2009.09.13

●隗より始めよ

「核なき世界」へ決意表明=対北・イラン決議の順守要求-安保理首脳会合の米議長案 9月12日時事通信

 国連安全保障理事会の議長国である米国は11日、「核兵器のない世界」実現を目指す決意を表明する決議案を各理事国に配布した。オバマ大統領が議長役を務める24日の安保理首脳級会合で採択したい考え。同案は北朝鮮やイランへの制裁決議にも言及し、順守を要求している。

 米大統領が安保理会合を主宰するのは初めてで、決議採択によって核不拡散・核軍縮を目指すオバマ政権の強い意思を示す。決議案は不拡散・軍縮の措置や原則の再確認を基調にしており、政治機運を醸成して来年5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の成功を期する目的もある。会合には、新首相としてニューヨーク入りする民主党の鳩山由紀夫代表も出席する予定だ。

 決議案は包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効を視野に入れた同条約への加入や、核軍縮および核廃絶に関する条約の交渉開始を関係各国に要請。また、NPT未加盟国に早期加入を求めるとともに、国連の全加盟国に対し爆発を伴う核実験実施を控えるよう訴えた。



核軍縮、ぜひアメリカから始めてください > オバマ様


実のところ、アメリカの一般大衆の核に対する意識は、1982年『アトミック・カフェ』(The Atomic Cafe)』で描かれた頃とあまり変わってないのではと私は疑っている。


今でも、広島・長崎への原爆投下についてのインタビューで核兵器を「戦争を終わらせた兵器」として肯定的に受け止めているアメリカ国民は少なくないみたいだし。


アメリカにとって日本は遠い他国。その他国で核爆弾一発でどんな悲惨な地獄が出現したか、銃の国の人々には想像も出来ないことだと思う。


『アトミック・カフェ』は1982年アメリカで公開されたドキュメンタリー作品。
監督はジョージ・W・ブッシュの従兄弟で、マイケル・ムーアが師と仰ぐケヴィン・ラファティら3人。

1940~50年代のアメリカで放映された原爆、反共にまつわる政府製作の広報フィルムやニュース映像だけで構成、アメリカの大衆プロパガンダの実態を浮かび上がらせたラジカルなドキュメンタリー作品だ。

(ナレーションは一切なし。ラファティ監督は個人的信条として、ナレーションは「天の声」であり、映像そのままに語らせることがあるべき姿だとしてナレーションを排除。バックミュージックはすべて核兵器に関する音楽を使用)


この作品から見えてくる、当時のアメリカ人の核に対する意識・知識はもう笑うしかない。
プロパガンダの怖さを知るには最適の作品。

       アトミック・カフェ [DVD]

イラストの亀はバート君。
1950年代の初めにつくられた子供向け民間防衛映画『ダック&カヴァー(Duck and Cover・さっと隠れて頭を覆え)』の中で子供たちに原爆への対処法を説明するバート君。   

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2009.08.21

●ブッシュ政権が暗殺を民間委託…米紙報道

ブッシュ政権が暗殺を民間委託…米紙報道  09年8月20日 読売新聞 

 【ワシントン支局】米ワシントン・ポスト紙(電子版)は20日、ブッシュ前政権下の2004年、中央情報局(CIA)が、国際テロ組織アル・カーイダ幹部を殺害する秘密計画の立案や訓練を、米民間警備会社ブラックウオーター(現在「Xe」に社名変更)に委託していたと報じた。
 複数の元情報当局者の話として伝えた。委託理由について、元情報当局者は、「何か問題が起きた時、外部委託の方がCIAを守れる」と話しているという。
 殺害計画は今年6月、パネッタCIA長官が議会に報告し、同計画をすでに中止したことも明らかにした。ブラックウオーター社へは、訓練などのため数億円が支払われたが、実際の任務は遂行されなかったという。同政権下では、テロ容疑者への尋問も民間に委託されていた。

米国:イラク治安維持予算の1/5は契約会社へ  IPSJapan 2008/08/24

米国議会予算局は、「民間セキュリティー会社に支払われた金額は総額で1,000億ドル(イラク作戦全体の20%に当たる)になるだろう」との報告書を提出した。同調査を求めた民主党のコンラッド上院議員は「ブッシュ政権の民間軍事請負会社への依存は、危険な前例を作った」とコメントしている。

