追追記:反省。問題はJBCではなく・・・
WBC世界フライ級タイトルマッチの“反則指示”問題で「JBCは青少年に与える影響を考慮して、きちんと結論を出して欲しい。」と書いたが、JBCは結論をすでに出しているというコメントをいただいた。
そうなんだよね。15日にJBCは亀田父を含めて厳重な処分を科している。
なのに、このスッキリしないもやもや感はなんなんだ・・・
ということで、もういちど経過を自分なりに整理してみる。
●10月11日 WBC世界フライ級タイトルマッチ
●10月12日 日本ボクシングコミッション(JBC)が反則行為に対して厳重な処分を検討開始
■亀田史郎氏コメント発表
「反則行為は、故意ではありません。大毅の若さ、精神的な未熟さが出た結果だと思います。セコンドについたトレーナーとして大毅の反則行為を止められなかった事は反省しております」と指示への関与を否定して謝罪。
さらに「ただこれも闘志の表れであって、結果として反則行為となってしまったことをご理解していただきたい」と訴える。
■兄・興毅が釈明 「ヒジで目入れろは亀田家用語」
セコンドについた興毅が、発言を認め、誤解を招く表現だったと訴えた。
「あれは亀田家のボクシング用語で誤解されてるようなもんやない。あれはヒジを上げてしっかりガードして、目の位置を狙えいう意味」と釈明した。
また、内藤陣営が訴えるサミング(親指部分での目つぶし攻撃)についても「今のグラブはサミング出来へんように親指のところが縫いつけられてるから、サミングなんて出来るわけあらへん」
■大毅のコメント
「今回は完敗やった。それは素直に認める。体と心をもっと鍛えてまた世界の舞台に立ちたい」
ファンに「ぶさいくな試合をしてもうてほんまに悪いと思ってる」と謝罪。
■JBC
最終ラウンドで大毅が王者の内藤を2度投げたことを、選手生命を危機にさらす悪質行為と見ており、大毅本人の処分を検討。
セコンドの亀田史郎トレーナー、所属の協栄ジム・金平桂一郎会長の監督責任も追及される見込み。
セコンド陣の反則行為への“指示疑惑”も浮上。
安河内事務局長「ビデオ検証で実態が把握されれば、即日厳罰処分もある」
■金平会長
JBCに謝罪。15日の東日本協会の理事会には謝罪文を提出予定。
●10月13日 父・史郎氏3カ月間謹慎申し入れ
史郎氏、東日本ボクシング協会の大橋会長を訪ね、一家3人全員が3カ月間謹慎すると申し入れ。
●10月15日 JCB亀田親子に厳罰処分
東日本協会の理事会が決定した処分の要望を受け、JBCが倫理委員会を開会。厳罰処分。
事前に協栄ジムが「一切の処分を受ける」としたことで、亀田家は事情聴取されないまま処分決定。
■挑戦者の大毅:1年間の出場停止
■父・史郎トレーナー:反則行為を指示したとしてセコンドライセンスの無期限停止。
これは過去に刑事事件を起こして処罰されたライセンス保持者よりも重いもの。過去の“判例”では殺人未遂事件の被告に無期限、窃盗罪で3か月、道路交通法違反で6か月、詐欺罪で6か月の出場停止などがあるが、犯罪者以上に重い“懲罰”となった。
■兄・興毅:史郎氏とともに反則行為の指示をしたとして厳重戒告
■JBC委員会後の会見
倫理委の斉藤慎一委員長「世界戦だから処分が重い」とし、史郎氏の厳罰について「刑法で例えれば、はく奪は死刑に等しい。無期限は無期懲役で、謹慎の情が深ければ許されるようなところがあるが、今のところ考えていない」と、処分を解く考えのないことを明かす。
斎藤委員長「倫理委の中で厳しすぎるという意見も出たが、1年たっても19歳。苦労を乗り越え前進すれば立派な王者になれる可能性もある」
安河内事務局長「1年間、試合はできないが観客として試合会場に入ったり練習することを忌避するものではない」と強調。
ライセンス停止に伴いJBCでは史郎氏にボクシング指導も禁止。
同時に東日本協会からは、クラブ制度に違反するとの理由で、今後は東京・新宿の協栄ジムでのみの練習を許し、亀田家が東京・葛飾の自宅で行う独自練習も禁止に。
JBCでは16日から亀田側の提訴を受け付ける。
■史郎氏、深夜にファックスでコメント送付
史郎氏「本日のJBCの裁定を受け、簡素ながら、率直な気持ちとして、下記のようにコメントを発表させていただきます」
「自分が受けた処分には納得しています。自分と大毅はこの反則行為に関しても深く反省しております」
だが、大毅の1年間出場停止については「段階的に考えてもいきなり1年間のライセンス停止処分は重いものではないでしょうか。ボクサーとして成長期にある18歳の大毅にとって、1年間はあまりにも長いと思います」
●10月16日 協栄ジム・金平会長 緊急謝罪会見
金平桂一郎会長「アポイントを取った上で内藤選手と宮田会長におわびに伺いたい。私は亀田家と一緒に行く必要があると思う。亀田家とはまだちゃんと話をしていないが、早く公の場に出て謝罪しなくてはいけないと思う」
