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2014.03.31

韓国ドラマ『シークレット・ガーデン』全20話 視聴完了。ストーリーはお子様向けファンタジー。しかし、キャラ造形と役者と映像はお見事!

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『シークレット・ガーデン』

全20話 各話約60分
放送年:2010-2011
演出:シン・ウチョル
脚本:キム・ウンスク

製作:SBS
出演:ヒョンビン、ハ・ジウォン、ユン・サンヒョン、キム・サラン、イ・フィリップ、イ・ジョンソク、ユ・インナ



【あらすじ】
社会現象を巻き起こしたヒョンビン主演作!! 魂が入れかわる“魔法”が起こした奇跡の恋。
韓流スターのオスカー(ユン・サンヒョン)は、女優チェリンとの恋愛トラブルに頭を悩ませていた。
若きデパートのCEOであるジュウォン(ヒョンビン)は、従弟であるオスカーにデパートの広告契約を条件にスキャンダルの解消を約束する。
偶然にもその場に居合わせたスタントウーマンのライム(ハ・ジウォン)は、ジュウォンにチェリンと勘違いされ、二人は最悪な形で出会うことに。
さらに、オスカーの撮影に同行することになった二人は、済州島で身体が入れ替わるという事故に遭い……。
最高視聴率37.9%を記録し、No.1ヒットを飛ばしたファンタジック・ラブコメディ。

【感想】(※注意:ネタバレあり)
2014年2月12日よりGyao!にて週一、毎週水曜日に3話づつ配信。
評判が良くて、以前より見たかった作品だったので、毎水曜日を楽しみに全話視聴。

正直、ストーリー的には肩透かし・・・
ヒョンビンとハ・ジウォンの体の入れ替わりがこのドラマの売り・・・と思い込んでいたが、実際に入れ替わりが始まるのは5話から6話にかけて。で、ある条件になると時々、彼と彼女の体が入れ替わるわけだけど・・・。

この入れ代わりはなんのメタファーなんだろうか・・・とついつい考えながらみてたけど、う~む、あまりにもご都合的だし、入れ替わったからといって相手に対する理解や愛が深まるようでもないし・・・。えっ、死んだ父親が魔法を掛けた? だとしても、なんだかアイデアの面白さと話題性だけのファンタジー部分みたいな気がして、ハッキリいって、ストーリー的にはつまらなくて、ガッカリ。

ところがところが、このドラマの優れているところは、キャラの設定。
財閥系の親を持つ従兄弟同士のジュウォン(ヒョンビン)とオスカー(ユン・サンヒョン)。
消防士の父を亡くし天涯孤独ながらスタントウーマンとして夢を追って自立しているライム(ハ・ジウォン)。

三人それぞれのキャラがある意味大袈裟にカリカチュアライズされながら、ブレルことなく描かれ、またそれぞれの俳優も見事なほど役を演じきっている。

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特にヒョンビンはやはり上手い役者だとこの作品で改めて知った。
体が入れ替わって女の子(ライム=ハ・ジウォン)になった時の細かい女子の特徴を捉えた演技は絶品!

ヒョンビンを初めて見たのが『雪の女王』(2006年/KBS)。数学の天才であるがゆえに、高校時代、友人の自殺の原因を作ってしまい、そのトラウマを抱えてボクサーとして生きる無口な青年を演じていた。次に観たのが『私の名前はキム・サムスン』(2005年/MBC)。前作とは打って変わって年上の女に翻弄されるレストランの若きオーナー役で、コメディの才を感じさせた。その後、『チング~愛と友情の絆~』(2009年/MBC)と映画『まわし蹴り』(2004年)で男同士の友情の世界を演じ、そして『シークレット・ガーデン』・・・。
男っぽい骨太の役もコメディも演じられる、大好きな役者の一人!

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また、オスカー役のユン・サンヒョンも仕事や恋に悩む韓流スターの役をコミカルに、しっかりと演じていた。ユン・サンヒョンを初めて見たのは『僕の妻はスーパーウーマン』(2009年/MBC)。次に『クク島の秘密』(2008年/MBC)。2作ともコメディで雰囲気がキムタクに似ているところから“韓国のキムタク”と言われていた頃で、特にキムタクのファンではなかった私にとってさほど魅力は感じなかった。ところが順番は逆だが2007年に製作された『冬鳥』(MBC)を見て、びっくり。超マザコンの韓国版冬彦さんを熱演しており、役者として優れたものを持っている役者さんだったんだと見直した。

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キル・ライム役のハ・ジウォンはこの作品で初めて見た女優さん。女性にも好かれそうな嫌味のない役者さん。

