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2014.10.31

「観客が知っている事実を、君が台詞で繰り返すべきではない」スティーヴ・マックイーンからチャック・ノリスへのアドバイス!

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調べ物をしていて、たまたま“チャック・ノリス”に行き着いた。
チャック・ノリスの出演作品って、ほとんど観たことないなぁ……

で、wikiのチャック・ノリスの記事の中のスティーヴ・マックイーンの言葉に「さすが!」
以下、wikiより抜粋。
(出典が明示されてないけど、的を射た言葉なのでそのまま抜粋)

『暗黒殺人指令』(1978年)が劇場公開されると、チャックはスティーヴの感想を聞くために、思い切って彼を映画館に誘った。

「なかなかいいじゃないか」スティ-ヴはチャックに言った。

「ただ少しだけアドバイスしておこう。君は映画の中で、観客が既に分かっていることをわざわざ口で説明している。映画というのは視覚的なものだ。だから観客が知っている事実を、君が台詞で繰り返すべきではない。次の映画では、他の役者に必要な筋書きを喋らせて、君はここぞという重要な時にだけ口を開くんだ。そうしたら観客は君の台詞を憶えるよ。ただただ意味もなく台詞を喋っているだけじゃ、誰の記憶に残らないんだ

スティーヴはその例として、彼の『ブリット』(1968年)を挙げた。
ロバート・ヴォーンと絡む場面で、自分の台詞が長過ぎると感じた。そこで彼は、監督に頼んで台詞を大幅にカットしてもらい、次の一言に変えた。

「『お前は自分の側の道を歩け。俺は俺の側を歩く』 誰もがあの台詞を憶えているんだ」

スティーヴが言った。

「君が映画でやるべきこともまさにそれだよ。まず脚本をじっくり読み、台詞が気に入らなかったら監督に頼んで、できるだけ台詞を短くして皆の記憶に残るようにするんだ。例えば、クリント・イーストウッドの『さあ、やってみろ。俺の日にしてくれ』があるが、皆あの台詞を知っている。歌詞にもなったし、レーガン大統領もスピーチに取りいれた。それと、映画のキャラクターに成りきるんだ。誰もが自分の性格にいろんな面を持っている。軽くて人間的な面と、重くて攻撃的な面の両方を引き出すんだ。そうすることで映画のキャラクターは、君にとっても観客にとっても説得力のあるものになる。本物のスターとは、観客が感情移入できる俳優を言うんだ」

スティーヴのその励ましの言葉は、チャックにとって大きな意味を持っていた。
事実チャックは何年にも渡り、その言葉を忠実に守ろうと努めた。
そして、結果的にはスティーヴの言った通りだったのだ。


シナリオ初心者の頃は、どうしても“言葉”で説明してしまいがち。
ストーリーを追うことに精一杯で、“映像に語らせる”ことが抜け落ちてしまうが、最初のうちはそのことさえ気がつかないことが多い。

台詞に関してのスティーヴ・マックイーンの言葉は、まさにその通り!


ヒッチコックも以下のように語っている。


今作られている映画の大部分がとても<映画(シネマ)>とは言えない代物だ。
<しゃべっている人間の写真集>とでも呼びたいくらいだね。

映画でストーリーを語るときには、どうしても必要なとき以外は台詞にけっしてたよってはならないというのが鉄則だと思うんだよ。

すくなくとも、私自身は、いつも、できるだけ純粋な映画的手段で、ショットからショットへの連続とその間にいくつかフィルムの断片(こま)を挿入してイメージを積み重ねていくことによって、ストーリーを語ろうと努めているつもりだ。

中略

わたしたちは、映画のシナリオを書くときに、まず、台詞と視覚的な要素をはっきりと区分し、つねに、できるかぎり台詞にたよらずに、視覚的なものだけで勝負することがかんじんだ。

どんなふうに話を運ぶにせよ、最終的には観客が息をのむところまで確実に持っていかなければならないからだ。

要するに、スクリーンという矩形の空間をエモーションで埋めつくさなければならないということだ。

            (『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』-50ページ)

そして、ヒッチコックもトリュフォーも、音(台詞)に頼らなかった、サイレント映画(ピクチャー)というのは<映画(シネマ)>の最も純粋な形式だと思う、と語っている。


いやいや、勉強になることばかり。

<映画>の海は、広くて深い……


余談ですが

チャック・ノリス・ファクト

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shockチャック・ノリスがブーメランを投げるとき、ブーメランは怖くて戻ってこれない

shock神が「光あれ」と言ったところ、チャック・ノリスに「『お願いします』だろ?」と怒られた

shockチャック・ノリスはコードレス電話でも人を絞め殺すことができる

shockチャック・ノリスは一輪車でウイリー走行できる

shockチャック・ノリスは以前、無限まで数を数えたことがある…。しかも2回

shock大概の人は死神を恐れる。チャック・ノリスにとって死神はまだ若造である

shockチャック・ノリスはドラマ「24」に出演したが12分37秒で事件を解決してしまい、ドラマはお蔵入りとなった

shock合衆国内での主な死因は  1.心臓病 2.チャック・ノリス 3.癌 である


こんなにも愛されている国民的スターなんですねhappy02


   

 

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2014.10.21

FBのココログ巨大アイコン表示の原因について、@niftyより回答いただきました。→やっと成功ヽ(^o^)丿

お~、ココログのFB画像表示に成功!

