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2004.06.30

「思春期病棟の少女たち」

やっと、眼精疲労が収まった。
約二日近くも、目の痛みと頭痛に悩まされてPCもテレビも新聞も見ることが
できなかった。
これまでは丸一日、安静にして目を冷やしていれば翌日には治っていたのに、
今回は長引いた。

眼精疲労はPCから来るものと思っていたけど、今回は緑深い秋田県小坂町
でたっぷり緑を見て目を休めてきた。
その翌日に痛みに襲われたのは、なぜ?

それでさっき、ネットで「眼精疲労」を調べてみたら・・・
眼精疲労の原因はパソコンなどのOA機器だけではなかった。
電車の中での読書や寝る前の読書も眼精疲労を引き起こすという。
電車の中で座って読んでいても、電車自体小刻みに揺れているし、その
環境で活字を追うのは目にとって非常に負担となる。また、寝る前の読書
も姿勢によってはかなり目の負担になるという。

これですべて納得。
今回の小坂町行きは東北新幹線。その往復の電車の中で1冊の本を読ん
だ。読み始めるとかなり面白くて帰り着くまでに最後の20ページほどを残し
てほぼ読み終えていた。で、夜十時過ぎに自宅に戻ってから、ベッドに横に
なって最後の20ページを読み終えた。
今回、眼精疲労を引き起こした原因はこれだっ!
本を読み終えた充実感と引き換えに眼精疲労か・・・

眼精疲労って、本当に本当に辛いっす。
目の奥から頭に抜ける痛みって、じっと横になっている以外にどうしようもな
いし・・・
皆さんも気をつけてください。

ということで前置きが長くなったけど、新幹線の中で読んだ本がこれ。

shishunkibyoto.jpg『思春期病棟の少女たち』
スザンナ・ケイセン 著
吉田利子 訳
草思社 刊
1553円+税







ウィノナ・ライダー主演「17歳のカルテ」(2000年、米)の原作。
50錠のアスピリンとウォッカを飲んで自殺未遂、「境界性人格障害」と診断
され、ほぼ無理矢理に18歳で精神病院に入させられた著者の回想録で、
狂気と正気の危うい境界をとらえ、アメリカではベストセラーになった作品。

私は先に映画のほうを見ていたために、本を読んでいても主人公のウィノナ・
ライダーやリサ役のアンジェリーナ・ジョリーの顔が本の中の登場人物と重
なって、映画で描かれたシーンが本の中ではどう書かれているのか、それを
期待しながら読み進めた。

結論から言うと、映画と原作本は別物と思ったほうがいいということ。
ウィノナ・ライダーもアンジェリーナ・ジョリーも好きな女優で、映画は映画の
面白さがあり、原作は回顧録としての面白さがあった。
しかし、両方共に共通していたのは、大テーマであるはずの「狂気と正常の
境界の危うさ」が今ひとつ(表現として)伝わってこなかった・・・。
両方の境界がぼやけているからこそ「ポーダーライン」人格障害なんだろう
けど。

この本を読んだ動機は、ある中年の境界性人格障害の人物を理解するための
一助にということだったんだけれど、この本に描かれた思春期における境界性
人格障害と中年期のそれとは違ったレベルの人格障害らしい。ということは
分かった。

思春期における境界性人格障害・・・
私だって一歩間違えば、そういうレッテルが付けられたかもしれない。

思春期に「自分は生きていて価値があるのだろうか」などと考えるのは、異常な
ことではないと思う。
きっときっと、多くの人がそんな問いを通過して大人になっているはずだし。

ただ、現代の子供たちは以前の「思春期」の枠では理解できないほど、思春期の
始まりが低年齢化しているんじゃないだろうか。
特にパソコンの普及で子供といえどもどんな情報でも手に入れることができる時
代だから。
パソコンから溢れてくる仮想空間からの膨大な言葉、知識。
仮想空間と現実の乖離・・・
現実をきちんと教えなければならない大人は、子供たちの頭の中が仮想空間に
取り込まれていることに気がつかない。

以前、「テレビに子守をさせないで」という言葉が流行ったけれど、
まもなく「パソコンに子守をさせないで」という言葉が出てくるかもしれない・・・

大阪府河内長野市一家三人殺傷事件の少女も、長崎の少女殺傷事件の犯人
の少女も××人格障害と判定されるんだろうか・・・。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

…私は、いわゆる『精神障害』というものは、程度問題だと
思ってるんですよ。「何とか症候群」なんてのも。

『普通の人にもある傾向』が、日常生活・社会生活に支障が
出て『病気』と診断される。これは『関係障害』でしょうね。
自分の『外にあるものとの関係』をうまく作れない…障害。

これに対し『脳・脊髄の機能障害』と、精神障害を把握する
立場があるように思います。『脳障害』というか…

…実際には『両方の病』があるし、あるはずと、思いますが、
『向精神薬』の開発が、後者の領域を拡大してきたようです。

…薬が効かないのが前者、原因が分からないのが後者になる?
そんな診断傾向みたいですが…医者じゃないので分からない。

…私の狭い交友範囲の中では「薬の副作用」も結構あります。
もとは、関係に馴染まない程度だったのが、「薬の副作用」で
精神疾患みたいになった。この頃は、そんな「強い薬」を使う
医者は減ったみたいだけど。疾患が重くなるケースもある。

…どっちかというと、純粋な人、不器用な人、真面目な人が、
『関係障害』に陥るような気がしますけどね。

…人生のどこかで『歪んだ人間関係』しか、築けなくなった
そんな人も、いるのかな?…境界の人も、そうかな?


