映画『Lost In Translation』
先月見た映画、忘れないうちにUPしときます。
邦題:ロスト・イン・トランスレーション
原題:Lost In Translation
監督・脚本:ソフィア・コッポラ
出演:ビル・マーレイ
スカーレット・ヨハンソン
製作:2003年
受賞:第76回アカデミー賞 オリジナル脚本賞
久々にビル・マーレイが見たくて、新宿武蔵野館のレイトショーへ。
期待に違わずコミカルな部分とシリアスな部分を上手く演じていたビル・マーレイ。
まず第一の感想は、この作品、評価(好き嫌い)が二分するだろうな・・・って感じ。
説明セリフはほとんどない。心象を反映する風景・・Tokyoのきらびやかさと猥雑さが男と女、それぞれの内面の孤独感を際立てる。直感的に同質の何かを感じて、近づいていく二人の心・・・
それらを見落としてしまうと、きっと何が言いたいかハッキリしない映画になってしまうかも。
ワタシ的には・・・
見終わり、時間が経つごとに“せつなさ”がじわじわと沁み込んで来て、余韻がいつまでも残る良い映画だった。
ストーリーはシンプル。
ウィスキーのCM撮影のために来日したハリウッドのスター・ボブは文化や言葉のせいで意思疎通がうまくできずナーバスになっている。また、価値観の違う妻からの責立てるようなfaxに落ち込み、眠れない夜をすごしている。
一方、カメラマンの夫の仕事について来たシャーロットは、夫が仕事に出た後の一人の時間を持て余し、寂しさを感じている。
ホテルのバーで会話を交わした二人は、一緒に街へ出かけるようになり、やがて互いに心を通わすようになる・・・
Lost In Translation・・・翻訳(通訳)不能
これって、きっと言葉の問題だけじゃない。男と女の間でも、また人間同士だって、どんなに言葉を尽くしたって翻訳不能・・・真意が伝わらないことはよくあること。
夫婦、恋人の間にそれが起こった場合、辛いよね。
でも、この二人はそれぞれの抱えている孤独感は“肉体を交わす”ことでは決して埋まらないということを知っている。
きっときっと、そこのところが見終わった後の切なさとして、ずっと心に残るんだと思う。
それに、ラストのあのシーン(ネタバレになるのでカット・笑)、もうお見事!
それからすごく嬉しかったのは、音楽に“はっぴいえんど”の「風をあつめて」が使われていたこと。
自分の好きな歌を思いがけないところで突然聞くって、ホント嬉しいね。
余計この作品が好きになってしまった。
んで、ソフィア・コッポラの作品もっと見たくなりました。
蛇足ですが・・・
CM撮影のシーンが日本人をバカにしているとか、類型的だとかの批判があるようだけど、私としては「こんなPやDやコーディーネーター(通訳)絶対いるよ。ムハハ」って感じでかなり笑わせてもらいました。
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