韓国ドラマ『シークレット・ガーデン』全20話 視聴完了。ストーリーはお子様向けファンタジー。しかし、キャラ造形と役者と映像はお見事!
『シークレット・ガーデン』
全20話 各話約60分
放送年:2010-2011
演出:シン・ウチョル
脚本:キム・ウンスク
製作:SBS
製作:SBS
出演:ヒョンビン、ハ・ジウォン、ユン・サンヒョン、キム・サラン、イ・フィリップ、イ・ジョンソク、ユ・インナ
【あらすじ】
社会現象を巻き起こしたヒョンビン主演作!! 魂が入れかわる“魔法”が起こした奇跡の恋。
韓流スターのオスカー(ユン・サンヒョン)は、女優チェリンとの恋愛トラブルに頭を悩ませていた。
若きデパートのCEOであるジュウォン(ヒョンビン)は、従弟であるオスカーにデパートの広告契約を条件にスキャンダルの解消を約束する。
偶然にもその場に居合わせたスタントウーマンのライム(ハ・ジウォン)は、ジュウォンにチェリンと勘違いされ、二人は最悪な形で出会うことに。
さらに、オスカーの撮影に同行することになった二人は、済州島で身体が入れ替わるという事故に遭い……。
最高視聴率37.9%を記録し、No.1ヒットを飛ばしたファンタジック・ラブコメディ。
【感想】(※注意:ネタバレあり)
2014年2月12日よりGyao!にて週一、毎週水曜日に3話づつ配信。
最高視聴率37.9%を記録し、No.1ヒットを飛ばしたファンタジック・ラブコメディ。
【感想】(※注意:ネタバレあり)
2014年2月12日よりGyao!にて週一、毎週水曜日に3話づつ配信。
評判が良くて、以前より見たかった作品だったので、毎水曜日を楽しみに全話視聴。
正直、ストーリー的には肩透かし・・・
ヒョンビンとハ・ジウォンの体の入れ替わりがこのドラマの売り・・・と思い込んでいたが、実際に入れ替わりが始まるのは5話から6話にかけて。で、ある条件になると時々、彼と彼女の体が入れ替わるわけだけど・・・。
この入れ代わりはなんのメタファーなんだろうか・・・とついつい考えながらみてたけど、う~む、あまりにもご都合的だし、入れ替わったからといって相手に対する理解や愛が深まるようでもないし・・・。えっ、死んだ父親が魔法を掛けた? だとしても、なんだかアイデアの面白さと話題性だけのファンタジー部分みたいな気がして、ハッキリいって、ストーリー的にはつまらなくて、ガッカリ。
ところがところが、このドラマの優れているところは、キャラの設定。
財閥系の親を持つ従兄弟同士のジュウォン(ヒョンビン)とオスカー(ユン・サンヒョン)。
消防士の父を亡くし天涯孤独ながらスタントウーマンとして夢を追って自立しているライム(ハ・ジウォン)。
三人それぞれのキャラがある意味大袈裟にカリカチュアライズされながら、ブレルことなく描かれ、またそれぞれの俳優も見事なほど役を演じきっている。
特にヒョンビンはやはり上手い役者だとこの作品で改めて知った。
体が入れ替わって女の子(ライム=ハ・ジウォン)になった時の細かい女子の特徴を捉えた演技は絶品!
ヒョンビンを初めて見たのが『雪の女王』(2006年/KBS)。数学の天才であるがゆえに、高校時代、友人の自殺の原因を作ってしまい、そのトラウマを抱えてボクサーとして生きる無口な青年を演じていた。次に観たのが『私の名前はキム・サムスン』(2005年/MBC)。前作とは打って変わって年上の女に翻弄されるレストランの若きオーナー役で、コメディの才を感じさせた。その後、『チング~愛と友情の絆~』(2009年/MBC)と映画『まわし蹴り』(2004年)で男同士の友情の世界を演じ、そして『シークレット・ガーデン』・・・。
男っぽい骨太の役もコメディも演じられる、大好きな役者の一人!
