2010.01.01
2009.12.29
●個人的にかなり限界・・首相交代したほうがいい
政権交代に期待、今でも自民のままより民主への期待の方がはるかに強い。
だからこそ、首相を早く交代して欲しい。
首相が鳩山氏に決まった時に一抹の不安はあった。
鳩山氏は生粋の世襲政治家であり、麻生氏に負けず劣らずの超お坊っちゃま育ち。
小泉元首相以後、安倍、福田、麻生と世襲の超お坊っちゃまが続き、またか?! という思いもあったが、鳩山氏は民主党ということで、政権交代による期待感の方が強かった。
9月の初のアメリカ外遊時は幸夫人とともに、それまでの日本の首相外交と違うスマートで親しみのある雰囲気の外交に、政権交代を実感したものだった。
なので、好感と期待感をもって鳩山首相を見てきたのだが・・・・・・・・
少しづつ、気になってきたのは、まず声。
鳩山首相の声に、どんどん覇気がなくなってきている。
こんな大不況の時代だからこそ、一国の指導者は言葉にも強い“意志”を込めて、国民を明るい方向に導く努力を感じさせて欲しい。
なのに、今では鳩山首相の言葉を聞くたびに、淀んだ気持ちになってしまう。
さらに、最近、テレビに映る鳩山首相の目が、“死んだ鯖の目”に見えて仕方なくなった。
ガソリン税の暫定税率、子ども手当問題、普天間飛行場移転問題等など・・・あっちこっちの意見を聞いて、その挙句、決定権は実質、小沢幹事長?!
もしかして、自分がお飾りであることにやっと気がつき、その目から首相としての輝きが失せてしまっているのかも・・・なんて思ってしまう。
そしてそして、本日、インド外遊に関するテレビニュースを見て、もう鳩山夫婦は首相夫婦として外に出て欲しくないと、しみじみ思ってしまった。
テレビのニュースで、インドを訪れている鳩山首相夫人が、インドの民族衣装サリーを着用とのニュースを見た時は、夫人ならではの外交でそれはそれでいいのではと思った。
参考:鳩山総理夫人の民族衣装サリーの体験(外務省)
参考:左写真記事
だが、次に映った映像には晩餐会だかの正式な席で幸夫人がサリーの姿のまま着席しているのを見て、思わず目を疑ってしまった・・・。
公式な席で相手国の民族衣装を着て出席なんて、そこまで相手国に媚びる必要はあるんですか?!
例えば、オバマ大統領のミシェル夫人が来日した時に、日本の民族衣装である着物をプレゼントされたり着用する。これは外交の一つとして微笑ましく受け止められるだろう。
しかし、ミシェル夫人が(そのほか他国のトップの夫人の場合でも)着物を着たまま公式の場に着席したとしたら、日本人として嬉しいだろうか?
多分、かなり違和感を感じて、そこまで日本に、日本人に媚びてくれなくてもいいのに、と感じるのではないかと思う。
相手に合わせることは“和”をもってことを進めるには大切なことだけれど、しかし、日本を代表する立場で公式の場に出た時には、日本という国にプライドを持って一国の代表としての自覚の元に行動して欲しい。
そう考えていったら、幸夫人に関して素朴な疑問がわいてきた。
確か、この人が首相夫人となってから着物でマスコミに出たのは一度だけ記憶している。
しかし、それ以外は?
鳩山首相の8度の外遊に同伴して、なぜこの人は公式の晩餐会などで日本の着物を着ないのだろうか?
国内においても影響力の強い立場にある人なのだから、ぜひ外交の場ではプライドを持って着物を着て欲しいと思ってしまった。
結局、夫婦揃って、とりあえずその場その場で“相手が喜んでくれればそれでよし”とする在り方が見えてきたような気がする。
日本でも有数のお金持ちである鳩山夫婦の在り方としては、それでいいだろうし、どうぞご自由にと思う。
しかし、日本の首相、そして夫人としてはそれでは困ります。
やはり結論は、鳩山さんは首相早く辞めてください。
次は小沢さんでも菅さんでもいいです。
まだ、民主党には期待しているので、民主党への失望が大きくならないうちに交代を。
2009.09.13
●隗より始めよ
「核なき世界」へ決意表明=対北・イラン決議の順守要求-安保理首脳会合の米議長案 9月12日時事通信
国連安全保障理事会の議長国である米国は11日、「核兵器のない世界」実現を目指す決意を表明する決議案を各理事国に配布した。オバマ大統領が議長役を務める24日の安保理首脳級会合で採択したい考え。同案は北朝鮮やイランへの制裁決議にも言及し、順守を要求している。
米大統領が安保理会合を主宰するのは初めてで、決議採択によって核不拡散・核軍縮を目指すオバマ政権の強い意思を示す。決議案は不拡散・軍縮の措置や原則の再確認を基調にしており、政治機運を醸成して来年5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の成功を期する目的もある。会合には、新首相としてニューヨーク入りする民主党の鳩山由紀夫代表も出席する予定だ。
決議案は包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効を視野に入れた同条約への加入や、核軍縮および核廃絶に関する条約の交渉開始を関係各国に要請。また、NPT未加盟国に早期加入を求めるとともに、国連の全加盟国に対し爆発を伴う核実験実施を控えるよう訴えた。
核軍縮、ぜひアメリカから始めてください > オバマ様
実のところ、アメリカの一般大衆の核に対する意識は、1982年『アトミック・カフェ』(The Atomic Cafe)』で描かれた頃とあまり変わってないのではと私は疑っている。
今でも、広島・長崎への原爆投下についてのインタビューで核兵器を「戦争を終わらせた兵器」として肯定的に受け止めているアメリカ国民は少なくないみたいだし。
アメリカにとって日本は遠い他国。その他国で核爆弾一発でどんな悲惨な地獄が出現したか、銃の国の人々には想像も出来ないことだと思う。
『アトミック・カフェ』は1982年アメリカで公開されたドキュメンタリー作品。
監督はジョージ・W・ブッシュの従兄弟で、マイケル・ムーアが師と仰ぐケヴィン・ラファティら3人。
1940~50年代のアメリカで放映された原爆、反共にまつわる政府製作の広報フィルムやニュース映像だけで構成、アメリカの大衆プロパガンダの実態を浮かび上がらせたラジカルなドキュメンタリー作品だ。
(ナレーションは一切なし。ラファティ監督は個人的信条として、ナレーションは「天の声」であり、映像そのままに語らせることがあるべき姿だとしてナレーションを排除。バックミュージックはすべて核兵器に関する音楽を使用)
この作品から見えてくる、当時のアメリカ人の核に対する意識・知識はもう笑うしかない。
プロパガンダの怖さを知るには最適の作品。
アトミック・カフェ [DVD]
イラストの亀はバート君。
1950年代の初めにつくられた子供向け民間防衛映画『ダック&カヴァー(Duck and Cover・さっと隠れて頭を覆え)』の中で子供たちに原爆への対処法を説明するバート君。
2009.09.07
●北朝鮮、お前が言うなって感じ?
自民惨敗「反動政治の末路」、北朝鮮が論評 09年9月6日 読売新聞
(前略)・・・北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」6日付は、衆院選についての記事を掲載し、自民党の「惨敗」は「時代錯誤の反動政治の当然の末路である」と評した。
(前略)・・・「自民党の腐敗政治に幻滅を感じた民心」を取り戻せなかったと指摘。「政治的に無能で反人民的な政策を追求する政権は民心を失い、破滅の泥沼に陥るしかない」と結論づけた。
お前が言うなって感じだよね。
それとも、日本自民批判のオブラートに包んで、暗に自国の独裁政権の批判&自国の未来暗示?
なにはともあれ、政権が変わって拉致問題が一刻も早く解決に向かうことを期待します。
2009.08.21
●ブッシュ政権が暗殺を民間委託…米紙報道
【ワシントン支局】米ワシントン・ポスト紙(電子版)は20日、ブッシュ前政権下の2004年、中央情報局(CIA)が、国際テロ組織アル・カーイダ幹部を殺害する秘密計画の立案や訓練を、米民間警備会社ブラックウオーター(現在「Xe」に社名変更)に委託していたと報じた。
米国議会予算局は、「民間セキュリティー会社に支払われた金額は総額で1,000億ドル(イラク作戦全体の20%に当たる)になるだろう」との報告書を提出した。同調査を求めた民主党のコンラッド上院議員は「ブッシュ政権の民間軍事請負会社への依存は、危険な前例を作った」とコメントしている。
【ニューヨークIPS=ウィリアム・フィッシャー、8月14日】
この割合で考えると、契約会社に支払われた金額は総額で1,000億ドル(イラク作戦全体の20%に当たる)になるだろう」との報告書を提出した。同報告書はまた、契約会社従業員、特に武装兵の法的立場は米法のグレーゾーンであるとしている。
同調査は民主党のコンラッド上院議員の要求により行われたもので、同議員は、「ブッシュ政権の民間軍事請負会社への依存は、危険な前例を作った。民間企業の使用は、責任の所在や監視の目を曇らせ、不正、権力乱用の温床となるばかりでなく、国民の血税の無駄遣いに通じる」と批判している。ブラックウォーター裁判について報告する。(原文へ)
◆ 「傭兵会社」ブラックウォーター:日本でも警備業務 2007年10月 9日WIRED NEWS
米Blackwater社に雇われたガンマンが歩き回っているのはバグダッドやニューオリンズの街中ばかりではない。
『Stars and Stripes』紙によると、日本海に面した人口5500人の小さな村落、つがる市車力地区(旧車力村)で、約100人が米国政府との契約のもとに『AN/TPY-2』レーダーを扱う任務に就いているという。
【この職務の遂行にあたり、被雇用者は、恒常的に警備の任に立ち、歩き、指先まで神経を使って、対象物、道具、制御装置等を扱い、感覚を確認すること、手や腕を伸ばすこと、報告をして指示を聞くことが求められる。
[日本語版:ガリレオ-緒方 亮/合原弘子]
“現代の傭兵”は4万8千人駐在。米正規軍増派も焼け石に水で、民間軍事会社が槍玉に。
内戦状態のイラクから撤退すべしという内外世論に耳を貸さず、逆に米兵増派でテロを押さえ込もうとしたブッシュ政権「最後の賭け」は、どうやら失敗の烙印を押されそうだ。
創業者はキリスト教右派
◆急成長する傭兵派遣会社『ブラックウォーター』2004 年 10 月 15 日
・以下の記事によると,イラクに傭兵を派遣している『警備保障会社』の中でも最も名前の知られている,アメリカのブラックウォーター社の業績が急成長しているという。
ブラックウォーター社の社長ゲーリー・ジャクソンによると,過去18ヶ月間で600%以上の成長を達成したとのこと,同社長によると,アメリカにあるブラックウォーター社本部の労働者の数を倍の400人にする計画があるという。
ブラックウォーター社は現在,バグダッドとヨルダンにそれぞれ事務所を構えており,アメリカ政府との間に2100万ドルの契約を結んでいる。
同社のイラクにおける業務内容はアメリカ軍のための食料輸送と,アメリカの駐イラク大使であるジョン・ネグロポンテの身辺警護を受け持っている。
記事には,ブラックウォーター社の簡単な経歴も紹介されており,7年前に27人の『契約労働者』からスタートしたものが,現在では世界各地に支社を持ち,実に数千人の契約労働者(傭兵)を抱えるまでになったとしている。
ジャクソン社長は将来の目標として,傭兵ビジネスを10億ドル規模の産業に育てたいという。
なお,ブラックウォーター社は,イラクで少なくとも8名の『労働者』を失っている。
2009.03.05
●西松建設違法献金事件:この際、検察もメディアも徹底的に調べれば?
今のこの時期に、民主党代表の小沢氏への狙い撃ち。
司法の手が小沢氏まで及ばなかったとしても、(誰かさんが仕掛けた)目的は果たすことができるんでしょうね。
政治家へのネガティブキャンペーンっていう目的。
「今日は一大転換の日。攻められ続けて大変だったが反転攻勢だ。向こうも元気がなくなっているから、どんどん政策を進めたい」(細田博之自民党幹事長)
興奮して手を振り上げ、語気を強めて言う細田さんをテレビで何度も見た。
まさにネガティブキャンペーン成功を確信して興奮しているみたいで、いつもテレビで見るキャラと違う細田さんに違和感を感じてしまった。
民主党小沢代表への献金に違法性があったかどうかは今後の捜査の結果を見なければ真実は分からない。
この際、小沢氏だけでなく、西松建設がらみで献金を受けた政治家すべてに関して、きちんと調査して欲しいものだ。
検察だけでなくメディアもね!
