2005.12.11

境界性人格障害(7)

自分がそうだったのか、そうでなかったのかは専門家の診察を受けたわけではないので、わかりません。
振り返ってみて、そうだったのかな・・・とは思いますが。

★自傷行為(リストカット)や自殺未遂に関しては、自分から人に話したことはありませんね。他人が聞いて楽しい話じゃないし、その時の「気持ち」を理解してと望むことは無理ですもん(相手を辛くさせるだけだし)

ただ、自分にそんな経験があったので、今の若い子たちでリストカットする子の気持ちは、何となく分かります

きっとその子たちは、自分でも気がついてないけど、「誰よりも生きたい、生きている実感が欲しいと願い、自分の居場所を必死で探している」子たちなのだと思います。

★ダメで愚かで役に立たない自分だけど「ここまで、よく頑張って生きてきたねぇ」と心から自分で自分に言えた瞬間が、私の自己同一性(アイデンティティ)が一つになった瞬間だったと思っています。

 それ以後は、他人と適度な距離を置けることが出来るようになったし、一人の時間を充実させられるようにもなった。
 また、シナリオの仕事の影響もあって仕事上の付き合い以外にはアルコールを飲むことも滅多になくなりました。
 詩を書いていた頃は、お酒を飲まなければ詩を書けなかったけれど、シナリオの仕事をしだしたら、飲んだら書けなくなる(眠くなる)ので自宅ではほとんど飲みません。

 詩を書いていた頃を知っている人は、今でも私を大酒飲みだと思っているようです(^_^;)
 確かにお付き合いで「今日は飲むぞ~」と決めたら、飲むこたぁ飲むけどね(^^ゞ

★親の何気ない一言に長く影響されてきたことについて。
 もちろん、恨んだり怒ったりの気持ちは一切ありません。
 このことで一番強く思うのは「親になるってことはなんて大変なことなんだろう」ってことです。

 親は親なりに、その子のためにと思って一生懸命子育てをしているわけです。しかし、親の言った一言が子供を深く傷つけ、性格までも歪めてしまうなんて・・・親業は本当に大変な仕事です。
 私は幸か不幸か親にはなれませんでしたが、子育てという大変な仕事に取り組んでいる地球上のすべての「親」を尊敬したくなることがあります。(私にできないことをやってるわけですから)
 子育ての結果、どんな人間に子供が成長しようとも(もちろん親子と言えども人格は別々ですが)、親子の絆は永遠だし、親は自分が死ぬまで親としての(心理的)責任を負いますからね。
 そういったことを意識して、日本中のお父さん、お母さんには親業、がんばって欲しい です。

★「苦労してきたんだね」などとたまに言われることがありますが、私自身はそう思ったことは一度もありません。
 なぜなら、私は自分の生きたいように生きてきているから。
 苦労したのは「周りの人間たち」でしょう、多分(^_^;)

 数年前にDV(Domestic Violence)の体験をして、これは心と体が分離するような危機を感じましたが、家庭裁判所カウンセリングの助けを得て、何とか乗り越えました。これがそれまでの人生で一番辛かったことかもしれません。
 私がDVを受けるに至ったことと、境界性人格障害的気質が関連していたのかどうかは、今のところ分かりません。

 とりあえず、良いことも悪いこともすべてひっくるめて、今の私があるということ。
 辛いことだけを自分の中から消してしまうと、私の人生には空白ができてしまう。
 自分の人生に空白を作らないため、すべての出来事を含めて受け止めることで「私が私で在る」ということだと思っています。


 今、境界性人格障害や、リストカットや自殺未遂を含めて自傷行為をしている人たち
 渦中にいると、出口もはけ口もなく辛く苦しいのは分かる

 でも、死んじゃだめだよ

 死にたいと思うエネルギー以上に、心は生きたいと叫んでいるはずだから
 自分の本当の心の声に気がついて欲しい

 
と先輩としては思うのです。

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境界性人格障害(6)

