筋ジスの少年+介護士+セレーナ・ゴメスのロード・ムービー『思いやりのススメ』
『思いやりのススメ』 Fundamentals of Caring 2016年 97分
アメリカ Netflixオリジナル
監督:ロブ・バーネット
脚本:ロブ・バーネット、ドナ・ジリオッティ、ジェームズ・スパイズ
原作:ジョナサン・エヴィソン
出演:ポール・ラッド、クレイグ・ロバーツ、セレーナ・ゴメス、ジェニファー・イーリー、ミーガン・ファーガソン、フレデリック・ウェラー
【Story】
ベン・ベンジャミン(ポール・ラッド)は新米介護人。ある悲しい出来事がきっかけで作家をやめ、介護士に転身した。妻とは別居し、離婚するように迫られているが、どうしても書類にサインをすることができない。
ベンは6週間の介護士研修を受け、トレバー(クレイグ・ロバーツ)という初めての依頼人と出会う。
トレバーは筋ジストロフィーという進行性の不治の病に冒され、車椅子生活を送っている。全身の筋肉が衰えていく病気で、やがては呼吸すらできなくなってしまう。トレバーは母親と二人暮らしで、彼女が仕事に出かけている間の介護人としてベンが選ばれた。しかしトレバーは病気のせいか独特のユーモアと気難しさを併せ持っており、介護人もなかなか長続きしないのが常だった。
そんなある日、あることがきっかけでトレバーがいつも地図で眺めていた「世界で一番大きな牛」とか「世界で一番大きな穴」などを見るための旅に出る。
2人はその道中、家出してきた生意気な少女・ドット(セレーナ・ゴメス)や若い妊婦ピーチズ(ミーガン・ファーガソン)と出会う。
彼女たちをとおして、2人は想定外の状況下でも生きてゆくための自分たちのスキルを試され、やがて希望をもつことの大切さや真の友情とは何かということを理解するようになる。
【コメント】
ワシントン州シアトル(多分この辺?)出発→アイダホ州(ドットとの出会い)→モンタナ州(ピーチズ同乗)→ユタ州→ソルトレーク→「世界で一番大きな穴」
この道中にいろいろな事件が起こり、そして最後に・・・。
ある出来事のために、作家として行詰まり介護士になった男と筋ジストロフィー症少年のロードムービー。ジャンルで言えば障害者ドラマになるんだろうけど、日本の障害者ドラマとはちょっと違う。
アルフレッド・アドラー的にいうと、登場人物たちが、自分と他者との「課題の分離」(仕事の課題<交友の課題<愛の課題)が出来ているので、一方的な感情の押しつけによるベタベタ感がない。
途中から加わる生意気なヒッチハイカーの少女・ドット(セレーナ・ゴメス)もキャラが個性的。
ストーリーもキャラ設定も全体的にとても好きになった作品。
まず、印象に残ったのは介護の基本の「ALOHA」
A ASK (問いかけて)
L Listne (聞いて)
O Observe (よく見て)
H Help (手伝い)
A Ask Again (また問う)
なるほどアロハ!
なのでベンがしつこく食べるようにけし掛けるのでハラハラしてしまった。
一瞬、ヒャッとするものの、トレバーは自分の身体のことはよく分かっており・・・最後は笑わせてくれました。
ロードムービーであると同時に、三組の親子の物語でもある。
ベンと亡くなった息子。
トレバーと彼から逃げた父親。
ドットと彼女が棄てた父親。
旅の終わりには、それぞれが自分なりの結論を見出します。
メインのロードムービー・プロット、それぞれが抱えるサブ・プロットが上手く収斂され観終ってホッとできる作品でした。
Netflixオリジナルフィルム
http://www.netflix.jp
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