【ニューヨークIPS=ウィリアム・フィッシャー、8月14日】
 2004年、民間軍事請負会社のブラックウォーター・アビエーション社所有の航空機がアフガニスタンで墜落。米政府の調査により、事故原因は同社スタッフの過失と判明した。これを受けて、死亡した米兵4人の遺族が、ブラックウォーターを相手取る裁判を起こした。
 最高裁にまで持ち込まれるであろう同裁判の最大の争点は、ブラックウォーターを始めとする海外契約会社に米法の適応が可能か否かである。というのも、イラク暫定施政当局のポール・ブレマー代表が2006年に民間契約会社に法的免責を与えたためである。
 イラク政府は、イラク市民殺害の責任はブラックウォーターを始めとする民間軍事請負会社にあるとしてイラク国内法の適用を主張している。また、米議会下院は最近、民間軍事請負会社に米法を適用する法案を可決。ブッシュ政権はこれに反発している。
 ブラックウォーターは、問題の作戦は米軍司令部の命令によるものであり、米軍と同様の免責が適用されるべきとして、訴訟の取り下げを要求。しかし、フロリダ裁判所は先月、国家利益に関わる問題は見当たらない、またブッシュ政権が期限を過ぎてもブラックウォーター擁護の姿勢を示さなかったとして裁判の開始を決定した。ブッシュ大統領は海外契約会社の役割を高く評価する発言を繰り返していたが、大統領選を前に沈黙。ブラックウォーターのエリク・プリンス会長は、タイム誌のインタビューで、戦場で任務に当たる契約企業に対しても責任を有する筈の最高司令官としての大統領が、裁判に際しはっきりした姿勢を示さなかったことは遺憾であると語っている。
 この様な状況下、議会予算局(CBO)は、「今年初めイラクに駐在していた民間企業従業員は2万5,000人から3万人で、2008年現在までに民間セキュリティー会社に60から100億ドルが支払われている。
 この割合で考えると、契約会社に支払われた金額は総額で1,000億ドル(イラク作戦全体の20%に当たる)になるだろう」との報告書を提出した。同報告書はまた、契約会社従業員、特に武装兵の法的立場は米法のグレーゾーンであるとしている。
 同調査は民主党のコンラッド上院議員の要求により行われたもので、同議員は、「ブッシュ政権の民間軍事請負会社への依存は、危険な前例を作った。民間企業の使用は、責任の所在や監視の目を曇らせ、不正、権力乱用の温床となるばかりでなく、国民の血税の無駄遣いに通じる」と批判している。ブラックウォーター裁判について報告する。(原文へ
翻訳/サマリー=山口ひろみ(Diplomatt)/(IPS Japan 武原真一)


◆ 「傭兵会社」ブラックウォーター:日本でも警備業務 2007年10月 9日WIRED NEWS


 米Blackwater社に雇われたガンマンが歩き回っているのはバグダッドやニューオリンズの街中ばかりではない。
 Blackwater社のスタッフは実は日本にも入っていて、この国にある、議論の多い弾道ミサイル防衛システムを警備している。

 『Stars and Stripes』紙によると、日本海に面した人口5500人の小さな村落、つがる市車力地区(旧車力村)で、約100人が米国政府との契約のもとに『AN/TPY-2』レーダーを扱う任務に就いているという。
 このレーダーは、「強力な電波を西方のアジア大陸に向けており、米国やその同盟各国に向かう敵ミサイルを探知している」と同紙は報じている。
 ここで働く約100人のチームは、「米Raytheon社と米Chenega Blackwater Solutions社の所属で、それぞれ、ミサイルレーダーの運営と基地の警備を担当している」。そしてこのチームを、米国兵士2名が監督しているという。
 どのような人がこのような警備業務についているのだろうか。
 Blackwater社の職務内容説明書によると、応募は21歳以上で、高校を卒業(または、高卒資格のGEDに合格)していて、「文民警察、軍警察、または民間の警備会社」で経験があるものに限られている。
 また「分数、百分率、比率、比例の概念を実際の場で利用する能力」が必須とされている。
 以下に、Blackwater社の職務内容説明書から引用する。

 【この職務の遂行にあたり、被雇用者は、恒常的に警備の任に立ち、歩き、指先まで神経を使って、対象物、道具、制御装置等を扱い、感覚を確認すること、手や腕を伸ばすこと、報告をして指示を聞くことが求められる。
被雇用者はときおり、長時間机やテーブルで座り続ける場合がある。長時間立ち続けることがある。ときおり、航空機や車両や大量輸送機関など、指定された移動手段で移動することにも対応できなければならない。】

[日本語版:ガリレオ-緒方 亮/合原弘子]

“現代の傭兵”は4万8千人駐在。米正規軍増派も焼け石に水で、民間軍事会社が槍玉に。


 内戦状態のイラクから撤退すべしという内外世論に耳を貸さず、逆に米兵増派でテロを押さえ込もうとしたブッシュ政権「最後の賭け」は、どうやら失敗の烙印を押されそうだ。
 5月29日、それを象徴する二つのニュースが飛びこんできた。イラク財務省に白昼堂々警察官の制服を着た武装グループが侵入、西側の財務専門家1人と民間軍事会社(PMC、Private Military Company)の警護員4人を拉致したのがその一つ。同じ日に「米兵の5月の死者数が114人に達し、04年11月以来で最悪の記録となった」とロイター通信が報じた。爆弾テロや狙撃、誘拐は増えるばかりで米軍とPMCの手に負えなくなってきた証拠である。国防総省や中央軍は増派失敗の結論を見越して「プランB」の策定を始めたという。
 イラク戦争を「選択の戦争」と呼んだのは、第1期ブッシュ政権で国務省政策企画室の室長をつとめたリチャード・ハースだった。
 自衛や国益を守るために選択の余地なく行う「必要の戦争」に対して、どうしても「必要」なわけではなく、他の政策オプションがあったにもかかわらず、戦争という手段を敢えて「選択」した、という意味である。
 敢えて「選択」したオプションであるため、なるべく低コストに抑えたい。高いコストや犠牲を伴うのであれば、なぜわざわざそんな政策を「選択」するのか、と議会や有権者に問い返されてしまうからだ。
 ラムズフェルド国防長官(当時)がイラクに派遣する兵隊の数を極限まで切り詰め、戦争を低コストに抑えようとした背景には、このイラク戦争が「選択の戦争」だったという事情がある。
 そこで小規模の正規軍だけ派遣して、不足分は民間企業を雇って補う、すなわち正規軍には戦争の中核業務である「戦闘行為」だけを担わせ、残りは民間に「外注する」のが、「選択の戦争」の新しい戦い方になった。

