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2005.07.09

公開シンポジウム『テレビを変えなくちゃ!』

午後1時より北千住駅前の「シアター1010」へ(30分遅刻したけど・・・^_^;)

私が所属している日本放送作家協会主催の公開シンポジウム『テレビを変えなくちゃ!』を聞きたくて行ってきました。

参加パネリスト
 音  好宏 (上智大学助教授・メディア論)
 坂本  衛 (ジャーナリスト・前GALAC編集長)
 日下 雄一 (テレビ朝日 報道局・統括プロデューサー )
 高橋 康夫 (NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー) 
 竹内日出男 (もとNHKにて演出・制作 脚本家・協会員 )
 香取 俊介 (もとNHK 脚本家・協会員) 

司会
 安達  充 (放送作家 「放送を考える委員会」委員長)


第1部NHK  第2部民放  第3部放送の未来

上記三部構成の予定・・・だったけれど、ほとんどの時間、「NHK問題」に費やされた。

結論からいうと・・・
★NHKを民放化すべきではない
  視聴率や商業主義に左右されないNHKでしか作れない優秀な番組も多い
★世界的に見てNHKの視聴料の設定は公平ではない
  公共放送維持のために視聴料は必要だが、その中身や徴収の仕方は見直しが必要
★現NHKの体制は「社会主義」
  体制を「民主主義」に変革して、優秀なマンパワーをちゃんと育てていくべき

等など、それらのことで予定の4時を過ぎて、1時間オーバーの5時に終了。
実際のテーマは「NHKを変えなくちゃ!」・・・
正直言って、期待していた内容と違ってちょっとガックン・・・(ーー;)

私が聞きたかったことは・・・
☆例えば、サマワの自衛隊情報で日本の大手メディアと現地メディアからの情報の差について、テレビを含めた日本のメディアはきちんとメディアとしての役割を果たしているのか?

☆北朝鮮情報に関して、現体制の特異性を取り上げる番組が多いが、拉致問題や飢餓問題に関してテレビメディアならではのアプローチが弱いのではないか?

☆世界有数のODA援助国の日本だけど、円借款の財源は約30%が財政投融資(郵便貯金などからの資金)だという。もし郵政民営化が実現したなら、その財源はどうなるのかなど、世界情勢や国民生活に密着した視点から政治をわかりやすく国民にアピールする番組を作れないのだろうか?

等など、自分の勉強不足を棚に上げて、聞きたかったことがたくさんあったんだけどね・・・

とくに日下雄一氏は『朝まで生テレビ』『鳥越俊太郎のザ・スクープ』『サンデー・プロジェクト』等の番組を作った名プロデューサー。『ザ・スクープ』の打ち切り問題の裏話を聞きたかった。
また、その機会があることを期待して・・・

最後の30分の質疑応答、この時に一つ、聞けてよかった発言があった。
「テレビと少年犯罪」の係わりに関する質問に対して・・・

パネリストのお一人が「テレビのせいにしないで下さい」とキッパリとおっしゃった。

このパネリストの発言に、私も同意する。
「テレビ番組のせいで犯罪に走った」という統計はどこにもない。
少年犯罪の元を辿れば「家庭・家族」の問題に行きつくのだ。

先日も某少年が両親を殺した事件の時に、ある番組で「ゲーム脳」の著者に出演させて、少年犯罪とゲーム脳を語らせていた。
この「ゲーム脳」に関しては出版以来、科学的・医学的に多くの間違いが指摘されている。
なのに、番組の制作者は安易に事件が「ゲーム脳」のせいで起こったような番組作りをしていた。
もし、たとえゲームやテレビ番組が少年犯罪を誘発する要因の一つにあったとしても、本当の根はそれではないと思っている。

テレビを変えるためには・・・
見る側も、作る側も、メディア・リテラシー(メディアを読み解く力)を高めることが一番大切かも・・・

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