映画『パパってなに?』
1997年 ロシア・フランス
監督: パーヴェル・チュフライ
製作総指揮: セルゲイ・コズロフ
脚本: パーヴェル・チュフライ
出演: ミーシャ・フィリプチュク
エカテリーナ・レドニコワ
ウラジミール・マシコフ
アマリヤ・モルドヴィノワ
リディヤ・サヴチェンコ
アンナ・シツカトゥロワ
オルガ・ペシコワ
【ストーリー】
1952年秋。6歳の息子サーニャを連れた若く美しい未亡人カーチャは、行く当てもなく列車に乗る。サーニャは父親を知らない。サーニャが生まれる前に戦争で死んでしまい、カーチャはひとりでサーニャを産んだからだ。当てもなく列車に乗った二人きりの母子は、そこで、強くたくましい軍人トーリャに出会う。男らしく堂々としたトーリャと、カーチャはたちまち恋におち、早朝、3人は小さな田舎町で列車を下りる。そして、カーチャはサーニャに言った。「これからはトーリャおじさんをパパと呼びなさい」。大勢の隣人が住む共同住宅で部屋を借りた3人は、家族として一緒に暮らし始める。しかし、サーニャはトーリャをパパと呼べない。なぜなら、サーニャには、会ったことのない父親の幻影がときどき見えるからだ…。
http://www.minipara.com/movies2000-3rd/papa/index.shtml より
【感想】
生まれる前に父を亡くしたサーニャは初めて大人の男と暮らすことになる。
一見、乱暴で悪の匂いのする男・トーリャ・・・
こうなると分かっていながらも、美しい母・カーチャを挟んでの息子と男の三角関係にはハラハラ・・・
「こんな男、早く別れればいいのに」とついサーニャの立場に立って見ている。
しかし、トーリャと生活する中で、サーニャはそれまで知らなかった(父から教えてもらえなかった)男の在り方を教えられていく。
戦争で何もかも失った男の生きざまはしたたかだった。
そんなトーリャを拒否しながらも、いつの間にか彼の中に父性を見ているサーニャ。
結末は悲しい・・・
スターリン時代の庶民の貧しさと、映像に刻まれた戦争の傷跡が、その悲しさをさらに際立たせる。
戦場や戦闘を描くことだけが戦争映画じゃない・・・そんなことを考えさせてくれた作品だった。
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