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2009.10.04

テレビ台本、散逸を防げ 放送文化理解する“手がかり”(産経新聞)

以下の記事、さっき気がついたのでUPしておきます。

テレビ台本、散逸を防げ 放送文化理解する“手がかり”

2009年9月28日(月)産経新聞

■日本放送作家協会が保存推進

 「樅(もみ)ノ木は残った」「犬神家の一族」「太陽にほえろ!」といったテレビドラマやバラエティーなどの台本の保存を、日本放送作家協会が進めている。特にビデオテープが貴重だった30年ほど前までの作品は、映像が残っていない番組も多いが、「台本さえあれば内容を知ることができる」と同協会理事長で脚本家の市川森一さん。既に3万5千冊を収集し、将来は保存施設の設立を構想している。(草下健夫) 

                   ◇

 東京・新宿で今月23日まで開かれた同協会の50周年イベントで、戦前のラジオ番組や「私は貝になりたい」(昭和33年)など多くの台本が展示され注目を集めた。これらは東京都足立区の生涯学習施設内にある「日本脚本アーカイブズ準備室」や同区立図書館に保存されているものだ。

 「台本は放送史を理解するかけがえのない手がかりだが、映像に比べて軽視され、制作や放送が終わると散逸してしまう」と危惧(きぐ)した同協会のメンバーが、文化庁やNHK、民放連などの支援を受け、平成17年10月に準備室を発足させた。

 今年3月に女優の三田佳子さんが自身の出演作を中心に約1千冊の台本を寄贈するなど、放送作家や制作スタッフ、出演者、遺族から既に3万5千冊あまりが集まった。昨年9月にはデジタルデータ化の研究も始めた。

 市川さんは「今は収集と管理に手いっぱいだが、将来はセンターを作って公開し、放送研究者の調査や若手放送作家の勉強はもちろん、昔の番組を懐かしむ一般の方に役立ててほしい」と意気込む。

 ただ、台本は書籍とは異なり、もともと制作スタッフや出演者らに限って配布する前提で作られている。公開するには、放送作家や遺族の了解を得る必要もある。「手をこまねいていると、所有者が亡くなって遺族が廃棄するなどして、時間とともに台本は失われていく。保存活動は待ったなしです」と市川さん。

 米国、フランスなどでは台本の保存施設が充実している。韓国でも昨年1月、政府の支援で台本のデジタル図書館が設立されており、「日本は大きく後れを取っている」と市川さんは指摘する。

 運動を推進する脚本家の香取俊介さんは「今村昌平監督は生前、『映画の成否の7割は脚本、2割が役者、1割が監督』と言っていた。よい作品には必ずよい台本があり、後世に伝える必要がある」と話す。

 市川さんは「残すという概念のないところに文化はない。手元に眠っている台本があったら、ぜひ連絡してほしい」と呼びかけている。同準備室はTEL03・3882・1071。

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