●もし、中山成彬前国交相みたいな校長がいたら?
中山氏、教育者でも失格=民主・輿石氏 (10月5日時事通信)
中山前国交相:引退を正式表明…地元・宮崎で(10月4日毎日新聞)
中山国交相辞任 日教組批判は「確信犯」(9月29日産経新聞)
根拠のない日教組批判でついに政界を引退することになった中山成彬前国交相。
もし、日教組を目の敵にする校長がいたとしたら?
ってか、現実にいるんです。
キリスト教の精神が根底にありながら、なぜか、教職員の組合を毛嫌いして、人権無視の差別しまくり。
ついに裁判に。だが、敗訴してもなおかつ反省の色はなし。メディアの取材からも逃げ回っている。
なぜにここまで毛嫌いする? と思っていたけど、中山氏の日教組批判を聞き、その校長とピタリと二重写しになった。
こんな校長がいて、被害者は生徒たち。教育を壊しているのはアンタだよ、と思ってしまった。
以下、ブログSee-Saw日記(9月21日)より転載
「夏休みの忘れ物(2)私立鶴川高校演劇・児童文化部、影絵部」
【まるで独裁者? 将軍様? のいる学校】
東京都町田市にある鶴川高校のことを知ったのは数ヶ月前だった。
日本で唯一、演劇部と影絵部の二つの部を持つ高校。しかも両部とも部活の歴史は20年余。
学内だけでなく保育園や児童館で作品を上演、さらに他地域での上演活動にも積極的に参加・・・そう聞けば、誰だって素晴らしい高校! 部活! と思うだろう。
ところが、その両部が、ある日突然、一方的に廃部にされてしまった。
なぜ???
突然廃部されたのは演劇・児童文化部、影絵部だけではなかった。
ある日、13のクラブの統廃合が発表され、31あったクラブが18に減らされた。
残った18のクラブは3人の管理職教員で顧問を兼任することに(平成17年)
ということは3人の顧問が一人平均6部の顧問を受け持つってこと?!
驚いたのはクラブのことだけではない。
次々、一方的に様々な規定が作られている。
例えば・・・
■平成17年
○教科外活動規定
★生徒は16時40分には門を出る、
★入部は1年契約で毎年保護者の入部願いを出す。
★クラブの部長は顧問が選ぶ など。
○その他
★クラブ活動を保障して欲しいと訴えた生徒を校長が恫喝。
★あるクラブの部長(生徒)は元顧問と話しただけで部長を辞めさせ
られた。
★クラブ存続を訴えに来た保護者を長時間待たせ、結局会わず。
「今後は、保護者が面会を強要した場合は部活を停止する」
という規定を作る。
■平成18年
★3分の1の教員を隔離・収容室へ
正規の職員室から遠く離れた別校舎の2階の教室に第2職員室をつくって、
ここに担任を外した17名の教員を押し込む。
★教師と生徒の接触禁止、意見表明も禁ずる。
「放課後など生徒との接触は禁止」(教務指導規定)
「補習もやってはいけない」(教務指導規定)
★職員会議や成績会議も廃止。
毎日の朝の打合わせ、諸行事のための打ち合わせ、教科会など諸々の
会議を全て廃止した。
「校長室」(校長・副校長・教頭)決定がすべての権限を持ち、教員は
一切の意見表明の場を奪われる。
教員は進級、卒業などに係わる単位認定や生徒の処分にさえも一切関われ
なくなった。
■平成19年
★授業時間外に一般教諭や常勤講師が生徒を職員室・教室・敷地内・
施設内及び学園外に呼び出したり、会ったりすることは原則
禁止。
生徒を呼び出す場合には学級担任の了解を得た後、書面にて校長室教員の
許可を得なければならない。
★補習授業は許可制で、期間も「5日間」に限定。
無届けで行われた場合は強制的に中断させる。
教師を生徒から隔離し、授業時間以外の接触を禁止、補習さえも禁止する・・・
こんな学校、学校って言える?!