境界性人格障害・自己愛性人格障害を含む人格障害について、改めて整理しておきますね。

※『境界に生きた心子』の著者・稲本雅之さんのブログにはより詳しい境界性人格障害の説明がありますが、一応私なりにまとめておきたいと思います。

【人格障害(Personal Disorder)とは】

精神科の領域で精神病(鬱病、統合失調症など)、脳器質障害(てんかん、痴呆など)や神経症、不安障害(パニック障害、全般性不安障害など)、ストレス障害(PTSD、急性ストレス反応など)などではなく、本人の持つ性格そのものに起因する障害。生まれ育った環境やストレスなどが人格障害の大きな原因と言われているが定かではない。むろん精神病や神経症などを引き起こしやすい病質とも言える。

定義分類・診断基準として、アメリカ精神医学会(APA:American Psychiatric Association)が作成編集した「DSM‐IV‐TR 精神疾患の診断・統計マニュアル」があり、この定義分類・診断基準が世界の主流になっている。

DSM-IV-TRによる「人格障害(パーソナリティ障害)」の項目は、大きく、クラスターA、クラスターB、クラスターCの3つのクラスター(群)、10のタイプに分類されている。

 

【DSM-IV-TRの人格障害(パーソナリティ障害)の項目】

※DSM-IV-TR日本語版2003年8月新訂版から邦訳が「人格障害」から「パーソナリティ障害」と修正された。()の中は、最新版邦訳の診断名。

■ クラスターA [精神病に近いA群]
遺伝的に分裂病気質を持っていることが多く、自閉的で妄想を持ちやすく、奇妙で風変わりな傾向があり、対人関係がうまくいかないことがある。
ストレスが重大に関係することは少ないが、対人関係のストレスには影響を受ける。

①妄想性人格障害 (妄想性パーソナリティ障害)
 他人の動機を悪意あるものと解釈するといった、広範な不信と疑い深さ。

②分裂病質人格障害 (シゾイドパーソナリティ障害。日本精神神経学会では「統合失調質人格障害」が採用されている
 社会関係からの遊離、対人関係状況での感情表現の範囲の限定などの広範な様式。

③分裂病型人格障害 (失調型パーソナリティ障害。日本精神神経学会では「統合失調型人格障害」が採用されている
 親密な関係で急に気楽でなくなることとそうした関係を持つ能力の減少、および認知的または知覚的歪曲と行動の奇妙さの目立った、社会的および対人関係的な欠陥の広範な様式。

■ クラスターB [中間のB群]
感情的で混乱の激しい人格障害。演劇的で、情緒的で、うつり気に見えることが多い。ストレスへの脆弱的傾向がある。

④反社会性人格障害 (反社会性パーソナリティ障害)
 他人の権利を無視し侵害する広範な様式。

⑤境界性人格障害 (境界性パーソナリティ障害)
 対人関係、自己像、感情の不安定および著しい衝動性の広範な様式。

⑥演技性人格障害 (演技性パーソナリティ障害)
 過度な情緒性と人の注意をひこうとする広範な様式。

⑦自己愛性人格障害 (自己愛性パーソナリティ障害)
 誇大性(空想または行動における)、賞賛されたいという欲求、共感の欠如の広範な様式。

■ クラスターC [神経症に近いC群]
不安や恐怖感が非常に強い人格障害。まわりに対する評価や視線などが常に気になり、それがストレスになる。

⑧回避性人格障害 (回避性パーソナリティ障害)
 社会的制止、不適切感、および否定的評価に対する過敏性の広範な様式。

⑨依存性人格障害(依存性パーソナリティ障害)
 世話をされたいという広範で過剰な欲求があり、そのために従属的でしがみつく行動を取り、分離に対する不安を感じる。

⑩強迫性人格障害 (強迫性パーソナリティ障害)
 秩序、完全主義、精神面および対人関係の統制にとらわれ、柔軟性、開放性、効率性が犠牲にされる広範な様式。

■ どの診断項目の基準も満たさないパーソナリティ機能の障害に診断されるもの
特定不能の人格障害(特定不能のパーソナリティ障害)
また、思春期以前は、人格がまだ固まっていないために人格障害(パーソナリティ障害)とは容易に診断しない。(反社会性人格障害や境界性人格障害に相当するものは行為障害と診断される事が多い)