自民で次々に「西松献金返還」 でも、団体解散で方法は… 3月5日 産経新聞
疚しくなければ、コソコソ返さなくてもいいと思うんだけどね。
そこんとこも、漏らさずきちんと調べてくださいよ、検察&メディア。
西松建設「新政治問題研究会」「未来産業研究会」 献金先一覧 | |||
| 献金先 | 95~06年 全献金額※1 (※2+※3) |
95~03年 推定 献金額※2 |
04~06年度 総務省届出分 献金額※3 |
| 【民主党】 | 計 4200万円 | ||
| 小沢一郎 ※4 | 4000万円 | 2600万円 | 1400万円 |
| 山岡賢次 | 200万円 | . | 200万円 |
| . | . | . | . |
| 【自民党】 | 計 6632万円 | . | . |
| 尾身幸次 | 2080万円 | 1680万円 | 400万円 |
| 加藤紘一 | 1400万円 | . | . |
| 二階俊博 | 868万円 | 90万円 | 778万円 |
| 藤井孝男 | 600万円 | 200万円 | 400万円 |
| 森 喜朗 | 500万円 | 200万円 | 300万円 |
| 藤野公孝 | 400万円 | . | 400万円 |
| 山口俊一 | 200万円 | . | 200万円 |
| 加納時男 | 200万円 | . | 200万円 |
| 中島真人 | . | . | 200万円 |
| 川崎二郎 | 140万円 | . | 140万円 |
| 林 幹雄 | 100万円 | . | 100万円 |
| 山本公一 | 114万円 | 14万円 | 100万円 |
| 古賀 誠 | 16万円 | . | 16万円 |
| 渡辺具能 | 14万円 | . | 14万円 |
| 平成研究会(旧橋本派) | . | . | 60万円 |
| . | . | . | . |
| 【改革クラブ】 | . | . | . |
| 渡辺秀央 | 300万円 | 100万円 | 200万円 |
| . | . | . | . |
| 【国民新党】 | . | . | . |
| 亀井静香 ※5 | 97~01年 約 1300万円 |
. | |
| 自見庄三郎 | 30万円 | . | . |
| . | . | . | . |
| 【自治体首長】 | . | . | . |
| 広瀬勝貞大分県知事 | . | . | 100万円 |
| 石川嘉延静岡県知事 | . | . | 100万円 |
| 阪口善雄吹田市長 | . | . | 100万円 |
| 矢田立郎神戸市長 | . | . | 30万円 |
| 村井仁長野県知事 | . | . | 20万円 |
※1:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-01-26/2009012615_01_0.html より。
資金提供を受けた側の政治家の資金管理団体、関連政治団体、
政党支部などの収支報告書を二つの政治団体の設立時まで遡って
調べた金額。
※2:単純に(※1)の金額から(※3)の金額を引いたもの。
※3:総務省に届け出た政治献金。
※4:民主党岩手県連 900万円も含む
※5:http://yawanews.blog82.fc2.com/blog-entry-1073.html より
元記事は東京新聞 2008年12月30日朝刊
上記表以外で、西松建設がダミーに使っていた政治団体「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」から献金を受けていたり、パーティ券を購入してもらっていた議員たち。
(議員リストは順不同。元議員や地方自治体の首長も含む)
阿部 正俊・甘利 明・石井 正弘・泉 信也・板垣 正・井上 孝・上野 公成
衛藤 晟一・大村 秀章・奥野 誠亮・小此木 八郎・越智 伊平・片岡 久議
亀井 善之・河村 建夫・菅 義偉・木村 義雄・後藤田 正晴・後藤田 正純
坂井 隆憲・桜井 新・清水 達雄・滝 実・武見 敬三・竹本 直一・竹山 裕
田村 憲久・棚橋 泰文・月原 茂晧・中川 昭一・中谷 元・中山 利生・林 芳正
細田 博之・堀之内 久男・松下 忠洋・三原 朝彦・目片 信・茂木 敏充
山崎 拓・山下 善彦・山本 公一・横内 正明
http://www.asyura2.com/09/senkyo59/msg/684.html より
細田さんも河村さんも山崎さんも、西松サンにはお世話になってるんだね。
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検察及メディアは、上記全議員に対して、「新政治問題研究会」・「未来産業研究会」と西松建設の関係についての認識をきちんと調査して欲しいものです。
メディアは、この問題一辺倒だけど、『かんぽの宿』売却問題もしっかり追求して欲しい。
廉価での叩き売りの経緯を追求すれば、いろんなボロがぽろぽろ出そう。
かんぽの宿売却問題は大疑獄事件の一端である 経済アナリスト 森永卓郎
2009.01.22
●回復困難なアメリカ経済(田中宇)
田中宇の国際ニュース解説 2009年1月20日 http://tanakanews.com/
以下、メルマガより転載
田中宇の新刊本「国際情勢 メディアが出さないほんとうの話」(PHP研究所)
1月16日発売しました。書評の書き込みもお願いいたします。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4569704956?ie=UTF8&tag=sakai5-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4569704956
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★回復困難なアメリカ経済
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いよいよ、待ちに待ったオバマ政権の就任だ。米国民、そして日本を含む世界の多くの人々が、オバマが大統領なれば、米国はブッシュ前政権時代の失敗した状態から立ち直り、再び超大国にふさわしい経済力や信頼性を取り戻すだろうと期待している。
しかしここ数日、米英発のメディアの記事をネットで読んでいる私は、そんな期待に冷や水を浴びせかける指摘にいくつも出くわした。私は「オバマは米国の覇権衰退を見届ける(軟着陸させる)政権になるだろう」という昨年来の自分の予測を、改めて思わざるを得なかった。
たとえば、米経済学者で国連で世界経済改革を担当しているジョセフ・スティグリッツは、オバマが予定している8千億ドル規模の景気刺激策について、1月15日のFT紙に「景気対策の総額の4割近くは減税政策だが、米国民の受給年金が減り、失業やローン破綻が増えているときに減税しても、それによって増えた手取り所得は消費に回りにくい(貯金や借金返済に回るだけ)」などと、政策効果を疑問視する論文を載せた。消費が増えないと景気対策にならない。
スティグリッツは、人気者のオバマを批判せず、すべてをブッシュ政権のせいにして逃げを打ちつつ、次のように書いている。景気対策としての減税は昨年2月にも行われたが、減税総額のうちの半分以下しか、消費に回らなかった。
最貧層に対する減税だけは効果があるが、それはまだ政策に入っていない。法人税も減税対象だが、赤字企業は納税しないので減税効果がない。過去5年間に払った法人税の総額を減税対象にすることが検討されているが、赤字補填の資金は新規投資に回りにくく、景気対策にならない。銀行界は救済策としての減税を望んでいるが、減税は公金投入よりも透明性がなく、どこがどれだけ救済されたか見えにくい。
Joseph Stiglitz; Conversations on the credit crunch
http://www.ft.com/cms/s/0/a78e69a4-e30d-11dd-a5cf-0000779fd2ac,dwp_uuid=3fc493e4-e3f2-11dd-8274-0000779fd2ac.html
▼国債返済不能で国力衰退
スティグリッツは、景気浮揚効果の薄い減税は財政赤字を増やし、すでにGDPの8%を超えている財政赤字がさらに急増してしまうとも警告している。
財政赤字の急増を放置すると、どうなるか。それは、最近読んだ別の論文に書いてあった。
「大国の興亡」など覇権の歴史分析で知られる米政治学者ポール・ケネディは1月14日のウォールストリート・ジャーナル紙に「財政赤字の急増が続くと、今後何年かの間に、米政府は国債発行による借金を返せなくなり、国力衰退につながる」「米国衰退の主因は、異常に巨額な財政赤字と経常赤字(双子の赤字)だ。国家経済規模と比べた場合の米国の赤字率は、すでに破綻しているアイスランドや発展途上国と同じだ」という主旨の論文「米国の力は衰退中」を載せた。彼は以前から米国の衰退を予測し、右派から「衰退主義者」(declinist)と揶揄されてきた。今回の論文の結論部分でも、それを自虐的に自称している。
Paul Kennedy: American Power Is on the Wane
http://online.wsj.com/article/SB123189377673479433.html
ケネディによると、米政界は景気回復を優先するあまり、財政赤字の急増を放置し、オバマにも追加支出せよと圧力がかかっており、非効率で間違った財政の大盤振る舞いに陥りそうだ。財政出動策の効率について、米国内の誰も把握していないのも危険だ。今の米国の財政赤字増はあまりに急速で、40年間の大国興亡史の研究を経た彼の目から見ても、前代未聞の速さだという。今年の前半ぐらいは、株式投資から逃避する資金が国債に乗り換えるので、米国債はよく売れるだろうが、鋭い分析者はすでに、今後発行する米国債(オバマ・ボンド)は売れゆきが悪いと予測している。米国債を中国に買ってもらわねばならない事態そのものが、米国の衰退を象徴している、と彼は書いている。
米国経済の儲け頭だった金融界は、もう以前の姿には戻れないという指摘も、1月16日に最大手のシティグループが分割を決めた直後のニューヨークタイムスに「金融界の姿は変わる」という記事として出た。
The End of Banking as We Know It
http://www.nytimes.com/2009/01/18/business/18gret.html
記事によると、シティの分割によって、あらゆる金融事業を手がける総合メガバンクや、儲かる金融ビジネスのモデルは崩壊し、米金融界は「国有化」と呼ばざるを得ない新事態に入っている。銀行は、本来あるべきつまらない姿に戻りつつある。金融界の事業の成長率はGDP成長率と同水準まで下がるが、経営者だけを富ませる預金者無視のビジネスモデルが壊れたのは良いことだと、記事は書いている。これと似た指摘は、以前の私の記事に書いたように、すでに昨年6月、英国の銀行協会の会長が予告しており、事態はその通りになってきた。
米英金融革命の終わり
http://www.tanakanews.com/080708bank.htm
▼幽霊銀行が歩き回るウォール街
米国では、不動産価格の下落が住宅分野から商業施設分野へと拡大し、ビルを担保に融資してきた金融界の貸し倒れが増え、昨年9月のリーマンブラザース破綻による危機が11月ぐらいに一段落していた金融界は、オバマ就任を前に危機が再燃している。米銀行の破綻は、投資銀行から大手商業銀行へと拡大しそうだ。
Empty offices are on the rise
http://www.heraldtribune.com/article/20090106/ARTICLE/901060363/2107/BUSINESS
米経済学者のポール・クルーグマンは、1月18日のニューヨークタイムスのコラムで、米国には不良債権を償却(時価評価)したら債務超過(経営破綻)に陥る大銀行がいくつもあると示唆し、大銀行が破綻すると昨秋のリーマン倒産後のような大惨事になるので、米政府は銀行救済を続け、実質的にはすでに死んでいる「幽霊銀行」(zombie bank)を生かしていると「ウォール街の幽霊信仰」(Wall Street Voodoo)と題する記事で書いている。また、銀行救済策は、銀行の株式を公的機関が買い取って国有化してから行うのがよいが、米政界にはまだ「自由市場原理」に縛られて国有化を忌み嫌う勢力が強く、国有化を避けて救済をしているので、救済金(公金)が銀行の株主や経営者に無償贈与されていると批判している。
Wall Street Voodoo By PAUL KRUGMAN
http://www.nytimes.com/2009/01/19/opinion/19krugman.html
昨年10月以来の米財務省による7000億ドル規模の金融救済策(TARP)は透明性が低く、腐敗臭がある。たとえば救済策を行うに当たっての財務省から外部への業務発注額は、1月に入って5倍近くになった(12月末560万ドル、1月末見込み2660万ドル)。増分の多くは、外部の金融専門家に対する委託費だ。金融界出身のポールソン財務長官が、任期末に、同業の知人たちに異様に高い外注費を大盤振る舞いしている感じだ。
Costs to Run TARP Expected to Jump
http://online.wsj.com/article/SB123129323246159703.html
この金融救済策は、そもそも名前からして怪しい。TARP(タープ)を小文字の英単語として読むと、工事現場で覆いに使われたり、テント設営時の雨よけに使ったりする防水シート(tarp、tarpaulin)のことだ。腐敗した金融界をシートで覆った上で救済するという隠れた意味があるのではないかと、冗談半分に思ったりする。
http://stormprepare.com/Tarp.htm
▼欧州の経済難で崩壊しそうな欧米軍アフガン占領
金融危機が拡大しそうなのは、米国だけではない。ドイツのシュピーゲル誌は「独銀行界は3000億ユーロ分の資産を不良債権として処理したが、これは不良債権全体の4分の1にすぎないことが、独連銀の報告書でわかった」という記事を最近出した。
German banks face billions more in losses
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5gCQdaN-fw7wHyH3ZoHhU9U90SoCQ
ドイツが金融危機や経済難に見舞われている一方で、経済成長率が比較的高い中国は、ドイツを抜いて世界第3位の経済規模となった。中国は、いずれ日本をも抜き、米国に次ぐ第2位に上がると予測されている。ここでも金融危機は、国力の逆転と覇権構造の転換につながっている。
China becomes third largest economy
http://www.ft.com/cms/s/0/8d9337be-e245-11dd-b1dd-0000779fd2ac.html
ドイツなど欧州諸国は、米軍と一緒にNATO軍としてアフガニスタンの軍事占領に派兵しているが、金融危機と経済難に見舞われる欧州各国政府は、アフガン派兵の戦費を負担できなくなり、早期に突然撤退する可能性があると、NATO司令官が1月10日に表明した。これも、経済と軍事・覇権構造がつながっている例である。
NATO fears EU Afghan pullback
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2009/01/11/2003433441
欧州ではドイツも大変だが、それよりずっと大変なのは英国である。英国は80年代のサッチャー政権以来、米国と同じ金融システムを全面的に採用し、金融界の大きな利益が英国経済の根幹で、金融に頼る度合いは米国以上だった。
