映画『幸せパズル』:50歳からの自分探し・・自分が変われば世界も変わる!
2010年アルゼンチン・フランス
監督・脚本:ナタリア・スミルノフ
出演:マリア・オネット、ガブリエル・ゴイティ、アルトゥーロ・ゴッツ、ヘニー・トライレス
【ストーリー】
夫と2人の息子の幸せが生きがいの専業主婦マリア。
50歳の誕生日にプレゼントされたジグソーパズルに思いがけない才能を発揮。
パズルの面白さを知ったマリアは、ある日、ゲーム店で目にした「パズル大会のパ-トナ-募集」という広告に応募し、家族に内緒で富豪の独身紳士ロベルトと会う。
マリアの才能に気がついたロベルトはパズル大会の基本ルールから優しく教えてくれ、マリアは家族に内緒で彼とペアを組み、ゲーム大会出場を目指し練習を続ける。
そして、思い切って全国大会出場を家族に打ち明けるが、夫には一笑に付され、自分のことしか頭にない息子たちからは相手にされない中、ますますパズルにのめり込んでいく。
果たしてマリアとロベルトは国内大会で優勝できるのか?
マリアとロベルトの関係は? マリアと家族の関係は?
【コメント】
レンタル屋さんで女性主人公の作品を探していて見つけた映画。
『ルイーサ』と同じく、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスを舞台にした作品でした。
アルゼンチンは、昔の日本みたく主婦は家庭を守るものという男尊女卑的な家庭観があるらしい。
マリアは良妻賢母の見本のような女性。
せっせと料理を作り、バースディケーキを焼き、部屋一杯のお客様をもてなし、一人で台所とお客様の間を往復するだけのマリア。
誰の誕生パーティーかと思ったら、なんとマリアの誕生日!
それでも一切愚痴は漏らさない、なんとも忍耐強い母。
夫はマリアをちゃんと愛してくれているが、毎日の家事の合間にふと忍び込む空しさ・・・。
そんなマリアが出会ったのがジグソーパズルだった。
ジグソーパズルによって広がっていくマリアの世界。
マリアの変化に気がつき「最近きれいになったな」と嬉しそうに言ってくれるだんな様。
おおっ、だんないい人じゃん。日本の男はそんなふうに妻を褒めんでしょう。
「君のやり方でやればいいんだよ」とマリアに優しくパズルを教えてくれる大富豪の独身紳士。
おおっ、羨ましぃ。他と違ってもありのままを受け止めてくれる男性なんて。
ドイツの世界大会に向けて頑張ったマリアが出した結論は・・・。
最後に大切なことを感じさせてくれて、ハッピーな余韻が残る作品でした。
ジグソーのピースを探すマリアを見ていると、失くした欠片を探すシェル・シルヴァスタインの絵本『ぼくを探しに』を思い出した。
しかし、それよりもピタッと来るのは韓国ドラマ『雪の女王』で数学の天才ハン・テウン(ヒョンビン)が最終回で語る・・・
「昔、愛した女性からなぜ数学が好きか聞かれた時、答えがあるからと言った。でも、それは違っていた。数学が好きなのは、答えを探す過程が幸せだから・・・」
というようなことを言っていたけど、マリアのジグソーパズルも同じだなぁとしみじみ。
1つ達成してもさらにより難しい上のレベルの問題が待ち構えている。
達成感を求めてチャレンジし、答えを探す過程がなにより大事なんですね。
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