映画『ロード・オブ・ウォー』
監督・脚本:アンドリュー・ニコル
出演:ニコラス・ケイジ、ジャレッド・レト、イーサン・ホーク、ブリジット・モイナハン
【あらすじ】
ソビエト連邦崩壊前夜のウクライナに生まれたユーリー・オルロフ(ニコラス・ケイジ)は、少年時代に家族とニューヨークへ渡り、両親が営むレストランを手伝いながら育った。
ある日ロシア人ギャングの銃撃戦を目撃したユーリーは、レストランが食事を提供するように、戦場に武器を供給する仕事をしようと決心する。
弟のヴィタリー(ジャレッド・レト)とパートナーを組んで闇の世界に足を踏み入れたユーリーは、混沌とした世界情勢を追い風に、瞬く間に世界有数の武器商人へと上り詰めていく。だがその動向を嗅ぎつけたインターポールのバレンタイン刑事(イーサン・ホーク)が背後に迫っていた・・・。
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD8079/index.html より
【あらすじ】
ソビエト連邦崩壊前夜のウクライナに生まれたユーリー・オルロフ(ニコラス・ケイジ)は、少年時代に家族とニューヨークへ渡り、両親が営むレストランを手伝いながら育った。
ある日ロシア人ギャングの銃撃戦を目撃したユーリーは、レストランが食事を提供するように、戦場に武器を供給する仕事をしようと決心する。
弟のヴィタリー(ジャレッド・レト)とパートナーを組んで闇の世界に足を踏み入れたユーリーは、混沌とした世界情勢を追い風に、瞬く間に世界有数の武器商人へと上り詰めていく。だがその動向を嗅ぎつけたインターポールのバレンタイン刑事(イーサン・ホーク)が背後に迫っていた・・・。
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD8079/index.html より
まず、ユーリーが観客に向かって語る。
「今、世界には 5億5千万丁の銃がある。ざっと12人に1丁の計算だ。残る課題は“一人一丁の世界”」
そして、オープニングクレジットの背景に弾丸の一生。
「今、世界には 5億5千万丁の銃がある。ざっと12人に1丁の計算だ。残る課題は“一人一丁の世界”」
そして、オープニングクレジットの背景に弾丸の一生。
弾丸が製造、梱包、戦地へ輸送、装填され、放たれ、撃たれ、幼い子供の頭部へ・・・。
ふとしたきっかけから武器商人の道を歩み始め、その才能ゆえか、あっという間にトップへ登りつめていくユーリー。
この作品は実際の武器商人たちの話をもとに作られ、ユーリー・オルロフというキャラは、実在の五人の武器商人たちを混成した人物だそう。
前半はユーリーのナレーションで説明的にストーリーが進んでいく。が、弟が麻薬に溺れ、一人で商談に行くようになってから、危険と隣り合わせの武器商人の現実が緊張感を持って展開されていく。
見ているうちに、いろんな作品を思い出した。
◇冷戦終了後のロシアでの兵器の密売。
『インベイド』(2003)というアメリカのB級映画。エイリアンによる地球侵略でロシア軍基地が破壊され、アメリカの危機管理司令部は特殊部隊を派遣。エイリアンは破壊した基地に隣接する原子力発電所に侵入。ところがなぜかロシア軍兵士が原発を封鎖して中に入れない。やがてその理由が分かる。
なんと原発の中に不法に手に入れた核弾頭を隠していたのだ。密売するために・・・。
ストーリーは陳腐だったけど、核弾頭の密売ってのが強く印象に残った作品だった。
前半はユーリーのナレーションで説明的にストーリーが進んでいく。が、弟が麻薬に溺れ、一人で商談に行くようになってから、危険と隣り合わせの武器商人の現実が緊張感を持って展開されていく。
見ているうちに、いろんな作品を思い出した。