ドイツは、米英から「欧州大陸型の金融システムは利幅が少ない。儲かる英米型を導入せよ」と圧力をかけられても、慎重に英米型を導入していた。
英国は、07年夏までの金融の儲けも大きかった代わりに、その後の金融危機による経済全体への打撃も巨大だ。英政府はうまく情報を隠し、金融危機の全容を見せずにいるが、いずれ全崩壊を隠しきれなくなるだろう。英国のシンクタンクによると、英経済は今年2・7%のマイナス成長という、1931年以来の大不況が予測され、経済は「自由落下状態」だという。
UK is in freefall, warns think-tank
http://www.guardian.co.uk/business/2009/jan/18/recession-budget
これを書いている間にも、バブル的な資産を増やしすぎた英国のロイヤル・スコットランド銀行(RBS)が、英企業として過去最大の損失を発表し、同行の株価が急落、英政府が公的資金の追加注入(政府の株式持ち分を58%から70%に増やす)を検討せざるを得なくなっている。英政府は、金融危機と経済難で税収が先細る中で、金融システム崩壊防止のための公金注入増を余儀なくされ、財政破綻に向かっている。
RBS Plummets Amid Concern Bank May Be Nationalized
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=ai_7IXmNg2Xc
オバマは、英国の困難な状況に拍車をかけている。ブッシュ政権までの米国は、英国との関係について、ほとんど唯一の「特別な関係」を明言してきた。
だが、オバマはこれを解消して「米国にとって特別な関係の国はいくつもあり、英国はその中の一つにすぎない」という方針に転換すると表明した。英国外務省は、この転換が脅威であると認めている。
Obama Plans to Make US/UK Relationship Less Special Than Before
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/northamerica/usa/barackobama/4279288/Barack-Obama-plans-to-make-US-relationship-with-Britain-less-special-than-before.html
このオバマの転換は、非常に深い意味を包含している。米国が第二次大戦以来の「米英中心主義」を捨てることを意味しうるからである。私が以前から予測してきた「米国が、米英中心主義から多極主義に転換する」ということが、オバマの就任とともに片鱗を見せ始めた観がある。これについては、次回に分析する。
この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/090120economy.htm
●ガザ戦争で逆転する善悪(田中宇)
田中宇の国際ニュース解説 2009年1月13日 http://tanakanews.com/
メルマガより転載
━━━━━━━━━━━━━
★ガザ戦争で逆転する善悪
━━━━━━━━━━━━━
ガザ地区とイスラエルとの間は、フェンスと地雷原が設けられた境界線によって隔離されているが、ガザの北端にある境界線からイスラエル領内を2キロほど北上した場所に「ヤドモルデハイ」という、牧畜と養蜂を営んでいるイスラエル人のキブツ(農業共同体村落)がある。ヤド・モルデハイは、ヘブライ語で「モルデハイを記念する」という意味だ。モルデハイとは、第二次大戦中の1943年にワルシャワのゲットー(ユダヤ人居住区)で、強制収容所送りに反対してドイツ軍に立ち向かう蜂起の指導者だったユダヤ人青年、モルデハイ・アニーレビッツ(Mordechaj Anielewicz)のことである。
モルデハイは、ワルシャワ・ゲットー蜂起の中で行方知れず(戦死または自害したと思われている)となり、蜂起を生き延びた5万人のユダヤ人の多くは、トレブリンカなど強制収容所に送られた。モルデハイは、ユダヤ人社会、特にシオニスト(イスラエル建国支持者)に英雄視され、1943年末にポーランド出身者が中心に作った上記のキブツに、モルデハイを記念する名前がつけられた。1948年にイスラエル国家が独立宣言した直後、第一次中東戦争が起こり、キブツの周辺もエジプト軍とイスラエル軍との戦場となったが、イスラエル軍はエジプト軍をガザに追い出し、キブツ周辺に住んでいた無数のパレスチナ人が難民としてガザに強制移住させられた。
http://en.wikipedia.org/wiki/Mordechaj_Anielewicz
ヤドモルデハイのキブツの丘の上には、エジプト軍に空爆されて廃墟となった給水塔が、今も戦争記念碑として立っている。そのとなりには、手榴弾を右手に持つモルデハイ・アニーレビッツの銅像が立っている。この2つの記念碑が意味するところは「ユダヤ人は欧州のゲットーで蜂起してナチスと戦い、建国後はエジプトなどアラブ諸国と戦った末に国土を獲得した。この闘争精神を忘れるな」ということだろう。この精神は、イスラエル社会の全体に浸透している。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Yad-Mordechai-Anilevich-memorial-1.jpg
http://en.wikipedia.org/wiki/Yad_Mordechai
イスラエル人は、ゲットーやナチスの強制収容所からの解放を目指して戦ってきたはずなのだが、今のイスラエルは「ナチスと戦う人々」から「ナチスそのもの」へと、「正義」から「悪」へと転換してしまっている。ワルシャワのゲットーから脱出してイスラエルを建国した人々は、もともと住んでいたパレスチナ人をガザに押し込め、ガザにゲットーを作ってしまった。
▼ガザで戦争犯罪を繰り返すイスラエル軍
ガザ地区に侵攻したイスラエル軍は1月4日、ガザ市街のはずれにあるゼイトン(Zeitoun)の町を占領した。イスラエル軍は、住民の中のサモウニ一族(Samouni)の若者3人を尋問した後、この一族が利敵行為をしそうだと考えたらしく、一族の約110人の老若男女を、一つの建物に押し込め、出てこないよう命じた。そして翌朝、イスラエル空軍がこの建物を空爆し、30人が殺された。負傷者を救出するため、赤十字の救急車が現場に向かったが、イスラエル軍の攻撃を受け、4日後まで現場に行けなかった。国連の人権高等弁務官は、この事件に対する真相究明を開始すると表明した。国際赤十字は、救急車を攻撃し、空爆で負傷した市民を放置したイスラエルを非難した。
http://news.antiwar.com/2009/01/09/report-israel-forced-civilians-into-single-house-repeatedly-bombed-it/
http://www.nytimes.com/2009/01/06/world/middleeast/06scene.html
またイスラエル軍は1月6日、ガザ北方のジャバリア難民キャンプで国連が運営していた女学校を空爆した。国連施設であるためイスラエルに空爆されるおそれが低いと考えられていた女学校には千人以上の住民が避難しており、3発の空爆で46人の避難民が殺された。国連はイスラエル軍に、女学校を含むすべての国連施設の詳細な場所を連絡してあったが、それでも空爆された。
http://www.geopoliticalmonitor.com/content/weekly_forecasts/2009-01-12/israels-losing-pr-war-january-12-2009/
イスラエル軍は当初、女学校に潜んでいたハマスの部隊が攻撃してきたので反撃しただけだと釈明し、動画まで用意して発表したが、現場にいた国連要員が、ハマスの部隊を女学校に入れたことはないと反論した。発表された動画は、何年も前に他の学校を撮った映像だった。ウソがばれたイスラエルは「女学校の近くからハマスが攻撃してきたので反撃したが、爆弾の着地点が少しずれて女学校に当たってしまった」と言い直した。
http://news.antiwar.com/2009/01/11/israels-re-revised-story-attack-on-un-school-was-a-malfunction/
イスラエルは、人道上問題がある白リン弾を今回ガザで使用した件でも、世界から非難されている。またイスラエルは「ハマスが停戦延長に応じなかったので侵攻せざるを得なくなった」と説明していたが、実は開戦2週間前の12月14日、ハマスがイスラエルに停戦延長を提案したのに、イスラエルは断っていたことが、和平交渉を仲裁する米カーター元大統領の陣営による調査によって判明した。カーターは「イスラエルが戦争を回避したければ、簡単にできたはずだ」と述べている。イスラエルのガザ侵攻は自衛ではないことが、しだいに確定しつつある。
http://atheonews.blogspot.com/2009/01/israel-rejected-hamas-cease-fire-offer.html
http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=10&categ_id=2&article_id=98899
1月上旬に相次いで起きた、これらの戦争犯罪的な事件や暴露を機に、世界の世論は、それまでの「ハマスなどイスラム主義武装勢力が悪であり、イスラ
エルは自衛しているだけ」というものから「イスラム主義勢力との戦いを口実
にガザの市民を大量殺害しているイスラエルは極悪だ」というものに転換した。
これまでは親イスラエル的だった米国のマスコミは、イスラエル非難の記事
を載せ始めた。中東問題に関する極右言論で知られるウォールストリート・ジ
ャーナルでさえ、1月10日に「イスラエルは、ハマスによる小さな攻撃を口
実に大規模なガザ侵攻を行い、市民を無差別に攻撃した。これは自衛策として
正当化できるものではない。戦争犯罪など、重大な国際法違反である」とする
記事を出した。
http://online.wsj.com/article/SB123154826952369919.html
1月10-11日には、西欧など世界中で、イスラエルの戦争犯罪を非難す
る市民のデモや集会が開かれ、いくつかの西欧諸都市では10万-20万人規
模の市民が集まった。ブッシュ政権への気遣いを口実に、ガザ侵攻について沈
黙してきた就任間近のオバマ新大統領に対しても、看過するなという世論の圧
力が強まった。「オバマは、11月のムンバイテロを非難したくせに、今回の
イスラエルの戦争犯罪には黙っている。ブッシュと同じだ」という批判も出た。
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-gaza-obama7-2009jan07,0,5174045.story
▼今のモルデハイはガザにいる
1月7日、ローマ法王ベネディクト16世の側近であるレナート・マルティ
ーノ枢機卿(Renato Martino)が、イタリア語のネットメディア http://sussidiario.net/
によるインタビューの中で、ガザ戦争について「(イスラエルもハマスも)双
方とも身勝手だが、被害を受けるのは弱者の民衆(パレスチナ人)だ。今やガ
ザは、巨大な強制収容所のようなものになりつつある」と述べた。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/01/10/AR2009011001688_pf.html
米国の サイモン・ウィゼンタール協会(かつてホロコーストに懐疑的な記
事を載せた文芸春秋社の雑誌「マルコポーロ」を潰した団体)などのシオニス
ト団体やイスラエル政府は、この発言に対し「ガザをナチスの収容所にたとえ
るとは言語道断だ」とローマ教会を非難した。しかし今や世界では、ガザが巨
大な強制収容所であることを否定する人の方が少ないだろう。シオニストの主
張に同調する人は、日に日に減っている。
パレスチナ人をガザに閉じ込めるイスラエルは、以前はアパルトヘイト(黒
人隔離政策)をやっていた南アフリカにたとえられていたが、今ではその「悪
さ」はナチス級に格上げされつつある。今回のガザ侵攻によって、イスラエル
がガザに対して行っている行為は「アパルトヘイト並みの悪」から「ホロコー
スト並みの極悪」へと「昇格」した。
このような視点で、ガザのすぐ外にあるイスラエルのヤドモルデハイ・キブ
ツの丘に立っている、ワルシャワ・ゲットー蜂起指導者モルデハイの銅像を見
ると、以前とは異なる意味を包含しているのがわかる。モルデハイ像の前に立
つと、2キロ離れたガザを攻撃するイスラエル軍が発射するミサイルの爆発音
や銃声が絶え間なく聞こえ、爆発の噴煙があちこちから上がるのが見える。
http://wire.antiwar.com/2009/01/10/shadow-of-warsaw-ghetto-over-gaza-israel-border/
1943年には、手榴弾を持ってナチスに立ち向かう青年モルデハイは、ワ
ルシャワのユダヤ人ゲットーにいた。しかし、今のモルデハイは、ユダヤ人で
はない。ガザという名のゲットーに住むパレスチナ人である。立ち向かう相手
はナチスではなく「ナチス化」したイスラエルである。ハマスを支援してイス
ラエル軍と戦うガザの無数の青年たちこそ、現在のモルデハイである。
今後もし、現在のモルデハイたち(ガザの青年たち)が「解放」されるとし
たら、その時には、以前のモルデハイ(イスラエル人)は、今の解放された状
態(イスラエルという国家を持つこと)を失い、シオニスト運動は破綻する可
能性が高い。
もともとハマスは、イスラエルが支援して大きくした勢力である。米国は
90年代、中東和平実現のためにアラファトをチュニスからガザに戻したが、
和平を嫌うシオニスト右派は、アラファトに対抗して仲間割れを起こしうる勢力
をパレスチナ政界に作るため、ひそかにハマスを支援した。その後、ブッシュ
のテロ戦争によって反米イスラム主義が扇動され、ハマスは大きくなった。そ
の意味では、ハマスの青年がモルデハイになり、イスラエルがナチスになるの
は、米イスラエルのシオニストによる自業自得である。
▼悪の枢軸に入れるイスラエル
イスラエルの人口の約15%は、イスラエル建国時や第三次中東戦争時に難
民化せず、自宅を離れずに居残ったアラブ系(パレスチナ人)で、彼らは参政
権を持つイスラエル国民である。ガザ侵攻後、アラブ系イスラエル人は反戦運
動を展開したが、これを受けてイスラエルの選挙管理委員会は1月12日、反
戦色があるアラブ系の2つの政党に対し、2月の総選挙での出馬を禁止する処
分を決定した。これにより、アラブ系国会議員の約半数が再出馬できなくなった。
http://news.antiwar.com/2009/01/12/israel-bans-arab-parties-from-election/
イスラエルは従来、中東で唯一の民主主義国家であることを自慢にしてきた。
アラブ系政党は、連立与党への参加を誘われることはなかったが、議会内の勢
力としては認められていた。しかし今回の禁止処分によって、イスラエルの民
主主義は限定的な色彩を強めた。イスラエルは、イスラム聖職者組織の許可を
もらわないと立候補できないイランと大して違わない「準民主主義」の国家に
なった。
おまけに、イランは核兵器を持っておらず、IAEAに加盟して査察も受け
ているのに対し、イスラエルは秘密裏に400発もの核弾頭を持ち、IAEA
にも加盟せず、査察要請も拒否している。多民族国家のイランは国内少数派に
対する人権侵害が多いが、イスラエルもパレスチナ人に対する人権侵害やガザ
での虐殺など、人権侵害の面でもイランに引けを取らない。ブッシュ政権はイ
ランや北朝鮮を「悪の枢軸」に指定したが、イスラエルは十分、悪の枢軸に加
盟できる豊富な「悪さ」を蓄積している。
▼停戦は困難、イランとも戦争か?