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                    (写真:小金井公園)


twitterからFBへの自動リンクアプリを削除
      ↓
ココログからtwitterとFBに別々にUPする → 成功goodnotes

twitterからFBへの自動リンクアプリを使用していたのは、その当時、ココログはFBへの記事UPに対応してなかったから、アプリを使って自動リンクさせていた。

しかし、いつの間にか、ココログもtwitterだけでなくFBにも対応していたのね。

これで一件落着。

niftyさん、ご対応ありがとうございましたdogshine

 

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FBのココログ巨大アイコン表示の原因について、@niftyより回答いただきました。→今までの方法でUPでは失敗(/_;)

改めて、今までとは違う方法でUPしてみます。

今まで:ココログ→twitter→(自動リンク)→FB

試し方法:twitterとFBのリンクを外して、別々にリンクする。

さて、正しくUPされるかどうか……。

                      試し画像

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FBのココログ巨大アイコン表示の原因について、@niftyより回答いただきました。

先日、問い合わせていたココログの巨大アイコンに関して以下のような回答をいただきました。

以下のようにやってみたので、正しくUPされるかどうか、試してみますね。

                      試し画像

060819_orusuban2



(以下、抜粋)

Facebookに画像がアップされず、巨大な【ココログ】のアイコンが表示される
現象につきましては、9月末ごろにFacebook側でリンク先の画像の表示仕様が変更されたことに起因する可能性が考えられました。
また、ココログ側でも9月30日にリリースしたバージョンより、Facebookへ表示される画像について以下のように修正されております。
 1. パスワード保護を設定した場合 : 画像表示箇所が白く表示される
 2. ココログへアップロードした画像が存在する場合 : 1枚目の画像が表示される
 3. ココログへアップロードした画像が存在しない場合 : ココログのデフォルト画
   像が表示される
    ※システムにて設定されている統一の画像となります。

つきましては、以下の操作をお試しいただき、Facebookでの表示が正常である
かご確認くださいますようお願いいたします。


●操作手順
1. 管理ページへアクセスし、Facebookアカウントを削除
    管理ページトップ > コントロールパネル > プロフィール > プロフィール
2. Facebookアカウントを再設定
3. 記事の新規作成
    管理ページトップ > ブログ一覧 > ブログ名 > 作成 > 新規投稿
4. 画像は「imgアイコン」から挿入する
5. 本文欄下の通知より、Facebookアカウントのチェックボックスをチェックする
6. 記事作成完了次第、「保存」ボタンをクリック
7. Facebookに画像が表示されているか確認する


上記操作にて改善がみられない場合は、お手数ですが、再度ご連絡くださいま
すようお願いいたします。


文末となりますが、弊社へのお問い合わせにお客様の貴重なお時間をいただき
ましたことを重ねてお詫び申し上げます。

@nifty カスタマーサービスデスク

 

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こ、これはまさに“おかんメール”!

九州の妹から、新米と家庭菜園で取れたお野菜がどっさり送られてきた。

大根、里芋、さつまいも、ピーマン、プチトマト、茄子、ほうれん草、みず菜、つるむらさき、ネギ、赤唐辛子などなど。

新鮮なうちに早速、料理。葉物は軽く火を通して冷凍室へ。

で、妹の携帯に下記の写真つきで「届いたよ。ありがとう!」とお礼メールを。

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そしたら、妹から返信が来た。




「こんばんは!どれも美味しそうに変人させてもらい、お野菜さん達も喜んでるみたいねdelicious


妹よ、きみも立派な “おかん” だ happy01

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ちなみに、今回の初チャレンジ料理は「プチトマトのあおじそドレッシングサラダ」

プチトマトが大量に送られてきたけど、実は私はプチトマト、ちょっと苦手……。
普通のトマトは大好き、プチトマトも食べられないことはないけど、サラダについててもだいたい残すcoldsweats01

で、見つけたのがコレ ↓
http://cookpad.com/recipe/2733540

超簡単で、しかも美味しくて20個くらいは、すぐにペロリ。

大根サラダは、ホタテ缶詰がベストなんだけど、今回は節約モードでカニかまで作ってみた。

ピーマンのきんぴら風、これも初めて作ってみた。我が家の常備菜のひとつに赤・黄パプリカ+青ピーマンのオリーブオイル炒めがあるのだけど、ピーマンだけとなるとやはりきんぴら風に炒め煮がバッチリ。大量のピーマンの中に1個だけ真っ赤なのが混じっていて、いいアクセントに。

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あと、手作り味噌と妹手作りの“もろみ”みたいなのが入っていた。

食べてみたら、なんとピーマンの香りが。
ピーマンを煮詰めて煮詰めて作ったピーマンの佃煮みたいな感じで、ご飯のお供にバッチリ、超美味しい!

どうやら、ピーマンが大豊作だったらしい。


妹と、家庭菜園の主の妹の旦那様に大感謝cryingnote

 

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2014.10.18

映画『拳銃と目玉焼 』レイトショー&舞台挨拶に行ってきた!

高校の後輩・小野孝弘さん主演の映画『拳銃と目玉焼 』、舞台挨拶があるとのことで超久々に新宿バルト 9の レイトショーへ。

この映画は「8万円のカメラ」「スタッフは3.5人」という破格の低予算で撮り上げた自主制作映画。監督の安田淳一さんは撮影や照明、編集、衣装、劇中のプラモデル制作まで、1人13役をこなしたそうで、確かにエンドクレジットのスタッフのところにはどのパートにもほぼ監督の名前が入ってた(笑)

安田淳一さんは、学生時代に映画作りの傍ら学費を稼ぐため、京都で結婚式や幼稚園行事のビデオ撮影業をスタート。卒業後もビデオ屋を続けていたが、40才を過ぎて「やりたいことをやらなあかん」と一念発起! 長編映画制作を決意。撮影はほぼ3、4人体制で進行したそう。

そんな監督の“映画を撮りたい!”という熱意に引き寄せられたかのように、レイトショーの会場はほぼ満席!



小野君、中年のヒーロー役をコミカルに熱演してました。

脇を支えるベテラン役者さんたちも、みんな味があってとてもよかった。

シナリオ的には……サブストーリーがあれもこれもとちょっと詰めすぎの感あり。
それと母親の回想が唐突過ぎて、伏線張っとくとか、もしくは、なくてもよかったのでは?