また、東日本協会からの要請に従い、今後は亀田家私設ジムでの練習を一切認めない考えを表明。
■史郎氏、自宅でコメント
史郎氏「悪いことは悪い」と反則行為の非を認め、自身の処分について「仕方ない。わたしが邪魔であればいなくなってもいい。もうセコンドに付くのも、しんどい」
「この先、正直どうなるか分からない。わたしは親として(子どもたちを)守らなければならない」
「(大毅は11日の試合後に帰宅してから)翌朝の4時までずっと泣いていた。あれからずっと悩んでいる」
大毅が試合前に「負けたら切腹する」と発言したことに、史郎氏は「命を懸けてやるという意味で言ってしまった。大毅には『一日も早く前向きになってくれよ』と話している」
厳しい現状に「いつもわたしはいいように考えてきた。今回のことでも、もっともっと家族のきずなが強くなったと思っている」と兄弟の再起へ向けて力を合わせていく意向を示した。
●10月17日 大毅、父・史郎氏、金平会長 JBCで緊急会見
前日夜に亀田家からの申し出で、急きょ会見が開かれる
大毅:終始うつむき 一言も発せず2分間で退席。
史郎氏:会見の冒頭で「いろいろご迷惑をかけて申し訳ありませんでした」と頭を下げた。
大毅の1年間のボクサーライセンス停止処分に関して、これまでは不服の意を示していたが、この日は「処分が出たものは仕方がないと思っています」と素直に受け止めた。
自身の処分の対象となった11回開始前の反則を促すような発言に関しては全面否定。「指示はしていません。最後はポイントを取られているから悔いのないように戦えと言った。後はどうとらえようと、そっち側の自由やけど、俺らは言ってません」と語気を強める。
内藤陣営への謝罪については、「大毅がああいう状態なんで日を改めて考えております」
大毅の丸刈りに関して「きのう、(大毅が)自分で丸刈りにした。自分でできる精いっぱいの気持ち。みんなの前に出てしゃべられへんかっても、ちょっとだけでも態度で分かってもらえたら」と事情を説明。
謝罪会見は「混乱を避けるため」(JBC)に、わずか9分34秒で終了。
■兄・興毅 コメントを緊急発表
「一言も謝罪できなかった大毅に代わって兄の自分が謝罪しにいきたい。内藤選手と宮田(博行)会長には本当に申し訳ありませんでした」
■中途半端なまま謝罪会見を打ち切ったJBCに記者非難
安河内事務局長「亀田を特別視していると思われても仕方がない。プレス対応が甘かった」と平謝り。
■金平会長「協会職」引責辞任
亀田家との会見後、東日本ボクシング協会副会長と日本プロボクシング協会事業局長の辞表を提出。
●10月18日 内藤vs大毅戦をWBCが調査へ
WBC(本部・メキシコ市)が前代未聞の荒試合となった内藤―大毅戦について、調査する方針であることが分かった。レフェリーやジャッジが聴取を受ける模様だが、傘下機関であるJBCも聴取を受ける可能性がある。
WBCルールでは選手の親族をセコンドにつけることを禁止しているが、今回はローカルルールを優先するとして、史郎氏のセコンドが認められた。
だが、騒動の一因となったことは否めないことから調査の上、JBCに対して指導・勧告などを行う可能性がある。
■興毅、JBCに電話謝罪
亀田興毅はJBCの安河内剛事務局長に電話を入れ「今回の件を厳粛に受け止め、陳謝いたします」と謝罪。
当初は史郎氏、大毅から1日遅れでも、謝罪のために直接JBCに足を運ぶつもりだったが、騒動の拡大を恐れて断念。25日に予定していた試合も中止となっており、しばらくは行動を自粛する模様。
■大毅「すみませんでした」内藤自宅を極秘訪問し謝罪
午前、内藤大助の自宅を訪ね「すみませんでした」と頭を下げた。
大毅はその場で父・史郎トレーナーの携帯電話にかけ、内藤に代わった。
史郎氏「今回のことは悪かった。内藤君も頑張ってや。オレらも頑張るから」
内藤「(史郎氏に)はい、頑張ります」「(大毅に)お互い頑張ろう」
■内藤のコメント
「突然、自宅まで来られてびっくりしましたが、大毅選手から直接、謝罪を受けて誠意が伝わりました。お父さんからも電話で連絡をいただき、謝罪を受けました。大毅君は素質のある選手なので、これからも頑張ってほしいと思います」
●10月19日 JBC、週明けにも大毅を事情聴取
全容を把握するとともに、インターネットなどによる風評被害の拡大を防ぐことが目的で、確定した処分内容の変更はない。
安河内事務局長「やっていないことまで非難されないためにも、本人からも話を聞いておく必要があります。話せる状態になったら一度来てもらう予定です」。
また、週明けには協栄ジムの金平会長がJBC事務局内で、内藤陣営の宮田会長に正式に謝罪する予定。