【境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害=BPD)補足】

 人口の約2%BPDと言われており、単純計算すると、日本では約250万人BPDであることになる。
 なお、精神科を受診する患者さんの約10%がなんらかの「人格障害」で、そのうちの半数、つまり5%BPDであるという報告がある。
 また世界で最もBPDの患者さんの多い米国では、1000万人以上BPDであるのではないかと推測されている。
 明らかに女性に多く(75%)、入院患者さんではさらに男性の4倍に達している。
 http://www.deborder.com/border.html

 なお、BPDの回復期には、一過性の自己愛性人格障害を経るケースが多い という報告がある。
 ちなみに、予後についてのアメリカでの追跡調査では、最終的には症状が治まって健全に社会復帰しているケースが数多くある(10年以上の経過研究で約3分の2の患者さんが比較的良好な社会適応をしている, McGlashan,T.H.)ことも報告されている。

 また我が国の調査でも約6割が良好な予後を示したという報告がある(町沢)。
 最終的な治癒に至らなかったケースの多くは治療からのドロップアウト(逃げ出し)が原因であると言われている(治療を始めた約半数は半年以内に中断してしまい、治療終結まで治療を継続できたBPDの患者さんは10人に1人であったという報告がある)。

 また、残念なことに約1割(10%)程度のBPDの患者さんは、自殺に至ってしまうという報告がある。
 ちなみに、社会復帰に関しては、他人のこころに敏感な人が多いので、心理職、福祉職、看護職に就く人が多いという報告がある。また優れた知性と芸術的な素質に恵まれていることも多く、創造的な分野で成功している人も多くいる。
 http://www.deborder.com/border.html

 BPDの多くは思春期に発症するものであり、16歳以上に診断がなされるものとしている。つまり、後期思春期ないし成人期に見られやすく、30歳代になると次第に改善が見られる。30代後期には安定すると言われる。 
 これはBPD病因が、発達時の混乱、自我同一性の拡散と関連があるからではないかと考えられる。
 それ以前にも兆候が見られるが、BPD思春期に発症し、20歳付近で何らかの問題が生じることの多い障害である。
 また、近年のアメリカの研究ではBPDの病因として、幼児期の外傷体験が有力なものとして注目されている。
 ZanariniはBPD患者の、6歳までの分離体験は46%、幼児虐待は60%、性的虐待は6%いると報告している。

 日本では町沢が68人のBPDを詳細に調べた結果、親子分離は16%、暴力虐待は3%、性的虐待は1.5%となっていて、アメリカほどの関連性はない

 日本の場合ははっきりと分かる外傷体験はないが、小刻みな外傷体験があるのではないかという憶測もある。家族による拒絶、過干渉が原因という見解が多い。 
 http://f17.aaa.livedoor.jp/~etsubu/bpd.html

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2005.12.10

境界性人格障害(5)

境界性人格障害(2)の記事に関して『境界に生きた心子』の著者・稲本雅之さんから下記のコメントがありました。

【 境界性人格障害と自己愛性人格障害はどちらも、10種類ある人格障害のひとつですが、自己愛性人格障害が境界性人格障害のひとつとするものがあったでしょうか? 両者は隣接する人格障害で重なり合う場合もありますが、独立した人格障害として分類されています。 】

私は記事の中で、自己愛性人格障害というのは境界性人格障害の中の一つのパターンです。】と書いています。
改めていろいろと資料を読み直してみて、私が大きな勘違いをしていたということが分かりましたので、稲本さんへのレスも含めて、ここでもう一度、整理しておこうと思います。

稲本さんからご指摘いただくまで、私はてっきり【境界例】というのはすべてのパターンを含む人格障害の総称と思いこんでいました。

下にも書いたように【自己愛性人格障害】を調べようとして一番最初に読んだ文章が【境界例と自己愛の障害からの回復】HPの中の【境界例とはなにか 】で、その中の苦痛回避の行動パターン(依存強化型・自己愛型・攻撃型・快楽型・引きこもり型・理想化型から分裂型)人格障害のパターンと混同・思いこんでしまっていました。

4791104986 その後、何冊かの本を読みました。
例えば左の
境界性人格障害=PBD はれものにさわるような毎日をすごしている方々へ
  ポーメ・メイソン&ランディ・クリーガー 著
  荒井秀樹 等 訳
  星和書店