観に行く前にあらすじを読んで、手作りのヒーロー衣装とかチリ・アメリカ合作映画『ミラージュ』
2007監督・脚本・編集:エルネスト・ディアス=エスピノーサ 出演:マルコ・サロール)の日本版みたいな作品かなと思ったけど、予想は裏切られて、現代日本ならではの設定になっていました。

とにかく、全編、監督とスタッフ、役者さんたちの熱意は十分伝わってくる作品でした。

 

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2014.10.17

またトラブルかい…【GyaO!ストア Yahoo!プレミアム会員見放題番組】が突然見られなくなった(泣)


【GyaO!ストア Yahoo!プレミアム会員見放題番組】の中に『ヒミズ』(2011年 園子温監督)があったのを思い出して、これは観ておかねば、と再生クリック。

が、が、【Silverlight Plug-In has encountered an error 再読み込み】という表示が出て、直後にGoogle Chromeの問題が発生したため、Google Chromeを終了します】の表示。
ストアでない無料視聴の映画は、なんの問題もなく見られるんだけれど、ストアの作品だけがNG……。

前にストアで観たのは1週間前の10月10日、
幸せの行方…』(2010年 監督:アンドリュー・ジャレッキー 出演:ライアン・ゴズリング、キルスティン・ダンスト)。ここまでは、クリックすればストア作品を見ることができたのに、昨夜から突然、観られなくなってしまった……。

対策①プラグイン設定の確認→問題なし

対策②Microsoft
Silverlightはすでに最新版がインストされていたけど、念のために一度全削除してインストやり直してみる→状況変わらず

対策③
Chrome メニューで他のコンテンツの確認
      https://support.google.com/chrome/answer/114662?hl=ja

全部チェックしても状況に変化なし。
こうなったらこれ ↓ しかないか……

対策④DRMフォルダの削除と再構築
     http://www.gyao-fan.com/fq_drm.html


その前に……

『ヒミズ』はどうしても観ておきたいので、Gyao!ストアは諦めてDVD借りてこようか……とも思ったけど、ここで諦めたら、今後ずっとGyao!ストアの作品は観られないことになるし、やっぱ、何らかの対策をして、観られるようにはしておきたい。

で、④の前にもう一つだけ試してみることにした。

いろいろ調べてみると、IEなら
Silverlightで問題なく観られるらしい。
Google Chromeを使い出したらIEの反応の遅さに我慢できなくなって、メインをGoogle Chromeに変えてしまったほど。

なので、できるだけIEは使いたくなかったんだけど
Google ChromeにIEタブを表示させれば、Google ChromeからIEを使える。なので、

対策⑤Google Chrome拡張機能-IE Tab 有効にチェック 
    
ChromeでIEを開き、GyaO!ストアにアクセス。


お~、問題なく、『ヒミズ』が始まりました! 大成功!


対策④ やらなくてよかった(ホッcoldsweats01

アレヤコレヤで⑤に辿り着くまで約3時間近く……happy02
最初から⑤試してればよかったのにね。


それにしても、ちょっと前まで問題なかったのに、突然、こじれるPC君。
もう、なんでやねんcrying


あ、前の記事のニフティ・ココログのFBの件、問い合わせた翌日にニフティから丁寧な回答をいただきました。

結果は……なぜそうなるのか不明で、目下、調査中とのこと。

きちんと回答いただいたので、あとはシステムが改善されるのを待つしかないです。




『ヒミズ』の感想

全編から園監督のパワーが伝わってきました。

親は命を懸けても子を守るもの……それが(一般的な)普通の親の愛だとしたら、主人公の少年少女は普通でない親のもとに生まれてしまった。

しかし、子を愛せない親がいるのも事実。
それを園監督は誇大化して、一般的な親の愛の概念をぶっ壊そうとしている……と感じた。

キム・ギドク監督が男女や親子の関係の中に潜む“欲望”を肥大化、誇大化して描くのと方向性としては似ているけど、でも、両者の作品はなんかが違う。

園監督作品では『冷たい熱帯魚』が一番衝撃的で、強いものに巻き込まれていく人間の弱さとしたたかさがビンビン伝わってきた。

キム・ギドク監督の作品も、どんなに表現がどぎつくても人間の本質を暴くという意図が伝わってくるので、作品に取り込まれてしまう。

そういう意味でいうと、『ヒミズ』は距離を感じてしまった。
壊れていき、再生の端緒につく少年とそれを支える少女の描き方は、感嘆するほどステレオタイプをぶっ壊してくれた。そこはスゴイ! さすが園作品!

しかし、全編を通して抱いてしまったのは、東北大震災を背景にする必然があったのか?ということ。

少年、少女の親が子を愛せないのは東北大震災があったからじゃないし、ホームレスのおじさんたちも、東北大震災のせいにしなくても、東京が舞台でも成り立つ話。

ラストのガレキと化した街に重なるあのセリフ、無理矢理、東北大震災に重ねたようで、とても違和感を感じてしまったのは私だけだろうか。

   

 

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2014.10.13

ココログのFB表示がバランス悪すぎる(・_・;)

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私の場合、ダイレクトにFBに書き込むことってあまりないなぁ。

大体が ①ココログ(niftyブログ)→②twitter→(自動リンク)→③Facebook

最近、②から③の自動リンクで【ココログ】表示があまりにもバランス悪くて、イラッpout

141013fbcrop

以前からココログってこうだっけ?

トップ行左上に画像を置いても、FBにその画像が出る時と【不細工なココログ表示】の時がある。自動で作成されているHTMLの指定か何かがが違うんだろうか?

というわけで、今のところFBに画像を表示させるのに確実なのは、トップの中央に画像を置くことのようなので、試しにそれでUPしてみよう。

これでOKなら、今後はココログ書く時はFB対策でトップ中央に画像を置く工夫をしなくては……bearing

※ちなみに、トップ画像は1835年に描かれたPeep Show
A boy looks into a peep show device (illustration by Theodor Hosemann, 1835)

 

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同じものだけど…ちがった奴をくれ! ブレイク・スナイダーの「10のストーリー・タイプ」

Give me the Same thing… Only Different!