意外だったのがジュウォン(ヒョンビン)の秘書役のキム・ソンオ。思いっきりトリックスター的役柄をコメディチックに演じていたけど、この人、ウォンビン主演の映画『アジョシ』で悪のマンソク兄弟の弟をダークに演じていた役者さんだったとは・・・う~む、役の幅が広い! 
(下写真:左『アジョシ』 右『シークレット・ガーデン』)

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というわけで『白い嘘』の後半にこの『シークレット・ガーデン』も同時進行で見ていたわけだけど、意外と共通点があったりして。

『シークレット・ガーデン』の最初のほうで財閥の御曹司で若くして系列デパートの社長であるヒョンビンがライムに向かって結婚観を語る。

「自分の生きる(セレブの)世界では結婚はM&A、つまり企業合併(政略結婚)であって、愛とか恋とかは関係ない」

なので興味がなくなれば、“人魚姫”のように泡になって消えて欲しい・・・と。

『白い嘘』ではまさにジョンウとナギョンの結婚がM&Aであり、愛人の息子だったジョンウは本妻が仕掛けたこの政略結婚を拒否できず、ジョンウはウニョンの前から泡のように消えてナギョンと結婚した。

片やファンタジー・コメディ、片やメロドロマとテイストは全く違うが、韓国ドラマの恋愛や結婚問題の構造は財閥系と貧乏な庶民派という組み合わせが多く、すったもんだの結果、白馬の王子様と結ばれるという玉の輿結婚への願望がいかに強いかとこの2作で改めて感じさせられてしまった。

また、財閥を背景にしたモンスター・マザーの存在も両作品共通の構造。
息子を溺愛するあまりに、金の力で息子の恋愛をコントロールしようとする母親。『白い嘘』のほうがより強烈で、「私の美しい息子」とぬけぬけと言う『シークレット・ガーデン』のモンスター・マザーのほうがやや手ぬるく可愛くはあったけど。

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それから最後に私の大好きな女優ソン・イェジンがカメオ出演!
大好きなヒョンビンの作品でソン・イェジンが見られたなんて最高のサプライズ!


途切れることなく韓国ドラマを見てきたけれど、多くのドラマの基本的な構造が似ていることと、『妻の誘惑』から始まり、『天使の誘惑』『ピンクのリップスティック』『白い嘘』とマクチャンドラマを続けて見て、ドラマの質と視聴率は比例しないということをしみじみと実感・・・。

もうしばらくは、マクチャンドラマは見たくない・・・とちょっと食傷気味。
韓国映画はまだまだ秀作発掘の楽しみがあるけれど、テレビドラマは今後は出来るだけ内容を選んで見たいと思っている次第。

視聴率優先で、ドラマの質をなおざりにしていると、その内、視聴者に飽きられ、ドラマの衰退に繋がっていく・・・その点、大丈夫だろうか、韓国ドラマ・・・。

 

  
 

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2014.03.30

韓国ドラマ『白い嘘』全159話 視聴完了! ところで、主人公は誰だったの?!

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『白い嘘』 White Lie

全159話 各話約30分

韓国放送日:2008年12月1日~2009年 
演出:ぺ・ハンチョン、イ・ミンス
脚本:チョウ・ジョンウン
製作:MBC

出演者:シン・ウンギョン、キム・ヘスク、キム・テヒョン、キム・ユソク、イム・ジウン

【あらすじ】
5年前、恋人とお腹の子供を一度に失ったウニョン。心の傷が癒え始めた頃、彼女の目の前に現れた心を閉ざしたひとりの青年。彼との出会いが彼女の運命を大きく変えていく…。
ウニョンは恋人ジョンウの子を宿したことを知るが、そんな矢先にジョンウが突然姿を消す。不安になりながらも、一人で懸命に生きる決心を固めていたウニョンだったが、ある日、交通事故に遭い流産してしまう。
失意のどん底に突き落とされるウニョン…。
それから5年後、看護師として働くウニョンは病で心を閉ざす青年ヒョンウと出会う。
ヒョンウの母であるシン会長は大手百貨店を女手ひとつで取り仕切るほどの凄腕。
息子ヒョンウが唯一心を開く相手であるウニョンを息子の嫁にするため、罠を仕掛け、結婚を強引に進めてしまう。
ヒョンウとの結婚を一度は決心したウニョンだったが、心が揺らぎ結婚を破談にしようとした矢先、ヒョンウの兄がジョンウだと知る。
自分を欺いて姿を消したジョンウへの復讐を誓ったウニョンはヒョンウとの結婚を選ぶのだった…。

【特 徴】
●2009年韓国・朝ドラ界の歴史を変えたドラマ
初回視聴率12%に始まり、回を重ねるごとに右肩上がりに急上昇、ついには最高視聴率26.7%を獲得。放送時間が朝の7時50分からにもかかわらず毎日視聴率1位をたたき出した衝撃の話題作。

