「観客が知っている事実を、君が台詞で繰り返すべきではない」スティーヴ・マックイーンからチャック・ノリスへのアドバイス!
調べ物をしていて、たまたま“チャック・ノリス”に行き着いた。
チャック・ノリスの出演作品って、ほとんど観たことないなぁ……
で、wikiのチャック・ノリスの記事の中のスティーヴ・マックイーンの言葉に「さすが!」
(出典が明示されてないけど、的を射た言葉なのでそのまま抜粋)
「なかなかいいじゃないか」スティ-ヴはチャックに言った。
「ただ少しだけアドバイスしておこう。君は映画の中で、観客が既に分かっていることをわざわざ口で説明している。映画というのは視覚的なものだ。だから観客が知っている事実を、君が台詞で繰り返すべきではない。次の映画では、他の役者に必要な筋書きを喋らせて、君はここぞという重要な時にだけ口を開くんだ。そうしたら観客は君の台詞を憶えるよ。ただただ意味もなく台詞を喋っているだけじゃ、誰の記憶に残らないんだ」
スティーヴはその例として、彼の『ブリット』(1968年)を挙げた。
ロバート・ヴォーンと絡む場面で、自分の台詞が長過ぎると感じた。そこで彼は、監督に頼んで台詞を大幅にカットしてもらい、次の一言に変えた。
「『お前は自分の側の道を歩け。俺は俺の側を歩く』 誰もがあの台詞を憶えているんだ」
スティーヴが言った。
「君が映画でやるべきこともまさにそれだよ。まず脚本をじっくり読み、台詞が気に入らなかったら監督に頼んで、できるだけ台詞を短くして皆の記憶に残るようにするんだ。例えば、クリント・イーストウッドの『さあ、やってみろ。俺の日にしてくれ』があるが、皆あの台詞を知っている。歌詞にもなったし、レーガン大統領もスピーチに取りいれた。それと、映画のキャラクターに成りきるんだ。誰もが自分の性格にいろんな面を持っている。軽くて人間的な面と、重くて攻撃的な面の両方を引き出すんだ。そうすることで映画のキャラクターは、君にとっても観客にとっても説得力のあるものになる。本物のスターとは、観客が感情移入できる俳優を言うんだ」
スティーヴのその励ましの言葉は、チャックにとって大きな意味を持っていた。
事実チャックは何年にも渡り、その言葉を忠実に守ろうと努めた。
そして、結果的にはスティーヴの言った通りだったのだ。
シナリオ初心者の頃は、どうしても“言葉”で説明してしまいがち。
ストーリーを追うことに精一杯で、“映像に語らせる”ことが抜け落ちてしまうが、最初のうちはそのことさえ気がつかないことが多い。
台詞に関してのスティーヴ・マックイーンの言葉は、まさにその通り!
ヒッチコックも以下のように語っている。
今作られている映画の大部分がとても<映画(シネマ)>とは言えない代物だ。
<しゃべっている人間の写真集>とでも呼びたいくらいだね。
映画でストーリーを語るときには、どうしても必要なとき以外は台詞にけっしてたよってはならないというのが鉄則だと思うんだよ。
すくなくとも、私自身は、いつも、できるだけ純粋な映画的手段で、ショットからショットへの連続とその間にいくつかフィルムの断片(こま)を挿入してイメージを積み重ねていくことによって、ストーリーを語ろうと努めているつもりだ。
中略
わたしたちは、映画のシナリオを書くときに、まず、台詞と視覚的な要素をはっきりと区分し、つねに、できるかぎり台詞にたよらずに、視覚的なものだけで勝負することがかんじんだ。
どんなふうに話を運ぶにせよ、最終的には観客が息をのむところまで確実に持っていかなければならないからだ。
要するに、スクリーンという矩形の空間をエモーションで埋めつくさなければならないということだ。
(『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』-50ページ)
そして、ヒッチコックもトリュフォーも、音(台詞)に頼らなかった、サイレント映画(ピクチャー)というのは<映画(シネマ)>の最も純粋な形式だと思う、と語っている。
いやいや、勉強になることばかり。
<映画>の海は、広くて深い……
余談ですが
チャック・ノリス・ファクト
チャック・ノリスがブーメランを投げるとき、ブーメランは怖くて戻ってこれない
神が「光あれ」と言ったところ、チャック・ノリスに「『お願いします』だろ?」と怒られた
チャック・ノリスはコードレス電話でも人を絞め殺すことができる
チャック・ノリスは一輪車でウイリー走行できる
チャック・ノリスは以前、無限まで数を数えたことがある…。しかも2回
大概の人は死神を恐れる。チャック・ノリスにとって死神はまだ若造である
チャック・ノリスはドラマ「24」に出演したが12分37秒で事件を解決してしまい、ドラマはお蔵入りとなった
合衆国内での主な死因は 1.心臓病 2.チャック・ノリス 3.癌 である
こんなにも愛されている国民的スターなんですね
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