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2008.09.30

デジタル時代とテレビ

先日、ある勉強会で読売新聞編集委員・鈴木嘉一氏を招いてデジタル時代とテレビの構造変化についてお話をうかがう。

民放テレビ局の現状などハードの面ではお話の一つ一つに目から鱗で、理解・共感できることも多くて、とても勉強になった。

一方、ソフト面に関しては・・・

ちょうど『著作権という魔物』という本を読んでいる途中で、これが一回読んだだけではとても理解できずに、頭の中が混乱の最中。
この本の後半に「テレビに未来はあるのだろうか(前・中・後編)」というルポがあり、鈴木氏の話を聞きながらも「テレビに未来はあるのだろうか」というフレーズが頭の中で行ったり来たり。

著作権がらみで、そのフレーズをそのまま鈴木氏に聞いてみたいところだけれど、質問する私自身がきちんと理解できていないことを中途半端に質問することも出来ず、自分自身への宿題とすることに。

ということで、昨日、やっと『著作権という魔物』を読み終え、積読になっていた『ウェブ人間論』を読み始める。順番から言えば、『ウェブ進化論』から読むべきだけど、後から出版された『ウェブ人間論』の方が先に手元に届いたので。



私がインターネットを始めたのは1996年5月末。インターネット元年といわれている1995年の翌年だ。もちろん、当時は1995年がインターネット元年などといわれていることなどは全く知らず、仕事の上で絶対便利、必要と思ったので始めたわけで。(その前からワープロにてニフティ通信はやっていた)

ネットはシナリオを書く上での資料調べにはとても便利で大いに助かった。
原稿は最初の頃、ワープロで打ったものをプリントアウトして手渡していた。
やがて、プロデューサーからOKが出た最終稿はフロッピーに保存、印刷屋さんがフロッピーを取りに来てくれた。
そして、ついに原稿はメールの添付ファイルとしてやり取りするのが普通になった。

脚本の仕事をする上ではインターネットの普及により、随分助かったことも多い。

同時進行的にCSやBSも普及し、来るべきデジタル時代に向けて、ドラマ枠は増えて脚本家や放送作家の仕事場はどんどん拡大していく・・・と希望を持った・・・そんな時代もあった。(つい数年前のことだけど)

しかし、現実はどうだろう・・・

今、私の中ではデジタル化とネットコンテンツのそれぞれの問題がゴチャゴチャになっていて、訳ワカラン状態。

ミクロ的視点で各論の問題を摘んで読んでいるとますます訳ワカラン状態になってしまう。なので乱読でもいいので関係本を読み進めているうちに、マクロ的視点からすべてが繋がって見えてくるのではと思っている・・・というのが今の私の現状。



最近、テレビ関連で胸にグサッと来たり、気になった記事を記しておこう。

前出の勉強会で鈴木氏が配ったテキストの中に[参考]として取り上げられていた文章。

 「日々流される番組は、失礼な言い方をさせてもらえれば、若者の散らかった部屋を見せられるような気分にさせられる。NHKの番組はていねいに作られ、昔から比べて水準が落ちたとは思わないが、民放の番組はおしなべてひどい。工夫というのは、散らかった部屋をどの角度からどの部分を写すかということのようで、そこに住んでいる芸能人たちのおしゃべりは、チャンネルをどこに回そうと同じなのではないか。大人が観るに堪える番組があまりにも少ない」 (立松和平「悲しきテレビ生活」、「調査情報」9・10月号の特集「ほんとうか? 団塊世代のテレビ離れ」より)


『著作権という魔物』の中でも、テレビに対する厳しい意見を散見する。

(前略)流れるコンテンツの下らなさに呆れてしまって、テレビのスイッチを切ってしまうことがある。自局で作った番組の番宣をほぼ一日流し続けているなどということをしばしば目にすることも多い。テレビ局は、ほとんど感覚が麻痺しているか、視聴者の方を向いていないかのどちらかだとしか思いようがない。

(中略)

