小説『サクリファイス』:自転車ロードレースを舞台にした青春ドラマでありサスペンスドラマ。ロードレースのルールが分かると同時に、その奥深さがよく分かり、サスペンスとしても面白かった!
ここ数日、資料読みの日々。
約29冊・・・といってもほとんどコミックなんだけど。
その中でとても面白かったのが小説『サクリファイス』(中島史恵著)。
自転車ロードレースといえば映画『シャカリキ!』(2008年・監督:大野伸介)を観た程度で、ほとんど未知の分野。
有名なロードレース、ツール・ド・フランスは名前だけは知っているし、ヨーロッパでは自転車競技はとても人気のあるスポーツらしい・・・とその程度の知識しかなかった自転車競技に無知の人間でも、とても面白く読めた。
高校時代、陸上のトップアスリートだった主人公はいつも優勝を期待されるプレッシャーにさらされており、
「一番になることに、どんな意味があるのか?」
と心に鬱屈したものを抱いている。その彼が
「一番を目ざさなくてもいい」スポーツ、
自転車ロードレースと出会う・・・。
ロードレースは個人競技に見えて、実は団体競技。エースが優勝するためには優秀なアシストが必要であり、主人公はそのアシストの道を選ぶ。
アシストは自分の勝利を犠牲(サクリファイス)にして、エースのために働く。
そんなロードレースの人間模様に“ある事故”を巡ってのサスペンスが絡まり、ドンデンに次ぐドンデンで、さらなる壮絶なサクリファイスの事実が見えてくる。
その事実が明らかになった時、思わず涙がこみ上げた。
人間ドラマと同時に、ロードレースのルールや魅力を知るにはとても良い一冊でした。
小説を原作にしたコミック『サクリファイス 1~3』(漫画:菊地昭夫)も読んだけど、とても原作に忠実に書かれていた。絵は迫力あります!
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