そして天使になった・・・
あれから一年。
天使になったセントが旅立った日が間もなくやってくる。
その日のことを思うだけで、いまだに胸が締め付けられるほどに悲しい・・・
そして、あの人も天使になった。と、そのようにしか表現できないその人の死。
1990年以降の彼は、(ニュース映像などで)見るたびに痛々しかった。
しかし、どんな時も彼の音楽とパフォーマンスは素晴らしかった。
一度流行ればいつでもどこでも彼の音楽が流れていたので、彼のアルバムは買ってまで持っていない。
そんな私が唯一、買いに走ったアルバムが「We Are The World」 アル・ジャロウ 、ウィリー・ネルソン、ウェイロン・ジェニングス、キム・カーンズ、クインシー・ジョーンズ、ケニー・ロギンス、ケニー・ロジャース、ジェフリー・オズボーン、ジェームス・イングラム、ジャッキー・ジャクソン、シンディ・ローパー、シーラ・E、スティーヴィー・ワンダー 、スティーブ・ペリー、スモーキー・ロビンソン、ダイアナ・ロス、ダリル・ホール&ジョン・オーツ 、ダン・エイクロイド、ディオンヌ・ワーウィック、ティト・ジャクソン、ティナ・ターナー、 ハリー・ベラフォンテ、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース、ビリー・ジョエル、ブルース・スプリングスティーン 、ベット・ミドラー、ポインター・シスターズ、ボブ・ゲルドフ、ボブ・ディラン、ポール・サイモン、マイケル・ジャクソン、マーロン・ジャクソン、ライオネル・リッチー、ラトーヤ・ジャクソン、ランディ・ジャクソン、リンジー・バッキンガム、レイ・チャールズ
当時、これだけのミュージシャンが一堂に会して一つの曲を歌うなんてほとんど夢のような話だった。青地が聴いてみたかったミュージシャン。
改めてユーチューブで映像を見たら、なんとベット・ミドラーがバックコーラス
俳優組のダン・エイクロイドもだ。それからバンド・エイド提唱者のボブ・ゲルドフも超ベテラン歌手・ハリー・ベラフォンテもバックコーラス。
それから、ディオンヌ・ワーウィックとウイリー・ネルソンが並んで歌を歌っているなんて、絶句するほどすごかった。
ということで、当時にしてはとてつもなく贅沢な曲だったんですね・・・
マイケル一人の収録バージョン
先週は、アニメーション映画の歴史を辿って1980年代に遡って古いアニメーションをたくさん観た。
ついでに、気になっていたアニメ作品「攻殻機動隊」や「アップルシード」「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(ティム・バートン)も。
そして、マイケル・ジャクソン死亡のニュースが流れる渦中に観た「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」のかぼちゃ大王・ジャックの最後の歌の歌詞に弾かれるような思いがした。
かぼちゃ大王としてハロウィンタウンのすべての人に絶賛されているジャック。
しかし、ジャックは何かが満たされない。
やがてジャックは偶然クリスマスタウンに行き、そこで何が足りないのかに気がつく。
陽気で明るく楽しい『クリスマス』がハロウィンタウンにはないのだ。
ジャックはハロウィンタウンに『クリスマス』を作ろうとする。そして自分がサンタクロースになろうとするが・・・
その計画に失敗したジャックが歌う歌。
(A)
僕は何てことをしたんだ 取り返しのつかないことを
僕は何て愚かだったのか すべてを失ってしまった
僕は何を考えていた 何もかもぶち壊しだ
あらゆることが間違っていた
何てことをしたんだ 取り返しのつかないことを
ほら穴深く身を隠したい
百万年後に人が見つける
塵と化した僕と一枚の金属の板を
刻まれた言葉は“哀れなジャックここに眠る”
(B)
でも、決して悪気があったわけじゃない
誰も分かってくれないけど 本当なんだ
僕はみんなを喜ばせようとしただけ
それが失敗しただけだ
そうさ、いいんだ。
僕は精一杯頑張った。
すばらしい体験をした。
少しだけ空も飛べた。
語り継がれるような物語も残した。
そして、いつからかずっと見失っていた
自分を取り戻せたじゃないか
(C)
僕はジャック カボチャの王様だ
そうとも僕はカボチャの王だ
次のハロウィンが楽しみだ
悲鳴を起こす新しい方法も浮かんだ
とことんみんなを脅してやるぞ
まだ間に合うかな
すべて元に戻さなきゃ
ティム・バートンはすごいと思う。天才だ。
「シザーハンズ」「ステイン・ボーイ」「オイスター・ボーイ」などなど、いつも異型のキャラクターを使い、“人は完全じゃない”、“だから自分と違うものを認め合おう”、そして異型だとしても“そのままでいいんだよ”と訴える。
このジャックの場合も、自分に足りないものを欲しがり、自分ではないものになろうとして失敗。
上記の歌の(A)の部分は、交流分析(TA)的に言うと「I am NO」
(B)で「I am Yes」に切り替わり、(C)では見事に取り巻くすべての現実を肯定して、そこで新たに生きる力強さが歌われている。
マイケル・ジャクソン
彼は何に、そしてどんな自分になりたかったのだろうか?
ジャックが最後に在りのままの自己肯定(居直りとも言う)をして、自分らしく生きようとしたように、彼もそのままの自分を肯定できたら、もっともっと長生きできたのではと思えてならない。
彼は天上では天使になり、地上には“語り継がれるような物語”と作品を残した。
やっと安らかに、ありのままの自分で眠れるのかも・・・・・
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