 「何かテレビ自体が面白くない、個性的でない、間違いなく。似たような番組ばっかりだから」(クリエーターズ・高村裕氏)
 このことは前回に書いたことである。同じタレントが出た同じような番組ばかり。知財立国、コンテンツ立国というかけ声ばかりで、コンテンツと言える物など今は作られているのだろうか?と誰もが思っている。そもそも、民放の職員自体が地上波は見ないと言うほどなのだ。
 「ディレクターとかプロデューサーがそれぞれの個性とか能力を発揮するような場ではなくなっている。それはみんな、相当前に気がついているんだよね。このままここでやっていていいのか。特に各社、若手が必要じゃないですか。ところが若い人が来なくなっているわけだ。プロダクションは3Kの一番のところと言われていますし、それから権利の問題もあるし、トップのディレクターになるチャンスがだんだんなくなってきているし。魅力のある職場じゃなくなってるんだよね」(クリエーターズ・高村裕氏)
 長く隆盛が続いた現場だが、へたりが出てきている。出版界に長い出版不況が続いているように、テレビ業界もその不況に入りつつあるのではないか・・・。
(「著作権という魔物」岩戸佐智夫著 アスキー新書より)



ネット検索でも厳しい意見がヒットする。

「正直、テレビはもうダメかもしれん」
放送をDVDやネットでも利用する、「テレビの二次利用」が話題となるようになって随分となるが、実際にはさほど進んでいない。そもそも、今のテレビに二次利用の価値があるコンテンツはあるのだろうか
。(ITmedia+D 小寺信良氏 08年03月03日コラムより

ただ、小寺氏は二次利用の問題に関して次のように書いている。


 テレビ番組は、二次利用する価値があるのだろうか。そもそも現時点で二次利用の価値が高いアニメ作品などは、すでに二次利用前提の制作方式になりつつある。オリジナルの二次利用が難しいのならば、アニメの場合はリメイクという手が使える。映画は元々買い物なので、関係ない。ドラマは米国のiTunesで成功例があるように、単体で切り売りできる可能性は残っている。問題はそれ以外の、とはいっても放送時間の大半を占める情報・報道番組、バラエティ、ドキュメンタリー、スポーツといったテレビ特有のコンテンツを、どのように売るかだ。

 このようなコンテンツは、単体で切り出しての有料配信は難しいだろう。なぜならば、これらはその時々の旬で成り立っており、間を開けてしまったら視聴する理由がなくなるものだからである。さらに民放地上波は、無料放送だからみんな湯水のようにテレビを付けっぱなしにするわけで、その情報に単価を付けること自体が無理なのだ。

 現状のタレントが大騒ぎするだけの番組は、もともと消費財である。消費者側にも二次利用のニーズは少ないだろう。無駄にトラフィックを圧迫するような無理矢理な送信されても、ネットを使いこなすような新しい消費者は「No Thank You.」と答える可能性すらある。

 テレビ番組に二次利用の価値があるかどうか、もう一度じっくり考えてみよう。もしかしたらそれは、テレビの全盛期を知っている古い世代の人間の錯覚かもしれないのだから。

 脚本家として一番かかわりのあるドラマに関しては、(著作権の)権利処理の問題さえクリアされれば、ネットでの二次利用の可能性も大いにあるわけで、あとは二次利用の価値がある内容かどうかの問題、ということでドラマの将来は捨てたものではないと信じたい。

 現に、数年前から、ドラマやドキュメンタリーに関してはそれらを世界に発信する第一歩として、アジア諸国との交流が盛んに行われている。

 日本と韓国、中国など東アジアの放送作家が一堂に会する国際会議「東アジア放送作家カンファレンス」が2000年から開催。3回目の今回は、ベトナムやタイ、フィリピンも初参加して、それぞれの国のドラマを上映、相互理解、相互交流が図られている。

 その他、「国際ドラマフェスティバル」や「放送人の会・日韓中テレビ制作者フォーラム」など日本の作品を海外に向けて発信する動きも盛んになってきている。

 放送と通信の融合に関しては、今のところ訳ワカラン状態だけど、ドラマの未来に関しては、良質な作品作りさえしていれば憂うことはない・・・と確信・・・したい。

    

    

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2008.09.26

やっと食べた油そば

つけ麺は食べたことがあるけど、油そばって?

