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2008.06.10

偶然にも最悪な青年・・・

レンタルしていた4枚のDVDのうち期間限定半額の2枚を前夜見終わった。

市川崑監督の『億万長者』とイギリスのサスペンスホラー『穴(2001)』
(『億万長者』は予想を裏切る面白さで、びっくり。笑って考えさせられた。感想はいずれライブドアブログへ)

そして次の日の早朝、残りの2枚を見た。
草彅くん主演の『ホテル ヴィーナス』、そして『偶然にも最悪な少年』

以前から見たいと思っていた『偶然にも最悪な少年』をたまたま見たんだけれど、それから間もなく、携帯電話に流されているニュースで秋葉原の無差別殺人のことを知った。

改めてテレビのニュースを見て、愕然・・・

なぜ? なぜ? なぜ?

取り押さえられた犯人である青年は、私の目にはいわゆるオタクには見えなかった。
どこにでもいそうな、フツーの青年。

その後の報道で、本人は携帯掲示板に自分のことを“不細工”と書いていたらしいが、ニュースの映像を見る限りでは、本人が思うほど“不細工”じゃないし、フツーの青年。

もしかしたら、彼はその他大勢に埋もれたその“フツー”の自分ってのが、一番ガマンできなかったのかもしれない。

リアルの事件を前にすると、『偶然にも最悪の少年』がそれほど最悪には思えなくなる。

私は、人の人生を活性化し豊かにするためには“お祭り”が必要だと思っている。
“お祭り”といっても、都市や地方のイベントのことではなく、たった一人でもできる“お祭り”のこと。

ワクワク、ドキドキする高揚感・・・
それによって体中の血の巡りが良くなり、細胞に酸素が行き渡り、今と少し先の未来が楽しみになってくる。

“お祭り”とは誰かと会って美味しいものを食べる約束をすることであり、お芝居や映画を見に行くことであり、サッカーを見に行くことであり、また小旅行を計画することであり・・・そんな計画・目的を持つことが、すなわちワタシ流“お祭り”。

ということは、人が日常フツーにやっていることなんだけど、そこから少し非日常的なことをワタシは“お祭り”と思っているわけで・・・“お祭り”なんて大げさかもしれないけど(笑)

で、『偶然にも最悪の少年』を観ていて、後半、自分なりの“お祭り”を見つけられてよかったよかった、と好意的に少年たちを見ることができた。

自殺したお姉さんの死体を東京から博多まで運ぶという、とんでもない“お祭り”だったけど、目的を持った少年・少女は俄然、生き生きとし始めた。

少年が、なぜ刹那的にフワフワ生きているのか、国籍の問題や家庭環境や学校でのいじめなども原因の一つとして描かれていた。
一見突飛なお姉さんの死体を九州まで運ぶ目的も、ハッキリと明らかにされた。

映画を観終えたら、そこに描かれた少年・少女の心の隙間がちょっとだけ見え、「なるほどな、そういうことだったのか」と(全部は分からないが)少しは感じ納得することができる。

イギリス映画の『穴(20001)』も、いったい穴の中で何が起こったのかと、サスペンスタッチでストーリーが進んでいくが、やがて、真相が見えてくる。
人の心の闇にある深い深い穴・・・その奥で渦巻く狂気・・・
結局は、その真相が真犯人の口から語られる。

「ああ、なるほどな、そういうことだったのか・・・」と映画を観終えて納得する。

しかし、日曜日、秋葉原で起こった事件は、いまだ何一つ納得できない。

今、犯人の青年から感じる声は・・・

「おい、誰か、オレを見てくれ! オレ、ここにいるんだぜ! 頼むから誰か気がついてくれよ!」

そんな叫び声。

でも、きっと、普通に暮らしている人々だって、同じ叫びは心の奥底に内包していると思う。

不特定の誰かを振り向かせるために、不特定の命を奪う・・・

何でそうなってしまうんだろう。

「ただ、人を殺したかった」
「死刑になりたかった」

何がそうさせるんだろう。

今我が家では、セントがクッシング症候群という難病と闘いながら生きており、来週にはラブが乳腺腫瘍で片側乳腺の全摘出手術をすることになっている。
経済的にはもうギリギリ・・・
でも、この小さな命を見捨てることはできない。

それほど、命の重さは大きいもの。

自分の命を大切にできないものは他人の命をも軽く扱い
他人の命を大切にできないものは自分の命をも軽く考えている。

命に対する愛おしさを生育歴の中で学べなかった犯人、彼も辛く苦しい人生を抱えていたのかもしれない。

しかし、しかし・・・

どうしても死にたいのなら、密かにひとりで死んでくれ!

7人ものかけがえのない命を奪った後では遅いけれど・・・
偶然にも最悪の青年に出会ってしまった、被害者の方々にご冥福を祈り心から合掌。

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