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どうもスッキリしないのは、17日のJBCでの緊急会見の史郎氏の言葉が原因だったんだわ。
ビデオ検証で動かぬ証拠を掴まれ、「自分が受けた処分には納得」「この反則行為に関しても深く反省しております」などと「悪いことは悪い」と反則行為の非を認め」たものとばかり思っていたら、17日になって、反則を促すような発言に関しては全面否定。「指示はしていません。最後はポイントを取られているから悔いのないように戦えと言った。後はどうとらえようと、そっち側の自由やけど、俺らは言ってません」と反発。
んじゃ、「あの声は誰の声というんや?!」とムカッとなって単純反射してしまった。
さらに、ほんじゃ、「それまでの処分に納得とか反則行為に深く反省とかいうてたことは、嘘やったんか?」と単純反射が加速し・・・
冷静に振り返れば、JBCは事態の重さに鑑みた厳罰を下しており、長男も次男も関係各所に謝罪の意を繰り返している。
問題は、やっぱ、あの父だよな。
17日のあの発言からすると史郎氏は「大毅が反則するのを止められなかった自分は確かに悪い。大毅の犯した反則に関しては大毅とともに自分も反省している。悪いことは悪いんだから。しかし、自分は反則の指示なんか言ってない。あの言葉は反則の指示やない。そっち側がどう思おうとそっち側の自由やけどな」と言ってるわけだ。
つまり、反則は若くて未熟ゆえに大毅が勝手にやってもうたことだ、と。
どんなに証拠があっても、史郎氏がそう言い張る限り、何を言っても水掛け論。
JBCは、史郎氏がどう釈明しようが、証拠ビデオに基づいて現時点で最も重い罰を下したわけで、コメントでいただいた通り、史郎氏はもし不服だったら「JBCに異議申し立て」をすればいいだけのこと。
史郎氏の言動に対して、冷静さを欠き、かなり感情的に反応していた自分を反省です。
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コメント
・・・ラブママさんが、感情的になる、理由もあるのですよ。
いままでJBCは、カメダ親子の「横暴」を黙認してきてる。
「客をよべる」と言うことで、傍若無人な振る舞いも許した。
セコンドに身内が付くこと、亀田の自宅に練習場を作ること。
威嚇したり侮蔑するのを、ショーマンシップと勘違いさせた。
エンターティナーでもスポーツマンでもない、ヤクザまがい。
これは、JBCの「宣言」に、反していると言わざるを得ない。
>ボクシングはスポーツであるが故にあらゆるボクシング試合は
>スポーツマンライクの態度をもって行われるべきである。
>また、プロフェッショナル・ボクシングは、ビジネスの要素を
>持つことを認めるが、あくまでも正直なビジネスの倫理法則に
>合致すべき方法で行われることをもって方針とする。従って、
>JBCは不正破壊の行為に対しては、たとえ法規において合法と
>解釈されることがあっても、フェアープレイと誠実の精神を侵す
>場合は之を排斥する。
自分より実践経験のある、年上の対戦相手にも敬意を払わず、
対戦が終わっても敢闘を讃えるでもなく、得意げに歌を歌い。
スポーツマンらしく、対戦相手を思いやる精神にかけていた。
これは「フェアプレー」や「誠実」とは、ほど遠い行為です。
結果としてJBCに《反亀田》を増やしたのは、皮肉ですね。
今の状況では、亀田史郎が反則指示を認めない(=協会処分を
事実認定に誤りがあるが、反則行為放置への処分と解釈して、
異議を唱えない)以上。無期限資格停止=事実上の永久追放に
ならざるを得ないでしょう。ただし「今のところは」ね。
投稿: たまり | 2007.10.21 21:44
>ただし「今のところは」ね。
亀父に関しては事実上の永久追放にして欲しいですわ。
メディアもJBCも、それぞれの立場で経済効果を狙って
話題性を高める方を優先してしまった。
今回の件で、あまりにもあからさまにそれが透けて見えて
しまったので、ボクシングファン&視聴者のブーイングと
なったと思います。
私はもともとボクシングは嫌いじゃないんですよ。
昔からビッグマッチは結構見てきているの。
一流の選手が全身全霊を込めて、試合に臨んでいる時、リン
グ上に言葉では表せないドラマが展開されており、ドラマよ
りドラマチックなこともありますしね。
しかし、亀田家の試合って正直、過去のDVがフラッシュバ
ックしてしまう・・・(非常に個人的ですが)
つまり本能的にチンピラのケンカ・暴力を感じてしまうんですよね。
私の個人的感想はどうでもいいとして、亀田三兄弟にはホン
トにボクシングが好きなら、父から離れてスポーツマンシッ
プを教えてくれる指導者と出会って、再起して欲しいと思います。
投稿: ラブママ | 2007.10.22 01:52