1社で一国並みの要員派遣
 かくて正規軍の兵站支援、要人の警護、政府施設の警備、武器・弾薬や食料の輸送警護、警察や軍隊の訓練、地雷や不発弾の処理、テロリストの尋問……など、これまで軍隊や警察が担っていた業務をビジネスとして行うPMCのブームが到来したのである。
ことし年頭の段階で、イラクで復興支援関連の業務に携わる民間企業の契約者の数は総勢12万6千人程度と見積もられている。うち4万8千人程度がPMCの従業員であり、武装して警備や警護の業務に就いているという。
 米国のブラックウォーター社はイラクで800人、トリプル・キャノピー社が1千人、ダイン・コープ・インターナショナル社も1千人、英国のオリーブ・セキュリティ社が700人、グローバル・リスク・インターナショナル社が1200人、アーマー・グループ社が1600人など、PMCは1社で一国家の軍隊が派遣しているのと同規模の人員をイラクに「出張」させたり現地で雇用したりしている。
 首都バグダッドで増派計画を実行している米駐留軍司令官デビッド・ペトレイアス大将は、「兵力が逼迫して不十分なレベルの人員しか用意することのできない正規軍の穴埋めを、こうした民間企業によってすることができる」と米上院の証言でPMCの重要性について述べていた。
 それもそのはず。本来なら米軍が受ける被害の一部をこうしたPMCが吸収しているからだ。年初の3カ月だけでPMC社員の死者は146人に上っているが、同時期の米兵の死者数は244人だった。また03年3月の戦争開始から通算すると、米労働省が把握しているだけでPMC社員の犠牲者数は917人に上っている。
 正規軍とほぼ同レベルの危険を分かち合うPMCは、もはや「選択の戦争」の不可欠なパートナーとなっているのである。
 ところが、イラク泥沼化に対する米国民の不満が高まり、ブッシュ政権への批判が強まる中で、この戦争を支える「外注システム」にも批判の目が向けられている。


創業者はキリスト教右派
 きっかけは若きフリージャーナリストのジェレミー・スカーヒルが書いた『ブラックウォーター 世界最強傭兵軍の台頭』(Jeremy Scahill
‘Blackwater : The Rise of the World's Most Powerful Mer-cenary Army’ Nation Books)という単行本だ。今年初めに刊行されてから売り上げが急伸、4月にはニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストに躍り出た。
 同書のタイトルが示唆しているように、スカーヒルはこの本の中で、9・11以前は取るに足りない零細企業だったブラックウォーターが対テロ戦争で急成長していく様子を描きだしている。国務省と史上最大の契約を結び、ポール・ブレマー文民行政官や駐イラク大使(ザルメイ・ハリルザード、ジョン・ネグロポンテの2代)のボディーガードを提供し、イラク軍や警察の訓練を請け負い、イラク復興事業に従事する民間企業の警備を担って、業界最大手企業にのし上がっていくのだ。
 同社を「傭兵軍」と表現していることから明らかなように、誰からの監督も法的な規制も受けずに我が物顔に振る舞う現代の傭兵たちを批判的に扱っている。そして、このような傭兵企業がイラク復興関連の大型契約を受注した背景に、同社の創業者 であるエリック・プリンスが共和党の大口献金者の一人であり、ブッシュ政権を支えるキリスト教右派勢力と緊密な関係にあること、などに焦点を当てている。
 イラク復興事業における不正をめぐっては、チェイニー副大統領が最高経営責任者(CEO)をつとめたハリバートン社がすでにマスコミなどの批判の洗礼を浴びているが、このブラックウォーター本も、ブッシュ政権のイラク政策を批判する格好の材料となっている。
 4月15日のワシントン・ポスト紙は、1面トップでトリプル・キャノピー社の武装警備員が、イラク人のタクシーを「娯楽のために」狙撃していたというショッキングなスクープ記事を掲載した。同紙によれば、米兵はイラクで犯した不正行為でこれまで64人が軍法会議で裁かれたが、PMCの警備員は一人も法の裁きを受けたためしがないという。
 すでに民主党は議会調査機関GAOに対して、PMCの活動実態についてより詳細な調査をするよう要請しており、彼らの活動を監督し、責任の所在を明確にするシステムづくりが必要だとの声も強まっている。
 イラクの治安悪化はもはや、米正規軍とPMCの複合体(コンプレックス)で対応できる範囲を超えてしまった。戦争の「外注化」に対する批判が高まる中、ブッシュ政権はイラク政策の根本的な見直しを迫られている。(敬称略)


