『叫び』で有名なエドヴァルド・ムンクの“永遠”
ここ何ヶ月も、背後に迫り来る“死”を意識した“愛”について考えていた。
取り組んでいた作品の話です。
人生を四つの季節に分けた時、“冬の季節”に差し掛かった人たちの愛の物語。
余生を考えた時、あとどれくらい一緒にいられるか分からない彼らの愛を、全肯定し、祝福したい……そんな私の想いを支えてくれる言葉はないものかと思い巡らしていて、ふと上を向いたら、そこに求めていた言葉があった。
だいぶ前にネットを経巡っていて見つけた言葉で、とても共感できたので、A4に大きくプリントアウトして、デスクの上の壁に貼っていたのです。
その言葉とは……
From my rotting body, flowers shall grow and I am in them and that is eternity.
私の朽ち果てつつある死体から花が成長するであろう。
私はその花の中に生きる。
それが永遠というものである。
エドヴァルト・ムンク Edvard Munch(1863-1944)
5歳の時に母を、15歳で姉を亡くし、物心がついてから生の不安につきまとわれたムンク。その不安の中から有名な「叫び」も描かれている。
「叫び」は1893年 30歳の時の作品。
その前年、29歳の時に描いた「カール・ヨハン通りの夕べ」も、私自身のその年代を考えた時にものすごく共感できる。
【解説】
夕暮れの大通りを歩くブルジョア階級の人々は、まるで感情を殺した木偶人形のよう。
アリの軍隊のように無機質な集団の行進は、道を逆行するムンク自身の不安感を掻き立てる。 http://www2.plala.or.jp/Donna/munch.htm より
ムンクの代表作と言われる作品は「叫び」をはじめとして、このころ(30代)の作品が多いよう。しかし、ムンクは80歳まで画家として生き、後年は壁画などもたくさん残している。
この記事のトップの絵「太陽」はオスロ大学の壁画。46~48歳の作品。
【解説】
後期、ムンクは自分の中の病や悩みを乗り越えようとするかのように、どこかゴッホに似た、ヴィヴィッドで強い光の作品が増える。
私が見つけたあの言葉が、ムンクのどの時代に発せられた言葉なのかは分からないが、「太陽」を見る限りでは、死への不安を自然への回帰という形で昇華させた後の言葉のようにも感じられる。
自然回帰、永遠の循環……そのキーワードに支えられて作品を書き進めた。
そのさなか、9月に入って二つの大きな事件が発生。
【神戸小1女児死体遺棄事件】と【御嶽山噴火】
高校の時、倫理の先生が言った言葉を今でも覚えている。
「人間にとって一番悲惨な死は“難死”である」
突然の死に見舞われた被害者の方々、残された家族の方々の、この不条理に対する悲しみは、どんな言葉を持っても埋められないだろう……と現実の厳しさを痛感した。
ただただ、被害者の皆様のご冥福を心よりお祈りいたします。
自然回帰、永遠の循環……そのキーワードに支えられて作品を書き進めた。
そのさなか、9月に入って二つの大きな事件が発生。
【神戸小1女児死体遺棄事件】と【御嶽山噴火】
高校の時、倫理の先生が言った言葉を今でも覚えている。
「人間にとって一番悲惨な死は“難死”である」
突然の死に見舞われた被害者の方々、残された家族の方々の、この不条理に対する悲しみは、どんな言葉を持っても埋められないだろう……と現実の厳しさを痛感した。
ただただ、被害者の皆様のご冥福を心よりお祈りいたします。
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