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2013.01.21

映画『グレード・ディベーター 栄光の教室』 “奇妙な果実”の時代のある闘い。実話に基づくストーリー。



『グレード・ディベーター 栄光の教室』
 (2007年 米)
【監督】デンゼル・ワシントン
【脚本】ロバート・エイゼル
【出演】デンゼル・ワシントン/フォレスト・ウィテカー/デンゼル・ウィッテカー/ネイト・パーカー/ジョン・ハード/ジーナ・ラヴェラ
【概要】
1930年代に全米討論選手権で優勝したワイリー大学の実話をもとに映画化したドラマ。

1935年アメリカ、テキサス州マーシャル。人種差別が色濃く残るこの街には「白人専用」施設があふれ、黒人たちは虐げられていた。
この歪んだ社会を正す方法は「教育」だけ。そう信じる教師トルソン(
デンゼル・ワシントン)は、黒人の若者に立派な教育を施すという夢の実現に向け、ディベート(討論)クラスを立ち上げる。

そして、彼の熱意に触発された、勇気ある生徒たち。
やがて討論大会に出場し始めた彼らは、黒人というだけで経験してきた悲しい過去や秘めた怒りを「言葉」という武器に託し、大勢の観客たちの心を動かしてゆく。
だが、彼らの活動が、人々の注目を集め始めていた矢先、トルソンの言動を「過激すぎる」と問題視した学校側は、ディベート・クラスにまで圧力をかけ始め


1月21日(今日)までGyao!で無料視聴できます。

【コメント】

Gyao!では時々、意外な作品と遭遇する。
この作品もそう。Gyao!でラインアップされていなければ、作品の存在自体知らなかったかもしれない。

監督・主演のデンゼル・ワシントンがどうしても作りたかった映画だそうで、彼の熱い思いがひしひしと伝わってくる感動作。

以前から「ディベート」(討論)については関心があり、NHKで放送していたハーバード大学の「白熱教室」はディベートの実際が見られるということでワクワクしながら観ていた。その意味でも、この作品はとても面白かった。
また、「ディベート」はチーム競技である、とは聞いていたが、ボイストレーニングや即興スピーチ、リサーチなどその技術を訓練していく過程が映画の中で描かれている。


構成分析で観ると。

プレミス(コンセプト):人種差別の撤廃と人権の復権
アンタゴニスト(敵対者):人種差別を是認する社会
キャラクターアーク(キャラクターの変化):メインの学生3人のキャラクターアークはしっかりと描かれている。特に、7ヶ国語に堪能なジェームズ・ファーマー教授(フォレスト・ウィテカー)の息子でチームの中で最年少のジェームズJrの変化が一番大きい。

その意味では、この映画の主人公はジェームズJrと言えるかもしれない。

だとするとメンター(助言者・賢者)はトルソン先生(デンゼル・ワシントン)ということで、構成的にはピッタリとはまる。


ディベートチームの成長と同時に、当時の過酷な人種差別の現状が説得力を持って描かれており、とても良く出来た作品だと思う。
なお、ビリー・ホリデイのレパートリーとして有名な『奇妙な果実(Strange Fruit)』が創られたのもこの時代。
映画の中にも、この歌で歌われたようなエピソードがそのまま描かれています。


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