急成長する傭兵派遣会社『ブラックウォーター』2004 年 10 月 15 日

・以下の記事によると,イラクに傭兵を派遣している『警備保障会社』の中でも最も名前の知られている,アメリカのブラックウォーター社の業績が急成長しているという。

 ブラックウォーター社の社長ゲーリー・ジャクソンによると,過去18ヶ月間で600%以上の成長を達成したとのこと,同社長によると,アメリカにあるブラックウォーター社本部の労働者の数を倍の400人にする計画があるという。
 
 ブラックウォーター社は現在,バグダッドとヨルダンにそれぞれ事務所を構えており,アメリカ政府との間に2100万ドルの契約を結んでいる。 
 同社のイラクにおける業務内容はアメリカ軍のための食料輸送と,アメリカの駐イラク大使であるジョン・ネグロポンテの身辺警護を受け持っている。
 
 記事には,ブラックウォーター社の簡単な経歴も紹介されており,7年前に27人の『契約労働者』からスタートしたものが,現在では世界各地に支社を持ち,実に数千人の契約労働者(傭兵)を抱えるまでになったとしている。
 ジャクソン社長は将来の目標として,傭兵ビジネスを10億ドル規模の産業に育てたいという。
 
 なお,ブラックウォーター社は,イラクで少なくとも8名の『労働者』を失っている。

米民間軍事会社ブラックウオーターの実態を徹底解剖 AFP 

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2009.01.22

●回復困難なアメリカ経済(田中宇)

田中宇の国際ニュース解説 2009年1月20日 http://tanakanews.com/
以下、メルマガより転載


田中宇の新刊本「国際情勢 メディアが出さないほんとうの話」(PHP研究所)
1月16日発売しました。書評の書き込みもお願いいたします。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4569704956?ie=UTF8&tag=sakai5-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4569704956

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★回復困難なアメリカ経済
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 いよいよ、待ちに待ったオバマ政権の就任だ。米国民、そして日本を含む世界の多くの人々が、オバマが大統領なれば、米国はブッシュ前政権時代の失敗した状態から立ち直り、再び超大国にふさわしい経済力や信頼性を取り戻すだろうと期待している。

 しかしここ数日、米英発のメディアの記事をネットで読んでいる私は、そんな期待に冷や水を浴びせかける指摘にいくつも出くわした。私は「オバマは米国の覇権衰退を見届ける(軟着陸させる)政権になるだろう」という昨年来の自分の予測を、改めて思わざるを得なかった。

 たとえば、米経済学者で国連で世界経済改革を担当しているジョセフ・スティグリッツは、オバマが予定している8千億ドル規模の景気刺激策について、1月15日のFT紙に「景気対策の総額の4割近くは減税政策だが、米国民の受給年金が減り、失業やローン破綻が増えているときに減税しても、それによって増えた手取り所得は消費に回りにくい(貯金や借金返済に回るだけ)」などと、政策効果を疑問視する論文を載せた。消費が増えないと景気対策にならない。

 スティグリッツは、人気者のオバマを批判せず、すべてをブッシュ政権のせいにして逃げを打ちつつ、次のように書いている。景気対策としての減税は昨年2月にも行われたが、減税総額のうちの半分以下しか、消費に回らなかった。
最貧層に対する減税だけは効果があるが、それはまだ政策に入っていない。法人税も減税対象だが、赤字企業は納税しないので減税効果がない。過去5年間に払った法人税の総額を減税対象にすることが検討されているが、赤字補填の資金は新規投資に回りにくく、景気対策にならない。銀行界は救済策としての減税を望んでいるが、減税は公金投入よりも透明性がなく、どこがどれだけ救済されたか見えにくい。

Joseph Stiglitz;  Conversations on the credit crunch
http://www.ft.com/cms/s/0/a78e69a4-e30d-11dd-a5cf-0000779fd2ac,dwp_uuid=3fc493e4-e3f2-11dd-8274-0000779fd2ac.html

▼国債返済不能で国力衰退

 スティグリッツは、景気浮揚効果の薄い減税は財政赤字を増やし、すでにGDPの8%を超えている財政赤字がさらに急増してしまうとも警告している。
財政赤字の急増を放置すると、どうなるか。それは、最近読んだ別の論文に書いてあった。

「大国の興亡」など覇権の歴史分析で知られる米政治学者ポール・ケネディは1月14日のウォールストリート・ジャーナル紙に「財政赤字の急増が続くと、今後何年かの間に、米政府は国債発行による借金を返せなくなり、国力衰退につながる」「米国衰退の主因は、異常に巨額な財政赤字と経常赤字(双子の赤字)だ。国家経済規模と比べた場合の米国の赤字率は、すでに破綻しているアイスランドや発展途上国と同じだ」という主旨の論文「米国の力は衰退中」を載せた。彼は以前から米国の衰退を予測し、右派から「衰退主義者」(declinist)と揶揄されてきた。今回の論文の結論部分でも、それを自虐的に自称している。

Paul Kennedy: American Power Is on the Wane
http://online.wsj.com/article/SB123189377673479433.html