イスラエルが早期にガザ戦争を終わらせられれば、イスラエルの悪さは、ホ
ロコースト級からアパルトヘイト級に格下げできるかもしれない。しかし、エ
ジプトが仲裁し、イスラエルが受諾していた最新の停戦案を、ハマスは拒否す
る決定を1月11日に下した。ハマスは、イスラエルとエジプトによって閉じ
込められているガザの境界を開放することを停戦受諾の条件としていたが、イ
スラエルもエジプトも拒否しているからだ。停戦は実現しそうもない。
http://www.debka.com/headline.php?hid=5844
イスラエル軍は、数日中に停戦が実現しない場合、ハマスを壊滅させるまで
戦争を続けねばならなくなると表明している。今のところイスラエル軍は、ガ
ザ地区の北部を占めるガザ市街に入っておらず、ガザ市街を包囲する布陣だが、
このままだと近いうちにイスラエル軍はガザ市街地の中に侵攻し、市街戦が始
まる。死者が急増する。
今後、戦争が長引くほど、イスラエルの戦争犯罪は増える。イスラエルは、
北方のレバノン南部のイスラム主義武装勢力ヒズボラ(シーア派)とも開戦す
る可能性が強まる。ヒズボラは慎重な態度をとっているが、イスラエル軍はレ
バノン上空で戦闘機を低空飛行するなど、挑発行為を繰り返している。イスラ
エルは、ガザとレバノンの両方で戦争するという自滅策を考えているかのよう
に見える。ヒズボラと開戦すると、イランやシリアとも開戦する中東大戦争が
近くなる。オバマ陣営の顧問をしている米国のペリー元国防長官は1月8日に
「今年中にイスラエルがイランに戦争を仕掛ける危機が起きるだろう」と発言した。
http://www.newsmax.com/newsfront/obama_nuclear_challenges/2009/01/08/169238.html
イランが戦争になると、今は下落している原油価格が再高騰する。イスラエ
ルがイランを攻撃すると、報復措置としてイラクの親イラン派のゲリラがイラ
ク駐留米軍にゲリラ戦を仕掛け、米軍はクウェートからバグダッドに至る唯一
の補給路をゲリラに奪われて壊滅し、米国は地上軍(陸軍と海兵隊)の大半を
失い、世界のパワーバランスが塗り替えられるだろうと、米国の軍事専門家ウ
ィリアム・リンドが1月9日の記事で書いている。
http://www.upi.com/Security_Industry/2009/01/09/Attack_on_Iran_would_threaten_US_army_in_Iraq/UPI-14521231534545/
中東での善悪関係が転換する中で、米政府は、ブッシュ政権の「イスラム=
悪、イスラエル=善」を脱却し、オバマ政権は「喧嘩両成敗、米国による中立
指向の仲裁」へと転換しようとしている。ガザ戦争についてオバマができる限
り沈黙しようと考えてきたのは、ガザ侵攻が長引くほど、イスラエルは世界か
ら悪者とみなされる傾向が強まり、中立的な仲裁がやりやすくなるからかもし
れない。イスラエルが米政界を牛耳っている現状から考えると、早い段階で何
か表明するとしたら「イスラエル支持」を表明せざるを得なかった。米議会は
いまだに強くイスラエルを支持しているが、米国外の世界の世論に引きずられ
るかたちをとれば、以前よりは中立な態度をとりやすくなっいる。
ガザ戦争による善悪転換が引き起こしそうなことは、ほかにもある。それは、
シオニストが「ホロコースト」(ナチスによるユダヤ人虐殺)を誇張すること
で世界の世論を引きつけ、国際政治力を拡大維持してきたプロパガンダ戦略が
弱まることだ。ホロコーストの事実性に対して疑問を持つことは、依然として
世界的に禁じられており、シオニストによるホロコースト誇張戦略自体はまだ
破綻していない。だが、すでにイスラエルは今回のガザ戦争によってナチス並
みの「極悪者」になりつつある。イスラエルの「被害者としての強み」は「加
害者としての弱み」によって打ち消される傾向が強まる。
http://tanakanews.com/f1220holocaust.htm
この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/090113Gaza.htm
●関連記事
ガザ・中東大戦争の瀬戸際
http://tanakanews.com/090103Gaza.htm
オバマに贈られる中東大戦争
http://tanakanews.com/081228Gaza.htm
2009.01.12
●大槻教授【オバマに幻想は禁物】の記事内容って
下記引用
ところがここに我らがオバマ次期大統領の登場です。現在、ハワイで静養中のこの人、こうコメントしているのです。
「我が家にロケット弾が打ち込まれ、娘が怪我をしたら、そのままにはできない。」
と、イスラエルのガザ爆撃を支持したのです。
信じられないコメントですね。
これが4日間で400人も殺す報復の正当化なのですから、呆れるやら驚くやら。
この大槻教授の書き方だと、ハワイ静養中のオバマ氏がガザ爆撃に対して「我が家にロケット弾が打ち込まれ、娘が怪我をしたら、そのままにはできない。」とイスラエル支持の発言をした、と読めてしまうのですが。
「我が家にロケット弾が打ち込まれ、娘が怪我をしたら、そのままにはできない。」
このオバマ氏の発言は、08年7月に選挙キャンペーンでイスラエルを訪れた時、ガザに近いスデロットの町でのコメントです。
イスラエル国防相エフド・バラクは、08年12月29日、ガザ攻撃を開始したことの自己正当化に、08年7月のイスラエル訪問時のオバマの発言「もしも娘たち二人が寝ている間にロケット弾が自宅めがけて発射されるようなら、それを防ぐためできることは何でもするとオバマは言った」と引用したのです。
参考
オバマ、ガザに関する沈黙を非難される(マスコミに載らない海外記事)
イスラエル国防相が攻撃を正当化、オバマ氏のコメントも引き合いに(AFP)
ちなみに、この時、オバマ氏はイスラエルと同時にパレスチナ自治区も訪れアッバス自治政府議長とも会談しています。
参考
オバマ氏、イスラエル大統領・パレスチナ自治政府議長と会談(08年7月24日 読売新聞)
オバマ氏のライバルだったマケイン氏はイスラエルは訪れてもパレスチナ自治区は訪れていません。
さて、大槻教授は前述の引用に続いて、下記のようにコメントしています。
理由なくしてパレスチナがイスラエルにロケットを打ったのではないのです。個人の家を理由なくして攻撃し、その家の娘に怪我をさせた、という類の個人例に政治・文化の対立を同列化してしまって、イスラエルの戦争を支持しているオバマ次期大統領。暗澹たる思いです。
故意にか、もしくは迂闊にか、オバマ氏の発言をガザ爆撃開始後にそれを肯定した発言と思い、イスラエルの戦争を支持しているオバマ次期大統領に暗澹たる思いを抱いて【オバマに幻想は禁物】とした大槻教授。
テレビで拝見するにいつも論理的、科学的に論証する教授にしてはオバマ氏の発言の引用の仕方が杜撰だなと感じてしまったのですが、ただ、【オバマに幻想は禁物】という教授の主旨には、実は私も90%は同感せざるを得ないような、同様の不安を感じているのです。
というのも、オバマ氏は2008年6月4日、親イスラエル・ロビー団体(AIPAC:アメリカ・イスラエル広報委員会)の年次総会でかなりイスラエル寄りの演説をしています。
イスラエル・ロビーの金と票は過去から現在まで、アメリカの選挙に大きな影響を与えています。
07年、ジミー・カーター元大統領は「なぜ、どの上下両院議員もイスラエルとパレスチナとの間で中立な立場をとり、交渉によって和平を達成させようと言わない雰囲気になっているのか」と発言した。
AIPACの会計責任者を務めたモリス・アミタイは、カーター元大統領の疑問に答える形で次のように述べた。
「イスラエルの保守政権に対して反対の政策を支持する立場をとると解釈されることは、再選を目指す議員にとって政治的に自殺することなのです」
(『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』土井敏邦より)
AIPACでのオバマ氏の演説がイスラエル・ロビーに対しての建前であるのか本音であるのか、それは大統領就任後の彼を見てみないとわかりません。
当ブログの記事「なぜアメリカは戦争を続けるのか(抜粋)」の中でリチャード・パール国防総省顧問は 「世界は変わりました。もう前の状態には戻れません。アメリカの政策は一握りの人間に牛耳られているが、その連中が政権から去ればすぐに元通りになるだろうという意見をよく耳にします。しかし、それは間違いです。なぜなら、人間は変わるからです。」 と述べている。
だとしたら、建前がいつの間にか本音に Change ってこともありうる。
オバマ氏の選挙キャンペーン中のイスラエル寄りの発言がどうかイスラエル・ロビーに向けての建前であって欲しい。
オバマ氏にはパレスチナとイスラエルの間にあって、中立であって欲しい。
オバマ氏の「変化」が中東問題においては、幻想ではなかったと確信させて欲しい。
これ以上、子供たちの血が彼の地に流れませんように……。
と諸々祈る思いです。
参考:イスラエル・ロビー関連
◆米新大統領の中東政策の行方は?(2)(土井敏邦Webコラム)
(『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』の要約から[1])
◆米新大統領の中東政策の行方は?(3)(土井敏邦Webコラム)
(『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』の要約から[2])
◆米新大統領の中東政策の行方は?(4)(土井敏邦Webコラム)
(『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』の要約から[3])
◆パレスチナ/オバマとイスラエル(ピープルズニュース)
◆イスラエルに歯向かえる米国大統領はいない(バルセロナより愛をこめて)
P.C.ロバーツ:Counter Punch誌
参考:ガザ侵攻関連
◆イスラエルの嘘プロパガンダ・マシン全開(益岡賢のページ)
スチュアート・リトルウッド
◆イスラエルのガザ攻撃をめぐる嘘トップ・ファイブ(益岡賢のページ)
ジェレミー・R・ハモンド
◆アラブの人たちはどうして私たちをこんなにも憎むのか?
──私たちはその答えを知っているはずだ(パレスチナ情報センター)
ロバート・フィスク:インディペンデント紙
2009.01.11
●ホロコーストにはホロコーストを?!
図http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2556480/3670497
イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への攻撃ポイント
および被害状況を示したもの。(c)AFP
連日報道されるガザの現実に言葉もない……
ホロコースト、ジェノサイド、エスニック・クレンジング(民族浄化)……これらの言葉によって連想させられるユダヤ人の悲惨な歴史。
被害者であったはずのユダヤ人が、今は加害者に……。
ガザ攻撃14日目 「集めておいて、一度に殺す」(P-navi info)
なぜ……?!
