サム・シェパード『埋められた子供』など
なんてことでしょう って感じ。
20年近く前に買ったまま積読だったサム・シェパードの戯曲『埋められた子供』をようやっと読み終えた。
これまで何度も手にとって読み始めたんだけど、数ページから先に進まなかった。
何でも読み始めたら早いほうなんだけど、たまにどうしても入っていけない本ってのがあるんだよね。
以前から、ある話を書きたいと思っていて、そのタイトルを考えるに『埋められた子供』と似たようなタイトルになってしまう。なので、ご本家のサム・シェパードの戯曲の内容をどうしても知っておきたくて、ようやっと一気に読んだというわけ。
このタイトルだけで、読者・観客の関心を最後まで引っ張っていくとはすごい。
舞台はある一家の居間。出演者は父親を中心としてその妻と息子二人、孫とその恋人。みんな心あるいは身体に傷を負っている。
家族の中の圧倒的なコミュニケーションの断絶に、読んでいて、どんどん気持ちが重くなっていく……。
この作品は1979年にピューリッツァー賞を、さらにオビー賞受賞の作品。
映画『パリ、テキサス』(1984)を見て脚本・出演のサム・シェパードを知り彼が戯曲も書いていることを知って『埋められた子供』を購入したんだが、サム・シェパードはもともと戯曲の作家で『パリ、テキサス』までに相当数の戯曲を書いていた人だとは知らなかった。
サム・シェパードが戯曲を書くきっかけになったのはベケットの『ゴドーを待ちながら』だという。
『埋められた子供』の後書きでそのことを知って、ちょっと嬉しくなった。
私もシナリオ勉強中に『ゴドーを待ちながら』を読んでショックを受けたもの。こういう不条理劇を書きたいと憧れたもので、今でも『ゴドーを待ちながら』は私にとっては戯曲の№1だ。
DVDで映画『憑神』と『サトラレ』を見る。
感想は出来るだけ早く☆サロンのほうへUP予定。
千葉県東金市の保育園児成田幸満ちゃん(5)死体遺棄事件の犯人が捕まって
よかった。情報が途絶えていたので迷宮入りになるのではと心配していた。
テレビに映った犯人の顔を見た途端に、もしやと思ったが、当たっていた。軽度の
知的障害者だという。
両方の親にとってもより辛い事件になってしまったような気がする。
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