境界例と自己愛の障害 理解と治療に向けて
  ライブラリ 思春期の“こころのSOS” 8
  井上果子&松井 豊 著
  サイエンス社 

4794205562  映画にもなった

思春期病棟の少女たち
  スザンナ ケイセン  著
  吉田 利子 訳
  草思社

DVD『17歳のカルテ
  出演: ウィノナ・ライダー, アンジェリーナ・ジョリー, その他
  監督: ジェームズ・マンゴールド

等などを読んだり、観たりしたのですが、どの本も今ひとつ自分の中では満足できない、もやもやとした気持ちを抱いていました。

その原因は・・・・・

先に書いたように、今の今まで、自己愛性人格障害境界性人格障害(境界例)の中の一つのパターンだと思い込んでいた から。
だから、境界性人格障害を扱った本や映画の中に自己愛性人格障害の例が含まれていないことで、いまいち納得できないものがずっとあったわけで・・・(ーー;)

そもそも私がそれらに関心を持ち始めた動機はネットストーカーと言われる一人の女性を理解したいという思いからでしたから、私としては自己愛性人格障害に関する具体的記述を境界性人格障害を書いた本の中に求め、探し続けていたというわけです。

う~む、満足できるはずがない・・・(リンクする部分はあったとしても)境界性人格障害自己愛性人格障害は違うものだったんだから。

そのことにやっと気がつきましたので、ここで、【「自己愛性人格障害」というのは「境界性人格障害」の中の一つのパターンです。】という記述を【それぞが別々に分類されるパーソナリティ障害】というふうに訂正させていただきます。

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2005.12.06

境界性人格障害(4)

 実は、私が初めて自殺を考えたのは小学校5年の時でした。

 「私のような何の役にも立たない人間はいないほうがいい。私一人がいなくなったところで世の中なにも変わらない」

 ナフタリンを砕いて飲もうとしました。(それ以外に自殺の方法が思い浮かばなかったもので) でも、飲めなかった。

 そこで私は考えた。どうせ居ても居なくもいい人間だったら自分の欲を捨てて人のために生きよう。社会福祉の仕事しかない・・・・・そう思い込んだわけです。

 今思えば、「自分の欲を捨てて」どころか、私は思いっきりワガママな人生を歩いてきています。
 高校を卒業した後、最初に入った学校は勝手に中退したし、その後、社会福祉の勉強のために短大に進み、さらに数年後、歯科衛生士の資格を取るために専門学校へ。
 その時その時、私は自分の欲する方向に勝手にどんどん進んだ・・・・・

 同時に心の中ではいつも「何かが足りない」「きちんとした愛が欲しい」と飢えていました。

 やっと、「今まで、よく頑張って生きてきたね」と自分で自分の存在を認めることができて、なぜあれほど「死にたい病」「自分を消したい病」に取り付かれていたか冷静に考えることができるようになった。
 そこで一つの言葉に行きついたんです。

 「エゴイスト!」

 小学校5年の時、母から言われた言葉。
 当時の私は「エゴイスト」という言葉の意味を知らず、辞書で調べました。

 “ 自分の事しか考えない人。利己主義者。 ”

 私は自分がそういう人間だと母から言われたことで、すごくショックを受けました。
 こんな迷惑な人間なら居ない方がいい・・・そこで、初めて自殺を考えたわけです。

 それ以来、自覚してなかったけれど、私は自分の存在を否定し続けていたらしい。
 生まれてきたこと自体、歓迎されなかったのではないかとも思うようになった。

 恋愛した相手、結婚した相手に「ちゃんとした愛」を求め続けたのも、私が相手にとって「必要な存在」「生きていてもいい存在」と確かめたかった。そうでなければ自分の存在が不安で不安で仕方なかった のです。

 今は、母がなぜあの時、子供の私に「エゴイスト!」と言ってしまったのかが良く分かります。

 私が小学校三年の時に父は病死しました。その時、母は29歳。29歳で三人の子供を抱えて母は父が残した商売を継いで一人で必死に働いていました。なのに、長女の私は商売の手伝いよりも本を読んでいる方が好き、家事も下手でそれより本を読んでいる方が好き。

 仕事も家のことも手伝わない私に、疲れ果てた母は思わず言ったんですね。 「エゴイスト!」 と。

 何年か前、母にその時のことを話したら母は自分がそんな言葉を言ったことすら忘れていました(笑)
 しかし、あの時、その言葉に込められた否定的なメッセージは長いこと私の中に根付いて、対人関係に大きな影響を及ぼしました。

