金子兜太さんの語るトラック島のエピソードの中に元日本放送作家協会理事長の故・西沢実(西澤實)先生のお名前を発見
Listening:<戦後70年>「国のため死んでいく制度は我慢できぬ」 俳人・金子兜太さんインタビュー
2015年06月23日
金子兜太さんの語るトラック島のエピソードの中に元日本放送作家協会理事長の故・西沢実(西澤實)先生のお名前を発見。
以下引用・・・
サイパン島が陥落したとき、矢野兼武(海軍主計中佐。詩人で、筆名・西村皎三=こうぞう)という元上官が戦死したんです。この人が「金子、句会をやれ。(戦況悪化でトラック島は孤立し)今に食糧が逼迫(ひっぱく)する。皆が暗くなる」と言っていたことを思い出した。その遺言に従い、句会を開きました。
すると散文詩をやっていた西沢実(戦後、放送作家)という陸軍戦車隊の少尉が、同僚将校を4、5人ほど連れてきた。最上級は少佐です。こちらは工員10人ほどですから、驚いた。しかし、西沢は「関係ねえ。おんなじ人間だ」。たったの3カ月でしたが、すっかりと打ち解けた。無季(季語のない句)も気にしなかった。ただ、戦場は戦場。神経は張り詰めていた。
引用終わり・・・
西澤先生が理事長の時、私も理事の一人として会議でお目にかかっていた。
見るからに紳士然としたあの西澤先生にそんな戦争体験があったということ、今になって初めて知りました。
憲法無視の安保法案、西澤先生なら何と言われるだろうか。
大正7年1月2日生 長野県出身
中央大学法学部卒
放送劇作家
(http://www.liberty-feel.co.jp/bp/bre/ より)
トラック島で終戦を迎える。
戦後は、NHK専属契約作家として活躍。架空実況放送「関が原」「タイタニック」「フランス革命」「古代オリンピック」等の脚本を書く。
芸術祭入賞作品ラジオドラマ「狐切支丹」舞台「裸の皇帝」等がある。
NHK時代、アナウンサー・ディレクター研修に係わる。
日本大学芸術学部放送学科の発足と同時に非常勤講師となり、以後40年間「放送脚本論」を講義。脚本ゼミから多くの脚本家を輩出する。
「言語表現研究西澤ゼミ」話芸集団「ぶれさんぽうず」を主宰し、文化庁主催芸術祭にも参加。
元日本放送作家協会理事長・文化庁芸術祭文部大臣選奨審査委員・日本民間放送連盟民放大賞中央審査員。現放送番組センター理事・NHK全国高校放送コンテスト(ドラマの部)審査員長。
放送界への功績により、昭和59年紫綬褒章、平成3年勲四等旭日小綬章受章。平成8年NHK放送文化賞受賞
平成12年春、「創始期ラジオドラマとラジオドラマのことば研究」の論文により芸術学博士となる。
著書に「脚本とは―その歴史と実際」「ラジオドラマ集―富士怒る」「ラジオドラマの黄金時代」「西澤實の朗読の教科書」西澤實 朗読・話芸脚本集「へんな本」上下巻 等がある。
2013年(平成25年)7月2日 死去 享年95歳
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コメント
「戦争は絶対にしちゃダメだ」とは言うと思います。「にんげんはかんたんにしぬ」から。
戦争の時のことを面白おかしく話していた祖父でしたが、上の二言のときは語調が変わったものです。
投稿: さわK(K.Akemi) | 2015.08.07 05:24
教え子です。
この度先生が主宰された朗読研究会の同期会を開催するにあたり、検索していたところ、こちらにたどり着きました。
戦場での句会のお話、はるか昔に伺った記憶があります。
今先生がいらしたら、あの大きな目をカッと見開いて「ボケナスー!」と一喝されるでしょう。
でも誤りを正せば悪戯っぽくウインクなさるのです。
きっと。
投稿: ぼっこ | 2018.10.15 21:15