電車の中で、やはり泣いてしまった沢野ひとしさんの『クロ日記』
西葛西からの帰り、電車の中で『クロ日記』(沢野ひとし著)を最後まで読み通す。
この本は「よみかき座」の仲間の一人・Mさんがプレゼントしてくれた。
私が未だにラブとセントに心を残していることや、1年以上前から東北大震災の被災動物についての作品を書こうとしていることなど知っていて、昨年の忘年会の時にひそっと渡してくれた本。
電車に乗った時に少しづつ読んでいたけれど、今日は最後まで読み通すぜ!と気合を入れて往復の電車の中で読みきった。
1ページの2/3が沢野さんの絵で1/3が出来事を綴った短文。
両手に乗るほど小さかったラブラドールレトリーバーのクロが、15歳で亡くなるまでの記。
淡々と綴られた沢野さんのクロ観察日記に、一人で笑ったり、頷いたり、犬と暮らしている人には共感できることばかり。
クロが果物大好きと知れば、ああ、ラブもセントも果物大好き、野菜も大好きだったなぁと思い出す。
散歩の気配を感じれば、嬉しくて嬉しくてしっぽ、パタパタも同じ。
暑い夏は、家に残していくのが心配、というのも一緒。
クロの乳がんが見つかり・・・ああ、ラブも・・・
クロが亡くなったという記述は沢野さんらしく淡々と。
1ページ目からクロの成長を見続けてきた読者としては、沢野さんの淡々とした記述に言いようのない深い悲しみを感じ取り、涙がこみ上げてしまう。
沢野さんちは、歴代のわんちゃんの遺骨をお庭に埋めているそう。
私はまだ、ラブとセントの遺骨を手放す気持ちになれない。
できれば、私が死んだ時、一緒に埋葬して欲しいという願いが捨て切れなくて・・・。
でも、やはり埋葬すべきなんだろうか?
そんな宿題をいただいた本でもあった。
Mさん、ステキな本をありがとう!
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