●「人魚姫」「妻の誘惑」に続く、刺激的でドロドロテイスト満載ドラマ
愛憎劇・長編ドラマ・視聴者を引き込むドラマの展開…レンタル高回転必須要素が盛りだくさん!
過去に傷を抱えた女。心を閉ざした息子に過剰な愛情を注ぐ母。地位と名声のために愛する女を捨てた男。
シン会長の息子ヒョンウがウニョンに好意を抱いたことから、3人のそれぞれの思惑が縺れ始める。カネに物を言わせ、あらゆる手段で息子の為にウニョンを嫁に迎えようとする偏った母親の愛情が、次第に人々を巻き込み刺激的で壮絶な愛憎劇を引き起こす!

●人気の秘密がここにある! 刺激的な愛憎劇×ヒューマンドラマ!
失われることのない母と子の絆や、心を閉ざしていた息子の成長にも光をあてて描いた秀作。
息子のことになると我を失い、それ以外には血も涙もない冷徹な悪母役を実力派女優キム・ヘスクが演じ、息子を守りたい母の愛を圧倒的な演技で表現する。

また、幼い頃のトラウマで心を閉ざした青年ヒョンウが、愛する女性の力を借り、母の元を離れ一人前の男性へと成長していく姿をキム・テヒョンが好演。
視聴者を引きつける2人の名演技から目が離せない!
以上 公式サイトより


【感 想】
 (※注意:ネタバレあり)
Gyao! にて20131016日~2014323日無料配信(視聴は3月29日まで
5ヶ月間、毎日毎日ひたすら見続けた159話。

その結果・・・・えっ、えっ、しゅ、主人公は誰だったのぉ---sign02

と叫ばずにはいられないほど、ラスト10話位から主人公が摩り替わっていて、騙されたような、不可解なラストを迎えた作品でした。

■主人公は誰?

あらすじを読む限り、主人公はウニョン(シン・ウンギョン)。

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ドラマの流れもウニョンの結婚を巡って過去の恋愛問題や人間関係が二重三重にもつれにもつれる。そんな複雑な愛憎劇の渦中にあって、唯一、打算のない無私の愛でウニョンを包むヒョンウ(障害者のように描かれている)。


ほとんどの視聴者は主人公ウニョンがヒョンウの愛を受け入れて、幸せになるよう祈りながら、このドラマを見ていただろう。


ところが・・・・このウニョン、木の葉のように周りに翻弄されてばかりで、あっちにもこっちにもすぐ「すみません」と謝ってしまうという、今時珍しい自己主張の出来ない女。
主人公なんだから、イザって時に戦えよ!(能動的に動けよ!)・・・っと思わずハッパ掛けたくなってしまうキャラ。

Gyao!のレビューを読んでいて分かってきたのは、ほとんどの視聴者が受身の主人公ウニョンに共感できずに、ウニョン以外のドラマの要素に面白さを感じて見続けていたらしいということ。

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まさに私も、シン会長役のキム・ヘスクさん、ヒョンウ役のキム・テヒョンさん、『がんばれ!クムスン』で叔父と甥役だったジョンウ役のキム・ユソクさんとイ・ウンスちゃんを見るのが楽しみで見続けた。

シン会長の策略に翻弄されるウニョンの父や母、妹夫婦の描き方はいかにもステレオタイプで、後半は実家のシーンはほとんど早送りで見てしまった・・・(ストーリーにほとんど影響ないし・・・)

そして気がつけば、最終話。主人公であったはずのウニョンの出演シーンは2,3シーンのみ。主人公は明らかにシン会長とヒョンウに取って代わっていた。

150話に入った辺りから、アレレ、主人公が主人公としての働きをしていない?! 
エエエッ、シン会長とヒョンウ母子の話にシフトチェンジしている?!
・・・・・と気がついたけど、そのままラストまで母子モノで突っ走ったよう。

韓国ドラマの特徴として、
・視聴率によって回数が変動する(視聴率良い場合は20話くらい増える?!)
・視聴者の反応・反響によって、内容が変化する

などがいわれている。

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シン会長役のキム・ヘスクさんは素晴らしかった。主人公ウニョンに対して明らかにアンタゴニストであり、同時に悪のメンターでもあり、母性の中に潜むモンスター性を動と静のメリハリあるど迫力の演技で演じていた。


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また、ヒョンウ役のキム・テヒョンさんの役作りも凄かった。幼い頃の母との関係で深いトラウマを背負い、自分の中に閉じこもってしまった青年。彼がウニョンと出会うことで少しづつ母親の呪縛から逃れ、コミュ障から自分を取り戻し、自立していく様をとてもリアルに演じていた。
キム・テヒョンさんはあまりに役作りにのめりこんで、実生活でうつ症状を発症してしまうほどだったらしい。

