« 映画オリジナル版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』とリメイク版『ドラゴン・タトゥーの女』(D・フィンチャー)とを比べてみる | トップページ | 映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の完結編『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』 »

2013.05.07

映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の続編『ミレニアム2 火と戯れる女』

Doragontattoo3

『ミレニアム2 火と戯れる女』
2009年 スウェーデン
監督:ダニエル・アルフレッドソン
製作:ソロン・スターモス
製作総指揮:ピーター・ネーデルマン
原作:スティーグ・ラーソン
    『ミレニアム2 火と戯れる女』
脚本:ヨナス・フリュクベリ
出演:ミカエル・ニクヴィスト、ノオミ・ラパス

【ストーリー】・・・ネタバレ含む・・・

 あれから1年、リスベット(ノオミ・ラパス)は、オーストラリア、カリブ海などを旅行していた。
 しかし、後見人ビュルマンのチェックだけは欠かさなかった。

 そんなある日、ビュルマンのパソコンに不法アクセスしたリスベットは、彼女が報復と警告の意味をこめてビュルマンの腹に彫った『私は卑劣なサディストのブタです』という刺青を彼が消そうとしていることに気がつく。

 急遽、スウェーデンに帰国したリスベットは、ビュルマンの家に忍び込み、偶然見つけた彼の銃を突きつけて再び警告する。
 一刻も早く後見人が解かれるように後見人報告書にリスベットは問題ないと書くこと、今度刺青を消そうとしたらあの時のDVD映像をネットで公開すること、など。

 (前作で、リスベットは再三、性的虐待をするビュルマンから自分の身を守る目的で、彼がリスベットをレイプするシーンをビデオで隠し撮りした。そして、ビュルマンが買春やレイプなどできないようにその腹に『私は卑劣なサディストのブタです』という刺青を入れた)

 このままではリスベットの言いなりになるしかない。そう考えたビュルマンはザラという人物に連絡。
 ザラは代理人を通じてピュルマンに「93年に作成されたリスベットに関する警察資料(ビョルク文書)」を渡すよう要求しており、ピュルマンは「リスベットの持っているDVDを取り戻してくれたらビョルク文書を渡す」と取引を持ちかけた。

 一方、ミカエル・ブルムクヴィスト(ミカエル・ニクヴィスト)の雑誌『ミレニアム』では、闇の人身売買と少女売春問題を取り上げることになった。
 その企画を持ち込んだのは、フリー・ジャーナリストのダグで、彼の恋人ミアは犯罪学の論文のためにその闇組織について独自取材を行っていた。

 ところがダグとミアが自宅で射殺される。犯行現場に残された銃からリスベットの指紋が検出された。続いてビュルマンも自宅で射殺死体で発見される。銃弾がダグらを射殺した銃のものと判明。

 リスベットは二つの犯行の容疑者として指名手配される。
 しかし、リスベットのことをよく知っているミカエルはどうしても彼女が犯人とは思えない。
 もう一人リスベットの無実を信じる人物が現れた。リスベットが17才の頃から通っていたボクシングジムのトレーナーで元有名ボクサーのパウロだ。

 ミカエルはパウロにリスベットの所在を突き止めて欲しいと依頼。
 パウロはリスベットのガールフレンドのミミく(リスベットはバイセクシャル)に会いに行くが、ちょうど帰宅したミミが金髪の巨人・ニーダーマンに襲われ、拉致されたところに遭遇。
 パウロはミミを救出すべくニーダーマンと対決するが、何度殴っても倒れない驚異の肉体を持ったニーダーマンに倒され、閉じ込められた倉庫に火をつけられる。
 ミミの機転で何とか焼死から免れる二人。

 パウロのボクシング仲間の情報からニーダーマンがドイツ国籍で、かつてハンブルグのジムにいたことや遺伝子の異常による先天性無痛症という特異体質のまるでロボットのような無敵の男だと分かる。

 ミカエルは、ダグが殺される直前に電話で言っていた名前「ザラ」について調査を始める。

 一方、逃走中のリスベットは後見人報告書を探しにビュルマンの別荘に行き、ビュルマンが隠し持っていたビョルクの報告書(ビョルク文書)を発見する。
 
 ミカエルは公安警察でビュルマンと同僚だったというビョルクを訪ね、さらにリスベットの最初の後見人だったホルゲル・パルムグリンを訪ねて驚くべき事実を知る。
 
 1976年のある日、ソ連からの亡命者がビョルクとビュルマンの勤めていた警察署に現れた。GRU(ソ連参謀本部情報総局)の一流スパイだったザラことアレクサンデル・ザラチェンコだ。
 スウェーデン政府はソ連の大物スパイの亡命に戸惑った。しかし、そのザラの亡命を手助けしたのが公安警察で秘密裏に結成されていた特別分析班だった。
 特別分析班にとってザラの持つ情報は宝の山のように利用価値があった。そんな特別分析班に守られ、やがてザラは銃器密輸、薬物取引をはじめ人身売買、暴行など犯罪にも手を染めていった。

 1993年、ザラが12才になる自分の娘にガソリンをかけられ火達磨にされるという事件が起こった。その娘というのがリスベットだった。
 リスベットの母は17才の時にザラに出会い、やがて妊娠、リスベットを生んだ。ザラは時たまリスベットの母の元に現れ激しい暴力をふるい、母を犯しては帰っていった。
 そして、1993年のある日、ザラはリスベットの母に脳損傷を負わせるほどの暴力の後、平然とした顔で帰ろうと車に乗った。怒りと憎しみが頂点に達したリスベットはガソリンの詰まった牛乳パックをザラに投げつけ、火を付けてザラを殺そうとした。 