イスラエル人(ユダヤ人)とは
イスラエル人は、旧約聖書では アブラハム、イサク、ヤコブと続く系譜の子孫で、ヤコブ(彼の別名がイスラエル)の12人の息子たちを祖とする『12部族』から成り立っているとされている。
先祖のアブラハムが、特別神に対し敬虔であったため、神から「その子孫を星のように増やす」と“約束”され、また、 「『乳と蜜の流れるカナンの地(現在のイスラエル国中部一帯とヨルダン川西岸地区)』という豊かな土地を与える」とも“約束”された(『創世記』)。
この「神に対し敬虔・忠実」であることによって神から選ばれ(旧約聖書中、神が「我が民」と呼ぶのはイスラエル人のこと)、神からカナンの土地を与えると『約束』されたことが、イスラエル民族がカナン(地理学的には『パレスチナ』)を自分たちの領土 とする根拠となっている。
が、“神から与えられた土地”のはずなのに、ヤコブ(イスラエル)の12人の息子たちは、カナン地方の不作もあって、早くもその息子たちの代に、皆 豊かなエジプトへ移住してしまった。
その後400年間、12人の息子たちの子孫(12部族)はカナンに帰ることなく、豊かなエジプト国内で爆発的に人口を増やす。特にナイル河デルタ地帯のゴセンという地域は、イスラエル人が人口のほとんどを占めるまでになっていた。
当時エジプトは新王国時代(第18~19王朝)に入っていたが、エジプト王家は、増え過ぎ かつよく働き、エジプトの多神教を拒むイスラエル人を疎ましく思い始め、やがて露骨な差別政策を採り始めた。
イスラエル人たちは、モーゼの指導の下、神の力によってエジプトにさんざ災いをもたらし、ファラオにも抵抗した(過越の祭りの始まり)。
そしてついに、住みづらくなったエジプトを脱出したが、旅の途中で偶像崇拝などを行って神の怒りを買い、罰としてその後、シナイ半島の荒野を40年間もさまようことになる。
エジプトを脱出し、シナイ山で『十戒』を授かったものの、イスラエル人たちは数十年間、シナイ半島の荒野をさまよった(『出エジプト記』)。
ようやく“先祖アブラハムが神から約束された土地”「カナンの地」を目にしたそのとき、モーゼはこの地に入ることなく、息を引き取った。
モーゼの跡を継いだヨシュアが全イスラエル人(12部族・約60万人)を率い、最初に攻略したカナン地方の街が、エリコ(ヨルダン川西岸地区)だった(『ヨシュア記』)。
イスラエル民族が長い間エジプトに住み、留守にしていた400年の間に、本籍地?であるカナンの地は、すっかり他の民族の居住地となっていたのだった(なんせ400年も留守にしていたのだから、仕方がない…)。
だが、イスラエル民族のこの土地についての執着心はとても強かった。
次々と異民族の街を攻略し、やがてカナン全土はイスラエル人のものとなる(もちろんこれで安定はせず、周囲の異民族、ペリシテ人、アンモン人、ミデアン人などとの小競合いは延々と続く)。
旧約聖書では、「神はイスラエル人たちの信仰を試すために、約束の地に異民族を置いたままにした」と説明されている。
イスラエル人(ユダヤ人)は、19世紀末~20世紀後半にかけてのパレスチナ移住、イスラエル建国に伴う、先住(?)民族のアラブ・パレスチナ人や周辺アラブ人との抗争(中東戦争)… と同じようなことを、古代にもしていたのだ。
紀元1世紀、ローマ軍に徹底抗戦した一部のユダヤ人たちがいたが、彼らもついに敗れ、マサダの要塞(砦)で、婦女子も含めて全滅した。
この後、ユダヤ人たちの本格的なディアスポーラ(離散)が始まる。
ヨーロッパ、中東、アフリカ各地に、ユダヤ人は拡散していったが、どこへ行っても、彼らイスラエル人の言語であるヘブライ語で書かれた『旧約聖書』を手放さず(註:『新約聖書』の方は、ほとんどがギリシャ語で書かれていた)、その『選民思想(神がイスラエル人を選んだという思想)』ゆえか、民族的アイデンティティを2000年間も保ち続けた。
ユダヤ人たちはヨーロッパでも、集まって『ゲットー』といわれる居住区に住んだりした。
キリスト教のヨーロッパ諸国では、「ユダヤの民衆がイエス・キリストを死に追いやった」と解釈されていたため、差別・迫害を受けることになる。
ユダヤ人たちの団結力が強いこと、自分たちこそが神に選ばれたという『選民思想』を持っていたこと、また、商売が上手な人が多く『ベニスの商人』のような強欲なイメージを植え付けられていたことなどが、その差別(や妬み)を助長していった(実際、金融業はユダヤ人が握っていた と言われている)。
http://www.tazawa-jp.com/mid-east/israel.htm より
イスラエルとパレスチナの歴史
1947年以前、パレスチナの地にイスラエルという国は存在していなかった。
1947年 国連総会で、「ユダヤ人国家」と「アラブ人国家」に分割する
決議案が採択。
この時の面積比は53:47
この裏側には、イギリスのダブルブッキングがあった。
第1次世界大戦でオスマントルコと戦ったイギリスが、アラブに協力を求める
ためにアラブの盟主に独立を約束し、その一方で、戦費を出してくれたユダ
ヤ人に対しても、郷土建設を支持してしまっていた。
そして、第2次世界大戦で、ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)
が起きた。国連としても「流浪の民」ユダヤ人による国家建設を認める方向に
動いた。
裏にいたのはアメリカである。国内にユダヤ人を多く抱えていたからだ。
この時も多額の金銭が使われた。
1948年 アラブ人の地に、そこに住んでいた人々を押しのける形で突然、
ユダヤ教国家が誕生。
追い出された人々(アラブ人)は難民化し、周辺アラブ諸国は、建国した
ばかりのイスラエルに戦いを挑んだ。第一次中東戦争(1948年)だ。
しかし、必死の防戦をするイスラエルに軍配が上がった。
その頃は、ガザ地区もヨルダン川西岸もイスラエルの領土には含まれて
いない。
それでも、パレスチナ全体の77%をイスラエルが押さえた。
1956年 第二次中東戦争
1967年 第三次中東戦争
戦争は二次、三次と続き、イスラエルは圧倒的軍事力を背景に、エジプト
のシナイ半島、ガザ地区、ヨルダン統治下にあったヨルダン川西岸、
エルサレムの東側、レバノンとシリアにまたがるゴラン高原を占領し、
領土を拡大した。
1973年 第四次中東戦争
1979年 エジプトと平和条約を締結。
1993年 パレスチナ解放機構(PLO)と相互承認を行い、暫定自治原則宣言
(オスロ合意)に署名。
1994年 ヨルダンと平和条約を締結。
現在は、シナイ半島をエジプトに返し、ガザ地区とヨルダン川西岸の
一部にパレスチナ自治区を認めている。
しかし、認められたはずのヨルダン川西岸を詳細にみると、自治区といっ
ても土地が細かく分断され、その間にイスラエル人の入植地が散在
している。
さらにコンクリートの壁で囲ってパレスチナ人を閉じこめ、行き来も
ままならない状況が作られている。
このまま国境が固定されれば、イスラエル88%、パレスチナ12%の
領土配分になる。
すでに国連決議とは大きな開きが生まれている。
自治政府とイスラエル政府との間には、互いの存在を認める合意がかわ
されている(1993年のオスロ合意)が、実行のプロセスがきちんと守られ
ないことに民衆はイライラを募らせている。
そうした民衆の思いに応えたのが、イスラム原理主義のハマスだ。
ハマスは、イスラエルの存在そのものを否定し、パレスチナ人による
パレスチナ国家の建設を掲げている。
しかし、激しい武力闘争だけでなく、学校や病院など福祉施設を人々に
提供して、幅広い支持を集めている。
同じ原理主義組織はレバノンにもある。ヒズボラだ。
ロケット弾をハマスが南から打ち込めば、北からもこれに呼応してロケット
弾が打ち込まれる。
パレスチナ問題の解決は、幻視すら出来ない。
オスロ合意で「相互に相手を承認する」としたならば、もっとイスラエルは
パレスチナに譲らなければならない。
占有率53%を88%に拡大しているのはいかにも不合理。
自治区をヨルダン川西岸とガザ地区に分断しているのも異常だ。
互いの聖地・エルサレムを共同管理、あるいは国連管理下に置き、
領土を50:50に南北でスパッと分けるような思い切った方法を取らない
と、この問題は解決しない。たくさんの血がまだ流れる。
イスラエル88%、パレスチナ12%の不合理(視点・森啓次郎エッセイ)より
つまり、イスラエル人(ユダヤ人)は約2000年前の旧約聖書に書かれている『選民思想(神がイスラエル人を選んだという思想)』を信じ、さらに旧約聖書の「『乳と蜜の流れるカナンの地(パレスチナ)』という豊かな土地を与える」との“約束”を信じ、「神はイスラエル人たちの信仰を試すために、約束の地に異民族を置いたままにした」と信じているために異民族(パレスチナ人、アラブ人)を迫害し、追い出そうとしているのか?
イスラエルのイラン・パペ(Ilan Pappe)というユダヤ人の歴史学者は、現イスラエルのシオニズムを、いつの時代であれ容認し難い人種差別であり、「エスニック・クレンジング(民族浄化)」と断じています。
パペから学ぶ歴史認識と多文化共生
森啓次郎氏がエッセイで述べているように、また、イラン・パペ氏が主張するように、一刻も早く一つの土地で二民族が共生できる日が来ますよう。
子供たちの血がこれ以上流されないよう……。
2009.01.10
●なぜアメリカは戦争を続けるのか(抜粋)
1月8日にUPした2005年サンダンス映画祭グランプリ作品(アメリカ・ドキュメンタリー部門)『なぜアメリカは戦争を続けるのか』。
映画の邦訳字幕ではタイトルは『なぜアメリカは戦うのか WHY WE FIGHT』となっています。
約100分のドキュメントの中で、特に気になった発言について抜き出してみました。
※注1 アイゼンハワー大統領・離任演説の映像は数ヶ所にわたって断片的に
引用されており、下記はドキュメント内で使用された映像(演説)のみを
一つの項目内にまとめたものです。
アイゼンハワー大統領・離任演説全文は下記サイトなどで読むことが
出来ます。
アイゼンハワーの国民への離任演説,1961年1月17日
アイゼンハワーの離任(退任)演説
※注2 アイゼンハワー大統領・離任演説から下は、ドキュメントの流れに沿った
順番で発言をピックアップしています。
◆1961年1月17日 アイゼンハワー大統領 離任演説
「今夜、離任の挨拶を申し上げると共に大統領として、最後の意見を述べたいと思います。」
「20世紀に入って60年の間に大きな戦争が4つ起きました。我が国はそのうち3つに関わり、恒常的かつ大規模な軍需産業を作り出してきました。」
「現在、国防に携わる人の数は350万にのぼります。」
「その経済的、政治的、さらには精神的な影響はあらゆる都市や政府官庁で感じることが出来ます。」
「巨大な軍部と軍需産業との結合は、アメリカが初めて経験するものです。」
「軍備の発達は必要不可欠であると同時に、大きな危険をはらんでいることを忘れてはなりません。」
「軍産複合体が、政府機関の中で不当な影響力を持たないよう、警戒する必要があります。権力が災いをもたらす可能性はこの先も存在し続けるのです。」
「自由と民主主義を危険にさらしてはなりません。」
「何事に対しても警戒を怠らない分別ある市民のみが、巨大な産業と軍部の複合体に平和的な手段と目的を持たせ、安全と自由を手に入れるのです。」
◆チャールズ・ルイス 公共サービス調査機関(非営利組織)
ここ5、60年の間に行われた軍事行動で国民を騙していなかったものなど一つもありません。
ベトナム戦争はその際たるものでした。
大統領と国防総省の幹部たちはトンキン湾事件を捏造して、国を戦争に突入させ、犠牲者や戦況についても嘘をつき続けました。
この戦争を詳しく調べれば、国民とメディアが巧みに操られていたことが分かります。
自分の国が好戦的だとは思いたくないかもしれませんが、実際にアメリカは軍事大国であり、軍国主義国家です。それが本当の姿なのです。
大統領や軍産複合体は問題が起きれば必要に応じてよその国を爆撃したり、地上軍を送りこんだりするべきだと決断してきました。こうしたことが何十年もの間繰り返されてきたのです。
アメリカは世界中で政府の転覆やクーデターに手を貸し、諜報機関を利用してひどい行為を繰り返してきました。
人権抑圧を行う国に資金を与え、虐待の方法を教えたこともあります。
そうした国が今では敵になっています。
すべては冷戦や経済的利益の名のもとに行われてきました。これは経済的植民地主義です。しかし、単純に国を乗っ取るような真似はしないので、植民地という言葉を使う人はいません。
最初のうちはアメリカ製品の販売や資源の採掘といった本来の目的は表に出さず、自由市場や自由貿易の話を持ちかけるんです。本当に重要なのはアメリカ企業の儲けだけなんですが。
◆グウェイン・ダイアー 軍事史家
アイゼンハワーは軍産複合体が職業軍人、軍需産業、それに議会の三つの要素から成り立っているといいましたが、現在はこれに第四の要素・シンクタンクが加わっています。
◆カレン・クウィアトコフスキ 元国防省付中佐
アイゼンハワーは軍産複合体に目を光らせていなければ、不当な勢力が国の政策をつ作るようになるといいましたが、恐らく今のような状態を予測していたのでしょう。
◆リチャード・パール 国防総省顧問
世界は変わりました。もう前の状態には戻れません。
アメリカの政策は一握りの人間に牛耳られているが、その連中が政権から去ればすぐに元通りになるだろうという意見をよく耳にします。
しかし、それは間違いです。なぜなら、人間は変わるからです。
◆チャールズ・ルイス 公共サービス調査機関(非営利組織)
アメリカの歴史とは、資本主義と民主主義の絶え間ない戦いでありそれは今なお進行中です。
民主主義が優勢で強い勢力を振るっていた時代も確かにありました。
しかし、実際のところ政府が下す決断のほとんどは企業の利益によって左右されています。
明らかに軍配は資本主義に上がっているのです。
◆チャルマーズ・ジョンソン CIA顧問(1967~1973)
今日のアメリカ人には自由を求めるのなら警戒を怠るなと言いたい。
1961年 アイゼンハワーが軍産複合体の危険を警告したにもかかわらず私たちは警戒を怠ったのです。
◆カレン・クウィアトコフスキ 元国防省付 中佐
20年間軍隊にいて、権力を尊重しチームプレイに徹するよう教え込まれました。
でも、イラクで戦争が始まったとき、軍人としての私の価値観は大きく変わってしまったんです。軍を退くしかありませんでした。
アメリカが戦うのは、立ち上がって「止めよう」と呼びかける人がいないからでしょう。
アメリカの軍産複合体に関心のある人から見たら、イスラエルのガザ侵攻がアメリカの軍産複合体のお墨付きの元に行われたということは、容易に想像できるのではないだろうか。
参考:軍産複合体に関して
◆当ブログ
●やはり狂っている (2004/05/21)
後半の“戦争をすればするほど儲かる人がいるんだよね。”以下の記事。
◆宇佐美保の世界へようこそ
ブッシュ元大統領と国防関連企業(2003/10/5)
キーワードは軍産複合体(2005/8/6)
「軍事ケインズ主義」と「道路ケインズ主義」(1)(2008/8/11)
2009.01.08
●なぜアメリカは戦争を続けるのか
2005年サンダンス映画祭グランプリ作品
