映画『鬼教師ミセス・ティングル』

監督・脚本:ケヴィン・ウィリアムスン
製作:リチャード・N・グラッドスタイン/キャシー・コンラッド
出演:ヘレン・ミレン
ケイティ・ホームズ
マリサ・カフラン
バリー・ワトスン
【ストーリー】
オハイオ州の小さな町にあるグランズボロー高校に通うリー・アンは優等生だが、 母親が女手一つで家計を支えているため、 オールA評価を取って奨学金を受けなければ希望のハーバード大学に進学することができない。
しかし、 どういう訳か歴史教師のミセス・ティングルだけが何かと難癖を付けて、 リー・アンを不当に低く評価する。
冷酷非情な態度で生徒を傷つけることを生き甲斐にし、校長や同僚からも忌み嫌われている“鬼教師”ミセス・ティングル。
自由研究の課題に最後の望みをかけたリー・アンだが、 ミセス・ティングルの酷評に合いA評価は絶望的。元ボーイフレンドのルークは、そんなリー・アンのために試験問題を盗み出し、彼女に渡してしまう。
リー・アンのバッグの中に試験問題を発見したミセス・ティングルは、校長に報告し、退学処分にさせると言い放った。奨学金どころか退学処分の危機に陥ってしまうリー・アン…。
弁明のためにミセス・ティングルの家を訪ねたリー・アンと親友のジョー・リンとルークは、ミセス・ティングルに無視され口論となり、誤ってミセス・ティングルを失神さてしまう。
そして、ミセス・ティングルをベッドに縛りつけ、成り行きで監禁してしまう。
ついに鬼教師と生徒達の壮絶なバトルが始まった・・・。
【感想】
だいぶ前に『鬼ママを殺せ』(主演:ダニー・デビート&ビリー・クリスタル)という映画を見た。ヒッチコックの『見知らぬ乗客』がベースになっているブラック・コメディだ。ここに出てくる鬼ママは確かに憎ったらしかった。
なのでぽすれんの映画タイトルに『鬼教師ミセス・ティングル』を発見した瞬間から、この映画は見ておかなくちゃ・・・と思い続けて、ようやく見た。
仕事柄、一番見たいのは登場人物のキャラクター設定。鬼とつくほど強烈なキャラっていったいどんなや? って感じで。
で、見終わった感想としては・・・ホラーでも、サスペンスでもないし、ブラック・コメディでもないし・・・なんか中途半端。
『スクリーム』や『ラストサマー』などの脚本を書いているケヴィン・ウィリアムスンの初監督・脚本作品ということで、ホラー部分もかなり期待していたんだけどね。
言葉の暴力で生徒をズタズタにする教師は確かにひどすぎる。鬼といわれても仕方がない。
だけど、それに対抗するのに生徒が教師をベッドに縛り付けてさるぐつわを咬ませて監禁した上で、スキャンダル写真を捏造し、採点済みの成績を書き換え、その家でもと彼とセックス・・・。
う~む、生徒の方もおバカに見えてくる・・・。
ただ、この映画から強く感じたのは、本当のホラーは人の心の闇に潜む ということ。
なぜこのように冷酷非道なミセス・ティングルという人間が生まれてしまったのか?
この映画がホラーでないと分かってから、私の関心はそのことに移った。そしてついに、ミセス・ティングルが自分の過去を明かした。
お~、それでミセス・ティングルの過去と主人公リー・アンの出生に隠された秘密があったりして・・・とやっとワクワクドキドキしてきた。
が、が、な~んも秘密なんかなかった・・・
というわけで、やっぱり最後まで中途半端な印象の映画でした。
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