どうやら、我が最寄り駅近辺は油そばが有名らしいけど、引っ越して1年余経ってやっと先日、油そばを食しましたnoodle

0809_nonkitei002
東小金井駅南口の『のんき亭』

ラーメン激戦区の荻窪・阿佐ヶ谷に住んでいた頃は結構ラーメン屋さんに行っていたけど、小金井近辺ではラーメン屋さんに入るのは初めて。

ちょっと緊張して入って、緊張してメニューを見る。

と油そばのご案内が分かるように貼ってあったので迷わずスタンダードな油そばを注文。



0809_nonkitei001 ←慌てて写真を撮ったのでブレブレ。

ということで、上のリンク先から画像お借りしますrecycle

0809_nonkitei003

たれの香はとても良かったし、煮たまごも美味しかったんだけど、私には少ししょっぱいhappy02

辛いのも酢っぱいのも平気だけど、塩気が多いのだけは苦手です・・・

残そうかと思ったけど、お店の人に申し訳ないような気がして、とりあえず完食。

ネットで油そばを調べてみたら、もっと駅の近くに有名店があることが判明。
日を変えて行ってみました。

080918_002 中華料理『宝華』

東小金井駅南口を出て左手にこんな大きなお店があるとは、1年余も気がつかなかったcoldsweats02

こっち側に行くことはほとんどなかったから・・・

というわけで、2軒目の油そばなのでちょっと余裕を持って店内に入る。






080918_001 ブレずに撮れたnotes

煮たまごはオプションだが、お野菜とスープが多いのが嬉しい。

で、お味は・・・

やっぱ、しょっぱいsad

「のんき亭」よりしょっぱく感じたので、お酢を足してみる。と塩っぽさが少しは緩和。

それでも、食べ続けているとやはりしょっぱい。

麺はやはり関西風のお出汁が効いたのが一番美味しい・・・としみじみ思うdespair


が、残したら申し訳ないので、とりあえず完食。

油そば=しょっぱい の印象が強いが、これが関東風の味なんかなぁwobbly

こうなったら、近辺の油そばをもっと探索してみようと決心。
好みの味が見つかるかも・・・。

                       つづく(ただし不定期coldsweats01

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2008.09.23

夏休みの忘れ物(3)ドラマケーション

いやぁ、ビックリしましたhappy01

8月末に東放学園で行われたドラマケーション・ファシリテーター養成セミナーに参加した時のこと。

ドラマケーションがどんなものかHPでしか知らず、どんな人々が参加するのかも分からず、とにかく体験してみようと、かすかな不安を抱きつつ会場へ。

そこで、なんと知り合いの役者さん・山崎哲史さん とバッタリ!

「な、なんで、ここにいるんですかsign02

とあまりにビックリしたので、そんな失礼な言葉が飛び出てしまったcoldsweats01

山崎さんは俳優であり、劇作家であり、演出家でもある。
さらに、今年から大学院生となり、ドラマケーションを勉強されているとのこと。

そのバイタリティは、すごいなぁ。見習わなくっちゃdash

このドラマケーション、感情を肉体(身体)で表現することが不得手な私にとって、かなり面白かった。

知り合いがいると思うと、ちょっぴり恥ずかしかったけどね・・・catface
なにしろ、脚本家としての顔しか見せたことがないもんでsmile
でも、そこんところはすぐ割り切りましたが。

第一日目が終わった後の懇親会(飲み会beerwink)で参加者の方々とお話できた。
全国から集まったドラマケーションの実践指導者たちで、とてもいい刺激になった。

私の場合、まだ勉強は始まったばかり。
これから体験を積んで、なんとか実践に結び付けたいなぁと思っている。

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2008.09.21

夏休みの忘れ物(2)私立鶴川高校演劇・児童文化部、影絵部

【まるで独裁者? 将軍様? のいる学校】

東京都町田市にある鶴川高校のことを知ったのは数ヶ月前だった。

Tsurukawahs 日本で唯一、演劇部と影絵部の二つの部を持つ高校。しかも両部とも部活の歴史は20年余。

学内だけでなく保育園や児童館で作品を上演、さらに他地域での上演活動にも積極的に参加・・・そう聞けば、誰だって素晴らしい高校! 部活! と思うだろう。

ところが、その両部が、ある日突然、一方的に廃部にされてしまった。

なぜ???


突然廃部されたのは演劇・児童文化部、影絵部だけではなかった。

ある日、13のクラブの統廃合が発表され、31あったクラブが18に減らされた。

残った18のクラブは3人の管理職教員で顧問を兼任することに(平成17年)
ということは3人の顧問が一人平均6部の顧問を受け持つってこと?!