(アメリカ・ドキュメンタリー部門)
『なぜアメリカは戦争を続けるのか 』
なぜアメリカは戦争を続けるのか 1/12
なぜアメリカは戦争を続けるのか 2/12
なぜアメリカは戦争を続けるのか 3/12
なぜアメリカは戦争を続けるのか 4/12
なぜアメリカは戦争を続けるのか 5/12
なぜアメリカは戦争を続けるのか 6/12
なぜアメリカは戦争を続けるのか 7/12
なぜアメリカは戦争を続けるのか 8/12
なぜアメリカは戦争を続けるのか 9/12
なぜアメリカは戦争を続けるのか 10/12
なぜアメリカは戦争を続けるのか 11/12
なぜアメリカは戦争を続けるのか 12/12
2009.01.07
2009.01.06
●ガザ・中東大戦争の瀬戸際(田中宇)
メルマガ:田中宇の国際ニュース解説 2009年1月3日 より転載
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★ガザ・中東大戦争の瀬戸際
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イスラエル軍が、ガザに地上軍侵攻しそうな感じになっている。イスラエル政府は閣議でイスラエル軍のガザへの地上軍侵攻を了承した。ガザのハマスは、早く侵攻してこいといわんばかりに、ヘブライ語でイスラエルを挑発する発表を繰り返している。
http://www.debka.com/headline.php?hid=5817
イスラエルは12月27日からガザを空爆しているが、すでにガザ地区内でイスラエルが空爆の対象としていたハマスの拠点に対する空爆はほとんど終わり、もう空爆対象がない状態になっている。イスラエル軍はハマス幹部の居宅を次々に空爆している。イスラエルの世論調査では、85%が戦争継続に賛成している。
http://news.antiwar.com/2009/01/01/at-least-425-killed-in-gaza-as-israel-running-out-of-things-to-bomb/
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/middle_east/article5434559.ece
イスラエル側では、ガザに近い地域の病院に対し、患者を他の地域の病院に避難させるよう指示が出た。これは、ガザの近くの病院のベッドを空けておき、これからガザに侵攻して負傷するイスラエル地上軍兵士を、これらの病院に搬送するためであると、イスラエル軍が認めている。ガザに残っていた400人の外国人も、1月2日に、ガザからイスラエルに出ることが許された。これも、侵攻準備の一環と考えられている。
http://news.antiwar.com/2009/01/01/ground-invasion-of-the-gaza-strip-appears-imminent/
もともと、今回のガザ戦争を誘発したのは、ハマスである。ハマスは、12月19日にイスラエルとの停戦協定が切れた後、イスラエルへの短距離ミサイルの発射を再開し、イスラエルを苛立たせた。ハマスは、イスラエル地上軍をガザに侵攻させ、05年のガザ撤退以来やめていたガザに対する軍事占領を復活させた後、占領軍に対しゲリラ戦を展開して、イスラエルを占領の泥沼に引っ張り込むつもりだろうと、イスラエル軍の諜報機関であるモサド系の情報サイト「デブカ・ファイル」が書いている。
http://www.debka.com/headline.php?hid=5815
同サイトによると、すでにハマスの軍事部隊は、一般市民のふりをしてガザ地区内の一般のアパートに分散して入居し、ゲリラ戦の準備をしている。またイスラエル軍は、地上軍侵攻してガザ地区の全体を占領した後、ガザを5つのブロックに分割し、パレスチナ人が相互に行き来できないようにして占領すると予測している。加えてイスラエル軍は、ガザとエジプトの間の13キロの国境線沿いの「フィラデルフィア・ルート」と呼ばれる細長い地域(幅は数百メートル)を再占領する予定だという。この地域は2005年にイスラエルの前
シャロン政権がガザから撤退した際、イスラエル軍からエジプト軍へと、管轄が委譲されている。
http://www.jewishvirtuallibrary.org/jsource/History/gazasettle_map.html
▼停戦協定を破って空爆開始したイスラエル
国際社会では、イスラエルとハマスを停戦させる努力が行われている。来週には、フランスのサルコジ大統領がイスラエルを訪問する。しかし、停戦が実現する可能性は非常に低い。
http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5j77SAUqvhQio6Hupkw4M4grDmiQQD95DULO80
なぜなら、イスラエルが12月27日にガザを空爆し始めた時、イスラエルは前日にハマスと結んでいた48時間の停戦協定を破って空爆したからである。
ハマスは、停戦期間中だったのでイスラエルの空爆を予測しておらず、無防備に集会を開いており、そこを空爆されて多くの死者が出た。空爆開始時、イスラエル軍の死者が異例に少なかったが、これはハマスが停戦の態勢で無防備だったからだろう。エジプトも、事前にイスラエルの空爆予定を知っていたが、自国のイスラム過激派の分派であるハマスに潰れてほしいと思っていたため、ハマスには何も伝えずにだました。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1051211.html
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3646178,00.html
ハマスは、イスラエルとの停戦協定を信じたばかりに、だまし討ちの空爆を受けた。いったんイスラエルにだまされた以上、ハマスはもう簡単には停戦に応じないだろう。
▼リブニとバラクの政争
なぜイスラエルは、わざわざ停戦協定を破って空爆を開始したのか。私の読みは「バラクとリブニの政争」である。イスラエルの国防大臣のバラクは好戦派で、労働党の党首である。外務大臣のリブニは戦争を抑止したい外交派で、カディマの党首である。イスラエルは2月10日に総選挙があるが、バラクの労働党は劣勢だった。ガザ戦争の開戦によって、リブニ支持を食うかたちでバラク支持が急増したと指摘されている。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1051210.html
バラクは、ガザで徹底的に戦争をしてハマスをやり込める戦略を主張している。リブニは早期に外交交渉に持ち込み、欧米など国際社会を巻き込みつつ停戦すべきだと主張している。だが、空爆開始時にイスラエルが停戦協定を破っているので、交渉しても停戦できない。バラクは、リブニの戦略を破綻させるために、わざわざ停戦協定を破って開戦したと推察できる。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1050437.html
バラクが今回、このような策略をやったのは、おそらく2006年夏のレバノンのヒズボラとの戦争の教訓からである。レバノン戦争当時も、バラクが国防相、リブニが外相だった。バラクは戦争拡大を希求したが、レバノンだけでなくシリアと開戦したら大戦争に発展して大変なことになるというリブニの主張が通り、開戦から1カ月後に国連の仲裁で停戦した。イスラエルは国家存続できたが、イスラエルと戦って負けなかったヒズボラは中東全域で英雄視された。
http://tanakanews.com/g0822israel.htm
イスラエルは、シリアやイランと戦争になったら終わりである。バラクは、イスラエルを自滅させようとしている米国のネオコンやチェイニー副大統領ら「隠れ多極主義者」の一派であり、リブニは彼らの謀略によるイスラエルの自滅を防ごうとしていると、私には見える。
もともと、米国の策略によってイスラエルが潰されかけていることを察知したのはシャロン前首相で、02年に西岸との境界に隔離壁を建設する計画を開始し、05年秋にはガザからイスラエル軍と入植者を撤退させ、パレスチナとの間を隔離し、イスラエルが戦争に巻き込まれるのを防ごうとした。だが、シャロンは06年初めに脳卒中で倒れ(暗殺?)今も植物人間である。リブニは、このシャロンが自分の後継者にするため、90年代末にモサド要員から引っ張り上げて選挙に出馬させ、政治家として育てた人材である。
http://en.wikipedia.org/wiki/Tzipi_Livni
http://tanakanews.com/d0113israel.htm
一方、バラクの方はイスラエル軍のエリート特殊部隊(サエレト・マトカル)の出身で、1976年のエンテベ空港でのパレスチナゲリラによるハイジャック機からの救出作戦の成功で一躍有名になり、同じ部隊にいたネタニヤフ(リクード党首)と並ぶ、イスラエルの有力政治家となった。しかしエンテベ作戦は、モサドがゲリラを扇動してハイジャックを挙行させた、やらせ事件だったことが暴露されている。
http://tanakanews.com/071009israel.htm
もしかすると、労働党とリクードというイスラエルの伝統的な二大政党を率いているバラクとネタニヤフは、イスラエル愛国主義の象徴のふりをして実は正反対で、本当は両人とも、過激なネオコンや入植者集団と同じ「好戦的な戦略をやりすぎてイスラエルを自滅させる」という隠れた戦略を持った「ロスチャイルドのスパイ」なのかもしれない。
http://tanakanews.com/f0622israel.htm
ハマスを武力で潰すことはできない。ガザの150万人のパレスチナ人は、イスラエルに封じ込められている限り、ハマスと一心同体であり、ハマスの現幹部を殺害しても、別の人々が幹部になるだけだ。ガザをエジプトや国際社会に押しつけるシャロンやリブニのやり方が妥当だ。ハマスを武力で潰すべきだと言っているバラクやネタニヤフには、隠された意図があると疑った方がよい。
▼焦点はラファ国境の開放
イスラエル地上軍がガザ侵攻しそうな中、焦点の一つは、ガザとエジプトとの間のラファ国境が閉鎖されたままであるかどうかという点になっている。ハマスはイスラエルから経済制裁を受けていた08年1月、この国境の壁を破壊し、ガザの人々が自由にエジプトに行けるようにした。エジプト軍が国境の壁を修復し、自由往来は1週間で終わったが、今回の戦争で、再びハマスはエジプトに国境を開放せよと求めている。エジプトのムバラク政権は、ハマスの兄貴分に当たる野党のイスラム同胞団を活気づけたくないので、ラファ国境の開放を拒否している。
http://tanakanews.com/080125Gaza.htm
イスラエル軍が地上侵攻したら、ガザとエジプトの国境線にあるフィラデルフィア・ルートをエジプトから奪還するだろう。このルートの警備は、もともとイスラエルのシャロン前政権が、05年のガザ撤退の際にエジプトに押しつけたものだ。エジプトは今回、イスラエル軍が来たらルートから自国軍を引き揚げ、奪還を喜んで黙認するだろう。ガザのエジプト側を封じ込めておく責任は、エジプトからイスラエルに戻る。
エジプトはガザと同じアラブ人なので、ハマスがエジプトに「ラファ国境を開けろ」と求めて騒げば、同胞であるエジプト国内の世論が同調し、エジプト政府も何らかの対応をせざるを得ず、08年1月にハマスがガザの壁を破壊したときも黙認した。だが相手がイスラエルだと、同情や黙認など全くなく、ガザの壁を壊そうとする動きは銃弾乱射で容赦なく阻止される。イスラエルがフィラデルフィア・ルートを奪還すると、ガザは再びイスラエルによって完全に封印される。ハマスが再びラファの壁を壊し、ガザとエジプトをつなげる挙に出るなら、イスラエル地上軍によるガザ再占領が完了する前にやらねばならない。
もしイスラエル地上軍のガザ侵攻が展開している間に、ラファ国境の壁がハマスによって破壊され、エジプト軍がハマスとの交戦を避け、ガザとエジプトがつながった場合、ガザ戦争はエジプトに波及する。エジプトのイスラム主義者の義勇軍が武器を持ってガザに流入する事態になりうる。米国傀儡のエジプト政府は、イスラエルに宣戦布告せず、優柔不断な態度をとるだろうが、国民は政府よりイスラム同胞団を支持する傾向を強め、エジプトは混乱に陥る。他のアラブ諸国やイランから、エジプトにイスラム主義の義勇軍が押し寄せるかもしれない。事態は中東大戦争に近づく。
逆に、ハマスの行動がイスラエル軍やエジプト軍に抑止され、ラファ国境が開かないまま、イスラエル軍がフィラデルフィア・ルートを再占領し、ガザを分割占領した場合、ガザはシャロンのガザ撤退前の状況に戻る。ガザ戦争が中東大戦争に発展する可能性は減るが、ガザの諸問題はすべてイスラエルの責任になる状況が復活する。ガザをエジプトと、西岸をヨルダンとつなげ、アラブ諸国にパレスチナの面倒をみさせ、イスラエルは隔離壁を作ってパレスチナと縁を切るという、シャロン前首相からオルメルト現首相に引き継がれた問題解決策は破綻する。
このシャロン案の前にあったのは、西岸とガザにPLO主流派(ファタハ)による親米・親イスラエルのパレスチナ国家を創建するという2国式(オスロ合意型)の中東和平計画であるが、もはやそれに戻ることも無理だ。ガザは反米反イスラエルのハマスが抑えており、西岸のファタハの人気が凋落しているからだ。和平の行き詰まりの中、ガザと西岸のパレスチナ人がイスラエルに苦しめられるアパルトヘイト的な状況だけが残る。
前から書いているが、ガザの戦争が中東大戦争に発展するかどうかは、今後の世界全体にとって非常に重要だ。中東大戦争になれば、原油価格の再高騰でインフレが再燃し、ドル崩壊の引き金になりかねない。中東大戦争にならなければ、原油反騰は限定的となり、イランやロシア、ベネズエラといった反米諸国の窮乏が拡大し、世界の多極化に歯止めがかかる。対米従属を続けたい日本国としては、中東大戦争が避けられるよう、神仏に祈るしかない。
この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/090103Gaza.htm
★関連記事
オバマに贈られる中東大戦争
http://tanakanews.com/081228Gaza.htm
パレスチナ見聞録(1)ガザ地区
http://tanakanews.com/b0115gaza.htm
ガザ訪問記(上)
http://tanakanews.com/d1020gaza1.htm
ガザ訪問記(下)
http://tanakanews.com/d1020gaza2.htm
イスラエル英雄伝:ネタニヤフとバラク
http://tanakanews.com/990607israel.htm
2009.01.05
●オバマに贈られる中東大戦争(田中宇)
昨年12月27日、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ全域でハマスの拠点を標的とした大規模な空爆を開始したとのニュースを聞いた時、思わず「悪魔がまた中東に降り立った」と思ってしまった。
悪魔=アメリカの軍産複合体・ネオコン
