは彼女にまともな生活をするようアドバイス。さらに
堅実な結婚ができるようにお見合いをセッティングしたりなどと、
彼女をどうしても放っておけない・・・。

そんなレニーの心を代弁する良心の声であり、狂言回しがギリシャ
悲劇風のコロス(合唱)の連中。随所に出てきては大げさに悲劇を
予言するが・・・。

全体的にウッディ・アレンらしい喜劇仕立てだけど、風刺は
しっかりピリリッと効いていた。
危機迫っていた夫婦が、突然、相手への愛に改めて気が付く・・・なんて
シーンはあまりにご都合的で笑ってしまったけれど、それを差し引
いても、親子や夫婦についての問題提起と余韻は見終わった後も
ずっと心に残っていた。

ともすれば観念的になりがちなテーマ、さらに観念的な言葉で
つむがれたギリシャ悲劇・・・それらをさらりと笑のベールに包み
ながら、深刻ぶらずに見せていくなんて、
やっぱ、ウッディ・アレンは上手いっ!

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