緊急シンポジウム 「原発事故とメディア」へ
遅ればせながらUP。
先週、緊急シンポジウム 「原発事故とメディア」へ行ってきました。
日時:2011年4月30日(土)午後1時30分~4時30分
会場:新宿区立新宿歴史博物館講堂
基調講演:広河隆一さん(フォトジャーナリスト)
パネリスト:渡辺実さん(防災・危機管理ジャーナリスト)
後藤政志さん(元東芝原子炉設計技術者)
寺尾克彦さん(福島放送労働組合)
コーディネーター:砂川浩慶さん(立教大学准教授)
主催:メディア総合研究所/開かれたNHKをめざす全国連絡会
◆基調報告 広河隆一氏① 約13分
http://www.ustream.tv/recorded/14370665
◆基調報告 広河隆一氏② 約30分
http://www.ustream.tv/recorded/14370938
◆基調報告 広河隆一氏③ 約20分
http://www.ustream.tv/recorded/14371478
◆ ~ パネルディスカッション① 約30分
◆パネルディスカッション② 約50分
http://www.ustream.tv/recorded/14372372
◆パネルディスカッション③ 約45分
http://www.ustream.tv/recorded/14372880
四谷駅から会場に向かい始めたところ、先に会場に着いていた知人から電話。すでに立ち見も一杯でもう会場に入れないらしい。よって、知人は諦めて帰るとのこと。
映画「COVE」シンポジウムの例もあるので、入れなくてもいいから行くだけ行ってみようと、新宿歴史博物館へ。
途中、入場を諦めて帰る人たちとすれ違う。かなりの人数。
それでも、とにかく会場に到着。やはり入れない。
せめてレジュメだけでももらって帰ろうと思いコピーが届くのを待つ。
で、遠方からわざわざ来た人もかなりいるみたいで、ロビーで音声だけでも聞けないかなどと交渉が始まる。
先にも書いたけど映画「COVE」の時も会場には入れなかったけど、音声だけでもとお願いして、その結果、ロビーのモニターで映画とシンポジウムを見ることができた。
なので、諦めずに交渉の輪に加わったところ、手を挙げた十人余だけだったら近くの事務所で音声だけ聴けるようにしてくれるとのこと。
ということで、みんなで事務所に移動。着いたのは民放労連の事務所だった。
USTREAMで生中継しており、広河隆一さんの基調講演を後半から視聴。
チェルノブイリに50回以上行っているという広河さんのチェルノ・ルポ、それに今回の福島原発事故の現地ルポはUSTREAMやYoutubeでかなり観た。
なので、今回は生の話が聞けることを楽しみにしていたんだけど、民放労連でモニターの準備などで時間がかかってしまい、広河さんの基調講演はまともに聴けず残念。
パネルディスカッションは、まずパネリスト一人一人が自己紹介を兼ねて挨拶。
元東芝原子炉設計技術者の後藤政志さんもUSTREAMやYoutubeでかなり視聴しており、動画で見た通りの、ブレのない語り口。
パネルディスカッションは時々、厳しいブ゙ーイングが入ったりして、時々荒れ模様。
特に、今回の震災では日本テレビのコメンテーターとして局に詰めていたという防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実さんはマスメディア側の人間として認識されてしまったのか、時に激しいブーイングに晒されていた。
テレビ出演を求められた後藤さんは、あらかじめ作られたシナリオ通りの発言しかできなかった、自分の意見を言おうとしても、司会者がシナリオ通りまとめようとして、自由な意見が言えなかったことを明かした。
「ここ(テレビ局)は自分のいるべきところではないと思った」という言葉が鋭く突き刺さった。
また、 福島放送のアナウンサーでもある寺尾克彦さんは今回の震災の取材の応援に駆り出されたという。そして、ローカル局とキー局の取材体制の違いについての話が意外だった。
というのも、ローカル局の場合、地元に密着した取材で放射線を浴びる量も当然多くなる。なので、取材に入る範囲については局から××キロ以内には入るななどの制限があった。しかし、キー局の人間は一度取材に来て、サッと帰っていける。被爆量を気にしなくてすむのだという。
地元局はキー局より深い取材をしているものと思い込んでいた私としては、その話は本当に意外だった。
タイトルでありテーマである「原発事故とメディア(報道)」について、この一回だけではどうしても話し足りない印象だった。
全体を通して感じたのは、今回の震災による原発事故で国民の間に脱原発・反原発の意識がすごく高まっているということ。
四ッ谷駅まで一緒に帰った中高年の2人の女性は原発のことをすごく勉強しており、そのうちの1人、千葉から来たという女性は前日の明治大学で行われた小出裕章氏の講演にも行ったとのこと。
それから、多くの人がマス・メディアの報道に大きなフラストレーションを抱いているということを強く感じた。
事故を過小評価しようとする政府の発表をそのまま追認、まるで政府の広報であるかのごときマス・メディアの在り方への怒りと苛立ちがブーイングになったのではないだろうか。
【参考】
宮嶋茂樹 情けないアリバイ工作取材
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