映画『助太刀屋助六』
映画監督・岡本喜八さんが19日午後0時半、食道がんのためご逝去。81歳。
独特のテンポとユーモアで、多数の作品を残しているが、私は今年に入ってたまたま『助太刀屋助六』を見た。この作品が最後の映画作品だったのね。
監督・脚本 : 岡本喜八
原作 : 生田大作 「助太刀屋」より
音楽 : 山下洋輔
和太鼓 : 林 英哲
出演:
助太刀屋助六:真田広之
お仙: 鈴木京香
太郎: 村田雄浩
榊原織部:岸部一徳
オトメ :岸田今日子
棺桶屋: 小林桂樹
片倉梅太郎: 仲代達矢
【内 容】
Amazon.co.jpより
仇討ちに加勢する助太刀屋稼業にハマり、「助太刀屋助六」を自称する主人公(真田広之)が、生まれ故郷の上州に帰ってくる。時あたかも脇屋新九郎(鶴見辰吾)と妻木涌之助(風間トオル)が兄の仇討ちをしようとするところで早速売り込む助六だが、あっさりと断られてしまう。仇討ちの検分役である関八州取締出役・榊原織部(岸部一徳)が到着し、仇討ちが始まる。脇屋たちの仇である侍の片倉梅太郎(仲代達矢)は斬られ仇討ちは終わるが、実は彼こそ助六の父親だった。
終始ハイテンションな真田広之が、画面狭しと飛び、跳ね、駆け回り、この時代劇アクション・コメディーを強引なまでに引きずり回す。90分弱といったコンパクトな上映時間に、岡本監督得意の軽快な演出と、芸達者な俳優陣の、ひとくせありそうな演技が詰まっている佳作。冒頭の仇討ちシーンにちらと顔を出す、岡本作品常連の怪優・天本英世の不気味さが目を引くが、彼にとってこれが最後の岡本作品出演となってしまった。
【感 想】
映像にも、もちろん音にも独特のテンポがあって、棺桶屋の叩く音さえもユーモラス。心地よくストーリーの中に引きずり込んでくれる。真田広之サンや鈴木京香サンが役柄にしては年が食いすぎてても、そんなこと気になりません(笑)
以前、『ジャズ大名』を見た時は嘘?! 嘘?! 嘘?!などといちいち反応しながら見ていたらあっという間に映画が終わっていた。その時に比べたら、ストーリーは分かりやすいし、最後は西部劇のような爽快感もあって、これが喜八流なんだろうな。
岡本喜八監督、楽しい作品をたくさんありがとう!
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コメント
『日本の一番長い日』に、母校の講堂が
使用されていました。懐かしい話ですが、
実は、まだ映画を見ていないのです(笑)
…今度、見てみよう。
投稿: たまり | 2005.02.21 14:50
へぇ~、40年位前ですかね、撮影は。
この映画は学校からみんなで見に行ったような記憶が
あるなぁ・・・(記憶ぼやけてますが)
私ももう一度見て見たくなりました。
独特の喜劇ものの一方、戦争にこだわった作品も多々あり、
『独立愚連隊』なども改めて見て見たくなりました。
投稿: ラブママ | 2005.02.22 07:35