『SAVE THE CATの法則』(ブレイク・スナイダー著)の第2章のタイトルです。

この第2章では、個性的な作品、面白い作品を作るために必要なものの一つとして、自分の作りたい作品のジャンルを知ること、同じジャンルの作品をできるだけたくさん観ることを勧めています。

引用-P49~
平凡でないもの、典型的でないものを作るには、まずはそれまでの歴史や伝統をよく知る必要がある。これまでに製作された何百本という映画、特に自分の書きたい脚本と同じジャンルの映画については徹底的に知っておくべき。

ところが驚いたことに、映画で身を立てようとしている人間が、映画の引用が出来ない。自分が書きたいジャンルの映画さえ引用できないのだ。

いいかい、言っておくけど、名監督はみんな引用できるんだ。

引用とは「その映画がどう機能しているか、その仕組みを説明できる」ということ。

映画というのは、感情を引き起こすために作られた複雑な機械のようなもの。これを部品に分解して、組み立て直すようにならなければ。

そのためには、好きな映画、最近の映画だけでなく、もっともっと歴史を遡って、いろいろな映画の種類を知り、どんな系統にはどんな作品があり、どうして発展してきたのかを理解しなければならない。つまり<ジャンル>

平凡でなく《同じものだけど…ちがった奴》を作るには、自分の映画のジャンルを熟知し、ひねりの加え方を学ばなきゃいけない。

書いてる途中、道を見失った時、同じジャンルの作品を参考にし、プロットや登場人物からヒントをもらう。                                                                                              


【スナイダー独自の10のジャンル】

1 家のなかのモンスター(Monster in the House)

『エクソシスト』(73) 『ジョーズ』(75) 『エイリアン』(79) 『13日の金曜日』(80) 『エルム街の悪夢』(84) 『危険な情事』(87) 『トレマーズ』(90) 『ジュラシック・パーク』(93) 『スクリーム』シリーズ(96~) 『パニック・ルーム』(02) 『ザ・リング』(02) 『ソウ』(04)など

◆「危ない! 奴に食われるな!」という単純で原始的なルール。
◆音声を消して上映しても<話はわかる>映画。
◆取り憑かれた屋敷など幽霊関係の話もこのジャンル。
◆限定空間に“異物(モンスター)”が侵入することで、登場人物はそれとの対決を強いられる。
◆ホラーばかりでなく、おなじ構造を利用したコメディもある。


2 金の羊毛(Golden Fleece)

『オズの魔法使い』(39) 『荒野の七人』(60) 『特攻大作戦』(67) 『がんばれ!ベアーズ』(76) 『スターウォーズ』(77) 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85) 『大災難P.T.A.』(87) 『プライベート・ライアン』(98) 『ロード・トリップ』(00) 『オーシャンズ11』(01) 『そして、ひと粒のひかり』(04)など

◆ギリシャ神話に由来。

◆主人公は何か(金の羊毛)を求めて旅に出かけ、途中で人々と出会い、いろいろなことを経験。最終的に発見するのは別のモノ=自分自身。

◆大事なのは、進んだ距離ではなく、どう変化したか。
◆《ロードムービー》を書く際に知っておいたほうがいいジャンル。
◆《泥棒モノ》も含む。


3 魔法のランプ(Out of the Bottle)

『コクーン』(85) 『ラブ・ポーションNo.9』(92) 『マスク』(94) 『ナッティ・プロフェッサー/クランプ教授の場合』(96) 『フラバー』(97) 『ハート・オブ・ウーマン』(00) 『ブルース・オールマイティ』(03) 『ハービー 機械じかけのキューピッド』(05)など

逆バージョン:願いの代わりに、呪いが叶う(天罰が下る)
『フリーキー・フライデー』(76) 『オール・オブ・ミー/突然半身が女に!』(84) 『恋はデ・ジャヴ』(93) 『ライアーライアー』(97) 『フォーチュン・クッキー』(03)など

◆主人公は魔法に(もしくは呪いに)かかり、最終的に勝利を収める。
◆「もしも~があったらいいのに……」というタイプのお話。


4 難題に直面した平凡な奴(Dude with a Problem)

『コンドル』(75) 『ターミネーター』(84) 『ダイ・ハード』(88) 『愛がこわれるとき』(91) 『シンドラーのリスト』(93) 『ブレーキ・ダウン』(97) 『タイタニック』(97) 『ディープインパクト』(98) 『オープン・ウォーター』(03)など

◆映画のスタイルやジャンルも様々で、引き起こす感情の幅も広い。
◆どこにでもいそうな奴が、とんでもない状況に巻き込まれるストーリー。
◆普通の人間が、勇気を振り絞って、解決しなければならない問題に直面する。


5 人生の岐路・人生の節目(Rites Of Passage)

『失われた週末』(45) 『酒とバラの日々』(62) 『テン』(79) 『クレイマー、クレイマー』(79) 『普通の人々』(80) 『男が女を愛するとき』(94) 『28DAYS』(00) 『ナポレオン・ダイナマイト(旧題:バス男)』(04)など

◆人生の節目になるような出来事や経験を扱う。


6 バディ(相棒)との友情(Buddy Love)

ローレル&ハーディ、ボブ・ホープとビング・クロスビー、『赤ちゃん教育』(38) 『女性№1』(43) 『パットとマイク』(52) 『明日に向かって撃て』(69) 『ワイルド・ブラック/少年の黒い馬』(79) 『48時間』(82) 『E.T.』(82) 『リーサル・ウェポン』(87) 『レインマン』(88) 『恋人たちの予感』(89) 『テルマ&ルイーズ』(91) 『ウェインズ・ワールド』(92・93) 『ジム・キャリーはMr.ダマー』(95) 『タイタニック』(97) 『トゥー・ウィークス・ノーティス』(02) 『ファインディング・ニモ』(03) 『10日間で男を上手にフル方法』(03) 『ブロークバック・マウンテン』(05)など

◆男同士や警官同士や友情だけでなく、ラブストーリーも含まれる。また女同士、魚同士、少年と犬なども。

◆バデイの仮面を剥がせば、ラブストーリー(逆に言えば、ラブストーリーはセックスの可能性がプラスされた《バディとの友情》映画)

◆最初<バディ>はお互いを嫌っている。旅をしていくうちにお互いの存在が必要だと気がつく。やがて、連れ添ってきたバディと喧嘩になる。しかし、お互いなくして生きていけず、エゴを捨てて仲良くするしかないことを最終確認。二人は覚悟を決める。