上記のような規定を次々に作ったのは、百瀬和男理事長兼校長。
歴史を見るに、学校法人明泉学園鶴川高等学校は昭和36年4月、創立者の百瀬泰男氏によって開設された。
百瀬泰男氏は昭和43年に鶴川女子短期大学、昭和47年に鶴川女子短期大学附属幼稚園、昭和59年に東京商工経済専門学校と次々に学校を開設した。
平成2年、鶴川高等学校が創立三十週年記念を迎えた翌年の平成3年1月に創立者・百瀬泰男氏が逝去。
親族の百瀬和男氏が理事長に就任。その後、百瀬和男氏は校長も兼務することとなり、現在に至る。
この百瀬和男氏が理事長兼校長になってから労使の対立が徐々に顕著になっている。
そうなのです、これまでの理不尽ともいえるような規定の数々の根底にあるのは、労使対立。具体的な発端がいつ、何があったのかはハッキリとは分からないが、百瀬和男氏が組合活動に対して、憎悪に近いような嫌悪感を持っている ことは明らかなよう。
★基本給に対する調整手当てを組合員に対してだけ順次減額。
★毎年4月の定期昇給も組合員に対しては停止。
★組合員のボーナスは1000円、とかゼロとか・・・
そんな百瀬和男氏のやり方に対して・・・
■平成9年 鶴川高校教職員組合は理事長の専制的な学校運営に反対するとともに教職員の待遇の改善をめざして団体交渉を求めるが、理事長側は団体交渉を遅らせ、学園が決定した内容を一方的に提示。
■平成12年 鶴川高校第二教職員組合は都労委(東京都労働委員会)に不当労働行為救済を申し立て。都労委からは勝利命令を勝ち取る。
しかし、理事長は都労委からの救済命令を無視。
■平成14年4月 理事長は一方的に就業規則を変更。
懲戒処分の項目が56項目に増えていた。
★基本給の据え置き、諸手当の減額、一時金の減額。
★ストライキを実施した場合、基本給のカット額の増額や手当・一時金も
減額する。
★解雇、雇い止めについても、項目が大幅に増加。
などなど。
■平成16年8月、組合側はついに地裁八王子支部に教員賃下げ訴訟を提訴。
■平成19年5月24日 東京地裁判決:組合側勝利判決。
(以下5月24日付け時事通信記事より引用)
財政状況が健全なのに一方的に賃金を切り下げたのは無効として、私立鶴川高校(東京都町田市)の教員ら10人が、同校を経営する明泉学園(百瀬和男理事長)を相手に未払い賃金計約1500万円の支払いを求めた訴訟の判決で、東京地裁八王子支部は24日、全額の支払いを学園側に命じた。
(別記事)
東京地裁八王子支部は昨年五月、同学園が預金など93億円を保有するなど財政状況は悪いといえず、組合との団体交渉で賃下げの具体的説明がなかったなどの理由で教員側の訴えを認め、明泉学園に約1474万円の支払いを命じました。
■平成19年 東京地裁判決を不服として明泉学園(百瀬和男理事長)は控訴。
■平成19年10月11日 都労委(東京都労働委員会)救済命令
都労委は明泉学園の組合員に対する一連の処遇は、不当労働行為に当たる
と認定し、明泉学園に是正を命ずる命令が交付された。
都労委は、組合差別が教育をどのように破壊したのかに言及し、厳しく断罪。
組合員の担任外しは、 「他の教員や生徒との接触をさせないことにより、組合の影響力の縮減を狙ったもの」
組合員の部活顧問外しは「長年にわたって作りあげた生徒との信頼関係を消滅させようとしたもの」
組合員以外のほぼ全員を「管理職」にした上で一時金差別を行ったことについて、「本来の学校運営の趣旨を離れて、管理職になることの利益を示唆し、組合員である限り管理職に登用されないこと」により組合弱体化を目指したもの。
学校法人明泉学園(百瀬和男理事長)は、組合への支配介入をやめるよう命じた。
■平成20年1月24日 高裁判決:教員側勝訴
東京高裁判決(吉戒修一裁判長)は学園の控訴を退け、地裁に続き、賃金の是正を命じた。
「財政事情は不健全とはいえず、教員に不利益を受忍させる必要性があるとはいえない」と学園側の不当性を批判し、教員2人について未払い賃金分を11万円減額しつつ、他の8人については請求通りの支払いを求めた。
百瀬理事長は上告を自ら断念して、判決は確定した。
■高裁判決以後
百瀬理事長は、原告に対してはバックペイを支払った。
しかし、相変わらずその後の教職員賃金は削減したまま、原告以外の教職員には賃金是正を行おうともしていない。
財政危機を口実に教職員の一時金(ボーナス)までも年間ゼロに削減した一方で、内部留保資金を百数十億円まで増やし続け(圧倒的黒字経営)、百瀬親子の理事報酬は引き上げ続けているという。
■教員側はこれまで、都労委(東京都労働委員会)、地裁、高裁以外にも公的&外部機関に対して、理事長の教育現場を無視した独裁的・独善的なやり方に対して訴えてきている。
★中央労働委員会は理事長に対して命令履行を勧告