 自分で自分の存在を認められるようになってから、心はものすごく軽くなりました。

 自分を認めるということは、相手をも認めることができる ということ。
 「相手が自分をどう思っているか」と勝手に相手の感情を背負い押しつぶされそうだった気持ちが、「あなたの感情はあなたのもので、私には変えられない」と自分と相手を区別できるようになった。
 白か黒かしかなかった選択肢にグレーもあるんだと受け止められるようにもなった。

 また、シナリオという仕事にも私はものすごく助けられたと思う。
 それまで、誰にも分かってもらえない激しい葛藤を詩というカタチで吐き出していた。しかし、詩は一人相撲のようでもあった。
 だが、シナリオは、私の中に噴きでるいくつもの激しい葛藤を、何人もの登場人物に振り分けて語らせることで、私自身をきちんと整理できる。
 その意味で、私にとってシナリオはセルフカウンセリングをしているような気もする。


 『境界に生きた心子』を読むにつけ、その本に描かれた心子さんの行動・言葉はかつての私と重なり、私は自分が境界性人格障害だったような気がする。

 もしかしたら、境界性人格障害ではなく、「愛が欲しい病」「私をちゃんと見て病」は多かれ少なかれ誰もが抱いていることなのかもしれない。

 どっちにしても、他人に望む前にまず、自分が「自分を認め、愛してあげる」ことが他人をも認めること だということが、長い長いトンネルを抜けてようやく分かったことだった。
 
 いつかきっと、トンネルを抜ける時が来る・・・・・

 今苦しんでいる人には、そう伝えたい。
 同時に 日本ではやっと精神科に心療内科ができて、以前より心と体のケアの敷居は低くはなったが、カウンセリングももっともっと日本で普及して欲しいと思う。

 現在曖昧なカウンセラーの資格も国が基準を決めて国家資格にするとか。
 境界性人格障害に関しては、アメリカでの治療から治癒に至るケースは一割程度だと言う。
 しかし、患者にとっては「他人が自分の言葉にちゃんと耳を傾けてくれる」そんな安心できる場は大切だと思うから。

参考過去記事 「ノンフィクション『境界に生きた心子』」

追記:誤解されるといけないので書き加えておきますが。
  トンネルを抜けた後の母との関係はとても良好です。子供3人抱えて必死で生きてきた母の生き様は私には真似できないし尊敬しています。それに、今は友達以上に母には何でも話せるし、二人きりで海外旅行にも行ったりしていますので。

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境界性人格障害(3)

kyokai < 愛はどこにありますか? 誰が私を必要としていると言うのでのでしょう? 欲しいものは愛だけなのに。しんこ >

 自ら命を断った心子さんは、その時、35歳だったそうです。
 私も、上の心子さんと同じセリフを30代の半ばまで抱え込んでいました。

 『境界に生きた心子』に描かれた心子さんは、半分は「私」だと感じました。

 私と心子さんが違ったのは、もしかしたら私は、自分の中の「原因」に気がつくと同時にシナリオという仕事に出会えたことかもしれません。

 私は10代の終わりから20代の半ばにかけて、何度もリストカットを繰り返し、自殺を図りました。当時、医療関係の仕事をしていたため精神安定剤が容易に手に入ったもので、薬による自殺です。

 そして、もう本当にこれで最後にしようと覚悟を決めて薬を飲みましたが、薬の量が多すぎて吐いて目が覚めた・・・・・・。
 胃洗浄をしてもらったお医者さんからは精神科に行った方がいいとアドバイスされました。
 その後、いろいろ考えていて、気がつきました。本当は私は死にたいという思いと同じくらい生きたい のだと。
 その私が選んだのはキリスト教の洗礼を受けること。

 キリスト教では自殺は罪です。
 自らは絶対に死なない・・・・・自殺を自分に禁ずるためだけにクリスチャンになった。

 自殺を自ら封印したわけで、では、それで私が楽に生きられるようになったか?
 答えは 「NO」 です。

 短大時代の教授の紹介で何度かカウンセリングセミナーに参加させてもらい、カウンセリングの勉強をしたりもしました。それで私が楽に生きられるようになったか?
 答えは 「NO」 です。
 勉強したという事実だけで、私の中に根深く在る原因は何も変わらなかった。