◆もし《バディとの友情》の脚本を書きたいなら、このジャンルの構成やパターンをしっかり理解しよう。

◆DVDを何十本も観て、じっくり研究してみると、こんなにパターンがそっくりだったんだ!とわかる。

◆なぜパターンが似てしまうのか? そのパターンだったら、必ず上手く行くと分かっているから。


7 なぜやったのか(Whydunit)

『市民ケーン』(41) 『チャイナタウン』(74) 『大統領の陰謀』(76) 『チャイナ・シンドローム』(79) 『ブレード・ランナー』(82) 『JFK』(91) 『ファーゴ』(96) 『インサイダー』(99) 『ミスティック・リバー』(03) 『BRICK ブリック』(06)など

◆フーダニット<だれがやったのか?>よりも、重要なのはホワイダニット<なぜやったのか?>

◆<犯罪>が<事件>として明るみに出た時、その背後にある想像もしなかった人間の邪悪な性が暴かれるというジャンル。

◆探偵モノや社会派ドラマの共通項:
観客を人間の心の闇へと連れて行き、スクリーン上の探偵が観客の代わりにその謎を解くかに見えるが、真相を突き止めるのは観客自身。観客は探偵が集めた情報をもとに自分でその真相を明らかにし、意外な結果に衝撃を受ける。

◆もし、推理モノを書きたければ、《なぜやったのか?》の名作をいろいろ見るべき。探偵がどういうふうに観客の代わりをしているか、よく観察。そして登場人物の心の闇を探ることが観客自身の内面を探ることになるのか考えてみる。


8 バカの勝利(The Fool Triumphant)

『天国から落ちた男』(79) 『トッツィー』(82) 『アマデウス』(84) 『レナードの朝』(90) 『チャーリー』(92) 『デーヴ』(93) 『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94) 『チャンス』(97)  『キューティ・ブロンド』(01) 『40歳の童貞男』(05)など

◆ストーリーとしては最も古いタイプ、サイレント時代の道化物、チャップリンやキートン、ロイドなどもここに含まれる。

◆負け犬のバカに対してもっと大きくて権力の悪者-たいていは体制側-が存在する。

◆どんなに神聖で立派な体制や組織であっても、<バカ>は容赦せずおちょくり、こてんぱんに批判する。

◆賢いバカのストーリーは、社会のアウトサイダーの人生でもある。アウトサイダーが勝利すると、観客も自分が勝利したような快感を味わう。


9 組織のなかで(Institutionalized)

『M★A★S★H マッシュ』(70 アメリカの軍隊・群集心理の狂気) 
『ゴッドファーザー』シリーズ(72~ マフィア一族) 
『カッコーの巣の上で』(75 精神病院) 
『アニマル・ハウス』(78 大学・
優等生サークルVS劣等生サークル) 
『9時から5時まで』(80 企業・上司 VS OL) 
『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89 ブルックリン・人種) 
『リストラ・マン』(99 コンピューター企業) 
『アメリカン・ビューティ』(99 現代アメリカの郊外) 
『トレーニングデイ』(01 新人刑事の1日) 
『クラッシュ』(05 多民族国家アメリカ)など

◆組織や集団、施設、家族や一族のストーリー扱うジャンル。
◆組織や集団を動かす根底に狂気や自滅的なものが多いという共通項。
◆個人よりも集団を優先することの是非を描く。


10 スーパーヒーロー(Superhero)

『レイジング・ブル』(80 ミドル級チャンピオン) 
『バッドマン』(89 犯罪都市ゴッサム・シティ、億万長者) 
『ライオンキング』(94 動物たちの王国プライド・ランドの王子) 
『マトリックス』(99 天才クラッカー) 
『グラディエーター』(00 聖剣士) 
『ビューティフル・マインド』(01 天才数学者・統合失調症) 
『スパイダーマン2』(04)

◆《難題に直面した平凡な奴》の対極。超人的な力を持つ主人公が、ありきたりで平凡な状況に置かれ、周囲から理解されない。超人的な才能を持つ一方で、辛さや苦しみも抱えている。

◆フランケンシュタイン、ドラキュラ、X-メンなども同じジャンル。





ボグラー独自の10のジャンルかどうかは別にして、プロの脚本家は作品に取り組む前に、同じようなテーマの作品をたくさん観るって、自然にやっていることではないでしょうか。

私は観ますね。構成の段階から、とにかく自分の作りたい作品のキーワードに引っかかりそうな映画、本、資料はできるだけ多く観て、読む。

そして、頭の中に100の情報が集まったとして、作品の中に投影されるのは10~20くらいか。作品の中で使わない情報は取捨選択して、バックストーリーで使うこともあります。

しかし、たくさんの作品を観たら、似てこないか?

ボグラーは次のように言ってます。

これパクリじゃない? と思ったら……パクるのをやめる

これってお決まりのパターンじゃない? と思ったら……ひねりを加える
よくあるやり方? と思ったら……新しい方法を考える

しかし、まずは、お決まりのパターンを使いたくなる理由と利点をきちんと理解しておこう。パターンやルールが生まれるのには、それ相応の理由がある。

ルールをしっかり理解し、応用できるようになると、そういったものに制約されている感覚がなくなり、開放感を感じるはず。
打ち破りたいものを理解してはじめて、本物の創造性を発揮できるのだから。

これも、プロは(経験値から)自然に、やっていることだと思う。


ところでクリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナの『物語の法則』に【プロの映画脚本家になりたい人のための五カ年計画】という章があって、ラストに
           
□100日間で100本の台本を読む を挙げています。
  ○脚本を読み終えるごとに、ストーリーのシノプシスを2~3ページにまとめる。
   中心となるキャラクター、主眼となる対立、相互アクション、話の始まり、
   中盤、終わりなど物語の根幹を見つけ出す。
  ○脚本の内容を一文でまとめる(ログライン)
◆脚本を読むことで、自分がマスターしたい形式が分かってくる
◆脚本の構成要素を分解することで、それぞれの要素がどう機能しているかを学ぶことができる。

結局、スナイダーもボグラーたちも同じことを言ってるわけです。

映画の歴史を遡って、できるだけ映画をたくさん観て、たくさん読んで、分析してみること。そして、それぞれの要素がどう機能しているかを知り、身につけることで、それらのルールを応用して、より新しい独自の個性的なものとして創造できる、と。

ということで、映画の仕事をしたければ、歴史を遡り優れた作品をたくさん観ようね、学生諸君!