世界規模の不況の中にあって、どこかで大きな戦争を仕掛けるのではないかと思っていたが、やっぱりって感じだ。
以下、私の最も信頼するフリージャーナリスト・田中宇氏のメルマガから転載。
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★オバマに贈られる中東大戦争
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12月27日、イスラエル軍がパレスチナのガザ地区を空爆し、200人以上の死者が出た。空爆は、イスラエルがエジプト領だったガザを乗っ取った第三次中東戦争(1967年)以来の大規模なものだ。イスラエルのバラク国防相は、空爆だけでなく、近いうちに地上軍侵攻も行わざるを得ないだろうと表明している。イスラエル軍は、戦闘の拡大と長期化を準備している。今回のガザ戦争は、短期間に終わりそうもない。
http://www.khabrein.info/index.php?option=com_content&task=view&id=18839&Itemid=57
http://wire.antiwar.com/2008/12/27/snap-analysis-israel-hamas-conflict-could-escalate/
ハマスは「第3インティファーダ」の民衆蜂起の開始を、パレスチナ人に呼びかけた。パレスチナのとなりのヨルダン(国民の6割がパレスチナ人)では、議員30人が同国に駐在するイスラエル大使の追放を政府に要求した。アラブ諸国の中でイスラエルと国交があるのはヨルダンとエジプトのみだが、アラブとイスラエルの関係も、ガザ開戦によって急速に険悪化しそうだ。イスラム世界では、マスコミが今回のイスラエル軍のガザ侵攻を「ガザ虐殺」と呼んで強く非難しており、反米反イスラエルのイスラム主義がさらに扇動されるだろう。
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5ibSBvnCkEIdLQVlh_5MJui2uEGJA
http://ww4report.com/node/6571
開戦によって、パレスチナ和平交渉を今後再開することは、おそらく不可能になった。米国のオバマ新政権は、パレスチナ和平の成功を外交面での最優先課題の一つにしているが、その実現は、就任3週間前の現時点で、すでにほとんど無理になった。
パレスチナ社会は、親米のファタハ(パレスチナ自治政府。西岸)と、反米のハマス(ガザ)に分裂しており、しだいにハマスが優勢になっているが、米欧イスラエルはハマスを「テロ組織」とみなし、ファタハのみを正当なパレスチナ代表とみなし、交渉相手にしている。しかし、来年1月9日には、ファタハのアッバス大統領の任期が、後継者もいないまま終わる。選挙をやるとハマスに負けるアッバスは、大統領選挙をやれず、後継者を決められなかった。
http://wire.antiwar.com/2008/12/16/abbas-says-hell-call-palestinian-vote-very-soon/
アッバスは、任期満了後も米欧やアラブの承認を受けて続投する可能性があるが、今回のガザ開戦によって、アッバスは続投してもパレスチナ人に全く支援されなくなるだろう。今後、ガザ戦争が長引くほど、反米反イスラエルのインティファーダの蜂起が、ガザから西岸へと広がり、親米のアッバスは嫌われる。オバマ政権は、パレスチナ和平をやろうにも「テロリスト」のハマスを容認しない限りパレスチナ人の代表者がいないという、行き詰まりの状態になる。
▼国際軍に国境警備させる戦略
今回のガザ開戦は、12月19日にイスラエルとハマスの間の半年間の停戦が終わり、停戦協定の延長交渉が失敗したために起きた。イスラエルでは来年2月に総選挙が控えており、与党カディマは、本心ではハマスと和解したいと思っているが、ハマスに対して弱腰だと有権者に思われたくないので、エジプトが仲裁した停戦延長交渉で譲歩できず、開戦せざるを得なくなった。
このまま戦争が続くと、戦闘はガザから西岸、そしてレバノン南部でのヒズボラとの戦いへと拡大し、シリアとも戦争になってイランも巻き込まれ、07年ごろから何度も書いている「中東大戦争」になりかねない。イスラエルは、核戦争や国家破滅にもなりかねない危険な綱渡りをしている。
とはいえイスラエルは、何の目的もなく危険な開戦をしたわけではない。おそらく、06年夏のレバノンでのヒズボラとの戦争と同様の停戦戦略を考えている。それは、ガザでの戦争を国連の仲裁によって停戦し、国連もしくはNATOが編成する国際軍をガザとイスラエルとの国境沿いに展開してもらい、ハマスがイスラエルにミサイルを撃ち込むことを国際軍に抑止してもらって停戦を持続可能にした上で、ハマスと和解する魂胆と推測できる。イスラエルは、国際軍に国境警備させ、イスラム主義者(と米国の多極主義者)によるイスラエル潰しを不可能にして、国家存続する戦略だろう。
イスラエルの新聞ハアレツは12月27日の記事で「国際的な介入によって停戦に至るまでに、何日かかり、どこで戦闘が行われるか(西岸やレバノン南部にまで拡大するのかどうか)予測が難しい」と、戦争の行き着く先が国際軍の呼び込みであることを、さらりと書いている。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1050405.html
07年秋の「アナポリス和平会議」以来、パレスチナ和平は、米国、EU、ロシア、国連という4者(カルテット)が仲裁する態勢になっている。米ブッシュ政権はハマス敵視で「ファタハとしか交渉してはいけない」という姿勢をイスラエルやEUに強要したが、もうすぐファタハが潰れ、ブッシュ政権も終わる。イスラエルとしては、オバマ政権がハマス敵視をやめることを前提に、カルテットにガザ停戦を仲裁させ、ハマスとの和解を行う腹づもりだろう。ロシア、国連、EUは、ハマスをパレスチナ人の代表とみなすことに抵抗が少ない。
しかしそもそも、ガザの停戦が12月に切れ、大統領がオバマに代わるときにイスラエルが戦争に巻き込まれているように設定したのは、ブッシュ政権の謀略である。ブッシュ政権は、表向きはイスラエル支持だが、裏では06年夏にイスラエルとヒズボラをレバノンで戦争させ、中東大戦争を起こそうとするなど、イスラエルを潰そうとしてきた。こうした経緯を考えると、ガザ戦争がイスラエルの思惑どおり停戦できるかどうかは怪しい。失敗すれば、中東全域を巻き込む大戦争になる。
今回の開戦に際しては、12月22日から「イスラエルはガザ侵攻を決定し、関係各国に通告した」という記事が出ており、私は記事の執筆を開始したものの、私事にかまけて時間がかかっているうちに、開戦してしまった。以下は、開戦前日の12月26日にできていた記事である。書き直してさらに時間を食うより、早く配信した方がいいと思うので、そのまま以下に貼りつける。
http://news.antiwar.com/2008/12/21/israel-launches-global-pr-campaign-ahead-of-gaza-invasion/
▼中東和平をめぐるこの1年の流れ
パレスチナのガザ地区における、イスラエル政府とハマス(ガザを統治するパレスチナ人のイスラム主義武装勢力)との間の6カ月間の停戦協定が、12月19日に失効した。6月19日にエジプトの仲裁で締結された、半年間の停戦協定の期間が切れた。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1047959.html
すでに停戦協定が切れる2週間ほど前から、ハマスはイスラエル領内に向かって短距離ミサイルを発射し始め、これに対してイスラエル軍は、戦車や攻撃用ヘリコプターで、ガザにちょっと侵攻しては撤退する手法で、再戦争の泥沼にはまらないよう警戒しながら報復的攻撃を再開していた。
http://electronicintifada.net/v2/article10032.shtml
イスラエル軍が大規模にガザへ侵攻し、本格的な戦争になると、イスラエルとパレスチナ人の間で和平を結ぶことは不可能になる。戦争はレバノンのヒズボラ(シーア派イスラム教徒武装勢力)との戦闘に飛び火し、イスラエルはシリアやイランとも開戦して中東大戦争になる可能性が高くなり、イスラエルが核兵器を使う懸念が強まる。イスラム世界と、それに同調する中南米など発展途上国(米欧日以外の国々)の全体で反イスラエル感情が強まる。イスラエルは追い詰められ、中東各都市やモスクワなどを400発持っている核兵器で攻撃する「サムソン・オプション」を行使した挙げ句、滅亡しかねない。
http://www.uruknet.de/?p=m49340&hd=&size=1&l=e
イスラエルの上層部は、自国の滅亡を防ぐため、何とか戦争を避け、パレスチナ和平をやりたいと考え、米政府に頼んで07年11月に米国アナポリスで中東和平会議を開かせた。だが、米イスラエルの右派(チェイニーやネオコン、リクード右派)が、対立を煽る妨害策を展開したため和平は進展しなかった。
今年2-3月ごろには、逆にイスラエルがハマスやヒズボラとの対立が激化し、私が「中東大戦争が近い」と何度も書くような事態になった。
http://www.tanakanews.com/080301gaza.htm
イスラエルのオルメルト政権は、何とか戦争開始を回避し、エジプトやサウジアラビアが仲介する和解策に乗り、6月19日のハマスとの停戦協定にこぎつけた。イスラエル政府は、半年間の停戦の間に、パレスチナ側との和平交渉を進めようとした。パレスチナは西岸のファタハ(親米派)とガザのハマス(反米派)が対立しているが、エジプトに両者を和解させた上でイスラエルとの和平交渉にはいるとか、ファタハにガザの再乗っ取りを成功させるべくテコ入れするとか、イスラエルはいくつかのシナリオを模索した。
しかしその直後、再び米イスラエルの右派からの妨害策が入り、オルメルトはスキャンダルを暴露されて検察に取り調べを受け、辞任を表明せざるを得なくなった。与党カディマでは9月に党大会を開き、オルメルトの後継党首としてリブニ外相を選び、カディマ単独では議会の多数をとれないので、リブニは新規連立政権の組閣を開始した。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1022114.html
だが、イスラエル政界では右派の力が意外に強く、リブニは10月末の組閣期限までに組閣できず、来年2月に総選挙を行わねばならなくなった。それまでの間、首相職は辞任表明した死に体のオルメルトが続投しているが、こんな混乱状態ではパレスチナ側との和平も進展せず、12月19日の停戦期限が来てしまった。
http://www.reuters.com/article/vcCandidateFeed7/idUSTRE49P30I20081026
▼和平したいのに好戦的にならざるを得ないイスラエル
イスラエルは来年2月に総選挙を行うが、ガザで正式に戦争が始まると、野党リクード内の少数派である好戦的なリクード右派に人気が集まり、与党の中道的なカディマや、和平をやらざるを得ないと気づいて好戦右派から和平派に転換したリクード主流派のネタニヤフ党首が不利になる。すでにネタニヤフは、リクード内で右派の反乱的な台頭に苦戦し、総選挙の立候補者名簿の中に右派を多くせざるを得なくなっている。ガザが戦争になり、総選挙で右派議員が増えるほど、イスラエル政府は和平方針を採れなくなる。
http://news.antiwar.com/2008/12/09/even-more-hawkish-likud-gears-up-for-february-elections/
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2008/12/10/2003430787
イスラエル政府は、選挙で右派を勝たせたくないので、何とかガザで戦争しないですむようにしたい。停戦期限前からイスラエル軍はガザに侵攻しているのだが、イスラエルはガザにマスコミを入れないようにしているので、戦況はほとんど報道されず、ガザでは戦争が起きていないことになっている。イスラエル国内では「ハマスと戦争できない以上、和解交渉するしかない」という意見もあるものの、ハマスからの毎日のミサイル砲撃を受け、イスラエル国内の世論は好戦性を増しており、リブニら主要候補はみな「ハマスがミサイル攻撃を止めない限り、間もなくガザに侵攻してハマスを退治する」と言わざるを得なくなっている。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1048368.html
http://news.antiwar.com/2008/12/21/israel-launches-global-pr-campaign-ahead-of-gaza-invasion/
イスラエルは、半年前と同様、ハマスとの再停戦の交渉をエジプトに仲裁してもらっている。リブニはカイロに行ってエジプトのムバラク大統領と会談した。しかし、停戦延長交渉が行われている一方で、イスラエル政府は12月24日に開戦を検討する閣議を5時間にわたって開いた。
http://www.haaretz.com/hasen/spages/1049009.html
http://www.nytimes.com/2008/12/25/world/middleeast/25mideast.html
今年6月にハマスとの停戦を締結する前の時期にも、毎日ガザからイスラエルにミサイルが飛んできて「もうすぐ戦争だ」「いや、間もなく停戦協定を結べる」といった情報が何週間か交錯し、結局停戦できた。今回はどうなるか。
半年ぶりに瀬戸際状態が再現されている。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3552906,00.html
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1209627012903&pagename=JPost%2FJPArticle%2FShowFull
ブッシュ政権は、金融危機やアフガンの戦況など、米国が抱えるさまざまな危機が、オバマ政権になってから全崩壊的にひどくなるような仕掛けを随所に作っている観がある。イスラエルとハマス・ヒズボラ・イランなどとの戦争も、オバマ政権の就任前後に勃発するような仕掛けにしてあるとも思える。ブッシュ政権の高官がイスラエルに対し、ガザ侵攻やイラン空爆を挙行するなら、オバマ就任後まで待てと言ったと報じられている。
http://news.antiwar.com/2008/11/24/report-us-asked-israel-not-to-start-any-major-wars-until-obama-takes-office/
米国の大統領選挙でオバマが当選する前後「オバマの就任直後に国際政治の大きな危機が起きる」という予測を、バイデン副大統領やパウエル元国務長官らが放った。この予測が正確であるとしたら、最もありそうなのがイスラエルがガザに侵攻し、それがレバノン・シリア・イランとの中東大戦争に拡大していくことだ。オバマ就任まで1カ月を切った現時点で、国際政治危機としてほかに起こりそうなことは、インドとパキスタンの戦争ぐらいである。