投稿: たまり | 2004.07.01 21:06

確かに精神障害って、本当に判定というか診断が難しいと思います。

たまりさんのいう『関係障害』・・・これは生育暦や本人の気質や環境やストレスの
種類や度合いなど、様々な要因が絡み合って「障害」というカタチで発現する、のかな。

一方、例えばうつ病やパニック障害、統合失調症などは脳内の神経伝達物質の
代謝異常というのが分かってますね。

>…薬が効かないのが前者、原因が分からないのが後者になる?

後者の場合も、原因というか発現のきっかけは前者と重なるようです。

私がよく分からないのは、とくに後者と診断する根拠。
他の病気であれば血液や尿中の成分の分析、加えてX線やCTやMRIなどで病気
の部位や重篤度を診断できるけど、精神障害の場合、どうなんだろう?

脳内の神経伝達物質の代謝異常を化学的、客観的に診断する方法はないんでしょう
かねぇ。
私の知っている限りでは、例えばうつ病の場合、問診によってのみ診断されて、
投薬される。その後も問診によって、薬の効き目の有り無しや、薬の種類や量の
加減などが決められる。
単純にいえば医者の「サジ加減」なわけで、あきらかな「副作用」が出てはじめて
薬が合ったの合わなかったのって、なんか怖いです。

しかし、逆に言えば後者の場合は薬が効果的に効けば、症状は軽減、あるいは
治癒するわけで。
薬の効かない前者のほうが厄介なんだわ。

それにしても、某掲示板は明らかに『関係障害』の電波系の方々も常駐して
らっしゃるようで・・・。
ネットというメディアの中では彼らは「水を得た魚」?(苦笑)

投稿: ラブママ | 2004.07.03 09:40

脳神経伝達物質の『代謝異常が原因』という考えは後者です。
薬物を与えるのは『対症療方』ですよ。たいていの場合。

『うつ病』もそうじゃない?悲観的になって自殺しないように
何といったか、楽観的になる薬を投与する…効果を確かめる。
それだけですよ。たぶん。『原因に作用する』薬じゃなくて、
『症状に対処する』んだけど、原因=症状と考えてると思う。
『症状が薬で消えれば、それで良い』という考え方ですね。

前者と後者の『考え方の差』は、例えば『糖尿病』なんかで、
考えれば良いかな?『インシュリンの分泌異常』が、原因か?
ってことですよ。インシュリンの欠乏が糖尿病を起こすことは
分かってるけど。それが原因か?っていうと、違う気がする。

『糖尿病』でも、急性のものと慢性のものに、分けられてる。
急性のものは分泌異常だろうけど、慢性のものは生活習慣病。
いわゆる『生活習慣病』とは、周辺の『モノとの関係異常』と
いう見方も出来ると思います。人との関係異常じゃなくてね。

…たとえば『依存症』なんかで考えれば、理解しやすいかも。
『原因』は、色んな『ストレス』だろうと思うけど。解消する
ために、アルコールや、薬物や、パチンコや、買い物なんかに
『依存する』ことになる。コレはモノとの関係異常に思える。

…『人との関係異常』が、統合失調症なんかにあらわれてる。
遺伝が同じはずの家族兄弟のなかでも『誰か』にあらわれる。
そうすると環境だとか、性格(キャラクター)とかに、原因を
求めるんだろうけど、キャラクターも、人間関係で作られると
思います。人との関係で『役割』を引き受けることにでね。

…あ。ラブママさんは『役割』に関しては専門でしたね(笑)
『役割』で、ある程度、人の動きは、決まってるんじゃない?
何を『どう感じるか』という、感覚・感受性の『差』もね。

確かに、人が受ける『ストレスの量』が、一番大きい要素だと
思うけど。ストレスを、人が『どう感じるか、受け取るか』も
大きい要素じゃないかと思います。気質・環境…になるのな?

…薬で症状が治まれば、それで「治療は終り」でいいのかって
ことです。

投稿: たまり | 2004.07.05 09:05

精神障害だけでなく、内臓疾患も、悪性腫瘍でさえストレスが発症の原因の一つに
あげられますね。

依存症の場合は、現象面ではモノとの関係異常に見えるけれど、原因はやはり人
との関係異常なんですよね。

どのケースにしても投薬治療は「対処療法」だと私も思います。
(アメリカ以外の国の場合は分かりませんが)アメリカではカウンセリングが普及
していて、ちょっとストレスが掛ると気軽にカウンセリングを受けに行くようだし、
日本も投薬だけでは解決できない心の部分をカウンセリングでもっともっとフォロー
できる体勢になればと思います。

今の日本の精神科、心療内科でさえ投薬治療と平行してのカウンセリングってちゃん
とやっているのかな?と疑問です。

ドラマは「葛藤」であるっていわれてます。
人との関係で「役割」を逸脱したり、「役割」が破綻したりでもつれにもつれた関係を、
いろいろな切り口から解きほぐしていくプロセスを描く。それがドラマ。
言い換えれば薬を使わず「人との関係異常」を追求してカタルシスを得る・・・
うむ、ドラマについて新しい解釈を得た気分(笑)

投稿: ラブママ | 2004.07.06 05:04

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『思春期病棟の少女たち』を読んだ私の鬱病処方箋
[Art Grey]
スザンナ・ケイセン著『思春期病棟の少女たち』を読んだ元鬱病患者の感想…のようなもの。 [続きを読む]

受信: 2005.04.23 19:38

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