   

 

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現役探偵氏に話を聞く……知ってるようで知らない探偵の世界

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12日は久々に池袋へ。

第1回 MR探偵小説大賞」説明会に参加。

「MR」というのは「Mission・Research」の略で、大手総合探偵社(株)MRが主催する、探偵を主役にした小説コンクールの説明会。

放作協のメルマガ経由でこの無料説明会のことを知り、これは行ってみなければ……と。

シナリオライターになってしみじみ思ったことの一つに、「警察関係者に知り合いが欲しい」ってことがある。取材したくても難しいからね……。
同じように、探偵という職業もそう。

小説、コミック、テレビ、映画などなど探偵の登場する作品には数多く接してきて、なんとなく知ってるようで、知らない世界。
◇現在の探偵/興信所の概要(探偵業法、依頼内容等)
◇現役探偵による素行調査、人探し調査の手法
◇創作物に登場する探偵モデルの注意点等
こんな話が聞ける機会は滅多にないので、聞くっきゃない!って参加したわけです。

創作はあくまで創作であり、現実に囚われる必要はないけど、ただ現実の基本だけは知っておかなきゃね。

2時間余、みっちりとお話を聞いて、受講者全員に本まで。
ありがとうございました!


ちなみに、個人的な探偵との係わりというと……

ありますあります。日本ではなくアメリカの探偵氏にお世話になったことが。

かつて、ネットを使ってメル友などを“恐喝”していた困ったちゃんがいて。
ある経緯でその困ったちゃんと係わりができて、調べてみると、なんと被害者が次々と。困ったちゃんが被害者たちに要求していた金額は総額1000万円以上。

なぜ、そんなことに? ……シナリオライター魂に突き動かされて、被害者たちに会って話を聞きました。

幸か不幸か、困ったちゃんはとても自己顕示欲が強い人で、自分のサイトやBBSに自分自慢がたっぷり。加えて、“恐喝”の手口がネット上で被害者の個人情報をバラすという手口だったので、困ったちゃんのことも被害者たちのことも簡単に知ることが出たのです。

被害者の中には、小・中学校時代の幼馴染もいたので、困ったちゃんが幼少期を過ごした家までも判ったりして。

ますます、なぜ? は深まり、困ったちゃんがなぜ困った人になってしまったのかに強い関心が出てきて、ついに困ったちゃん本人に会ってみることを決意。

ただ、困ったちゃんはアメリカ在住の日本人。国境のないネットを通じて、メル友になった人たちを餌食にしていたわけです。

会いに行くにしても、地理もわからぬアメリカの大都会にBroken Englishで一人乗り込むわけにも行かない。

そこで偶々見つけたのが、その大都会に住んでいてアメリカの探偵ライセンスを持つ日本人。即、メールでやり取りして仕事を依頼。

まず、ネットに書かれていた困ったちゃん情報の真偽を調べてもらい、困ったちゃんの現住所を確認。真偽が確認された上で、アメリカに向かいました。

空港の送り迎えから、情報の確認作業、張り込み、そして束の間の観光には探偵氏の奥様が付き合ってくださり……。
とても信頼できる探偵氏ご夫妻でした。

あ、日本でも困ったちゃんの家族に会ってみたいと、幼少期の家から始まって最後に引っ越した場所までは行けたのだけど、そこで消息はプツリ。探偵社というか興信所に頼む手もあると調べたところ、かなり高額になりそうで、この線は諦めました。

この困ったちゃんのことは「なぜ、そうなってしまったのか? なにがそうさせたのか?」は未だに不明で、私の宿題の一つでもあります。

MR探偵小説大賞 詳細

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

説明会が終わってから、一緒に受講した学生君たちと軽い食事に。

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 金のイタリアン

ネットで見つけたイタリアンのお店だけど、美味しい上にコスパ抜群!

人気店らしく、開店前から並んでたので、今度からは予約して行ったほうが良さそう。

我々は並び人トップだったので、奥のソファー個室でゆっくり静かに話ができたし、1日5食限定の金の渡りガニパスタにもありつけた。ゴルゴンゾーラのクリームパスタも濃厚で美味しかった!
(※写真は全お店のHPより)

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満足な1日に感謝!

   


 

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2014.10.04

3万日を過ぎて:高齢の母に親しい人の死をどう伝えるか悩んでしまった……

母は今年85歳。

ここ何年かは電話のたびに 「このごろ物忘れが激しくてね」とボヤクようになった。

「物忘れなら私も負けんよ、アハハ」と私は気楽に母を励まし電話を切ればいい。

ただ、すぐそばに住んでいる妹からの連絡だと、調子の良い時と悪い時で記憶力の度合いが違ったりして、たまに一人でドヨンと落ち込んでいたりと、とても心配になる時があるらしい。

母は夫(私の父)が早くに病死した後、その仕事を引き継ぎ私たち姉妹三人を育ててくれ、体を壊す一歩手前でその仕事を辞めた。

その後は独学で好きだった絵を描き始め、初めて出品したコンクールで市長賞を取ったり、白日展や二科展などにも出品するようになった。

また東京の画商を通して、全国的に自作の絵を売ってもらったりもして、気がついたらプロの画家になっていた。

私や千葉の叔父(母の弟)なんかは、「いつか銀座で個展をやろうよ」と励ましも含めて言っていたのだが、本人にはそんな欲はサラサラなかったよう。

東京の画商の“商売っ気”に嫌気がさしたようで、いつの頃からかその画商との取り引きをやめて、知り合いからの依頼のみで絵を描くようになった。

依頼は絶えなかったようで、いつも何件か抱えており、絵を描く事は母の生甲斐でもあった。

そんな母だったが、今年に入ってから利き腕の右手が腱鞘炎になり、筆が持てなくなってしまった。加えて、足の指が陥入爪(巻き爪)で歩くのが辛くなった。

自由に歩けないわ、絵は描けないわじゃ羽根をもがれた鳥と一緒。
妹と一緒に整形外科、皮膚科通院の日々が始まった。

そんなある日、妹から電話が掛かってきた。
どちらかの病院に行った時、待合室に母の絵のタッチとそっくりな絵が掛かっていて、

「母さんの絵に似てるネエ」
「そう言われたら、そうじゃネエ」

で、妹が絵のサインを見に行ったら、母のサインが描かれていた!
廊下にある別の絵も母の絵だった!

