« Xmasパッチワーク | トップページ | 初雪 »

2004.12.28

詩人・石垣りんさん


       表  札

     自分の住むところは
     自分で表札を出すにかぎる

     自分の寝泊まりする場所に
     他人がかけてくれる表札は
     いつもろくなことはない

     病院へ入院したら
     病室には石垣りん様と
     様が付いた

     旅館に泊まっても
     部屋の外に名前は 出ないが
     やがて焼き場のかまにはいると
     とじた扉の上に
     石垣りん殿と札が下がるだろう

     そのとき私がこばめるか?

     様も
     殿も
     付いてはいけない

     自分の住む所には
     自分の手で表札をかけるに限る

     精神の在り場所も
     ハタから表札をかけられてはならない 

     石垣りん
     それでよい

               石垣りん第2詩集「表札など」より


26日、詩人の石垣りんさんが亡くなられた。84歳。

詩を書いていた頃から石垣さんの詩が好きだった。
ただ、私は石垣さんのように日常の言葉で、あんなに力強い詩を書くことができなかった。

当時私の夫だった人も詩人で、難解といわれる現代詩を書く人だった。
どちらかというと私も、日常の言葉で書くというよりも、感情を凝縮して独自の言葉を紡ぎだす現代詩傾向の強い詩を書いていた。

だからこそ、余計、石垣さんのダイレクトに理解できる力強い言葉の数々に惹かれたのかもしれない。

ご冥福、心よりお祈りいたします。

|

« Xmasパッチワーク | トップページ | 初雪 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 詩人・石垣りんさん:

« Xmasパッチワーク | トップページ | 初雪 »