◇冷戦終了後のロシアでの兵器の密売。
『インベイド』(2003)というアメリカのB級映画。エイリアンによる地球侵略でロシア軍基地が破壊され、アメリカの危機管理司令部は特殊部隊を派遣。エイリアンは破壊した基地に隣接する原子力発電所に侵入。ところがなぜかロシア軍兵士が原発を封鎖して中に入れない。やがてその理由が分かる。
なんと原発の中に不法に手に入れた核弾頭を隠していたのだ。密売するために・・・。
ストーリーは陳腐だったけど、核弾頭の密売ってのが強く印象に残った作品だった。
◇ベルリンの兵器見本市、そして販売のためにずらりと並べられた戦車・・・
テレビ版『クラッシュ』シーズン2で、神の啓示を受けてホームレスのための町を作ると言い出した大富豪の庭に戦車があって、どこかの見本市かオークションで買ったと楽しそうに話していたなぁ。
◇ユーリーの最大のお得意さんでアフリカの紛争国・リベリア大統領バプティストは銃を掲げた幼い少年兵たちに満足気。
大統領「これがカラシニコフ隊、わが少年旅団だ。国のためすべての男が必要なんだ」
ユーリー「あれが“男”?」
大統領「14歳の撃つ弾も、40歳の撃つ弾と同じさ。むしろ効果的だ」
オムニバス映画『それでも生きる子供たちへ』の中にルワンダの少年ゲリラ「タンザ」の物語がある。タンザは命令を受けて、村の小学校に爆弾を仕掛けに行くが・・・。
机に腰掛けて、一人ひそっと涙を流す。
大人たちの戦争に巻き込まれても、子供はやはり子供。本当は学校に行きたいタンザ。
不条理なタンザの境遇に胸が痛んだ・・・。
オムニバス映画『それでも生きる子供たちへ』の中にルワンダの少年ゲリラ「タンザ」の物語がある。タンザは命令を受けて、村の小学校に爆弾を仕掛けに行くが・・・。
机に腰掛けて、一人ひそっと涙を流す。
大人たちの戦争に巻き込まれても、子供はやはり子供。本当は学校に行きたいタンザ。
不条理なタンザの境遇に胸が痛んだ・・・。
◇武器商人だという秘密がついに妻に明らかになり、逮捕されるユーリー。バレンタイン刑事は厳しくユーリーを追及する。息詰まるようなユーリーとバレンタインの対決・・・。
このシーンのユーリーは『殺人狂時代』のシリアルキラー、アンリ・ヴェルドゥ(チャールズ・チャップリン)と二重写しになった。
「殺人はビジネス、小さい規模では上手くいかない」「大事業の歴史を見なさい、戦争、戦い、すべてビジネスです。一人殺せば悪党で、百万人だと英雄です。数が殺人を神聖にする」と平然と言ってのけるアンリ・ヴェルドゥ。
アンリ・ヴェルドゥと同じくユーリーも自分のビジネスに全く揺るぎのない信念を持っている。
「(武器商人は)必要悪だ」と。
そして死刑判決を受けたアンリ・ヴェルドゥは言う。
「命の焔を消されるにあたって申し上げておききたい。私は皆さんに会う。すぐに。ほんとにすぐに」
妻に武器商人を止めてといわれてユーリーは答える。
「止めても同じだ。誰かが出てくる・・・」
アンリ・ヴェルドゥやユーリーが断言したように、殺人も戦争も未だ延々と続いている・・・。
『ロード・オブ・ウォー』、見ている間にいろんなことを考えさせてくれる映画だった。
Gyao!で無料視聴できます。
http://gyao.yahoo.co.jp/p/00867/v00581/
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この記事へのコメントは終了しました。
コメント
>アンリ・ヴェルドゥやユーリーが断言したように、殺人も戦争も未だ延々と続いている・・・。
おっしゃるとおりですね。この世から武器を一掃してしまいたいです。
投稿: ETCマンツーマン英会話 | 2014.08.05 14:00