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物語のはじめ、貧しい庶民の娘・ウニョンを捨てて財閥系の娘と政略結婚したジョンウ役のキム・ユソクさんは、韓国の大学の演劇映画科を卒業後、ロシア シェープキン国立演劇大学に留学、編入して演技実習・理論修士学位を取得。韓国で演技指導者としても活躍している実力派。



そんな、実力派の役者さんたちに囲まれて、ウニョン役のシン・ウンギョンは演技も存在感も霞んでしまった? その結果、主役交代となってしまったのだろうか?

そんな疑問を抱きながら、メイン人物のキャラクターアークを見てみると・・・

1話から159話までで一番大きく変化したのは?

ヒョンウ:コミュ障・発達障害様の閉じ籠りから脱して、画家として才能を開花、自立する(ウニョンはそのきっかけを作る)

シン会長:全体を通してヒョンウ命であることに変化なし。ラスト2話で激変。金も地位も、命も捨てる(ヒョンウの危篤がきっかけ)

ジョンウ:愛人の子供として生まれ、本妻であるシン会長に逆らえない状況から始まり、やがてシン会長に反撃を開始。結局、地位、財産失い、残ったのは妻・ナギョンだけ(ウニョンの存在きっかけ)

ナギョン:政略結婚でジョンウと結婚。愛のない仮面夫婦→妻の立場を死守→夫への愛に気がつく→夫を支える妻(ウニョンの存在がきっかけ)

シヌ:母・シン会長に反抗的で批判的→客観的立場から母と兄・ヒョンウ、そして兄嫁ウニョンなど家族を見守る

ウニョン:①~⑤の変化のきっかけになり、翻弄されまくりだが、彼女自身の人間的変化とか成長は曖昧・・・・・?

ドラマは主人公の変化と成長を描くもの・・・キャラクターアークの変化の大きさからしたら主役はヒョンウとシン会長の母子

1話のトップシーンはシン会長から始まり(ジョンウとナギョンの結婚式)、最終話のラストシーンはヒョンウとシン会長。

実は最初からこのドラマは母性の中に潜む狂気(モンスター性)を描くのが本当のテーマであり、一見主人公に見えるウニョンは視聴率を稼ぐために
マクチャン・ドラマ(無理矢理のあざといドラマ)部分を展開させるための見せかけの主人公だったのかもしれない。

冒頭、主人公と思わせておいて、途中から主役が交代して観客をあっといわせる・・・そんなふうに故意に観客をミスリードするテクニックを『リバーサル(reversal)』、あるいは『赤いニシン(red herring)』という。

※『
赤いニシン』:貴族のキツネ狩りに反対している人が、キツネのいる方向とは逆に赤いニシンをぶら下げて猟犬の嗅覚を攪乱したというところから来ているらしい。

このテクニックで有名なのはヒッチコックの『サイコ』
主人公は恋人のために金を持ち逃げしようとしたマリオンだと思っていると、中盤でマリオンは殺されてしまう。本当の主人公は彼女ではなく・・・母の亡霊に支配された息子・・・。

『白い嘘』が最初から赤いニシン』のテクニックを狙った構成だったのか否かは不明だが、普遍的なテーマである母性を追求した優れたドラマであると同時に、マクチャン部分の呆れ果てるような愚劣な展開・・・優と劣を併せ持った不可思議なドラマだった。

それから、“劣”の部分で、159話も使って描いたドラマとしては、あまりにも積み残し(
ペイオフされてない)エピソードが多すぎて、なんでこんなにアンバランスな結末になってしまったのか・・・理解不能・・・。

【以下はGyao!レビューより:積み残された謎】

シン会長はなぜ死んだの? 霊界と取引?
○ヒョンウの障害は治ったの?
○ウニョンとヒョンウは結婚するの?
 ※韓国の倫理観・結婚観では一人の女性が、別々の時期だとしても兄弟のそれぞれと恋愛することはあり得ないほど許されないことだそう。
○ジョンウ母は今どこに? 生活費はどうなってる?
○デパートは誰が経営してる?
○シン会長からもらったウニョン父母のマンションはどうなった?
ウニョン父母がシン会長からもらったスパは結局、誰に?
○ウニョン父の病気は治ったの?
○ウニョン妹夫婦の子供「カミナリ」は生まれたの?
○シヌとミンジェはどうなった?
○アン秘書は再就職できたの?

なぜかハマった韓国ドラマ!は更新が停まったままですが、時間が出来たらまとめてUPするつもり・・・です。

  

  

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