お疲れさまでした、綾瀬麦彦さん。
テレビの向こう側では、某政治家の突然の死に騒然としている渦中、8月に一人の同業者が亡くなっていたことを知った。
綾瀬麦彦さん、1954年長崎県島原南千本木出身の55才。
8月6日、肺炎のため急逝されたとのこと。
綾瀬さんの訃報をこの日まで知らなかった自分にもショック。
日脚連からの会報には出ていただろうけど、ここのところ読んでなかったし・・・・・。
綾瀬さんに実際にお会いしたのは一度しかない。
十数年前、当時の若手脚本家の飲み会でお目にかかった。
ドラマ『がんばらんば』の脚本家と知り、話が盛り上がった。
『がんばらんば』は1993年にNHKで放送されたドラマで、1991年の雲仙普賢岳災害で故郷を追われた人々を描いたドラマ。綾瀬さんの体験から生まれたドラマだそうだ。
同じ九州出身でも大分県では“がんばらんば(頑張らなくては)”という言い方はしないので、主役の山田昌さんの存在感とともにこの言葉は私の中に根付いた。
以来、何かあると自分に向けて「がんばらんば」と呟いている。
作品のこと以外でも綾瀬さんとは忘れられない、エピソードがあって・・・
十数年前のある年、記憶にないお名前の人から年賀状が届いていた。
どういう人だったか? 前年いただいた名刺の束を調べると、確かにその人の名刺はある。とてもシンプルな名刺でお名前と住所など連絡先だけの名刺。
そのお名前の人に心当たりがなく、どこで会ったのかも思い出せない。
が、とりあえずその人にお年賀を出す。
翌年も翌々年もまたその人からお年賀が届いた。
相手がどんな人だったか分からないままに私も年賀状を出し続けた。
しかし、それはとても失礼な話である。相手が誰か分からないままにお年賀を出し続けるなんて・・・。
どうしてもその人のことが気になって、ついに電話をしてみた。
「いつもお年賀いただきありがとうございます。ところで、あの、Iさんとはどこでお目にかかったでしょうか? どうしても思い出せなくて・・・・・」
「綾瀬麦彦です・・・・・・・」
差出人の名前は、綾瀬さんの本名だったのだ。
やっぱ、私ってば本当に失礼なヤツである(汗)
そういうことがあって、以後も、綾瀬さんとのお年賀のやり取りだけはずっと続いていた。
テレビドラマで綾瀬さんのお名前を拝見するたびに、私も「がんばらんば」と思ってきた。
綾瀬麦彦さん、お疲れさまでした。合掌。
お亡くなりになった直後の8月12日、小説家としてのデビュー作『壁わり伝六、日々立腹 めおと餓鬼』が発売されたそうです。
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