★文部科学省・東京都はこの現状を注視
★労働基準監督署は是正指導に立入調査
★労働情報センターは調停に入る
しかし、百瀬理事長はそれらのすべてに応じようとせず無視。
東京都内の私立学校を管轄する都私学行政課は「私学の独自性があるので、違法でない限り教育内容には踏み込めない。教師や保護者の訴えは聞いている。注視をしていきたい」。
文部科学省も「授業以外で生徒と接触してはいけないという規定は聞いたことがない」と注視の姿勢。
ということで、裁判で判決が出された支払いを済ませたなら、あとは相変わらず理事長の意のままというのが現状。
この、長きに渡る労使対決の最大の犠牲者は生徒たち。
かつて、教師サイドの学校現場の現実を知るためにいろいろと調べていて、教師の間にも組合員と非組合員の間には垣根があることを知った。
組合員という理由で学校側からパワーハラスメントを受けたという人の例も聞いたことがある。
しかし、理事長(&校長)が、組合員全員に対してパワハラを行い、挙句、生徒の授業や部活にも大きな影響を与えて平然としている なんて聞いたことがない。
この学校のこの現状は平成20年4月10日朝日新聞夕刊でも取り上げられ、教育評論家で大学教授の尾木直樹氏のコメントが掲載されていた。
【教育の土台なくす】
授業以外の生徒との接触が禁じられれば、教師は部活や補習、生徒の悩みや進路の相談に臨機応変に対応できなくなる。それは、学校教育の基本的な土台をなくすこと。
生徒にしわ寄せが出るようでは、学校とは言えない。私学といっても助成を受けており、公共性も高い。私物化するようなやり方は許されない。
まさに、そのコメントに尽きる。
この学校の理事長が、私には独裁者か、どこぞの国の将軍様のようにしか見えない。
では、こんな学校に行かなければいい、という意見も聞こえて来そう。
誰もこんな学校へ進学しなければ、教育の土台を踏みにじって平然としているような理事長(&校長)がいるような学校は自然淘汰で潰れてしまうだろう。
しかし、現実は・・・
この学校はハッキリいって底辺校で、高校受験に落ちこぼれそうになった生徒たちの受け皿となっている高校。
そんな生徒たちにとっては必要な高校なのだ。
たとえ底辺校といわれようと、教育熱心な先生方によって漢字検定の補習が行われ、2級に合格して自信をつけた生徒たちもいるし、演劇部や影絵部などの部活で自尊意識を取り戻し、胸を張って就職・進学していった生徒たちもいる。
理事長(&校長)は、生徒たちがこの学校以外に受け入れ先がないことを承知しており、生徒たちが学校を辞めたくなければ(高卒という学歴が欲しければ)、どんなに独裁的な規定でも従うしかないということを盾にとって、組合潰しに執念を燃やしている のだ。
こんな理事長、なんとかならないのだろうか・・・
その答えの一つがあるブログに書かれていた。
2008年4月10日(ブログ「民主主義はコストなのか。」より)
【学校法人理事長は世界最強】
学校法人の理事長及び理事会は、世界最強です。
自治体の首長ならば、選挙あり、住民監査請求ありと、権力に制限が加えられています。
株式会社の社長ならば、株主総会あり、株主代表訴訟ありと、やはり権力に制限が加えられています。
学校法人理事長の場合、裁判なんて負けても怖くありません。ただ、辞任さえしなければいいんです。選挙もありません。ただ、辞任しなければ、支配し続けることができます。
学校法人などの公益法人の理事会・理事長は、なぜに無制限の権力が与えられているのか、制度的不備は明らかです。
確かに現行の学校教育法でも私立学校法でも、理事長に明らかな違法行為がない限りは辞任させることが出来ない。
法律を変えるしかこの理事長を変える手立てはないよう・・・
ドラマの学園モノには必ず理不尽を通す管理職=悪者(理事長・校長・教頭)がいて、正義感の強い教師と生徒たちが彼らをぎゃふんと言わせて、自分たちの愛する学校を取り戻す、というパターンが多いが、現実はドラマ通りには行かない。
現実はしぶとい。
私に出来ることは、知ってしまったその学校の現実をココでこうして多くの人に伝えることだけ。
今の日本における様々な事件を見るにつけ、日本人のイメージ力の低下をしみじみ感じている私にとって、影絵や演劇は若者のイメージ力を向上させるのに最適の部活だと思う。
1日も早く、先生と生徒が自由に学習・交流できて、潰された部活が復活し、生徒たちの部活の選択肢が増え、より充実した学校生活が送れるよう祈り続けるしかない現実が歯がゆくもある。
【参考】
学校法人明泉学園鶴川高等学校 演劇・児童文化部&影絵部問題 経過表


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