 ケネディによると、米政界は景気回復を優先するあまり、財政赤字の急増を放置し、オバマにも追加支出せよと圧力がかかっており、非効率で間違った財政の大盤振る舞いに陥りそうだ。財政出動策の効率について、米国内の誰も把握していないのも危険だ。今の米国の財政赤字増はあまりに急速で、40年間の大国興亡史の研究を経た彼の目から見ても、前代未聞の速さだという。今年の前半ぐらいは、株式投資から逃避する資金が国債に乗り換えるので、米国債はよく売れるだろうが、鋭い分析者はすでに、今後発行する米国債(オバマ・ボンド)は売れゆきが悪いと予測している。米国債を中国に買ってもらわねばならない事態そのものが、米国の衰退を象徴している、と彼は書いている。

 米国経済の儲け頭だった金融界は、もう以前の姿には戻れないという指摘も、1月16日に最大手のシティグループが分割を決めた直後のニューヨークタイムスに「金融界の姿は変わる」という記事として出た。

The End of Banking as We Know It
http://www.nytimes.com/2009/01/18/business/18gret.html

 記事によると、シティの分割によって、あらゆる金融事業を手がける総合メガバンクや、儲かる金融ビジネスのモデルは崩壊し、米金融界は「国有化」と呼ばざるを得ない新事態に入っている。銀行は、本来あるべきつまらない姿に戻りつつある。金融界の事業の成長率はGDP成長率と同水準まで下がるが、経営者だけを富ませる預金者無視のビジネスモデルが壊れたのは良いことだと、記事は書いている。これと似た指摘は、以前の私の記事に書いたように、すでに昨年6月、英国の銀行協会の会長が予告しており、事態はその通りになってきた。

米英金融革命の終わり
http://www.tanakanews.com/080708bank.htm

▼幽霊銀行が歩き回るウォール街

 米国では、不動産価格の下落が住宅分野から商業施設分野へと拡大し、ビルを担保に融資してきた金融界の貸し倒れが増え、昨年9月のリーマンブラザース破綻による危機が11月ぐらいに一段落していた金融界は、オバマ就任を前に危機が再燃している。米銀行の破綻は、投資銀行から大手商業銀行へと拡大しそうだ。

Empty offices are on the rise
http://www.heraldtribune.com/article/20090106/ARTICLE/901060363/2107/BUSINESS

 米経済学者のポール・クルーグマンは、1月18日のニューヨークタイムスのコラムで、米国には不良債権を償却(時価評価)したら債務超過(経営破綻)に陥る大銀行がいくつもあると示唆し、大銀行が破綻すると昨秋のリーマン倒産後のような大惨事になるので、米政府は銀行救済を続け、実質的にはすでに死んでいる「幽霊銀行」(zombie bank)を生かしていると「ウォール街の幽霊信仰」(Wall Street Voodoo)と題する記事で書いている。また、銀行救済策は、銀行の株式を公的機関が買い取って国有化してから行うのがよいが、米政界にはまだ「自由市場原理」に縛られて国有化を忌み嫌う勢力が強く、国有化を避けて救済をしているので、救済金(公金)が銀行の株主や経営者に無償贈与されていると批判している。

Wall Street Voodoo   By PAUL KRUGMAN
http://www.nytimes.com/2009/01/19/opinion/19krugman.html

 昨年10月以来の米財務省による7000億ドル規模の金融救済策(TARP)は透明性が低く、腐敗臭がある。たとえば救済策を行うに当たっての財務省から外部への業務発注額は、1月に入って5倍近くになった(12月末560万ドル、1月末見込み2660万ドル)。増分の多くは、外部の金融専門家に対する委託費だ。金融界出身のポールソン財務長官が、任期末に、同業の知人たちに異様に高い外注費を大盤振る舞いしている感じだ。

Costs to Run TARP Expected to Jump
http://online.wsj.com/article/SB123129323246159703.html

 この金融救済策は、そもそも名前からして怪しい。TARP(タープ)を小文字の英単語として読むと、工事現場で覆いに使われたり、テント設営時の雨よけに使ったりする防水シート(tarp、tarpaulin)のことだ。腐敗した金融界をシートで覆った上で救済するという隠れた意味があるのではないかと、冗談半分に思ったりする。
http://stormprepare.com/Tarp.htm


▼欧州の経済難で崩壊しそうな欧米軍アフガン占領

 金融危機が拡大しそうなのは、米国だけではない。ドイツのシュピーゲル誌は「独銀行界は3000億ユーロ分の資産を不良債権として処理したが、これは不良債権全体の4分の1にすぎないことが、独連銀の報告書でわかった」という記事を最近出した。

German banks face billions more in losses
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5gCQdaN-fw7wHyH3ZoHhU9U90SoCQ

 ドイツが金融危機や経済難に見舞われている一方で、経済成長率が比較的高い中国は、ドイツを抜いて世界第3位の経済規模となった。中国は、いずれ日本をも抜き、米国に次ぐ第2位に上がると予測されている。ここでも金融危機は、国力の逆転と覇権構造の転換につながっている。

China becomes third largest economy
http://www.ft.com/cms/s/0/8d9337be-e245-11dd-b1dd-0000779fd2ac.html

 ドイツなど欧州諸国は、米軍と一緒にNATO軍としてアフガニスタンの軍事占領に派兵しているが、金融危機と経済難に見舞われる欧州各国政府は、アフガン派兵の戦費を負担できなくなり、早期に突然撤退する可能性があると、NATO司令官が1月10日に表明した。これも、経済と軍事・覇権構造がつながっている例である。