「か、母さん、これ母さんの絵よ」
「あら、ウチの絵ね?」

と母……

どうやら、だいぶ前にこの病院の関係者に頼まれて描いたものらしい。

「以前の母さんなら、自分の絵が分からんはずないのに……」
妹は、目に見えないところで母の認知症が進み始めているのではないかと、深刻に考え始めていた。

今までは家にいて、庭の手入れをしたり、絵を描いたり、たまに親しい人と会うくらいで、母の生活圏はすごく狭い。

そこで、このまま家にいるばかりでは認知症が進むだけかもしれないので、外の刺激に接したほうがいい……ということで母に合ってそうなデイケアセンターを探して、週のうち何日か通う手続きをとった。

これまでマイペースで仕事をしてきた母は、ある意味、一匹狼体質で知らないグループの中に放り込まれるのを嫌うのではないか……その危惧どおり、最初の何回かはかなり苦痛のようだった。

だが、今になってみて結果、オーライ。
母の裏表のない性格は、みんなに受け入れられて頼られているらしい。
隔日で通うことを日課の一つとして、絵を描くことも再開した。

そんな母にとって、家族以外で最も頼りにしていたのが、幼馴染で大分市に住むT子さんだった。
妹によれば、T子さんの御主人が亡くなって以後、この1年は2日に一度くらい二人で長電話するのが日課になっていたとのこと。

そして、この夏、妹から深刻そうな声で電話が掛かってきた。

T子さんが、突然亡くなったとご親族から連絡が来たというのだ。

二日前に電話で話したばかりの人が突然亡くなったことを、ストレートに伝えるべきか?

妹は、そのショックで母の認知症が急激に進行するかもしれないと危惧していた。
しかし、妹の連れ合いは「事実は事実としてきちんと伝えるべき」という意見で、妹はどうすべきか迷いに迷っていた。

私はといえば、電話で話す母は確かに同じ話を繰り返す傾向はあるけど、それは老化現象の一つと受け止められる程度としか判断できず、日常の母の様子が分からない。

もう一人の上の妹に電話で意見を聞いてみた。

上の妹も母のすぐ近くに住んでおり、母とは毎日接している。
その妹は、大切な人の死で認知症の進行の可能性が大きいから「伝えないほうがいい」という意見だった。

何度か妹たちと電話で話し合った結果、私が出した結論は……

今、伝えなかったとしたら、母はいつものようにT子さんに電話をして、T子さんの親族から亡くなったことを知らされるだろう。

時間が経過して死を知らされた時のショックと、今伝えた時のショックを考えたら、どっちのショックが母にとって大きいか?

そして結論は……母には事実を伝えて、お葬式に参列し最後のお別れをさせてあげたほうがいい、ということ。

後になってお別れができなかったことをずっと悔やみ続けるよりも、お葬式という儀式を経てT子さんの死を受け止めたほうがよいと考えた。

母は元々、心の強い人だ。現実を受け止め、悲しみや寂しさを乗り越える強さを持っているはず……そんな母の強さを信じてみよう。

妹の連れ合いと近い意見であり、妹はその意見に納得。
上の妹も「母の強さを信じてみよう」ということで納得してくれた。

かくて、母は妹二人に付き添われてT子さんのお葬式に参列した。

その後の様子が気になり、妹と連絡を取り合ったが、周りで心配するほど母は落ち込んだ様子はないということでホッ。

実はそれから1週間後にまたしても長年お付き合いの合った母の友人M子さんの訃報が届いた。

妹はまだT子さんのショックが続いている時に、どうしよう……とまたまた悩んだが、T子さんのことで母には死を受け止める力も、乗り越える力もあると分かっているので、きちんと伝えると結論を出すのは早かった。

私にできることは電話で母の愚痴を聞くことだけ。
「T子さんもM子さんも亡くなってしまったんよ。早すぎず遅すぎず、うちたちも、もうそんな歳だからねぇ」と母。
「淋しくなったねぇ。でもまだOさんもSさんも元気だし、母さんにはおばあちゃんの歳までは元気でいて欲しいからね」と私。

昔から親しいOさんは95歳、Sさんは母と同い年の85歳の女性たちで、二人とも子供とは同居せず一人暮しを続けている元気な高齢者。
おばあちゃん(母の母)は96歳で大往生した。


“忘却”が加齢現象の一つであるなら、辛いことや悲しいことはどんどん忘れていいと思う。母には、楽しかったことや幸せな記憶の中で生きていって欲しい。

(一人で上京してきて、セントの通院に付き添ってくれた母 2008年3月)

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2014.10.03

『叫び』で有名なエドヴァルド・ムンクの“永遠”

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ここ何ヶ月も、背後に迫り来る“死”を意識した“愛”について考えていた。

取り組んでいた作品の話です。
人生を四つの季節に分けた時、“冬の季節”に差し掛かった人たちの愛の物語。

余生を考えた時、あとどれくらい一緒にいられるか分からない彼らの愛を、全肯定し、祝福したい……そんな私の想いを支えてくれる言葉はないものかと思い巡らしていて、ふと上を向いたら、そこに求めていた言葉があった。

だいぶ前にネットを経巡っていて見つけた言葉で、とても共感できたので、A4に大きくプリントアウトして、デスクの上の壁に貼っていたのです。
その言葉とは……


From my rotting body, flowers shall grow and I am in them and that is eternity.

