映画『トゥルー・ストーリー』
1996年 イラン
製作・監督・脚本:アボルファズル・ジャリリ
キャスト:
サマド・ハニ
アボルファズル・ジャリリ
メヒディ・アサディ
モハマド・アシャエリ医師
ファズル=アリ・アシャエリ医師
オミッド・ロハニ医師
マリヤム・アシュラフィ
ミラド・ジャリリ
【ストーリー】
次回作“時計の息子”の主役を探してたくさんの少年をビデオに収めていくジャリリ監督。なかなか思うような少年に出会えず、諦めかけていたとき、たまたま立ち寄ったパン屋で役にピッタリの少年を見かける。
さっそく翌日出演交渉に向かうが、少年は既に解雇されていた。ジャリリはなんとかその少年・サマドを見つけ出すが、サマドから脚が悪く早急に治療しないと命に関わるという事実を聞かされる。
思い悩んだ末、ジャリリは“時計の息子”の撮影を中止し、サマドの治療を助けることを選ぶ。そして、その模様をカメラに収めることにした。
http://www.discas.net/d/d/s?ap=c_goods_detail&goods_id=167266405 より
【感想】
サマド少年と出会ったことで悩むジャリリ監督。そして決意する。
「映画製作を優先させ、サマドを放っておくわけにはいかない」そして「その過程こそが映画になるはずだ」
ジャリリはサマドの家族を尋ねたり、足の手術シーンをそのまま撮影させてくれる医師を探して動き回る。
日本の私たちから見たら、この映画に描かれたイランの現実はあまりに貧しく悲惨に見えるだろう。
しかし、サマドを救うためにまず人間として奔走する監督、そして15歳にして11もの仕事を経験しているというサマドの明るい笑顔・・・それらを見ていると決して暗い気持ちにはならない。
どんな過酷な状況でも映画を作り続ける監督、そしてたくましく生きている少年に、人間の強さを教えられる。
ただ、映画としては何かが足りないような中途半端さを感じてしまった。
途中からドキュメンタリーにチェンジしたせいかも。
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