映画『エレファント』
『エレファント』 2003年 米
監督・脚本・編集 : ガス・ヴァン・サント
出演
ジョン・ロビンソン
アレックス・フロスト
エリック・デューレン
イライアス・マッコネル
ティモシー・ボトムズ
【ストーリー】
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=319046 より
1999年に起きた米コロラド州コロンバイン高校の銃乱射事件をモチーフに、「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」のガス・ヴァン・サント監督が、事件が勃発するまでの高校生たちの一日を淡々と描いた青春ドラマ。
なお、本作は2003年カンヌ国際映画祭でパルム・ドールと監督賞のW受賞という史上初の快挙を果たした。
オレゴン州ポートランド郊外のワット高校。ある初秋の朝、生徒たちそれぞれの、いつもの一日が始まる。ジョンは、酒に酔った父と車の運転を交代して学校に到着。だが、遅刻した彼は校長から居残りを言い渡される。写真好きのイーライはポートレート制作の真っ最中。女子に人気のアメフト部員ネイサンはガールフレンドと待ち合わせ、食堂では仲良しの女子3人組がダイエットや買い物などの話で持ちきり。そんな中、いじめられっ子で内向的なアレックスとエリックは、ネットで入手した銃器を手に学校へ向かっていた…。
【感想】
静かで美しい初秋の風景。カメラは淡々と数人の生徒たちを追っていく。
クライマックスは分かっている。
いったいどこにクライマックスへの伏線があるのか? 原因となった何かがどういうふうに描かれているのか?
息を詰めて、交錯する生徒たちの時間を見つめ続ける。
だが、普通のドラマに描かれるような「動機」を説明するようなストーリーは一切ない。また、誰かに感情移入できるような作り方もしていない。
アレックスとエリックがネットで銃を入手したシーンで、突然、マイケル・ムーアの『ボーリング・フォー・コロンバイン』が私の頭の中に重なった。
いとも簡単に銃を手にし無邪気に笑い合うアレックスとエリックにアメリカの現実を見る。
「この事件を誰が、どうすれば止められたのか?」
この映画で、ガス・ヴァン・サントは見るものすべてに大きな質問を投げかけた。
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