長崎北高校放送部より嬉しいメール
今年の初め頃だったか、長崎北高校放送部の生徒さんからメールをいただいた。
私が数年来、関心を持ち続けている“もと二日市保養所=秘密病院”の件での問い合わせだった。
私自身はいろいろな資料を集めてはいるが、ネット上では公表していない。
なので、どれほどお役に立てるかどうかは分からないが、何度かメールのやり取りをした。
その頃、私はテレビドキュメントとして企画を提出しており、当時働いていた看護婦さんや事務方の人などに取材をしたが、結局、テレビ企画としては成立しなかった。
一番大きな理由は「被害者が名乗り出ていない」ということらしい。
終戦直後、大陸からの引き揚げ途中にソ連兵・中国人・朝鮮人に暴行・強姦された女性たちがいたということは紛れもない事実。
外国人からだけではない。同じ日本人からも暴行・強姦、あるいは自分たちが無事帰国できるよう外国人に人身御供として差し出された日本女性もいた。
そんな被害女性たちの妊娠を“不法妊娠”として、日本政府は密かに九大医学部に密命を出して堕胎させた(国立療養所内)
当時は厳密な堕胎罪が存在しており(現在も堕胎罪はあるが)、どんな理由があろうと堕胎は公然とは出来なかった。
日本政府が秘密裏に堕胎をさせた理由は、名目は性病蔓延阻止だったが、実際は民族純血主義によるものだった。
一方、人道的見地から堕胎罪(医師免許剥奪)を覚悟で、被害女性たちの将来のために堕胎を行っていた医師たち(もと京城大学医学部)がいた。それが二日市保養所だった。
両秘密病院で堕胎した女性たちの数は、現在残っている資料だけで三千人を超える。
心も身体もボロボロで引き揚げてきた女性たち。
そして引き揚げ港に着くと同時にトラックに乗せられ、堕胎秘密病院に運ばれていった女性たち。
彼女たちがその事実に口を閉ざし、誰にも語ろうとしない、ましてや被害者として名乗りでないのも当然だろうと私は感じている。
当時、二日市保養所で看護婦だった人も、事務方として当時のことを見てきた人も、そして私も、願いは一つだ。
二度とそんな時代にもどらないように・・・
二度とあんな戦争が起こらないように・・・
そのためには、戦争の悲惨な事実を語り継いでゆくしかない。
そんなふうに、思っていたところに長崎北高校放送部の生徒さんからメールをいただき、若い高校生がその事実に関心をもってくれていることが本当に嬉しかった。
そして、昨日、再びメールをいただいた。
なんと、水子や不法妊娠についてのラジオドキュメント作品『戦争に犯されて』がNHK杯全国高校放送コンテスト 全国大会で準優勝したというのだ!
http://www.nhkk.or.jp/ncon/ncon_h/nyuusyou_top.html
http://www.nhkk.or.jp/ncon/ncon_h/nyuusyou_3.html.
放送予定
テレビ番組部門優秀作品の紹介
「ティーンズビデオ2008」 9時30分~10時15分 教育テレビ
8月12日(火) テレビドキュメント部門
8月13日(水) 創作テレビドラマ部門
ラジオ番組部門優秀作品の紹介
「ティーンズラジオ2008」 9時30分~10時00分 ラジオ第2
8月14日(木) ラジオドキュメント部門
8月15日(金) 創作ラジオドラマ部門
高校生がどのように過去の戦争の事実を作品化したのか、ぜひ、聴いてみてください。
ちなみに、ラジオドキュメント部門で昨年、一昨年と続けて優勝したのは我が母校・大分県立中津北高校ではないかっ
後輩たちもがんばれ
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