驚いたのはクラブのことだけではない。
次々、一方的に様々な規定が作られている。
例えば・・・

 ■平成17年 
  ○教科外活動規定
  ★生徒は16時40分には門を出る
  ★入部は1年契約で毎年保護者の入部願いを出す。
  ★クラブの部長は顧問が選ぶ    など。
  
  ○その他
  ★クラブ活動を保障して欲しいと訴えた生徒を校長が恫喝

  ★あるクラブの部長(生徒)は元顧問と話しただけで部長を辞めさせ
   られた


  ★クラブ存続を訴えに来た保護者を長時間待たせ、結局会わず。
   
 「今後は、保護者が面会を強要した場合は部活を停止する」
    
という規定を作る

 ■平成18年
  ★3分の1の教員を隔離・収容室へ
    正規の職員室から遠く離れた別校舎の2階の教室に第2職員室をつくって、
    ここに担任を外した17名の教員を押し込む。

   ★教師と生徒の接触禁止、意見表明も禁ずる。
    「放課後など生徒との接触は禁止」(教務指導規定)
    「補習もやってはいけない」(教務指導規定)

  ★職員会議や成績会議も廃止。
    毎日の朝の打合わせ、諸行事のための打ち合わせ、教科会など諸々の
    会議を全て廃止した。
    「校長室」(校長・副校長・教頭)決定がすべての権限を持ち、教員は
    一切の意見表明の場を奪われる。
    教員は進級、卒業などに係わる単位認定や生徒の処分にさえも一切関われ
    なくなった。

 ■平成19年
  ★授業時間外に一般教諭や常勤講師が生徒を職員室・教室・敷地内・
   
施設内及び学園外に呼び出したり、会ったりすることは原則
   禁止。


    生徒を呼び出す場合には学級担任の了解を得た後、書面にて校長室教員の
    許可を得なければならない。

  ★補習授業は許可制で、期間も「5日間」に限定。
    無届けで行われた場合は強制的に中断させる。


教師を生徒から隔離し、授業時間以外の接触を禁止、補習さえも禁止する・・・

こんな学校、学校って言える?!

上記のような規定を次々に作ったのは、百瀬和男理事長兼校長

歴史を見るに、学校法人明泉学園鶴川高等学校は昭和36年4月、創立者の百瀬泰男氏によって開設された。
百瀬泰男氏は昭和43年に鶴川女子短期大学、昭和47年に鶴川女子短期大学附属幼稚園、昭和59年に東京商工経済専門学校と次々に学校を開設した。

平成2年、鶴川高等学校が創立三十週年記念を迎えた翌年の平成3年1月に創立者・百瀬泰男氏が逝去。
親族の百瀬和男氏が理事長に就任。その後、百瀬和男氏は校長も兼務することとなり、現在に至る。

この百瀬和男氏が理事長兼校長になってから労使の対立が徐々に顕著になっている。

そうなのです、これまでの理不尽ともいえるような規定の数々の根底にあるのは、労使対立。具体的な発端がいつ、何があったのかはハッキリとは分からないが、百瀬和男氏が組合活動に対して、憎悪に近いような嫌悪感を持っている ことは明らかなよう。

 ★基本給に対する調整手当てを組合員に対してだけ順次減額。
 ★毎年4月の定期昇給も組合員に対しては停止。
 ★組合員のボーナスは1000円、とかゼロとか・・・


そんな百瀬和男氏のやり方に対して・・・

■平成9年 鶴川高校教職員組合は理事長の専制的な学校運営に反対するとともに教職員の待遇の改善をめざして団体交渉を求めるが、理事長側は団体交渉を遅らせ、学園が決定した内容を一方的に提示。

■平成12年 鶴川高校第二教職員組合は都労委(東京都労働委員会に不当労働行為救済を申し立て。都労委からは勝利命令を勝ち取る。

しかし、理事長は都労委からの救済命令を無視。

■平成14年4月 理事長は一方的に就業規則を変更。
  懲戒処分の項目が56項目に増えていた。

 ★基本給の据え置き、諸手当の減額、一時金の減額。
 ★ストライキを実施した場合、基本給のカット額の増額や手当・一時金も
   減額する。
 ★解雇、雇い止めについても、項目が大
幅に増加