http://tanakanews.com/081028mideast.htm
印パ間では、インドがパキスタンに要求したテロ容疑者引き渡しの期限が12月26日に過ぎており、インドは要求が受け入れられない場合、パキスタンをミサイル攻撃するかもしれないと言っている。すでに印パ両軍は、国境沿いなどで警戒態勢をとっている。パキスタンは陸軍の一部を、対アフガニスタン国境から、インド国境の方に移動させた。パレスチナと印パの両方で、オバマ就任に合わせて戦争が始まるかもしれない。
http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5hkiMxbHNH0BqgpWA2ZG6VD6wVTmAD95AN8A80
この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/081228Gaza.htm
2009.01.01
2008.12.10
●ここまでヒドイとは・・テレビ制作現場
「癒しのヒトラーおじさん」℃-ute中島早貴の発言にネット紛糾!(日刊サイゾー)
4日深夜放送の『よろセン!』(テレビ東京)に出演したアイドルグループ℃-ute・中島早貴の発言が波紋を広げている。
中島は『よろセン!』内の世界の偉人を紹介するコーナー「なっきぃ的 世界偉人DEN!!」にて、ナチス・ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーを"偉人"として取り上げ、「ヒトラーおじさん」「癒しの演説」などと紹介。かわいらしいイラストや空想上のモノマネを披露するなどした。また、他の出演者もこのモノマネを唱和するなど、番組は和やかな雰囲気で進行した。
この放送中から、ネット上では番組に対する批判が噴出。
「親しみを込めてヒトラーおじさんと連呼するとは......」「いくらなんでも無知すぎる」「欧米だったら大問題になるぞ」など、中島の見識を疑う意見が多く書き込まれた他、「マネージャーはなぜこの発言を許したのか」「生放送ならまだしも、録画でこの企画はありえない」など、℃-uteの周辺スタッフや番組制作側に対する意見も寄せられ、掲示板が紛糾した。
『よろセン!』は今年10月から始まった深夜帯の帯番組で、℃-uteやモーニング娘。などハロー!プロジェクトのメンバーが出演。メンバーのひとりが"教育者"となって生徒役の他のメンバーに様々な事柄を教えるという内容で人気を集めている。
日刊サイゾーでは今回の放送についてテレビ東京側に「偉人として取り上げる人物の人選」などについて問い合わせを行っているが、現在までに回答は届いていない。
一つの番組が成立するためには、制作会社から企画書が出されて、局のプロデューサーがOKを出してはじめて制作に取り掛かる。
放送作家に構成を発注して、局と制作会社のプロデューサー、そしてディレクターで出来上がった構成をチェック、そして収録となる。ハロプロのマネージャーたちも構成に目を通しているはずだ。
こうして、放送されるまでに多くの大人が係わっている。
その誰一人として、この内容に疑問を持たなかったというのは驚きであり、ショック。
ヨーロッパでこんな放送したら、大問題で国によっては関係者は逮捕ですよ。
放送現場の知的水準ってここまで落ちているのかと思うと……情けない。
私がシナリオライターとしてデビューした頃には、母と同じ年くらいの戦前・戦中派のプロデューサーや監督・ディレクターがまだ現役だった。
戦時中のドラマを書いた時、戦後派の私はどうしても最初から反戦色の濃いものを書いてしまう。そんな私に対して当時の国民が現実はどうだったのかを話してくれる関係者がいた。そんな関係者と議論を交わしてドラマを作っていった。
時代は代わり、放送業界も新陳代謝を繰り返し、局も制作会社も戦後派がほとんどというのは時代の流れとして当然だとは思う。
しかし、しかし、視聴率ばかり追ってないで少しは勉強しろよ、って今回のことは本当に情けない。
関係記事アイドルが
「ヒトラーおじさん」偉人と紹介 テレビ東京謝罪 12月8日 産経新聞
2008.12.01
●映画『TOKKO -特攻-』を観た
日系アメリカ人のリサは、ある日死んだ叔父が元特攻隊員だったことを知る。生前はそのことを一言も口にすることはなかった叔父。
リサは日本へ向かい、特攻隊の生き残りである4人にインタビューを試みる。
彼らの口から出る言葉を聞くと、「カミカゼ」はアメリカで思われているような狂信的な集団ではなかった。インタビューは特攻隊の攻撃で沈没した艦の生存者にも及んでいく。
また日本では、自分の命を捧げた戦争の犠牲者として美化する傾向もある。
はたしてその真実はどうなのか。特攻隊の生存者たちは、美化されることを喜ぶどころか、自分が特攻隊員だったことを言わない。それは「命令だから」であり、誇るべきことではなく、正直言ってみな死にたくなかったのだ。
近年、戦争を経験していない世代が、戦争を美化する風潮がある。本作を見ると、特攻に至っても日本は勝っていると国民に「粉飾決算」を続けていた日本軍の姿は、今でも汚職や偽装を生む日本の会社組織の体質のルーツにも思えてくる。
映画は、「特攻」「神風」の意味や、かの戦争の経緯も、視覚効果を交えて教えてくれる。この点で、何も知らない観客を置きざりにして、話が先へ飛んでゆくことはない。
(戦争の発端の)アジア、真珠湾、(転換点の)ミッドウェー、(敗色濃厚の)マリアナ、(特攻が始まった)フィリピン、オキナワ、ヒロシマ・ナガサキ、8・15・・・と史実に即して進む(史実を歪めた『パールハーバー』〔2001年〕を「神風」と誤解することもなくなるだろう)。
そして、「特攻」には、事実上の「強制」が確かにあったことも・・・(「狭義」か否かは問題ではない)。
このことは、今も昔も学校では、何を教え込ませ、何を教えたがらないか、歴史「教育」の重要性を痛感させる。
http://www.jicl.jp/now/cinema/backnumber/20070709_01.html より
【感想】
「今までは他人事だと思っていたけど自分がいくとはこりゃたまらん」
トイレにはこんな落書きがあったという。
特攻作戦を発令したといわれる海軍中将・大西瀧治郎は自ら特攻を「外道(げどう)の戦法」といい、ここまでやったら天皇陛下が「もう戦争を止めよう」と言うだろうと期待していた。しかし、大西中尉の願いは届かなかった。
「体当たり機はよくやってくれた」
その天皇の言葉により、特攻作戦は続行された。
特攻隊員第一号として指名された(志願ではない)のは関行男大尉。
「僕のような優秀なパイロットを殺すなんて、日本もおしまいだ。天皇陛下のためとか日本帝国のためではなく妻を護るために行く。最愛の者のために死ぬ」
関大尉が特攻出撃した翌日、新聞は「神風・関大尉!日本を守る」と報じた。
飛行訓練の少ない若者が大半で、訓練は連日連夜繰り返されたが、飛行機は老朽機で訓練中にも故障が多発したという。
しかし、その約束を守った上官は数少ない。
しかし、以前から、「事あらば敵陣に、あるいは敵艦に自爆せよ、中隊長もかならず行く」と繰り返し少年飛行兵たちに言っていた藤井中尉は、実際に特攻作戦が開始され、教え子達が特攻出撃していくようになると、その責任感の強さから教え子達との約束を守るべく自ら特攻隊員を志願した。
だが、パイロットでなかった藤井中尉の志願は2度とも却下される。
藤井中尉の妻は、最初、幼い二人の子のためにも夫の志願に反対していた。しかし、夫の決意が強いと知り、彼の願いが叶うよう「私たちがいたのでは後顧の憂いになり、思う存分の活躍ができないでしょうから、一足お先に逝って待っています」との書き置きを残して幼子と入水心中した。
この事件の後、藤井中尉は血書嘆願で3度目の特攻志願を提出、妻子の死からわずか5日後に受理された。
そして1949年5月28日、藤井中尉は小川彰少尉の操縦する機に通信員として搭乗し知覧から沖縄へ特攻出撃。
そして、アメリカ側の証言者として、藤井中尉が特攻を仕掛け沈没した米駆逐艦ドレクスラーの生存者2人が、TOKKOについて語る。
そのうちの一人の元アメリカ兵がこのドキュメントの冒頭にTOKKOについて語った言葉。
「こっちは生きるために戦っているのに、向こうは死ぬために突っ込んでくるだから」
私にはこの言葉が、アメリカと日本の戦争に関する考え方の違いのすべてを物語っているように感じられてならない。
1984年に製作された『零戦燃ゆ』(東宝)の中にも、人命第一に機体を作っていたアメリカ(機体が厚い)と、人命など考えずに軽量機敏さと経済性のみで作られた零戦の比較が登場人物によって語られている。
私には彼らが「最後は自分も行く」と特攻を煽っておきながら若い兵士だけ出撃せ、結局自分は安全なところに身を置いている上官たちの姿と重なって仕方がない。
靖国史観の人も、そうでない人も、一度はこのドキュメンタリー映画を見て欲しいと思う。
2008.11.25
●34年前のペットロスで殺人?!
<今回の決起は年金テロではない! 34年前、保健所に家族を殺された仇(あだ)討ちである! (略)最初から逃げる気はないので、今から自首する>
22日夜、テレビ局のホームページに小泉容疑者の書き込みがあった。2時間後、小泉容疑者は警視庁に出頭した。「ペットを保健所に処分されたから」。動機についてそう供述した。
父が覚えているのは、自宅で飼った「シロ」のことだ。小泉容疑者が拾ってきて小学2、3年まで育てた白い雑種犬。寿命で死んだ時、泣く息子を慰め「運命なんじゃから」と一緒に木を1本植え、墓を作った。
もう1匹。「保健所」について尋ねる記者に、父は記憶の糸を手繰った。「小学生のころだったか、野良犬を餌付けしてかわいがっていた。人に激しくほえるので保健所に電話して連れていってもらった」。そして戸惑うように聞き返した。「息子はそんなことを覚えているんですか」
父にあてた息子の手紙は23日夜、届いた。父は記者に「中身は言えない」と言った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081123-00000035-maip-soci より
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【元厚生次官ら連続殺傷】ペットロスの犯行動機 識者からは疑問符【産経】
小泉毅容疑者は、ペットを失ったショック状態を指す“ペットロス(愛玩動物喪失)”を、犯行動機にあげている。
しかし、容疑者がペットを失ったのは、かなり昔のことだ。識者は“ペットロス”による後遺症の深刻さを指摘する一方、動機として「釈然としない」と話している。
ペットを亡くした後の飼い主の心理ケアなどに取り組んでいる「日本ペットロス協会」代表で心理カウンセラーの吉田千史さんは「家族のように大切にしていたペットを失った心理的後遺症は際限なく続き、怒りや復讐となって表面化することもある」と指摘。
事件との関係については「何らかの厚生省への怒りがきっかけとなり、ペットを殺されたときの恨みが反社会的行為につながった可能性も考えられるが断定的なことは言えない」と話した。
犬や猫の処分について著書がある作家の小林照幸さんも「家族が『近所迷惑になる』などと子供の同意を得ずに犬を保健所に連れて行き、子供が強いストレスを抱えるケースはある」と“ペットロス”の後遺症の大きさを強調。
一方で、「行政もやむなくやっている処分。こうした動機が旧厚生省幹部を殺すという発想に向かったのなら釈然とせず、やり切れない」と犯行動機を疑問視する。
森武夫専修大名誉教授(犯罪心理学)は「元厚生次官らを狙う事件への動機としては飛躍がありすぎ。本当の犯行動機をまだ語っていないとみるべきだ」と指摘した。
環境省によると、平成18年度に全国で行政機関に引き取られ、殺処分された犬と猫は計約34万匹。ペットブームの一方で「ほえてうるさい」「引っ越しで飼えなくなった」など飼い主の事情で手放すケースは、後を絶たないという。
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テレビでも、元厚生次官宅襲撃犯・小泉毅の犯行動機について、ペットロスが大きく取り上げられています。
もし、動機の一部にペットロスがあったとしても、犯人が怒りを向ける方向は間違っている。
今の時代、殺処分される犬と猫の多くは飼い主側に問題がある。
昨日のテレビニュースで、小泉が動物愛護団体で捨て犬などの世話をやっていた時期もあると伝えていた。
だったらなおさら、怒りは保健所→厚生省ではなく、ペットを平然と捨てる飼い主たちに向くはずなのに……。
それから、一般人が自首予告に≪今回の決起は≫なんて言葉を使う?
ペットを愛する人間として、そして、7月に愛するペットを亡くしペットロスの渦中にある人間として、ペットロスを犯行動機に使う小泉毅に激しい怒りを感じてならない![]()
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2008.11.23
●元次官宅襲撃:出頭したコイズミツヨシ
元次官宅襲撃 「殺した」男出頭…「吉原あて」箱所持
11月23日2時32分 毎日新聞
元次官宅襲撃:厚労省への恨み「思い当たらず」…男の父
11月23日 2時09分 毎日新聞
元次官宅襲撃:男出頭…「目つき鋭い男」自宅周辺から証言
11月23日 1時58分 毎日新聞
出頭の男「保健所にペット殺され腹たった」 警視庁、殺傷事件に関与の見方強める
11月23日0時2分 産経新聞
「元次官刺した」出頭の男「コイズミツヨシ」名乗る
11月22日23時26分 読売新聞
軽自動車の男「次官刺した」と警視庁に 連続殺傷との関連捜査
11月22日22時25分 産経新聞
「男が出頭」のニュース速報のテロップを見た時、咄嗟に浮かんだ言葉が「鉄砲玉?!」
最初に報道された「保健所にペット殺され腹たった」の理由では、あの犯行を説明するには無理がありすぎる。
「論壇」の目安箱に下記のような投書があった。
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元厚生次官ら連続殺傷事件についての憶測 投稿者:不明( 平成20年11月21日 )
被害者のうち官僚であった二人が事務次官をつとめていた期間と、小泉氏が厚生大臣であった時期が重なっている。
http://alcyone.seesaa.net/article/109856089.html
また国会の会期延長に伴い、民主党の長妻議員がこの二人を証人喚問に呼ぶ可能性があったようである。
これらから、事件の背景を洗い出すことができるのではないか。 いたづらにテロと断じて恐怖心を煽るマスコミは最早、ジャーナリズムが欠落している。
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長妻議員のホームページを見たが、上記の証人喚問の可能性についての記述は見当たらなかった。
この件に関しての信憑性は疑問だが、ネット上にはこのような憶測が飛び交っている。
石井こうき氏刺殺事件のように、トカゲの尻尾切りで終わらないことを願う。







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