また、オスカー役のユン・サンヒョンも仕事や恋に悩む韓流スターの役をコミカルに、しっかりと演じていた。ユン・サンヒョンを初めて見たのは『僕の妻はスーパーウーマン』(2009年/MBC)。次に『クク島の秘密』(2008年/MBC)。2作ともコメディで雰囲気がキムタクに似ているところから“韓国のキムタク”と言われていた頃で、特にキムタクのファンではなかった私にとってさほど魅力は感じなかった。ところが順番は逆だが2007年に製作された『冬鳥』(MBC)を見て、びっくり。超マザコンの韓国版冬彦さんを熱演しており、役者として優れたものを持っている役者さんだったんだと見直した。
正直、ストーリー的には肩透かし・・・
ヒョンビンとハ・ジウォンの体の入れ替わりがこのドラマの売り・・・と思い込んでいたが、実際に入れ替わりが始まるのは5話から6話にかけて。で、ある条件になると時々、彼と彼女の体が入れ替わるわけだけど・・・。
この入れ代わりはなんのメタファーなんだろうか・・・とついつい考えながらみてたけど、う~む、あまりにもご都合的だし、入れ替わったからといって相手に対する理解や愛が深まるようでもないし・・・。えっ、死んだ父親が魔法を掛けた? だとしても、なんだかアイデアの面白さと話題性だけのファンタジー部分みたいな気がして、ハッキリいって、ストーリー的にはつまらなくて、ガッカリ。
ところがところが、このドラマの優れているところは、キャラの設定。
財閥系の親を持つ従兄弟同士のジュウォン(ヒョンビン)とオスカー(ユン・サンヒョン)。
消防士の父を亡くし天涯孤独ながらスタントウーマンとして夢を追って自立しているライム(ハ・ジウォン)。
三人それぞれのキャラがある意味大袈裟にカリカチュアライズされながら、ブレルことなく描かれ、またそれぞれの俳優も見事なほど役を演じきっている。
特にヒョンビンはやはり上手い役者だとこの作品で改めて知った。
体が入れ替わって女の子(ライム=ハ・ジウォン)になった時の細かい女子の特徴を捉えた演技は絶品!
ヒョンビンを初めて見たのが『雪の女王』(2006年/KBS)。数学の天才であるがゆえに、高校時代、友人の自殺の原因を作ってしまい、そのトラウマを抱えてボクサーとして生きる無口な青年を演じていた。次に観たのが『私の名前はキム・サムスン』(2005年/MBC)。前作とは打って変わって年上の女に翻弄されるレストランの若きオーナー役で、コメディの才を感じさせた。その後、『チング~愛と友情の絆~』(2009年/MBC)と映画『まわし蹴り』(2004年)で男同士の友情の世界を演じ、そして『シークレット・ガーデン』・・・。
男っぽい骨太の役もコメディも演じられる、大好きな役者の一人!
また、オスカー役のユン・サンヒョンも仕事や恋に悩む韓流スターの役をコミカルに、しっかりと演じていた。ユン・サンヒョンを初めて見たのは『僕の妻はスーパーウーマン』(2009年/MBC)。次に『クク島の秘密』(2008年/MBC)。2作ともコメディで雰囲気がキムタクに似ているところから“韓国のキムタク”と言われていた頃で、特にキムタクのファンではなかった私にとってさほど魅力は感じなかった。ところが順番は逆だが2007年に製作された『冬鳥』(MBC)を見て、びっくり。超マザコンの韓国版冬彦さんを熱演しており、役者として優れたものを持っている役者さんだったんだと見直した。
キル・ライム役のハ・ジウォンはこの作品で初めて見た女優さん。女性にも好かれそうな嫌味のない役者さん。
意外だったのがジュウォン(ヒョンビン)の秘書役のキム・ソンオ。思いっきりトリックスター的役柄をコメディチックに演じていたけど、この人、ウォンビン主演の映画『アジョシ』で悪のマンソク兄弟の弟をダークに演じていた役者さんだったとは・・・う~む、役の幅が広い!
(下写真:左『アジョシ』 右『シークレット・ガーデン』)
というわけで『白い嘘』の後半にこの『シークレット・ガーデン』も同時進行で見ていたわけだけど、意外と共通点があったりして。
『シークレット・ガーデン』の最初のほうで財閥の御曹司で若くして系列デパートの社長であるヒョンビンがライムに向かって結婚観を語る。
「自分の生きる(セレブの)世界では結婚はM&A、つまり企業合併(政略結婚)であって、愛とか恋とかは関係ない」
なので興味がなくなれば、“人魚姫”のように泡になって消えて欲しい・・・と。
『白い嘘』ではまさにジョンウとナギョンの結婚がM&Aであり、愛人の息子だったジョンウは本妻が仕掛けたこの政略結婚を拒否できず、ジョンウはウニョンの前から泡のように消えてナギョンと結婚した。
片やファンタジー・コメディ、片やメロドロマとテイストは全く違うが、韓国ドラマの恋愛や結婚問題の構造は財閥系と貧乏な庶民派という組み合わせが多く、すったもんだの結果、白馬の王子様と結ばれるという玉の輿結婚への願望がいかに強いかとこの2作で改めて感じさせられてしまった。
また、財閥を背景にしたモンスター・マザーの存在も両作品共通の構造。
息子を溺愛するあまりに、金の力で息子の恋愛をコントロールしようとする母親。『白い嘘』のほうがより強烈で、「私の美しい息子」とぬけぬけと言う『シークレット・ガーデン』のモンスター・マザーのほうがやや手ぬるく可愛くはあったけど。
それから最後に私の大好きな女優ソン・イェジンがカメオ出演!