NATO fears EU Afghan pullback
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2009/01/11/2003433441

 欧州ではドイツも大変だが、それよりずっと大変なのは英国である。英国は80年代のサッチャー政権以来、米国と同じ金融システムを全面的に採用し、金融界の大きな利益が英国経済の根幹で、金融に頼る度合いは米国以上だった。
ドイツは、米英から「欧州大陸型の金融システムは利幅が少ない。儲かる英米型を導入せよ」と圧力をかけられても、慎重に英米型を導入していた。

 英国は、07年夏までの金融の儲けも大きかった代わりに、その後の金融危機による経済全体への打撃も巨大だ。英政府はうまく情報を隠し、金融危機の全容を見せずにいるが、いずれ全崩壊を隠しきれなくなるだろう。英国のシンクタンクによると、英経済は今年2・7%のマイナス成長という、1931年以来の大不況が予測され、経済は「自由落下状態」だという。

UK is in freefall, warns think-tank
http://www.guardian.co.uk/business/2009/jan/18/recession-budget

 これを書いている間にも、バブル的な資産を増やしすぎた英国のロイヤル・スコットランド銀行(RBS)が、英企業として過去最大の損失を発表し、同行の株価が急落、英政府が公的資金の追加注入(政府の株式持ち分を58%から70%に増やす)を検討せざるを得なくなっている。英政府は、金融危機と経済難で税収が先細る中で、金融システム崩壊防止のための公金注入増を余儀なくされ、財政破綻に向かっている。

RBS Plummets Amid Concern Bank May Be Nationalized
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=ai_7IXmNg2Xc

 オバマは、英国の困難な状況に拍車をかけている。ブッシュ政権までの米国は、英国との関係について、ほとんど唯一の「特別な関係」を明言してきた。
だが、オバマはこれを解消して「米国にとって特別な関係の国はいくつもあり、英国はその中の一つにすぎない」という方針に転換すると表明した。英国外務省は、この転換が脅威であると認めている。

Obama Plans to Make US/UK Relationship Less Special Than Before
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/northamerica/usa/barackobama/4279288/Barack-Obama-plans-to-make-US-relationship-with-Britain-less-special-than-before.html

 このオバマの転換は、非常に深い意味を包含している。米国が第二次大戦以来の「米英中心主義」を捨てることを意味しうるからである。私が以前から予測してきた「米国が、米英中心主義から多極主義に転換する」ということが、オバマの就任とともに片鱗を見せ始めた観がある。これについては、次回に分析する。


この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/090120economy.htm

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2009.01.12

●大槻教授【オバマに幻想は禁物】の記事内容って

【オバマに幻想は禁物】(大槻義彦のページ)

下記引用

ところがここに我らがオバマ次期大統領の登場です。現在、ハワイで静養中のこの人、こうコメントしているのです。
「我が家にロケット弾が打ち込まれ、娘が怪我をしたら、そのままにはできない。」
と、イスラエルのガザ爆撃を支持したのです。

信じられないコメントですね。
これが4日間で400人も殺す報復の正当化なのですから、呆れるやら驚くやら。

この大槻教授の書き方だと、ハワイ静養中のオバマ氏がガザ爆撃に対して「我が家にロケット弾が打ち込まれ、娘が怪我をしたら、そのままにはできない。」とイスラエル支持の発言をした、と読めてしまうのですが。

「我が家にロケット弾が打ち込まれ、娘が怪我をしたら、そのままにはできない。」
このオバマ氏の発言は、08年7月に選挙キャンペーンでイスラエルを訪れた時、ガザに近いスデロットの町でのコメントです。

イスラエル国防相エフド・バラクは、08年12月29日、ガザ攻撃を開始したことの自己正当化に、08年7月のイスラエル訪問時のオバマの発言「もしも娘たち二人が寝ている間にロケット弾が自宅めがけて発射されるようなら、それを防ぐためできることは何でもするとオバマは言った」と引用したのです。

参考
オバマ、ガザに関する沈黙を非難される(マスコミに載らない海外記事)

イスラエル国防相が攻撃を正当化、オバマ氏のコメントも引き合いに(AFP)

ちなみに、この時、オバマ氏はイスラエルと同時にパレスチナ自治区も訪れアッバス自治政府議長とも会談しています。

参考
オバマ氏、イスラエル大統領・パレスチナ自治政府議長と会談(08年7月24日 読売新聞)



オバマ氏のライバルだったマケイン氏はイスラエルは訪れてもパレスチナ自治区は訪れていません。

さて、大槻教授は前述の引用に続いて、下記のようにコメントしています。

理由なくしてパレスチナがイスラエルにロケットを打ったのではないのです。個人の家を理由なくして攻撃し、その家の娘に怪我をさせた、という類の個人例に政治・文化の対立を同列化してしまって、イスラエルの戦争を支持しているオバマ次期大統領。暗澹たる思いです。

故意にか、もしくは迂闊にか、オバマ氏の発言をガザ爆撃開始後にそれを肯定した発言と思い、イスラエルの戦争を支持しているオバマ次期大統領に暗澹たる思いを抱いて【オバマに幻想は禁物】とした大槻教授。