 この事件が明るみになってザラの存在や彼との関係を知られることを恐れた特別分析班は、リスベットの口を閉ざし社会から幽閉するために彼女を精神病院に閉じ込めた。
 その時、リスベットの精神鑑定をして偽の鑑定書を作成したのが当時の主治医ペーテル・テレボリアンだった。
 “リスベットには精神障害があり、彼女の発言には価値が無い”と思い込ませる為に徹底的に無能力者のレッテルを貼ったのだ。リスベットが未だに精神不安定な“無能力者”として後見人がついているのも、ザラを含む闇の特別分析班の陰謀からだったのだ。

 93年当時、ザラを担当していたビョルクの報告書(ビョルク文書)には、テレボリアンが偽の鑑定書を作成した経緯などが記録されていた。

 
 ザラは人身売買や少女売春など闇の仕事を記事にしようと調べまわっていたダグとミアを殺し、さらにビョルク文書の交換条件にリスベットのDVDを要求してきたビュルマンをも殺したと思われる。

  『ミレニアム』の記者たちの取材では、特別分析班の関係者がザラの少女買春の組織とも深く関わっていたことが明らかになってくる。

 ニーダーマンに襲われたミミが入院している病院にリスベットが密かに会いに来た。その時、落としていった鍵をミミはミカエルに渡す。
 その鍵は私書箱の鍵で、中にあった郵便物からミカエルはリスベットが隠れ家にしていた高級マンションを突き止める。そこでビョルク文書とDVDを発見。
 それにより、リスベットの凄惨な過去が証明された。

 『ミレニアム』の記者からの電話で、ニーダーマンのゴッセベリヤの住所が分かった。
 ストックホルムから数時間のゴッセベリヤに車を走らせるミカエル。
 その頃、リスベットはザラと直接対決するためにゴッセベリヤのザラの屋敷にいた。
 母とリスベットの人生を奪った父・ザラチェンコ。復讐のために今度こそザラを殺す・・・過去、リスベットが成し遂げられなかったことを改めて成就させるために。
 屋敷に乗り込んだリスベットの前にニーダーマンが立ちふさがった。リスベットは唯一の武器であるスタンガンをニーダーマンに押し当てたが、強力な電気ショックでもニーダーマンは平然としている。


 ニーダーマンに捕らわれたリスベットはザラから意外な事実を聞かされる。ニーダーマンはハンブルグの女に産ませたリスベットの異母兄だというのだ。、

 掘った墓穴の前でザラはニーダーマンにリスベットを殺すように命じた。
 リスベットは一瞬の隙をついて逃げ出すが、ニーダーマンに頭と肩と腰を撃たれ、ついに動かなくなる。ザラはそんなリスベットを墓穴に放り込み埋めた。

 しかし、早朝、驚異的な執念と生命力で墓穴から抜け出したリスベットは、小屋にいるザラに向かって斧を振り下ろした・・・。
 血みどろになりながらの死闘で、ついに動かなくなるザラ、そしてリスベット。
 異変に気がついたニーダーマンが小屋にやってくる。
 そこにようやくミカエルの車が現れる・・・。
 逃げ出すニーダーマン。
 ミカエルの通報で、ドクターヘリで病院に搬送される瀕死のリスベットとザラ。
 次作へ続く・・・。


【コメント】
 Gyao!で『ミレニアム2』と『ミレニアム3』を同時公開しているのを知って、即見た。

 前作はミカエルが受けた少女失踪事件を二人で解決するのがメインストーリーだったが、今作は前作でフラッシュで挿入されていたリスベット自身の過去がテーマになっている。

 よってリスベットが殺人容疑で指名手配されるところから、ストーリーは動き出す。

 で、息もつかせず最後まで見させる面白さ。

 一瞬、疑問も湧いたりする。例えば、先天性無痛症って、これ実際には大変な病気だったような。全く痛みを感じないので骨折しても気がつかず、切られたり突かれたりしても気がつかない。なので傷を放置して命を落とすことも。
 しかし、ニーダーマンってば、プロボクサーに殴られてもアザ一つできずまるで人造ロボット・・・んなバカな!と思いつつ、ストーリー展開に引きずられて見てしまう。

 見終わって、すぐ続きが見たくなり、即『ミレニアム3』を視聴!


 

|

« 映画オリジナル版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』とリメイク版『ドラゴン・タトゥーの女』(D・フィンチャー)とを比べてみる | トップページ | 映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の完結編『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

リスベットがザラにガソリンをかける場面が疑問。
灯油ならともかく一般家庭にガソリンがありますかねえ、、
リスベットが高度なハッキング記述の持ち主という設定(これは前作から)ですが、いつ、どのようにブレイグと知り合ったのか、というあたりが説明不足。
外国の話なので風習の違いは有ると思いますがガソリンの部分は違和感を覚えます。

投稿: 10show | 2015.03.05 21:09

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の続編『ミレニアム2 火と戯れる女』:

« 映画オリジナル版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』とリメイク版『ドラゴン・タトゥーの女』(D・フィンチャー)とを比べてみる | トップページ | 映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の完結編『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』 »