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2009.10.22

生と死の境

長門裕之さん、「介護は人生観を変えてくれた」=南田洋子さん死去


奥様が危篤になった時、そして亡くなられた直後の記者会見。


普通の人だったら、そんな時に記者会見が出来るほど強くない。
現実を受け入れるまでに、時間がかかると思う。


長門裕之さんの記者会見を見ていて、この人は本当に事実をきちんと直視できる強い人だと心底感じた。


そこに至るには、言葉に尽くせぬ一生懸命の介護があったからだろうと思う。




       一生懸命
    
いっしょういのちをかける       
 『メメントモリ』 藤原新也著





そして


洋子さんが長門さんがお仕事中に息を引き取られたと聞いて、
内心、よかったと思った。


危篤の記者会見で長門さんは
「もう洋子ではありません。機械で生かされているから(要約)」
と言った。


その時、私の脳裏に二つのシーンが甦った。



20年近く前、夫だった人の父が倒れた時。
急いで駆けつけたICUで、ドクターが心臓マッサージを続けていた。
担当の医師は夫に心臓マッサージを続けるかどうか聞いたようだ。
やがて、心臓マッサージを続けていた手が止まった。

その時、私は思わず大声で叫びそうになった。
「止めないでっ!」

しかし、叫びそうな自分の口を両手で塞いだ。
私よりももっと叫びたいのは息子である夫のはずだから・・・と。


自分の一言で、生と死の境が決まってしまう・・・・・。
これほど、辛く悲しいことはない。




やがて時が経ち、昨年、私はあの生と死の境に再び直面した。

セントを抱いて駆け込んだ病院で、手を尽くしてもらった後、最後に会ったセントはドクターに心臓マッサージをされていた。

担当医が心臓マッサージを続けても蘇生の見込みはないと告げる。
でも、私は百万年でもこのまま心臓マッサージを続けていて欲しいと願う。

しかし、そんなことが出来るはずがない。
だから、私は逃げた。

「何分経っても、何時間経っても、(心臓マッサージを)止めてとは言えない。だからお願いです。医学的にもう助からないとお医者様が判断した時に止めてください」

そして待合室に戻って、号泣することしか私には出来なかった。
そこまで来ても、まだ希望を持つ、奇跡を待つ不思議さ。

泣きながら「セント、帰っておいで。早くお母さんのところに戻っておいで・・・」と願い続けていた。




生と死の境に立たされ、選択を求められることの辛さ・・・・・


しょうがない・・・・・しょうがない・・・・・・


と思いつつも、やはり辛くて悲しいです。




一生懸命だった長門さんが、せめて、選択の辛さを背負わずに済んだだけでも、
よかったと思う。



女優 南田洋子様、お疲れさまでした。合掌。


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