 私の朽ち果てつつある死体から花が成長するであろう。
 私はその花の中に生きる。
 それが永遠というものである。

              エドヴァルト・ムンク Edvard Munch(1863-1944)

死は自然の循環の一つの過程であり、生あるものはやがて土に還り、そこから花を咲かせ……その循環の中で永遠に生き続ける。

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5歳の時に母を、15歳で姉を亡くし、物心がついてから生の不安につきまとわれたムンク。その不安の中から有名な「叫び」も描かれている。
「叫び」は1893年 30歳の時の作品。

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その前年、29歳の時に描いた「カール・ヨハン通りの夕べ」も、私自身のその年代を考えた時にものすごく共感できる。
【解説】
夕暮れの大通りを歩くブルジョア階級の人々は、まるで感情を殺した木偶人形のよう。
アリの軍隊のように無機質な集団の行進は、道を逆行するムンク自身の不安感を掻き立てる。 http://www2.plala.or.jp/Donna/munch.htm より


ムンクの代表作と言われる作品は「叫び」をはじめとして、このころ(30代)の作品が多いよう。しかし、ムンクは80歳まで画家として生き、後年は壁画などもたくさん残している。

この記事のトップの絵「太陽」はオスロ大学の壁画。46~48歳の作品。
【解説】
後期、ムンクは自分の中の病や悩みを乗り越えようとするかのように、どこかゴッホに似た、ヴィヴィッドで強い光の作品が増える。 
闘病を経て、正式にオスロ大学に依頼されたこの作品は、北欧の命の源となる太陽の輝きを描いたものとなった。http://www2.plala.or.jp/Donna/munch.htm より


私が見つけたあの言葉が、ムンクのどの時代に発せられた言葉なのかは分からないが、「太陽」を見る限りでは、死への不安を自然への回帰という形で昇華させた後の言葉のようにも感じられる。

自然回帰、永遠の循環……そのキーワードに支えられて作品を書き進めた。






そのさなか、9月に入って二つの大きな事件が発生。

【神戸小1女児死体遺棄事件】と【御嶽山噴火】

高校の時、倫理の先生が言った言葉を今でも覚えている。

「人間にとって一番悲惨な死は“難死”である」

突然の死に見舞われた被害者の方々、残された家族の方々の、この不条理に対する悲しみは、どんな言葉を持っても埋められないだろう……と現実の厳しさを痛感した。

ただただ、被害者の皆様のご冥福を心よりお祈りいたします。

 

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2014.10.02

初まんだらけ

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10月1日、放作協に行く途中、中野で下車。用事のついでに『まんだらけ 』に寄ってみた。

平日の昼過ぎだというのにアーケードのサンモールはすごい人出でビックリ。

そういえば、中野に行くのは大体、夕方か夜。ん~、昼間っからこんなに活気がある街だったとは、さすが中野。

『まんだらけ』の入っている中野ブロードウェイには行ったことがあるし、すぐ近くの飲み屋さんにも何度も。が、じっくり『まんだらけ』に寄ったことがなかったんだよね。

各フロアーともいろいろすごくて、ちょっと圧倒されっぱなし。で、見つけたのが『まんだらけ活動写真館』。

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このショーケースの奥に販売の棚があって、メインはポスターらしい。
それ以外にパンフや映画関連の書籍、そして映画・テレビの脚本。

ここはついつい入り込んでじっくり見てしまった。やっぱ、一番関心があるところだもんね。

で、ショックと言うか驚いたのは……

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古い脚本がかなりの高額で売られていたこと。

『太陽にほえろ!』なんて ン万ン千円とか。

※金額のところはあえて伏せました。
本来ならば、テレビ脚本は局から貸与されている物なので、売買の対象にしてはいけない物なんだけど、古書店などでも売られているという現実は止めようがなく……

1950年代の脚本も数千円で。

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で、で、さらに驚いたのはこのチラシ。

『太陽にほえろ!』第111話が8万円

『探偵物語』 各話が5万円
『探偵物語』 最終回が10万円

な、なんじゃこりゃ! 

の世界ですぅ……

古い脚本は、日本のテレビ文化の足跡の一つとしてぜひ脚本アーカイブズに寄贈をお願いしたいところなんだけどねぇ。複雑……。

 

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トンネルを抜けると、そこには……

またまた大きな山が……coldsweats01

7月半ばくらいから苦戦していたリライトの長いトンネル、とりあえず脱け出てホッ。

監督が5年以上もかけて作ってきた土台を、いかに壊して、映画的に再構築するか、オリジナルで書くよりも厳しい戦いだった。
あとは監督とプロデューサーが頑張ってくれるのを祈るばかり。
夏休みはほとんどなく、毎月20本以上見ていた映画(DVD)も半減。

気分転換に読んだのが三幕構成の復習のための本。

クリストファー・ボグラーブレイク・スナイダーの著書。

中でもキム・ハドソン著 シカ・マッケンジー訳の『新しい主人公の作り方 アーキタイプとシンボルで生み出す脚本術』はリライトの指針としてとても役に立った。

シド・フィールドの三幕構成をさらに詳しく、ジョーゼフ・キャンベル《ヒーローズ・ジャーニー》をボグラーは12ステップに、スナイダーは15ステップに設定している。

一方、キム・ハドソンは女性が主人公の場合は《ヒーローズ・ジャーニー》とは異なるステップがあるのではないかと《ヴァージンの旅》として13ステップを設定。

私が取り組んでいたのは女性主人公だったので、リライトしながらどこで何が足りないのかをチェックするのに《ヴァージンの旅》の13ステップがとても参考になった。


《ヒーローズ・ジャーニー》
あるいは《ヴァージンの旅》は、初稿はもちろんだけど、リライトの時に良き指針になるということを実感。


シカ・マッケンジー
さんは実は映画専門学校の講師仲間で、とても素敵な女性です。
シカさん、良い本をありがとう!
夏休み中に映画術 ヒッチコック・トリュフォーも読むつもりだったけど、そこまで手が回らなかった。今年中には読破したい!

         

 

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