 20代の後半に人間としても男性としても最も尊敬できる人に出会い、結婚しました。
 それで私は楽に生きられるようになったか?
 答えは 「NO」 です。

 自殺は自ら禁じているので、今度はお酒に逃げるようになっていました。
 夫はとても知的で冷静な人でした。一歩引いたところからいつも私を見守ってくれていた・・・・・
 しかし、私にはそれが「無関心」「無視」されているように思えて、勝手に傷ついて、お酒を飲んでは、夫を非難し、口論をふっかけていました。

 心子さんのように「愛が欲しい」と口で言えなかった私は心の中でいつも「愛が欲しい、愛が欲しい、私に分かるように愛を見せて。私のことを分かって」と叫び続けていました。

 夫の仕事の都合で関西から東京に転居して、環境が一変。それで私が変われたか?
 答えは 「NO」 です。

 アルバイトで歯科衛生士の仕事をやったり、シナリオの勉強を始めたりで、すぐに友人・知人もたくさんできましたが、家ではお酒の量はますます増えて・・・・・

 今、思えば飲んでは荒れる私に対して、夫は本当に辛抱強く接してくれていたんだと思います。

 このままでは二人とも不幸になる・・・・・そう思った私は結局、自分から家を出て行きました。

 二度目の結婚を考えた相手は年下だけどシナリオの勉強では先輩の人。
 彼とはやっとやっとお酒を飲まずに、ちゃんと向き合えるようになった。
 でも、私の中の根深い「愛して欲しい病」はすぐには治りません。

 ある日、大喧嘩をして、彼とはもう終わりだと思いました。
 世界中で私は一人ぼっちになってしまった・・・・・
 一人ぼっちの部屋で涙が涸れ果てるほど泣いて・・・・・

 そして、なぜだか突然、気がついたんです。

 私は彼に「私のことを100%分かって欲しい」と願っていた。
 しかし、他人に100%を求めるのは無理というものだ。この世で私のことを一番知っているのは私。物心ついてから、その時その時、私は一生懸命生きてきた。それをいちいち他人に理解してもらおうなんて、不可能だ。

 世界中の人が私のことを否定しても、私が生きて在る という事実だけは誰も否定できない。だったら、せめて私一人だけでも自分の存在を認めてやろう。
 そして、一人ぼっちになったこの事実をもすべて受け入れて、自分で自分に言ってやろう。

 「今まで、よく頑張って生きてきたね」

 そう思った時、自分でもビックリしたんだけど、私は自然に笑っていました。
 その時の気持ち、光景は今でもありありと思い出す。

 
子供の頃に迷い込んだ、長い長いトンネルを抜けた瞬間だったから。

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境界性人格障害(2)

 ・・・・・私は多分、自己愛型を除いたすべての型が混在していた境界例だったような気がします。もちろん過去の話ですが。

 「境界性人格障害(境界例=ボーダー)」を知ったのは数年前。

 かつて、身体障害者専門の歯科診療所で歯科衛生士をしていた頃、さまざまな重複障害を持った患者さんたちと接していました。
 脳性麻痺、筋ジス、自閉症、知的障害、視覚障害、聴覚障害 その他
 患者さんの障害について勉強した中で、境界例というのは、知的部分で境界に在るケースのことだと思っていました。

 ところが・・・・・・
 2001年の初夏、全く知らない女性から一通のメールが届きました。ある女優さんを誹謗中傷するメールです。その年の年末、再び同じような内容のメールが届きました。今度は出版業界の人を誹謗中傷する内容。
 なぜ全く関係ない私にこんなメールを送ってくるんだろう? で、2通目にはHPのアドレスが書いてあったために、そのHPを訪れてみた。
 これがネットストーカーM子との係わりの始まりでした。