テレビで拝見するにいつも論理的、科学的に論証する教授にしてはオバマ氏の発言の引用の仕方が杜撰だなと感じてしまったのですが、ただ、【オバマに幻想は禁物】という教授の主旨には、実は私も90%は同感せざるを得ないような、同様の不安を感じているのです。

というのも、オバマ氏は2008年6月4日、親イスラエル・ロビー団体(AIPAC:アメリカ・イスラエル広報委員会)の年次総会でかなりイスラエル寄りの演説をしています。

参考
バラク・オバマ民主党大統領候補のAIPAC演説

イスラエル・ロビーの金と票は過去から現在まで、アメリカの選挙に大きな影響を与えています。

07年、ジミー・カーター元大統領は「なぜ、どの上下両院議員もイスラエルとパレスチナとの間で中立な立場をとり、交渉によって和平を達成させようと言わない雰囲気になっているのか」と発言した。

 AIPACの会計責任者を務めたモリス・アミタイは、カーター元大統領の疑問に答える形で次のように述べた。

 「イスラエルの保守政権に対して反対の政策を支持する立場をとると解釈されることは、再選を目指す議員にとって政治的に自殺することなのです」
          (『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』土井敏邦より)

AIPACでのオバマ氏の演説がイスラエル・ロビーに対しての建前であるのか本音であるのか、それは大統領就任後の彼を見てみないとわかりません。

当ブログの記事「なぜアメリカは戦争を続けるのか(抜粋)」の中でリチャード・パール国防総省顧問は 「世界は変わりました。もう前の状態には戻れません。アメリカの政策は一握りの人間に牛耳られているが、その連中が政権から去ればすぐに元通りになるだろうという意見をよく耳にします。しかし、それは間違いです。なぜなら、人間は変わるからです。」 と述べている。

だとしたら、建前がいつの間にか本音に Change ってこともありうる。

オバマ氏の選挙キャンペーン中のイスラエル寄りの発言がどうかイスラエル・ロビーに向けての建前であって欲しい。

オバマ氏にはパレスチナとイスラエルの間にあって、中立であって欲しい。

オバマ氏の「変化」が中東問題においては、幻想ではなかったと確信させて欲しい。

これ以上、子供たちの血が彼の地に流れませんように……。

と諸々祈る思いです。

参考:イスラエル・ロビー関連

米新大統領の中東政策の行方は?(2)(土井敏邦Webコラム)
(『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』の要約から[1])

米新大統領の中東政策の行方は?(3)(土井敏邦Webコラム)
(『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』の要約から[2])

米新大統領の中東政策の行方は?(4)(土井敏邦Webコラム)
(『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』の要約から[3])

パレスチナ/オバマとイスラエル(ピープルズニュース)

イスラエルに歯向かえる米国大統領はいない(バルセロナより愛をこめて)
   P.C.ロバーツ:Counter Punch誌



参考:ガザ侵攻関連

イスラエルの嘘プロパガンダ・マシン全開(益岡賢のページ)
   
スチュアート・リトルウッド

イスラエルのガザ攻撃をめぐる嘘トップ・ファイブ(益岡賢のページ)
   ジェレミー・R・ハモンド

アラブの人たちはどうして私たちをこんなにも憎むのか?
   ──私たちはその答えを知っているはずだ(パレスチナ情報センター) 
   ロバート・フィスク:インディペンデント紙

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2009.01.10

●なぜアメリカは戦争を続けるのか(抜粋)

1月8日にUPした2005年サンダンス映画祭グランプリ作品(アメリカ・ドキュメンタリー部門)『なぜアメリカは戦争を続けるのか』

映画の邦訳字幕ではタイトルは『なぜアメリカは戦うのか WHY WE FIGHT』となっています。

約100分のドキュメントの中で、特に気になった発言について抜き出してみました。

※注1 アイゼンハワー大統領・離任演説の映像は数ヶ所にわたって断片的に
           引用されており、下記はドキュメント内で使用された映像(演説)のみを
     一つの項目内にまとめたものです。

     アイゼンハワー大統領・離任演説全文は下記サイトなどで読むことが
           出来ます。
         アイゼンハワーの国民への離任演説,1961年1月17日
        アイゼンハワーの離任(退任)演説

※注2 アイゼンハワー大統領・離任演説から下は、ドキュメントの流れに沿った
           順番で発言をピックアップしています。

◆1961年1月17日 アイゼンハワー大統領 離任演説

「今夜、離任の挨拶を申し上げると共に大統領として、最後の意見を述べたいと思います。」

「20世紀に入って60年の間に大きな戦争が4つ起きました。我が国はそのうち3つに関わり、恒常的かつ大規模な軍需産業を作り出してきました。」

「現在、国防に携わる人の数は350万にのぼります。」

「その経済的、政治的、さらには精神的な影響はあらゆる都市や政府官庁で感じることが出来ます。」

「巨大な軍部と軍需産業との結合は、アメリカが初めて経験するものです。」

「軍備の発達は必要不可欠であると同時に、大きな危険をはらんでいることを忘れてはなりません。」

軍産複合体が、政府機関の中で不当な影響力を持たないよう、警戒する必要があります。権力が災いをもたらす可能性はこの先も存在し続けるのです。」

「自由と民主主義を危険にさらしてはなりません。」

「何事に対しても警戒を怠らない分別ある市民のみが、巨大な産業と軍部の複合体に平和的な手段と目的を持たせ、安全と自由を手に入れるのです。」


◆チャールズ・ルイス 公共サービス調査機関(非営利組織)