   などなど。 

■平成16年8月、組合側はついに地裁八王子支部に教員賃下げ訴訟を提訴

■平成19年5月24日 東京地裁判決:組合側勝利判決。

 (以下5月24日付け時事通信記事より引用)
 財政状況が健全なのに一方的に賃金を切り下げたのは無効として、私立鶴川高校(東京都町田市)の教員ら10人が、同校を経営する明泉学園(百瀬和男理事長)を相手に未払い賃金計約1500万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁八王子支部は24日、全額の支払いを学園側に命じた。

 (別記事)
 東京地裁八王子支部は昨年五月、同学園が預金など93億円を保有するなど財政状況は悪いといえず、組合との団体交渉で賃下げの具体的説明がなかったなどの理由で教員側の訴えを認め、明泉学園に約1474万円の支払いを命じました。

■平成19年 東京地裁判決を不服として明泉学園(百瀬和男理事長)は控訴

■平成19年10月11日 都労委(東京都労働委員会)救済命令
 都労委は明泉学園の組合員に対する一連の処遇は、不当労働行為に当たる
 と認定
し、明泉学園に是正を命ずる命令が交付された。

 都労委は、組合差別が教育をどのように破壊したのかに言及し、厳しく断罪。

 組合員の担任外しは、 「他の教員や生徒との接触をさせないことにより、組合の影響力の縮減を狙ったもの」
 組合員の部活顧問外しは「長年にわたって作りあげた生徒との信頼関係を消滅させようとしたもの
 組合員以外のほぼ全員を「管理職」にした上で一時金差別を行ったことについて、「本来の学校運営の趣旨を離れて、管理職になることの利益を示唆し、組合員である限り管理職に登用されないこと」により組合弱体化を目指したもの。

 学校法人明泉学園(百瀬和男理事長)は、組合への支配介入をやめるよう命じた。


■平成20年1月24日 高裁判決:教員側勝訴

 東京高裁判決(吉戒修一裁判長)は学園の控訴を退け、地裁に続き、賃金の是正を命じた。
 「財政事情は不健全とはいえず、教員に不利益を受忍させる必要性があるとはいえない」と学園側の不当性を批判し、教員2人について未払い賃金分を11万円減額しつつ、他の8人については請求通りの支払いを求めた。

 百瀬理事長は上告を自ら断念して、判決は確定した。

■高裁判決以後
 百瀬理事長は、原告に対してはバックペイを支払った。
 しかし、相変わらずその後の教職員賃金は削減したまま、原告以外の教職員には賃金是正を行おうともしていない。

 財政危機を口実に教職員の一時金(ボーナス)までも年間ゼロに削減した一方で、内部留保資金を百数十億円まで増やし続け(圧倒的黒字経営)、百瀬親子の理事報酬は引き上げ続けていという。

■教員側はこれまで、都労委(東京都労働委員会)、地裁、高裁以外にも公的&外部機関に対して、理事長の教育現場を無視した独裁的・独善的なやり方に対して訴えてきている。

 ★中央労働委員会は理事長に対して命令履行を勧告
 ★文部科学省・東京都はこの現状を注視
 ★労働基準監督署は是正指導に立入調査
 ★労働情報センター調停に入る

しかし、百瀬理事長はそれらのすべてに応じようとせず無視。

 東京都内の私立学校を管轄する都私学行政課「私学の独自性があるので、違法でない限り教育内容には踏み込めない。教師や保護者の訴えは聞いている。注視をしていきたい」。
 文部科学省「授業以外で生徒と接触してはいけないという規定は聞いたことがない」と注視の姿勢。

ということで、裁判で判決が出された支払いを済ませたなら、あとは相変わらず理事長の意のままというのが現状。

この、長きに渡る労使対決の最大の犠牲者は生徒たち

かつて、教師サイドの学校現場の現実を知るためにいろいろと調べていて、教師の間にも組合員と非組合員の間には垣根があることを知った。

組合員という理由で学校側からパワーハラスメントを受けたという人の例も聞いたことがある。

しかし、理事長(&校長)が、組合員全員に対してパワハラを行い、挙句、生徒の授業や部活にも大きな影響を与えて平然としている なんて聞いたことがない。

この学校のこの現状は平成20年4月10日朝日新聞夕刊でも取り上げられ、教育評論家で大学教授の尾木直樹氏のコメントが掲載されていた。

【教育の土台なくす】

授業以外の生徒との接触が禁じられれば、教師は部活や補習、生徒の悩みや進路の相談に臨機応変に対応できなくなる。それは、学校教育の基本的な土台をなくすこと。
生徒にしわ寄せが出るようでは、学校とは言えない。私学といっても助成を受けており、公共性も高い。私物化するようなやり方は許されない。