 それからもう4年が経つわけですが、M子に関する情報もいろいろ入ってきて、その中に彼女は「自己愛性人格障害」ではないかという意見がありました。

自己愛性人格障害」というのは「境界性人格障害」の中の一つのパターンです。
                          

                                                                             
  自己愛性人格障害の特徴

   御都合主義的な白昼夢に耽る。
   自分のことにしか関心がない。
   高慢で横柄な態度。
   特別な人間であると思っている。
   自分は特別な人間にしか理解されないと思っている。
   冷淡で、他人を利用しようとする。
   批判に対して過剰に反応する。
   虚栄心から、嘘をつきやすい。
   有名人の追っかけ。
   宗教の熱烈な信者。
       (「自己愛性人格障害とはなにか」より)
     


 数年に渡ってM子のさまざまな書き込みをウォッチしてきた私から見て、M子はまさに「自己愛性人格障害」のパターンにドンピシャ! 最後の「宗教の熱烈な信者。」以外はすべて当てはまるのです。

 といっても、あくまでも心理学に関してはド素人がそう思うだけであって、もちろん断定などはできませんが。

 ・・・・・・という経緯で、「境界性人格障害」を知ったわけですが、読めば読むほど「もしかしたら私も境界性人格障害だったのでは?」と感じるようになりました。
 ただ、自己愛性人格障害だけは自分の中になかったと断言できますが(笑)

 「もしかしたら・・・」をより強く確信させてくれたのは、稲本雅之さんが書かれたノンフィクション『境界に生きた心子』でした。(左のサイドバーの下の方の著書をクリックしたらamazon.comに飛びます)

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境界性人格障害(1)

                                                                                                         
  1 自分の生き方がわからない。
  2 現実を理解する能力が貧弱。
  3 いつも場違いな所にいるように感ずる。
  4 自分のすべてを受け入れてもらいたいと望んでいる。
  5 感情の移り変わりが早く人間関係が不安定。
  6 愛し方が不十分であるという理由で相手を責めたてる。
  7 仕事に不満を持ちやすく転職を繰り返す。
  8 一見、周囲にうまく適応して見えることもある。
  9 自分と他人との境界があいまい。
  10 他人への評価が極端から極端へと揺れ動く。
  11 人生の価値観や目標が突然変わったりする。
  12 キレやすい。
  13 二者関係にしがみつく。
  14 自殺未遂を繰り返す。
  15 アル中、浪費癖、過食、淫乱、ギャンブル狂、暴走行為、薬物中毒
    などなど
             (「境界例とはなにか」より)



該当する項目はありませんか?
上記は 境界性人格障害 Borderline Personality Disorder(BPD)の特徴です。

                                                                                     

  境界例(境界性人格障害)になぜ「境界」(ボーダーライン)などという名前が付いたのかというと、最初のころ神経症と精神病の境界領域の症状を指して境界例と呼んでいたからです。 しかし、今では境界性人格障害として一つの臨床単位となっています。
 
 症状は非常に多彩で、一見何の問題もないような人から、アダルト・チルドレンと言われるような症状や、リストカット(手首を切る自殺未遂)を繰り返すケースや、幻覚や妄想を伴って、まるで分裂病かと思われるような激しいものまであります。

 全体的には心の不安定さや急激に変化しやすい感情などが特徴です。多数の研究者が、幼いころの母親との関係が原因であると考えています。有名人で境界例と思われる人には、あのダイアナ妃をはじめとして、他にもたくさんいるようです。

 人口の約2パーセントが境界例と言われていますので、単純計算しますと、日本では約250万人が境界例の問題を抱えていることになります。
              (「境界例とはなにか」より)


 原因は「親から見捨てられるという、分離不安」が根にあり、BPDは赤ん坊の頃から始まっているそうです。

                                                                                                         
  親から見捨てられるという、分離不安を煽ることを目的とした脅しを受け取ったとき、子どもはどんな心理状態になるでしょうか。

 その心理状態とは、自分が消えてしまうような恐怖感、堪え難い孤立感、悲しみや惨めさ、見放された絶望感、侮辱されたような憤り、不安をもてあそぶ親への憎しみ、いたたまれない気持ち、あまりにも不快でむしゃくしゃするような居心地の悪さ、そういった諸々の感情がないまぜになっています。この心理状態を回避する手段として、以下のようなさまざまなパターンがあります。

 自暴自棄型・依存強化型・自己愛型・攻撃型・快楽型
 引きこもり型・理想化型から分裂型


  では告白しましょう、私は多分、自己愛型を除いたすべての型が混在していた境界例だったような気がします。

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