ここ5、60年の間に行われた軍事行動で国民を騙していなかったものなど一つもありません。

ベトナム戦争はその際たるものでした。
大統領と国防総省の幹部たちはトンキン湾事件を捏造して、国を戦争に突入させ、犠牲者や戦況についても嘘をつき続けました。
この戦争を詳しく調べれば、国民とメディアが巧みに操られていたことが分かります。

自分の国が好戦的だとは思いたくないかもしれませんが、実際にアメリカは軍事大国であり、軍国主義国家です。それが本当の姿なのです。

大統領や軍産複合体は問題が起きれば必要に応じてよその国を爆撃したり、地上軍を送りこんだりするべきだと決断してきました。こうしたことが何十年もの間繰り返されてきたのです。

アメリカは世界中で政府の転覆やクーデターに手を貸し、諜報機関を利用してひどい行為を繰り返してきました。

人権抑圧を行う国に資金を与え、虐待の方法を教えたこともあります。

そうした国が今では敵になっています。
すべては冷戦や経済的利益の名のもとに行われてきました。これは経済的植民地主義です。しかし、単純に国を乗っ取るような真似はしないので、植民地という言葉を使う人はいません。

最初のうちはアメリカ製品の販売や資源の採掘といった本来の目的は表に出さず、自由市場や自由貿易の話を持ちかけるんです。本当に重要なのはアメリカ企業の儲けだけなんですが。


◆グウェイン・ダイアー 軍事史家
 
アイゼンハワーは軍産複合体職業軍人軍需産業、それに議会の三つの要素から成り立っているといいましたが、現在はこれに第四の要素・シンクタンクが加わっています。


◆カレン・クウィアトコフスキ 元国防省付中佐
 
アイゼンハワーは軍産複合体に目を光らせていなければ、不当な勢力が国の政策をつ作るようになるといいましたが、恐らく今のような状態を予測していたのでしょう。

◆リチャード・パール 国防総省顧問

世界は変わりました。もう前の状態には戻れません。

アメリカの政策は一握りの人間に牛耳られているが、その連中が政権から去ればすぐに元通りになるだろうという意見をよく耳にします。

しかし、それは間違いです。なぜなら、人間は変わるからです。

◆チャールズ・ルイス 公共サービス調査機関(非営利組織)

アメリカの歴史とは、資本主義と民主主義の絶え間ない戦いでありそれは今なお進行中です。
民主主義が優勢で強い勢力を振るっていた時代も確かにありました。
しかし、実際のところ政府が下す決断のほとんどは企業の利益によって左右されています。
明らかに軍配は資本主義に上がっているのです。


◆チャルマーズ・ジョンソン CIA顧問(1967~1973)

今日のアメリカ人には自由を求めるのなら警戒を怠るなと言いたい。

1961年 アイゼンハワーが軍産複合体の危険を警告したにもかかわらず私たちは警戒を怠ったのです。


◆カレン・クウィアトコフスキ 元国防省付 中佐

20年間軍隊にいて、権力を尊重しチームプレイに徹するよう教え込まれました。
でも、イラクで戦争が始まったとき、軍人としての私の価値観は大きく変わってしまったんです。軍を退くしかありませんでした。

アメリカが戦うのは、立ち上がって「止めよう」と呼びかける人がいないからでしょう。


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アメリカの軍産複合体に関心のある人から見たら、イスラエルのガザ侵攻がアメリカの軍産複合体のお墨付きの元に行われたということは、容易に想像できるのではないだろうか。

参考:軍産複合体に関して

◆当ブログ
  ●やはり狂っている (2004/05/21)

   後半の“戦争をすればするほど儲かる人がいるんだよね。”以下の記事。

宇佐美保の世界へようこそ

  ブッシュ元大統領と国防関連企業(2003/10/5)

  キーワードは軍産複合体(2005/8/6)

  「軍事ケインズ主義」と「道路ケインズ主義」(1)(2008/8/11)

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2009.01.08

●なぜアメリカは戦争を続けるのか

2005年サンダンス映画祭グランプリ作品
(アメリカ・ドキュメンタリー部門)

なぜアメリカは戦争を続けるのか


なぜアメリカは戦争を続けるのか 1/12



なぜアメリカは戦争を続けるのか 2/12   


なぜアメリカは戦争を続けるのか 3/12 


なぜアメリカは戦争を続けるのか 4/12   


なぜアメリカは戦争を続けるのか 5/12

なぜアメリカは戦争を続けるのか 6/12


なぜアメリカは戦争を続けるのか 7/12 


なぜアメリカは戦争を続けるのか 8/12 


なぜアメリカは戦争を続けるのか 9/12   


なぜアメリカは戦争を続けるのか 10/12


なぜアメリカは戦争を続けるのか 11/12


なぜアメリカは戦争を続けるのか 12/12

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2009.01.07

●人は金のためなら悪魔になれる?

911 ミステリー1  911事件の謎

911 ミステリー2  911事件の謎

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