まさに、そのコメントに尽きる。

この学校の理事長が、私には独裁者か、どこぞの国の将軍様のようにしか見えない。

では、こんな学校に行かなければいい、という意見も聞こえて来そう。
誰もこんな学校へ進学しなければ、教育の土台を踏みにじって平然としているような理事長(&校長)がいるような学校は自然淘汰で潰れてしまうだろう。

しかし、現実は・・・

この学校はハッキリいって底辺校で、高校受験に落ちこぼれそうになった生徒たちの受け皿となっている高校。
そんな生徒たちにとっては必要な高校なのだ。

たとえ底辺校といわれようと、教育熱心な先生方によって漢字検定の補習が行われ、2級に合格して自信をつけた生徒たちもいるし、演劇部や影絵部などの部活で自尊意識を取り戻し、胸を張って就職・進学していった生徒たちもいる。

理事長(&校長)は、生徒たちがこの学校以外に受け入れ先がないことを承知しており、生徒たちが学校を辞めたくなければ(高卒という学歴が欲しければ)、どんなに独裁的な規定でも従うしかないということを盾にとって、組合潰しに執念を燃やしている のだ。

こんな理事長、なんとかならないのだろうか・・・

その答えの一つがあるブログに書かれていた。

2008年4月10日(ブログ「民主主義はコストなのか。」より) 

【学校法人理事長は世界最強】

学校法人の理事長及び理事会は、世界最強です。
自治体の首長ならば、選挙あり、住民監査請求ありと、権力に制限が加えられています。
株式会社の社長ならば、株主総会あり、株主代表訴訟ありと、やはり権力に制限が加えられています。

学校法人理事長の場合、裁判なんて負けても怖くありません。ただ、辞任さえしなければいいんです。選挙もありません。ただ、辞任しなければ、支配し続けることができます。
学校法人などの公益法人の理事会・理事長は、なぜに無制限の権力が与えられているのか、制度的不備は明らかです。



確かに現行の学校教育法でも私立学校法でも、理事長に明らかな違法行為がない限りは辞任させることが出来ない

法律を変えるしかこの理事長を変える手立てはないよう・・・



ドラマの学園モノには必ず理不尽を通す管理職=悪者(理事長・校長・教頭)がいて、正義感の強い教師と生徒たちが彼らをぎゃふんと言わせて、自分たちの愛する学校を取り戻す、というパターンが多いが、現実はドラマ通りには行かない。

現実はしぶとい。

私に出来ることは、知ってしまったその学校の現実をココでこうして多くの人に伝えることだけ。


今の日本における様々な事件を見るにつけ、日本人のイメージ力の低下をしみじみ感じている私にとって、影絵や演劇は若者のイメージ力を向上させるのに最適の部活だと思う。

1日も早く、先生と生徒が自由に学習・交流できて、潰された部活が復活し、生徒たちの部活の選択肢が増え、より充実した学校生活が送れるよう祈り続けるしかない現実が歯がゆくもある。

【参考】
学校法人明泉学園鶴川高等学校 演劇・児童文化部&影絵部問題 経過表

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2008.09.18

夏休みの忘れ物(1)長崎北高校放送部

直後に感想を書くべきだったことがいくつかある。
その一つが長崎北高校放送部のこと。

NHK杯全国高校放送コンテスト
全国大会準優勝作品 ラジオドキュメント『戦争に犯されて』

8月14日の放送、拝聴しました。

歴史の渦の中に埋もれてしまった戦争の犠牲者たち。

高校生・・こんなにも若い方々が関心を持ち、取材して、作品にしてくれたということ。
ラジオドラマという形で、世の中に知らせてくれたこと。
本当に嬉しかった。

私が一度ちゃんと取材したいと思っている、もと看護婦さんの証言も聞けました。
また、私が知らなかった角度からの証言もありました。

今、少しづつですがオーラル・ヒストリーの重要性など勉強しているんだけど、証言者がご健在のうちに早くお訪ねしなくては、とちょっとお尻を叩かれました。

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2008.09.16

リストランテ ラ ヴィータ1215

先日、昨年から進行している映画の打ち合わせで調布へ。

080912lavita22_2
プロデューサーのお知り合いの
『Ristorante La Vita1215』で、美味しいイタリアンをいただきながらの打ち合わせでした。