大好きなヒョンビンの作品でソン・イェジンが見られたなんて最高のサプライズ!
途切れることなく韓国ドラマを見てきたけれど、多くのドラマの基本的な構造が似ていることと、『妻の誘惑』から始まり、『天使の誘惑』、『ピンクのリップスティック』、『白い嘘』とマクチャンドラマを続けて見て、ドラマの質と視聴率は比例しないということをしみじみと実感・・・。
もうしばらくは、マクチャンドラマは見たくない・・・とちょっと食傷気味。
韓国映画はまだまだ秀作発掘の楽しみがあるけれど、テレビドラマは今後は出来るだけ内容を選んで見たいと思っている次第。
視聴率優先で、ドラマの質をなおざりにしていると、その内、視聴者に飽きられ、ドラマの衰退に繋がっていく・・・その点、大丈夫だろうか、韓国ドラマ・・・。
意外だったのがジュウォン(ヒョンビン)の秘書役のキム・ソンオ。思いっきりトリックスター的役柄をコメディチックに演じていたけど、この人、ウォンビン主演の映画『アジョシ』で悪のマンソク兄弟の弟をダークに演じていた役者さんだったとは・・・う~む、役の幅が広い!
(下写真:左『アジョシ』 右『シークレット・ガーデン』)
というわけで『白い嘘』の後半にこの『シークレット・ガーデン』も同時進行で見ていたわけだけど、意外と共通点があったりして。
『シークレット・ガーデン』の最初のほうで財閥の御曹司で若くして系列デパートの社長であるヒョンビンがライムに向かって結婚観を語る。
「自分の生きる(セレブの)世界では結婚はM&A、つまり企業合併(政略結婚)であって、愛とか恋とかは関係ない」
なので興味がなくなれば、“人魚姫”のように泡になって消えて欲しい・・・と。
『白い嘘』ではまさにジョンウとナギョンの結婚がM&Aであり、愛人の息子だったジョンウは本妻が仕掛けたこの政略結婚を拒否できず、ジョンウはウニョンの前から泡のように消えてナギョンと結婚した。
片やファンタジー・コメディ、片やメロドロマとテイストは全く違うが、韓国ドラマの恋愛や結婚問題の構造は財閥系と貧乏な庶民派という組み合わせが多く、すったもんだの結果、白馬の王子様と結ばれるという玉の輿結婚への願望がいかに強いかとこの2作で改めて感じさせられてしまった。
また、財閥を背景にしたモンスター・マザーの存在も両作品共通の構造。
息子を溺愛するあまりに、金の力で息子の恋愛をコントロールしようとする母親。『白い嘘』のほうがより強烈で、「私の美しい息子」とぬけぬけと言う『シークレット・ガーデン』のモンスター・マザーのほうがやや手ぬるく可愛くはあったけど。
それから最後に私の大好きな女優ソン・イェジンがカメオ出演!
大好きなヒョンビンの作品でソン・イェジンが見られたなんて最高のサプライズ!
途切れることなく韓国ドラマを見てきたけれど、多くのドラマの基本的な構造が似ていることと、『妻の誘惑』から始まり、『天使の誘惑』、『ピンクのリップスティック』、『白い嘘』とマクチャンドラマを続けて見て、ドラマの質と視聴率は比例しないということをしみじみと実感・・・。
もうしばらくは、マクチャンドラマは見たくない・・・とちょっと食傷気味。
韓国映画はまだまだ秀作発掘の楽しみがあるけれど、テレビドラマは今後は出来るだけ内容を選んで見たいと思っている次第。
視聴率優先で、ドラマの質をなおざりにしていると、その内、視聴者に飽きられ、ドラマの衰退に繋がっていく・・・その点、大丈夫だろうか、韓国ドラマ・・・。
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