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2005.12.10

境界性人格障害(5)

境界性人格障害(2)の記事に関して『境界に生きた心子』の著者・稲本雅之さんから下記のコメントがありました。

【 境界性人格障害と自己愛性人格障害はどちらも、10種類ある人格障害のひとつですが、自己愛性人格障害が境界性人格障害のひとつとするものがあったでしょうか? 両者は隣接する人格障害で重なり合う場合もありますが、独立した人格障害として分類されています。 】

私は記事の中で、自己愛性人格障害というのは境界性人格障害の中の一つのパターンです。】と書いています。
改めていろいろと資料を読み直してみて、私が大きな勘違いをしていたということが分かりましたので、稲本さんへのレスも含めて、ここでもう一度、整理しておこうと思います。

稲本さんからご指摘いただくまで、私はてっきり【境界例】というのはすべてのパターンを含む人格障害の総称と思いこんでいました。

下にも書いたように【自己愛性人格障害】を調べようとして一番最初に読んだ文章が【境界例と自己愛の障害からの回復】HPの中の【境界例とはなにか 】で、その中の苦痛回避の行動パターン(依存強化型・自己愛型・攻撃型・快楽型・引きこもり型・理想化型から分裂型)人格障害のパターンと混同・思いこんでしまっていました。

4791104986 その後、何冊かの本を読みました。
例えば左の
境界性人格障害=PBD はれものにさわるような毎日をすごしている方々へ
  ポーメ・メイソン&ランディ・クリーガー 著
  荒井秀樹 等 訳
  星和書店

境界例と自己愛の障害 理解と治療に向けて
  ライブラリ 思春期の“こころのSOS” 8
  井上果子&松井 豊 著
  サイエンス社 

4794205562  映画にもなった

思春期病棟の少女たち
  スザンナ ケイセン  著
  吉田 利子 訳
  草思社

DVD『17歳のカルテ
  出演: ウィノナ・ライダー, アンジェリーナ・ジョリー, その他
  監督: ジェームズ・マンゴールド

等などを読んだり、観たりしたのですが、どの本も今ひとつ自分の中では満足できない、もやもやとした気持ちを抱いていました。

その原因は・・・・・

先に書いたように、今の今まで、自己愛性人格障害境界性人格障害(境界例)の中の一つのパターンだと思い込んでいた から。
だから、境界性人格障害を扱った本や映画の中に自己愛性人格障害の例が含まれていないことで、いまいち納得できないものがずっとあったわけで・・・(ーー;)

そもそも私がそれらに関心を持ち始めた動機はネットストーカーと言われる一人の女性を理解したいという思いからでしたから、私としては自己愛性人格障害に関する具体的記述を境界性人格障害を書いた本の中に求め、探し続けていたというわけです。

う~む、満足できるはずがない・・・(リンクする部分はあったとしても)境界性人格障害自己愛性人格障害は違うものだったんだから。

そのことにやっと気がつきましたので、ここで、【「自己愛性人格障害」というのは「境界性人格障害」の中の一つのパターンです。】という記述を【それぞが別々に分類されるパーソナリティ障害】というふうに訂正させていただきます。

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コメント

 素早いリアクション、恐縮です。 (^^;)

 僕も境界例の勉強を始めた最初のころに【境界例と自己愛の障害からの回復】HPを読み、非常に参考になりました。
 でも「苦痛回避の行動パターン(依存強化型・自己愛型・攻撃型・快楽型・引きこもり型・理想化型から分裂型)」という分類は筆者独自のもので、他ではこういう用法は見られません。

 ちなみに、拙著「境界に生きた心子」の心子は、自己愛的なところもありました。
 それが上記の「自己愛型」に当たるでしょう。
 一方で心子は猛烈な自己卑下に陥り、存在価値など見出せない自己否定にむしばまれていたわけですが。

 それから「境界例」という言葉は元々、統合失調症(精神分裂病)と神経症のどちらにも入らない境界の症例という意味ですが、
 現在は「境界性人格障害」として位置付けられ、「境界例」は正式な診断名には使われなくなっています。

 僕は拙著の中では、
「『境界例』という言葉は『境界性人格障害』より広い領域を指すもので、通りのいい用語として使われている。」
 と書いています。
(これも【境界例と自己愛の障害からの回復】HPからの知識です (^^;)。)

 でも拙著の紹介文などでは細かい説明ができないために、「境界性人格障害(境界例/ボーダー)」という書き方などをしていて、境界性人格障害=境界例=ボーダーのように読めてしまい、止むを得ないことかと思っています。

(もう少し詳しい記事が、僕の下記のページにあります。
 TBもしました。)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/16897685.html
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/18037993.html

 境界性人格障害は10種類の人格障害の中で最も中核的なもので、単に「人格障害」というと「境界性人格障害」を指しているというような場合もあるかもしれません。
 特に境界性人格障害と自己愛性人格障害は隣り合っているものなので、清水さんが誤解されていたというのも、無理はないのではないかと思います。 (^^)

 それではまた今後もよろしくお願いいたします。m(_ _)m

投稿: 稲本 雅之 | 2005.12.10 12:15

いやはやあんな基本的なことを勘違いしていてお恥ずかしい限りです。

以前、何かのパーティでお会いして稲本さんと境界性人格障害のことを話していた時も、私の中には微妙に違和感があったんですよ。
この基本的勘違いが原因だったんですね(^_^;)

やっとスッキリしました。

こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。

投稿: ラブママ | 2005.12.11 06:56

 ご丁寧な年賀状をいただきました。昨年9月に母を亡くしましたので、年始の挨拶は遠慮しておりました。
 寒さ厳しき折から、体調に留意されて、より一層のご活躍を期待しています。

投稿: 戸田 泰和 | 2006.01.04 13:07

>戸田様

コメントありがとうございました。

ところで、本当に失礼かと思いますが・・・
戸田さんとはどちらでお会いしましたでしょう?

私の方から賀状は出していないのですが、
どなたかと間違ってらっしゃいませんでしょ
うか?

投稿: ラブママ | 2006.01.07 14:12

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受信: 2005.12.10 12:10

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受信: 2005.12.10 12:11

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