打ち合わせといえば、喫茶店→居酒屋bottleコースが普通なので、こんなレストランでの打ち合わせは特別ですfuji

『リストランテ ラ ヴィータ1215』は8月21日にオープンしたばかりのお店。




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料理長は元キャンティの高柳シェフ。

restaurant前菜もパスタも肉料理もすごく美味しかったsign03

もちろん、まずはビールの次はハウスワインをいただきながらwine


(高柳シェフ、わざわざ厨房から出てきてくださり、ありがとうございましたshine



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スタッフも、イケメン好青年と元宝塚の女優さん。


清潔感ある真っ白な店内に、爽やかでテキパキしたスタッフの方々。


調布駅前の喧騒から歩いて5分ほどのところにある、お洒落で落ち着いたイタリアン・レストランでした。





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お近くにお越しの時はぜひどうぞrestaurantcafe

ランチは1.000円だそうですので。

東京都調布市小島町1-21-5
℡ 042-442-5141

営業時間
11:30~15:00   17:30~22:00
11:30~15:00   17:00~21:30(日・祝)

定休日 水曜日




店長のまりさん。
以前、別の場所で初めてお会いした時は、某若手美人女優さんにあまりにもそっくりなので、思わずまじまじと見つめてしまいましたmovie (まりさんは他にもあんなことこんなこともやっています)




むむ、食べ物に釣られて、打ち合わせの話がどこかに行ってしまった・・・coldsweats01

ワインを飲んで口が滑らかになり、しっかり打ち合わせもしてきましたのでdelicious

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2008.09.08

ホームムービー(8ミリフィルム)探してます

世界で同時開催される『第6回ホームムービーの日』のために、日本脚本アーカイブズ倶楽部では家庭に眠る8mmフィルムを探しています。

家庭で撮影された8mmフィルムであれば、内容、撮影時間は問いません。
ご提供いただける方は、9月末日までに下記より私のほうへご一報ください。

連絡先
http://homepage2.nifty.com/see-saw/see-saw%20mail.html
 

 081018homemovie2                            




《ホームムービーの日》とは?
どうかフィルムを捨てないでください!

ちいさなフィルムのためのちいさな祭典《ホームムービーの日》は、家庭や地域に埋もれる名もなきフィルムに光をあてる記念日です。
5年目の2007年には世界10カ国(米国・カナダ・ドイツ・オランダ・イタリア・スロベニア・日本・アルゼンチン・オーストラリア・ニュージーランド)65会場が参加しました。

この日をきっかけに貴重な映像が発掘されたり、映画フィルムの正しい扱い方・保存方法が広まったりと、様々な効果が生まれています。
またこの日は、ホームムービーが記録してきた20世紀という時代を再発見する絶好のチャンスでもあります。

NPO法人映画保存協会は、2003年より日本国内でこの記念日の普及につとめています。2007年は三沢・弘前・東京4会場・長野・名古屋・京都・大阪3会場・神戸の13会場でHMDが開催されました。

《ホームムービーの日》に参加しませんか?
家族の記録から、歴史的瞬間まで......

■ フィルム提供者としての参加

 あなたの家の押入れの奥にも、随分長いあいだ見ていないフィルムが眠っていませんか? そのままにしておいたらフィルムが劣化して二度と上映できなくなってしまうかもしれません。 どうかそんなフィルムをお持ちでしたら、映画保存協会又は各地の世話人にご連絡ください。
ほとんどの会場では、持ち込まれたフィルムの状態を事前に検査し、その上で映写機にかけて上映します。そして上映後には必ず持ち主にフィルムをお返しします。

■ 観客としての参加

 お友達やご家族をお誘い合わせの上、お近くの《ホームムービーの日》会場にぜひご来場ください。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
開催時間は各会場ごとに異なりますので事前にご確認ください(開催日も異なる場合があります)。

《北千住会場:開催詳細》

★日時:2008年10月18日(土) 13:00~18:00(15:00~16:00休憩)

★会場:シアター1010 視聴覚室 地図 

★入場無料

★主催:日本脚本アーカイブズ倶楽部:放送映画文化講座「てら」
  後援:足立区・足立区教育委員会
  協力:NPO法人 映画保存協会
  共催:シアター1010

★お問い合わせ先
 〒120-0034 足立区千住5-13-5 学びピア5F
   日本脚本アーカイブズ倶楽部
   ℡:03-3882-1071 FAX:03-3882-1073
   E-Mail  nka@star.ocn.ne.jp

《関連リンク先》

■ホームムービーの日(HMD) 公式HP

■ホームムービーの日 国内開催地リスト2008(13会場)

■NPO法人 映画保存協会

                                              

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2008.09.06

ネット失語症?

ご無沙汰しております。

書きたいことがたくさんあるのに、どうしてもブログを書けなくなってしまい・・・

こんな状態の中、ふと一冊の本を引っ張り出してずっとデスクの上に置いてました。

Hanasukotoga1_2 『話すことがたくさんあるの・・・』
 ジョン・マーズデン作 安藤紀子訳
 講談社 刊行

 1990年に発行された本だけど、書きたいのに書けない時なぜかいつもこの本を思い出す。
 今回もまた引っ張り出して読み直してしまった。

 この本は、両親の離婚のゴタゴタで心が傷つき言葉を失った少女の気持ちが日記形式で綴られ、少女が言葉を取り戻す瞬間までが描かれています。

 私の場合とケースは全然違うんだけど、タイトルの『話すことがたくさんあるの・・・』(でも言葉が出ない)が自分の気持ちにピッタリなようで、私にとっては大切な1冊です。

私の場合は・・・
この1年余、セントの闘病に全力を注いでいたもので、その喪失感は大きく・・・今でも一日一度は「なぜ、あの子が今ここにいないんだろう」と突然思ってみたり、最後にセントを抱いて駆け込んだ獣医大病院を思い出すと涙がこみ上げて、座り込んでしまったり・・・
もしかしたら、燃え尽き症候群なのかもしれませんね。

そんな状態でも、時間だけはちゃんと進み。

9月4日からは映像の学校の授業が始まりました。
前途洋洋、希望にあふれ、溌剌とした若い人たちと接して、元気をもらいました。
私の担当は前期授業で終了なのであと3回。終わったら、ちょっと淋しいかも・・・。

でも10月からは日本脚本アーカイブズ倶楽部の後期講座が始まり、私も1コマ講座を担当することになっているので、淋しがっている暇はないかもです。

それから、セントを失った悲しみの中、じっとしていられずに勉強を続け、二つの認定証をいただきました。

080902_001 07年の10月から受講していたカウンセリングセミナー。


初級から上級へと受講を続けて、8月23日にライフ・カウンセラーの認定証をいただきました。


カウンセラーというのは特に資格試験があるわけではなく、誰でも名乗ればカウンセラーなんだそうです。



しかし、基礎だけでもしっかり知っておかないことにはねぇ。

080902_004 それから、ドラマケーションのファシリテーター養成セミナーを受講して、8月31日に認定証をいただきました。

カウンセラーもドラマケーションも人間相手のお仕事だし、経験をつむことが必要。
今は、頭の中での理解だけなので、いろいろと経験を重ねて、仕事に役立たせようと思っています。

というわけで、ドラマケーションで自分が学んだことを先日の学校の授業で応用してみました。

シナリオの初心者は、登場人物の心の動きを描写することが下手なケースが多い。

なので、学生さんたちに人間の心の動きは複雑だということで、自分の心の動きを体験してもらったと言うわけ。

どれだけ、私の意図が学生さんたちに伝わったかは分からないけど、でも、とりあえずみんな楽しそうにやってくれていたし、少しは学んだことが役立ったかもです。

というわけで、少しづつですが、またブログの書き込み再開していこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

それから、gooブログの『たたかう犬@セント』は、ココログに戻って『新・たたかう犬@セント』として新装開店しました。
こちらも覗いてみてくださいね。

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